松山・野尻法律事務所

借金で苦しむ生活を繰り返さないように、生活の改善にも伴走します

債務整理は、単純に借金を整理して身軽になるための制度ではありません。法的な枠組みを利用して借金の整理をして、なぜ借金で苦しむようになってしまったのかを振り返り、二度とそのような状況を繰り返さないようにする。人生をやり直すための制度だと考えています。

そのため、ご相談に来られた方に対してはできるだけ丁寧にご状況をお伺いし、原因となっている生活習慣や消費の傾向などについても改善できるように、伴走する気持ちで接しています。

債務整理に関するご相談で当事務所に来られる方の経緯は様々です。浪費癖を心配した友人や周りの方から「ちゃんと相談しておいで」と背中を押されてやってくるご相談者もいます。不本意ながら、誰かの債務を肩代わりしてしまい、生真面目さから助けを求められずに債務が膨れ上がってしまったような方もいます。

それぞれにご事情があって、ご自身の状況をオープンにするのを躊躇するかもしれません。ですが、借金で苦しむことのない普通の生活に戻るためには借金が増えた原因を把握して、対応する必要があります。

丁寧にお話を伺い、どのような解決ができるか一緒に取り組みたいと思いますので、どうか緊張なさらずにご相談してもらえればと思います。

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【対応分野】松山・野尻法律事務所

債務整理は多様な手法があります。ご相談者の状況に合わせて、最適な方法を選択します

法的な枠組みで見れば、ひと口に債務整理と言っても、裁判所を介さずに債権者と債務者間で直接、借金についての支払い方法を交渉する任意整理にはじまり、裁判所に対して再生計画案を提出し認めてもらうことで借金を減額してもらう個人再生もあれば、破産申立と免責許可をもらうことで、一定の非免責債権を除いてすべての借金を免れる自己破産もあります。

それぞれにメリットやデメリットがあるので、ご相談者の望むことを重視し、どういった手法が最適かを考えてご提示します。

特に、浪費による借金については「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担した」場合には免責が認められないと法律によって規定されています。免責許可を得て自己破産となるためには、収入に対して過大な額の浪費かどうか、浪費が是正されるのかどうかなどがポイントになります。

私は、これまで多数の債務整理に携わってきましたので、その経験をもとにご相談者の状況に応じた見通しを説明します。

解決事例|複数の免責不許可事由があったが、生活の改善に努めて自己破産ができた事例

収入に対して過大な借金がある場合、返済の目途は立たず、自己破産しか有効な手立てはないと言えます。しかし、その借金がギャンブルなどの浪費で作られたものなら、先に触れたように免責不許可事由になるため、自己破産もできなくなってしまう構図があります。したがって、しっかりと生活の立て直しが図れることを裁判所に対して訴えていき、免責許可を勝ち取る必要があります。

私が担当したある事案では、会社員で相当な収入があるものの複数のギャンブルに手を出し、キャバクラなどで浪費していたために借金が大きくなってしまったという方がいました。

借金の額は１０００万円弱と、自己破産が最も有効な選択肢でした。しかし、多様な浪費行為をしており複数の免責不許可事由があり、対応は非常に難しかったと言えます。

ご依頼者は、「借金をしないでどうやって生活をするんですか？」と言うくらいで、根本から生活スタイルを改める必要がありました。

そこで、丁寧に家計簿をつけるように指導しました。支出のひとつひとつをチェックして、浪費グセが顔を出さないようにアドバイスしました。また、ご依頼者のスマートフォンから、競馬や競艇など、ギャンブル関連のアプリやウェブサイトのブックマークをすべて削除してもらいました。サポート開始から数か月間、家計の状況が安定するまでアドバイスを続け、その内容を裁判所に対して訴えることで免責が認められました。

解決事例|心療内科に通院させ、精神的な安定をも促して免責許可となった自己破産の事例

また、別のケースでは１年間の間に６００万円もの借金をしてしまった方もいました。

聞けば、離婚をきっかけに、人肌恋しくなり風俗店にのめり込んでしまって借金が大きくなったとのこと。収入は会社員をしていらっしゃったので安定していましたが、風俗店への過大な支出は浪費行為として免責不許可事由となるため、原則として自己破産を選択することはできません。そのため、この事案ではいかに浪費行為をさせないか、そのための生活改善が鍵になりました。

性に対して奔放な気質を改めないと、生活が成り立たないためご依頼者と相談した結果、精神的に落ち着いてもらうために心療内科への通院をしてもらうこととなりました。心療内科への通院の記録を確保し、あわせて家計簿の確認を続けることで収支状況もチェック。生活が安定してきたことを踏まえて、その内容を裁判所に対して訴えて、免責許可を得ることができました。

浪費に至る背景を確認し、その背景から正すことを心がけています。

解決事例|住宅ローンの残債が残る住宅に住み続けたいという要望に、個人再生を選択した事例

住宅所持者で、住宅ローンの残債がある場合、その住宅に住み続けながら債務整理をする方法としては個人再生を行うのが一般的です。私が携わった事例でも、そうしたケースがありました。
ご依頼者は、複数の債権者がいて金額も膨らんでいたため、自己破産の選択肢もありえました。

しかし、マイホームに住み続けたいという考えをお持ちでした。自己破産では、マイホームを手放さなければならず、この手法は使えません。そこで、再生計画案を債権者に対して認めてもらうなど、手続きは煩雑になるものの、住宅ローンを個人再生の対象から除外してマイホームを手元に残せる「住宅ローン特則」が活用できる個人再生を行うことにしました。

ただ、ご依頼者には複数の債権者がおり、ある個人の債権者が借金の返済を迫ったり、再生計画案に対して難色を示したりという妨げが生じました。個人再生を申し立てると、「債権者平等の原則」といって、一部の債権者を優遇して、その債権者にだけ借金を返済するといった抜け駆け的な行為はできません。そのため、個人の債権者に対しては毅然と対応し、ご依頼者に取り立てに行かないように警告しました。また、再生計画案については、債権者の数やそれぞれの債権額を計算し、個人の債権者が反対したとしても再生計画案が認可される見込みであることが確認できたので、粛々と手続を進め、無事に個人再生手続を完了することができました。

手続きが煩雑になったとしても、ご依頼者の望むポイントがどこにあるかをしっかりと把握し、それに応える手法を選べたと考えます。

債務整理は普通の生活に戻るための制度です。恥だと思わずに、今の苦しい状況を教えてください

これまで触れたように、ご依頼者の状況に応じて債務整理の手法にはいろいろな方法が用意されています。当然、それぞれの方法についてメリットとデメリットがあります。ご依頼者の希望と照らし合わせて、懸念点がある場合は指摘して、ご納得いただいた上で解決手法を選択してもらえるように心がけています。

また、債務整理では生活の立て直しこそが大事な部分です。その過程では、ご依頼者自身に変わってもらわなければなりません。そうでなければ、また借金を重ねてしまう生活に逆戻りしてしまいます。ですから、ご依頼者のどこが変われば普通の生活に戻れるのか「そこは考え方を正そう、変えよう」という部分は丁寧にご説明します。

私は、多様な債務整理の事案に携わってきました。ご依頼者の方も多様で、いろいろな理由による生活の困窮も目にしています。どうか今のご状況や、借金の大きさに後ろめたい気持ちを持たないでください。債務整理は、生活を改めて、次のステップに進むための手続きです。そのためのご相談ですから、ご相談者を責めるようなことはありません。どうか困っていることを率直にご相談してもらえたらと思います。

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