自己破産者マップに載ってしまったら…ケース別の対処法と注意点を徹底解説

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  • 「自己破産者マップに個人情報が載ってしまったかも…」
  • 「破産者マップへの対処法や注意点とは?」

2019年に突如インターネットの世界に登場した「自己破産者マップ」。果たしてどのような内容が載っていて、そこに自分の情報が載るとどのようなことが起きるのでしょうか?こちらの記事では自己破産者マップについて、経緯と現状、とり得る対処法について詳しく解説。

自己破産者マップはどのような点が問題で、どのような危険性があるのかという点も紹介していきます。こちらの記事を読んでいる方の中には、「自己破産した自分のことがマップに載っているのではないか」と心配な方がいるかもしれません。ケース別の対処法をしっかり確認し、被害を最小限にとどめましょう。

 

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「自己破産者マップ」とは

まずは、「自己破産者マップ」はどのようなもので、経緯や現在は存在するのかについて解説していきます。

自己破産した人の情報が掲載されたサイト

「自己破産者マップ」とは、簡単にいうと自己破産した人の情報が地図上にまとめられたインターネットサイトのこと。Googleマップ上にピンが表示され、そのピンをクリックすると破産者の次のような情報が表示される仕組みです。

  • 自己破産手続きをした日にち
  • 個人の氏名
  • 会社の名前
  • 個人や会社の住所

「自己破産」や「破産」というと、マイナスイメージを持たれる方がほとんどではないでしょうか。このような大変センシティブな個人情報を、サイトにアクセスするだけで誰でも簡単に見れてしまうというのが、自己破産者マップの特徴です。

官報をもとにサイトを作成

自己破産者マップの管理者は、「官報」の情報を元にサイトを作成していることが分かっています。自己破産や個人再生といった裁判所を利用した債務整理手続きでは、この官報に個人情報が掲載されます。では官報はなぜ個人情報を掲載し、違法性はないのでしょうか。

官報とは

官報とは、1883年以降国が発行している機関誌や新聞のような媒体です。法律や政令など国家として決定された制定・改正の情報や各省庁の人事異動、叙勲や褒章に関するものや国家試験に関する情報などが掲載されます。その中に「裁判所の公告」として、裁判所で決定された事柄についての情報も掲載されます。

裁判所で決定された事柄には、個人の自己破産や個人再生の情報も含まれます。自己破産では破産手続開始決定時と免責許可決定時の2回、個人再生では再生手続き開始決定時と書面による決議に付する旨の決定時、再生計画許可決定時の3回、次のような情報が官報に載ります。

  • 申立人の住所
  • 申立人の氏名
  • 決定の引け
  • 債務整理の理由の要旨
  • 裁判所名など

官報は行政機関の休日以外毎日発行され、「官報販売所」で紙媒体として購入可能。また図書館で一定期間閲覧できる場合も。直近90日分の情報は、インターネット版官報で無料で閲覧できます。

官報で公開する理由

個人情報を新聞のようなものに掲載していいの?と思われるかもしれませんが、破産者の情報を官報に掲載することは、破産法第10で定められています。法律で決められているため、官報に掲載することを拒否したり隠すことはできません。

個人再生や自己破産とは、借金を減額したり返済義務を免除できる手続きです。借金を負っている債務者にとっては救済措置ですが、お金を貸している債権者にとっては借金の大部分を踏み倒されることになります。債権者が知らないうちに債務整理の手続きをされてしまうと、法律に基づいた弁済を受けられなくなる可能性が。

それを防ぐために、全ての債権者が債務者が個人再生や自己破産の手続きを始めたことを知り、手続きに参加できるよう官報に住所や氏名を載せているという訳です。いわば、債権者の権利を守るためでもあると考えられます。

破産者名簿との違い

官報と似たものに「破産者名簿」というものがあると聞いたことがある人はいませんか?破産者名簿から、自己破産のことがバレるのではと心配になるかもしれません。破産者名簿とは、破産者の本籍地がある市区町村が管理している名簿のことで、破産開始決定から免責確定までの数カ月間記載されます。

破産者名簿は自治体が破産者でないことを証明することを目的とした身分証明書を発行するために確認するもので、名簿自体は非公開。証明書は本人やその代理人など、ごく限られた人しか請求できません。

また自己破産の手続きが進み、免責許可決定が確定すると、破産者名簿に記載された情報は抹消されます。多くの場合、自己破産の申し立てをすると免責許可が下りるので、永遠に破産者名簿に載り続けるケースは少ないでしょう。

自己破産で載る官報について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。

「自己破産すると載る官報について解説!掲載のタイミングや確認方法、バレる可能性とは」

官報で破産のことがバレる?

「官報で自己破産したことを住所氏名付きで掲載されたら周囲の人にバレるのでは?」と心配に思われる方がいるかもしれません。しかし次の二つの理由で、官報から自己破産のことがバレる可能性は限りなく低いでしょう。

第一番目の理由は、官報は一般の人はほぼ見ないため。官報は毎日発行されるものの、定期的に官報の掲載内容を確認しているのは、次のようなごく限られた職業の人だけだからです。

  • 自治体役場などの税金担当者
  • 信用情報機関
  • 金融機関
  • 保険会社
  • 士業(弁護士・司法書士など)

上記の人は業務の一環として、自己破産や個人再生した人の情報をチェックしています。そのため業務上知り得た情報を第三者にばらすようなことはないと考えられます。

官報で破産のことがバレにくい理由の二つ目は、検索しにくいということにあります。インターネット版官報は一定期間内なら無料で誰でも閲覧できます。しかしインターネット版官報は、個人情報を画像データの一種であるPDFデータに変換して公開。画像データは文字や数字を入力しての検索にはヒットしないため、特定の名前や住所で検索をかけてもその情報にたどり着くことはありません。

このような二つの理由から、官報が理由で自己破産のことが近所や会社の人にバレる可能性は限りなく低いということが分かるのではないでしょうか。

破産者マップは2019年に初めて登場

自己破産者マップは、2018年12月頃から2019年3月までインターネット上に公開されたと思われます。2019年3月頃に一気にサイトのアクセス数が増え、批判が殺到するように。そして数日のうちにサイトは閉鎖されるという流れになりました。時系列でまとめた破産者マップの経緯は、以下の通りです。

2019年

3/13~14

自己破産者マップのはっきりした公開時期は不明なものの、この時期からマップに掲載された破産者からのSNS投稿が相次ぐ
3/15 電子掲示板により自己破産者マップの管理者が特定される

弁護士、金融機関関係者などが掲載削除の要請を行う

3/16 サイト上に削除要請フォームが掲載される

サイトにアクセスが集中(1時間当たり230万アクセス)し、サーバーダウンが続く

3/18 管理者がサイト閉鎖をSNSで公表する

大手メディアに掲載されるなど、批判が相次ぐ

弁護士による「破産者マップ被害対策弁護団」が発足され集団訴訟の動きが起こる

3/19~ 管理者が自身のSNSで謝罪し、自己破産者マップを閉鎖する

公開された期間は1週間ほどですが、一般の人はもちろんのこと、弁護士や金融機関関係者、個人情報保護委員会なども巻き込み、社会問題にまで発展しています。

サイト作成の目的

破産者マップは「破産者マップの係長」と名乗る人物によって運営。運営者が投稿したSNSの内容によると、破産者マップを作製したのは次の二つの動機からとしています。

  • 政府が持つ公的な情報を誰でも見られるようにすることで、そのデータが持つ本質的な価値に近づけ活用できるようにするため
  • 誰もがネットを通じてそのようなデータにアクセスし、活用できるようになって欲しい

運営者は、破産者を差別したり貶める意図はなく、破産者は経済的に困っている人という認識のもと「困っている人に誰もが手を差し伸べられる」ようにと破産者情報を公開したと考えられます。破産者マップが削除された今となっては運営者の真意は分かりません。いずれにしろ、他人が勝手に個人情報を掲載することは手段としては間違っていたといわざるを得ません。

ネット掲示板に破産者マップの情報が転載される

元々のサイトや魚拓・ミラーサイトは見られなくなったものの、破産者マップの住所や氏名などの情報は、2チャンネルや5チャンネルといった電子掲示板に転載され、現在もインターネット上に存在しています。これは面白半分もしくは悪意を持って投稿されたと思われます。

官報に掲載されている情報よりは簡略化していますが、個人を特定される可能性は少なくないでしょう。

その後類似サイトが次々と発生

上記の通り破産者マップは2019年3月19日に閉鎖しています。しかしその後、破産者マップの類似サイトが次々とネット上に発生しました。こちらは主な類似サイトとその詳細です。

類似サイト名 詳細
モンスターマップ 2019年9月頃から確認され、2020年8月に閉鎖

個人情報保護法違反や名誉棄損に該当せず運営するため、設定上は「フィクションのサイト」となっている

掲載対象者を「破産者」と明示していないものの、破産者マップを模倣して作成されたと考えられる

自己破産・特別清算・再生データベース いつ頃登場したかは不明だが、ドメイン登録の時期からモンスターマップより後にできたサイトだと考えられる

2020年7月の個人情報保護委員会による停止命令を受け、翌8月に閉鎖

GoogleマップではなくYAHOO!地図を利用していた

削除申請すると数万円分の仮想通貨を請求されるといった情報から、悪用目的で解説された可能性が高い

破産者情報通知サービス 1990年代頃から存在していたが、個人情報保護委員会による停止命令を受け、2022年にはサイトは停止中となっている

Googleマップ等の地図サービスを使用せず、官報の破産者情報を検索できるサービス

月額3,000円の料金を支払って、名前や住所で検索できるというもの

事前に情報を登録しておくと、官報に掲載されたタイミングでメールに通知が来るというサービスもあった

破産者マップ・後継サイトの魚拓等は存在しない

破産者マップと上記3つの後継サイトの魚拓やミラーサイト等は、現在存在していません。魚拓・ミラーサイトとは、次のようなものです。

魚拓 WebページのURLを入力し、特定の日時のWebページの状態をそのまま保存・複製できるサービスのこと

Web魚拓ともいわれる

ミラーサイト 特定のWebサイトの一部または全部をコピーし、そのままサイトとして複製したもの

サイトの内容は同じものの、元のサイトとは異なるドメイン(ホスト)名やWebサーバーとして公開

どちらも元々のWebサイトが閉鎖された後も、公開時に保存した状態での閲覧が可能となるサービスです。破産者マップの魚拓やミラーサイトが残っていると、半永久的にインターネット上にその情報が残る訳ですが、現在はいずれのサイトの魚拓やミラーサイトで表示エラーがあり、閲覧できないようになっています。

2022年に「新破産者マップ」が登場

2022年6月に「新・破産者マップ」というサイトが登場しました。そしてこのマップのURLは、2024年6月時点でも閲覧可能です。

サイトのURLをクリックすると、「このサイトについて」という文章が表示され、右上の三本線からTOPに行くと、Googleマップのような地図が表示される仕様となっています。地図上にはその地域で自己破産した人の人数が示され、ズームインしていくと詳細な地図の上に青いピンが表示されます。

そのピンをクリックすると、日付と住所、氏名が表示されるという仕組みです。破産者情報の下には「削除申請はこちら」という表示があり、それをクリックすると削除申請のページに飛びます。冒頭の「このサイトについて」には、次のような内容が掲載されています。

  • サイトの負荷対策のため、現在は年別表示になっている
  • 掲載情報は随時追加・更新されている
  • このサイトは海外で運営されており、現地の法律が適用される
  • 企保的な問い合わせは受け付けておらず、支払時に問題があった場合にのみ対応する

このようなことから、新・破産者マップは初めから金銭を得ることを目的で作られた可能性が高いです。

新破産者マップに対する動き

2022年6月に登場した新・破産者マップに対しては、次のような動きがあります。

2022年7月20日 個人情報保護委員会より、個人情報保護法に基づきデータの掲載を停止するよう勧告が出される
2022年11月 同委員会よりサイトの停止命令が出される
2023年1月11日 同委員会よりサイトに対して刑事告発

刑事告発を受けてもなお、新・破産者マップのサイトは公開され続けています。このことから、サイトの運営者は逮捕されないと確信している可能性が高いでしょう。そのため、警察が運営者の情報をすでに入手しているという段階でなければ、警察は運営者の特定や捜索から始めなければなりません。

特定するまでにかなり時間がかかりそうだとすると、新・破産者マップの情報は長期間にわたって公開され続ける可能性が高いといえます。

また情報を削除するために、少なくない人が削除費用を支払ってしまっていた場合、このような手法を取れば収益が見込めると悪意のある人間に認識される恐れが。当該新・破産者マップが閉鎖されたとしても、今後類似サイトが続発し、警察とのイタチごっこになる可能性があります。

自己破産者マップの問題点

自己破産者マップは、次のような点から問題があると考えられます。

法律に違反している

第一に、自己破産者マップはいくつもの法律に違反しています。

プライバシーの侵害

自己破産者マップはプライバシーの侵害に当たる可能性が高いでしょう。刑法上の罰則規定はないものの、民事上の責任を問うことは可能です。具体的には、民法第709条の「不法行為」を根拠とし、慰謝料(損害賠償)請求することが考えられます。

最近ではSNS等で、第三者に氏名や住所等の個人情報のほか、人に知られたくない情報を暴露されるケースがあります。このようなケースはプライバシーの侵害とみなされる可能性が高いでしょう。破産したという事実は、多くの人にとってネガティブなこと。官報には債権者に知らせるためであり、世間一般にさらすことを目的とはしていません。

しかし破産者マップは、破産手続が終了した後も長期に渡り破産者の情報を公開し続けます。そのような点から考えても、プライバシーの侵害が認められる可能性が高いでしょう。

名誉棄損

自己破産者マップは、刑法上の名誉棄損罪に当たる可能性があります。名誉棄損罪とは、不特定多数の人に知れ渡る公の場で、安らかの具体的な情報を示して、他社の社会的評価を下げる記念性があるときに問われる罪のこと。破産者マップはマップ上に、「この人は破産者です」とすぐにわかる状態で後悔されているサイトです。

実際に破産者マップに掲載されたことで仕事や家庭に影響が出たという人もいるでしょうから、名誉棄損罪が成立する可能性が十分にあります。

実際に地裁で「すでに公開されている記事等を転載しただけで絵は名誉権が侵害されたとは言えない」と判断したものの、控訴審では「新たにより広範に情報を社会に広め、控訴人の社会的評価をより低下させたものと認められる」とし、名誉権侵害があったと認めています。

参照:第7回会議資料2|公益社団法人商法法務研究会

個人情報保護法違反

個人情報保護法の観点からも、自己破産者マップは法律に違反しているといえます。官報は破産者の同意の元で掲載しています。一方の自己破産者マップは本人の同意や利用目的の同意がないままに、個人の情報を公表。個人情報の保護に関する法律の第18条では、個人情報をデータベース化し第三者に提供する場合は、原則として本人からの同意を得るか利用目的を本人に通知することを義務付けています。

また同法23条各行の除外事由を満たしておらず、同条2項に定めている個人情報保護委員会への届出も行っていません。現在も閲覧可能な新・破産者マップは、個人情報保護委員会からの勧告にも従っていない状態なので、これが認められれば6月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則が科される可能性があります。

削除申請に個人情報の提出が必要

自己破産者マップを削除する場合、削除要請に関して次のような個人情報の提出を求められるケースがあります。

  • 氏名
  • 住所
  • 電話番号
  • 生年月日
  • 破産理由
  • 破産後について

しかしこの制度を悪用し、第三者が「削除依頼を代行する」といい個人情報の提出を求められたという事例がありました。このような代行業者のほとんどは、得た情報を闇金業者や詐欺業者に売ることを目的としています。その結果として、自己破産者マップに載った人が、新たな闇金被害や詐欺被害に遭ってしまうという二次被害が発生する可能性が高いです。

闇金トラブルは警察に相談できるか知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「闇金は警察に相談できる!相談する時の注意点と民事不介入で対応してくれないときの対処法」

金銭を請求される

新・破産者マップでは、掲載情報削除のために金銭が必要だと記載されています。ちなみに金額は2種類で、支払は仮想通貨のビットコインです。

金額 6万円 12万円
削除内容 地図上のピンをクリックすると表示される、日付・氏名・住所を非常時にする 地図上のピン・内容共に削除する

過去の破産者マップと異なり、削除要請にお金がかかり、実際に支払ったとしても絶対に削除されるという保証はありません。また第三者が「削除申請するから料金を払え」と金銭を要求する詐欺事件も発生。このような点からも、破産者マップは問題があるといわざるを得ません。

嘘の情報が掲載される

新・破産者マップの被害を訴える人の中には、自己破産していないのにもかかわらず自分の家がピン止めされていて、住所や氏名が掲載されているというケースがあります。本人やごく近しい人以外は、自己破産している・していないの判断がつかず、このような嘘の情報をインターネット上に公開していること自体が悪質です。

自己破産を躊躇する人が出る

自己破産者マップの存在を知っている人の中には、自己破産を検討中の人が少なくありません。そのような人が「自己破産をするとネット上に公開されるのでは」と考え、破産手続きを躊躇するケースが増えています。また自己破産を躊躇するあまり、借金地獄から抜け出せなくなる人も。今後も自己破産者マップの影響が続く恐れがあります。

借金で人生詰んだとお悩みの方は、こちらの記事を参考にしてください。

「借金で人生詰んだと悩んでいる方へ!生活を立て直し復活するための解決方法」

自己破産者マップに掲載されたときの対処方法

では実際、自分や周りの人の情報が自己破産者マップに掲載されてしまったとき、どのような対処を取るべきな

のでしょうか。相談先も併せて紹介するので、参考にしましょう。

サイトに直接問い合わせしない

まずはサイトに個人で直接問い合わせはしないようにしましょう。サイトそのものが詐欺の可能性が高く、下手に接触を持つとウイルスに感染する恐れがあります。

また問い合わせたサイトから情報を削除できたとしても、削除までの間に情報が出回っていると、他のサイトに再び情報を掲載される可能性が。とくに新・破産者マップは、現在も運営者が不明の状態です。削除申請を行っても、情報が削除される保証はありません。安易に削除申請を出したり直接問い合わせをしないようにしましょう。

金銭は絶対に支払わない

いくら個人情報を削除したいからといって、金銭は絶対に支払わないようにしましょう。支払ったとしても削除されるかの補償がなく、かえって「カモリスト」に載ってしまう恐れが。破産者マップに限らず、個人情報を人質にして金銭を要求するサイトの言いなりにならないようにしましょう。

WEB魚拓・SNS投稿を消す

Web魚拓を取られた可能性がある場合は、Web魚拓サイトの削除依頼を行いましょう。削除依頼は主に「削除要請フォーム」や「問い合わせフォーム」からできます。削除理由を書かなければならないサイトもありますが、その理由には「プライバシーの侵害」と記入してください。

FacebookやX(旧Twitter)などSNSの削除依頼は、投稿した本人に削除依頼を出すケースが多いですが、対応してくれないときには、運営元に削除依頼を行ってください。掲載者のアカウントが停止されます。

専門家・専門機関に相談する

自己破産者マップに掲載されて困っている場合は、なるべく早めに専門家や専門機関に相談することをおすすめします。サイト名やURLを控え、どのような情報が記載されているかを元に相談してください。場合によっては専門家や専門機関から削除依頼を出すことも可能です。

弁護士に相談

自己破産者マップの被害にあった方は、法律の専門家である弁護士に相談してください。とくに2018年12月~2019年3月上旬まで公開されていた破産者マップの被害にあったという方は、破産者マップの閉鎖に向けて発足された被害対策弁護団に相談するといいでしょう。

「リーガルファウンディング」として資金活動を集め、新たな手続きに向けた準備をしています。破産者マップがきっかけで立ち上げられた弁護団なので、被害について相談しやすいのではないでしょうか。

法テラス

法テラスは、国が立ち上げた法律問題相談所。電話相談(0570-078374)や面談相談を受け付け、様々な法的トラブルや悩みに応じた相談機関を紹介したり、弁護士との面談を行っています。全国どこからでも相談でき、法テラスのホームページから最寄りの法テラスを探すことも可能です。

電話相談や面談相談は平日9時~21時・土曜9時~17時までですが、メール相談は24時間受付しています。

法テラスの審査基準や落ちたときの対処法については、こちらの記事を参考にしてください。

「法テラスの審査は落ちることもある!審査基準や落ちた時の対処法を解説」

全国の日本弁護士連合会

弁護士に相談したいけど、どの弁護士事務所に行ったらいいか分からないという方は、お近くの弁護士連合会まで検索・相談してください。弁護士情報検索」では、事務所住所やキーワードから検索が可能です。また「弁護士情報提供サービスひまわりサーチ」からでも検索できます。

またすぐに相談したい場合は「ひまわりお悩み110番(電話:0570-783-110)」に電話してください。後日弁護士と面談による相談ができます。

個人情報保護委員会

個人情報保護委員会では、個人情報の取り扱いに関する苦情や相談を受け付けています。次のようなケースで、相談が可能です。

  • 事業者に苦情を申し立てたが一向に対応してくれない
  • 事業者の対応に不満があるがどうしたらいいか分からない
  • 個人情報保護法の義務規定から自分の個人情報が適切に取り扱われていない
  • 個人情報を不適切に取り扱っている事業者がある

個人情報保護法相談ダイヤルは、電話03-6457-9849です。「個人情報を許可なくネットに掲載された」と相談すると、詳しい回答や助言を受けられます。また相手事業者に苦情として伝達するなどの対処も行ってくれるので、自己破産者マップの被害に遭った方の強い味方となってくれるでしょう。

各ネットトラブル相談窓口

上記以外にも、ネットトラブルに関する相談を受け付けている窓口があります。相談内容や被害状況に応じた相談先に問い合わせてみましょう。

相談先 連絡先 詳細
インターネット違法・有害情報センター 電子メール(info@ihaho.jp 自分の写真を許可なく掲載されたなど、名誉棄損・誹謗中傷・人権問題に関わる書き込みへの対応や削除方法など、ネットトラブルに関する対応方法を相談できる
迷惑メール相談センター 03-5974-0068 不特定多数に送られる広告宣伝目的の迷惑メールに関する相談窓口
フィッシング対策協議会 問い合わせフォーム

電子メール(info@antiphishing.jp)

フィッシングサイトやフィッシングメールへの対策、報告が可能な窓口
IPA情報処理推進機構 情報セキュリティ安心相談窓口 03-5978-7509 不正アクセス及び不正なプログラムに関する総合的な相談窓口
国民生活センター・消費生活センター 188(局番なし) ネット詐欺や架空請求、不当請求など消費生活全般に関する相談窓口
各警察本部・サイバー犯罪対策相談窓口 都道府県警察相談窓口

#9110

インターネットトラブルに関する対応策や過去の事例、相談を受け付けている

ネット掲示板やSNSに情報が掲載されたときの対処方法

2ちゃんねるや5ちゃんねるといったネット掲示板、SNSに個人情報が転載されてしまった場合、次のような方法を取らないと情報を削除することができません。ちなみに2ちゃんねると5ちゃんねるは別のサイトですが、2ちゃんねる(2ch.sc)は5ちゃんねる(5ch.net)のミラーサイトです。

基本的にどちらも同じ投稿内容となっていますが、それぞれで削除方法が違う場合があるので注意しましょう。ちなみに投稿のID表示が「.sc」となっていれば2ちゃんねる、「.net」だと2ちゃんねるへの投稿です。

ネット掲示板のへの削除請求

まずは直接掲示板にメールで削除要請を出してみましょう。それぞれの削除要請の方法は、以下の通りです。

2ちゃんねる 「削除依頼スレッド」を使って管理者に削除依頼する

ただし削除申請していることが第三者に知られる可能性が高い

5ちゃんねる メールで削除要請をする

基準を満たせば削除してくれることになっている

メールやスレッドで削除依頼をするという方法がありますが、いずれの場合もスムーズに削除されることは稀で、スレッドが公開されてしまうと破産者にとってはマイナスになります。この方法を取る場合は慎重にしましょう。

仮処分申請

メールやスレッドによる削除依頼がうまくいかないときには、裁判所に仮処分申請をする方法があります。投稿内容が違法かどうかは裁判で決めるとして、このまま投稿が掲載され続けると被害が拡大するので、とりあえずいったん違法ということにしてサイト管理者に削除命令を出してもらうという方法。

仮処分による投稿や記事の削除を求めるには、まず最初に裁判所に「削除の仮処分命令の申立て」を行います。裁判所が削除の必要があると認めた場合に、削除の仮処分命令が発令されるという流れです。申立書と一緒に投稿記事が記載されたサイトをプリントアウトしたものなどの証拠が必要です。申立てから発令まで、通常は1~2カ月の期間がかかります。

発信者情報の開示請求訴訟

書き込みした人を特定したい場合は、「発信者情報の開示請求訴訟」という手続きを使います。掲示板に投稿した人物が誰かを特定する手続きです。まずは「コンテンツプロバイダ」にIPアドレス等の開示請求を行います。次にネット接続業者である「アクセスプロバイダ」を特定。アクセスログの保全が完了したら、アクセスプロバイダを相手方とする「発信者情報開示請求訴訟」を起こし、投稿者に関する住所・氏名・メールアドレス等の情報の開示を求めていきます。

まとめ

自己破産者マップとは、自己破産した人の破産日時や氏名、住所がマップ上に表示されるインターネットサイトです。2019年に初めて登場し、後継サイトを含め一旦はすべてなくなりましたが、2022年に新・破産者マップが再び登場。こちらは2024年6月現在も閲覧可能となっています。

このような自己破産者マップは刑法の名誉棄損罪や個人情報保護法など様々な法律に違反しているほか、二次被害や自己破産を躊躇する人が出るという問題があります。自己破産者マップに個人情報が載ってしまったときは、サイトに直接連絡したり、削除要請のために金銭を支払うことはNGです。

個人情報保護委員会や法テラス、ネットトラブルに関する相談機関に連絡し、どのような対処をすべきか相談してください。中でも自己破産者マップ閉鎖のために発足した弁護団や、インターネットトラブルに精通した弁護士に相談するのがおすすめ。トラブル解決のための投稿削除や投稿者特定の手続きなどを任せられます。

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