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「20万円借入をしてしまった、大丈夫かな?」
「借金から早く解放されたい!どうしよう…」
借金をしていても、それを誰かに伝えるという方は極めて稀です。そのため自分の抱えている借金がどれだけ危険なのか、判断しにくい傾向があります。
予想していない収入減、思わぬ出費などが原因で20万円の借金を抱えた場合、一般的にすぐに返済できるものではありません。借金を抱えてしまい「やばい」「どうしよう」と不安でいっぱいになる方もいるはずです。
今回は20万円の借金がやばいのかどうか判断基準を具体的に説明していきます。少しでも早く借金をなくしたい方に向けて完済を早めるコツや対策も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
借金がやばいかどうかの判断基準
冒頭でもお伝えしたとおり、自分が抱えている借金が危険かどうかは判断がしにくい傾向があります。また人によって収入や毎月の出費などは異なるため、いくら以上の借金が危険かどうか、金額の明示はできません。
そこで「やばい借金」を判断するためのおおよその基準を紹介します。借金を抱えている方は、自分が該当するかを確認してみてください。
3年程度で返済できるかどうかが目安
借金の金額がやばいかどうかを判断する基準は3年間で返済ができるかどうかです。現在の収入から借金の返済にあてられる金額を考え、3年で返済が終わらない場合は要注意です。では実際に20万円の借金をした場合、毎月いくら以上返済をすれば3年以内で返済ができるのでしょうか?
借金をすると利息がかかるため、一回あたりの返済金額を算出する際は利息を加算する必要があります。利息は金融機関によって異なりますが、ここでは消費者金融が100万円未満の借入の際に多く採用する、年率18.0%で算出を行いました。
借入総額 | 利息総額 | 返済総額 | 毎月の返済金額 |
---|---|---|---|
200,000 | 60,280 | 260,280 | 7,230 |
このケースでの計算の結果、20万円を3ヶ月間で完済するためには毎月7,230円以上を返済する必要があるということが分かります。これより多い金額を返済できない場合は要注意です。
残高が減らない場合は危険
高額なものを購入する場合や、予想しない高額の出費があった場合、ローンや借金に頼る人は決して少なくありません。「借金」というとマイナスなイメージが付きまといがちですが、毎月の返済を滞りなく行い、完済ができるのであれば全く問題はない存在です。
しかし本来であれば返さなくてはいけないはずの借金がなかなか減らない場合は極めて危険であり「やばい」と言えるでしょう。特に返済中にもかかわらずずるずると追加の借入をしてしまう場合、借金に依存している状態に陥っている恐れがあります。
収入減がなく返済ができない場合は危険
収入が減った、もしくはゼロになった等の理由で返済自体ができない状態に陥っている場合、借金の金額に関係なく危険な状態です。専門機関に相談をするなど、借金問題の解決に向け行動に移すべきと言えます。
借金20万円を効率的に返済するには
借金から早く解放されるためには、どのようなことを心がければよいのでしょうか?ここからは借金を早く完済したい方に向け、効率的に返済するための4つ手段を詳しく紹介していきます。
- 毎月の返済金額を増やす
- 積極的に繰り上げ返済をする
- 家計を見直す
- 利息の低いローンに借り換える
毎月の返済金額を増やす
借金の返済金額は、借入をしている残高によって返済金額が決まります。この金額を「約定返済額」と呼びます。少しでも早く借金を完済したいのであれば、約定返済額に沿った返済を行うのではなく多めの返済をするよう心がけましょう。
ATMや振込で返済を行っている場合、任意で金額を増やすことが可能です。また自動引き落としで返済をしている場合も、手続きをすることで毎月の返済金額を変更することができます。
返済金額による返済回数の変化
では一回の返済金額を変えることでどれくらい返済期間が変わるのか、実際に確認をしてみましょう。先ほどのシミュレーション同様、20万円を年利18.0%で借入したケースで算出していきます。
一回の返済金額 | 利息総額 | 返済総額 | 返済回数 |
---|---|---|---|
8,000 | 52,540 | 252,540 | 32回 |
10,000 | 39,554 | 239,554 | 24回 |
12,000 | 31,876 | 231,876 | 20回 |
毎月8,000円を返済した場合、32回(2年8ヵ月)で完済ができますが、毎月の返済金額に2,000円を追加しただけで返済期間が24回(2年)にまで短縮します。さらに返済金額を追加し毎月12,000円を返済した場合、20回(1年8ヵ月)で完済が可能です。
また返済期間が短縮する分、利息が加算される期間も短くなるため返済回数だけでなく利息金額や返済金額も減少しています。少しでも返済金額を増やすことで借金が早く返済できるだけでなく、負担金額も減らせますので、可能な範囲で積極的に返済金額を増やしていきましょう。
積極的に繰り上げ返済をする
繰り上げ返済とは、毎月の支払いとは別に追加して返済を行うことです。繰り上げ返済を行うことによって早く借金から解放されることが可能です。また借金は残高がある間、ずっと利息が加算され続けます。繰り上げ返済によって残高を早く減らせるため、利息の負担を減らすことも可能です。
家計を見直す
借金を早く返済するためには、返済金額の上乗せや繰り上げ返済が有効です。しかし返済のための金額を増やせない、という方は家計の見直しがおすすめです。毎月の出費を見直す、もしくは収入を少しでも増やすことで返済に充てる金額を捻出しましょう。
出費を見直す
毎月何にいくら使っているか把握できていないという方は、おおよそで構いませんので毎月の出費を確認してみましょう。スマホアプリの家計簿を使うことで、いつでも手軽に出費の記録ができます。
食費など毎月変動する出費ではなく、固定費のほうが減らしやすいため、まずは固定費の見直しを積極的に行うことをオススメします。削減できる固定費の例として、具体的に以下のものが挙げられます。
- 生命保険や損害保険の保険料、特約料
- 携帯電話のプラン
- 携帯電話のオプションサービス
- 動画や音楽サービスのサブスク
節約というと食費や光熱費を減らすべきだというイメージをお持ちの方が多いでしょう。無理な食費・光熱費の削減はかえって逆効果になるケースもあります。
例えば食費を削減したことでストレスが溜まったり、栄養が偏ったりして健康を害した場合、医療費が別途でかかるだけでなく収入が減ることも。また夏場に光熱費を節約した結果、熱中症になったという事例もあります。食費や光熱費はあくまでも無理のない範囲で削減をしましょう。
収入を増やす
可能であれば、副業で収入を増やすこともオススメです。ただし副業を禁止する企業もあるため、始める前に必ず就業規則を確認するようにしてください。手軽にできる副業・アルバイトには以下のものが挙げられます。
- 派遣アルバイト
- スポットバイト
- クラウドソーシングサービス
派遣アルバイト
派遣会社に登録をし、短期間や夜間のみなど、都合のよい時間の仕事を紹介してもらうアルバイトのことです。週末のみ、連休や夏休みの間などの仕事が多いため、学生の方や安定して休みがとれる方に向いています。
スポットバイト
スポットバイトとは1日のみなど単発で働く働き方のことで、スキマバイトとも呼ばれます。登録会や面接なしで手軽に利用ができる上、空いている時間帯や仕事内容から自分で仕事を探せるのでオススメです。
スポットバイトができるアプリとしては、次のようなサービスがあります。
募集している仕事内容はコンビニや飲食店のヘルプ、コンサートやイベントの設営やアシスタント、工事現場のアシスタントなどがあります。しかし最近ではスポットバイトのサービスを悪用し、闇バイトを募集している業者もいます。極端に時給が高い仕事は警戒するようにしてください。
クラウドソーシングサービス
クラウドソーシングサービスとは、パソコンやスマホでできる在宅の仕事を紹介してもらえるオンラインサービスです。時間があっても外に働きに出られない方に向いています。クラウドソーシングサービスには、以下のようなものがあります。
サイト作成、アプリケーション作成などプログラミング知識が必要な依頼だけでなく、アンケート回答、レビュー作成など手軽にできる依頼もあります。
借金20万円を返済するためにしてはいけないこと
ここまでは借金を早く返済するために心がけたいことを紹介しました。借金はすぐに返済できるものではなく、数年をかけてコツコツと返済をしていくものです。その間に絶対にやってはいけないことを項目に分けて紹介します。
- 返済のために新たに借入をする
- リボ払いを利用する
- 闇金を利用する
- 闇バイトをする
返済のために新たに借入をする
返済に充てるお金が工面できない時に新たに借入をするのは避けましょう。返済がきびしい時に借金を増やすことは大きなリスクを伴います。
確かに借入をすれば返済はできるかもしれませんが、あくまでもその場しのぎにしかなりません。借入をした分の利息がさらに上乗せされるため、雪だるま式に借金が増えていき、取り返しがつかないことになる恐れがあります。
リボ払いを利用する
クレジットカードの支払いができないときにリボ払いに変更すると、支払い金額を減らすことができます。借金の返済が苦しいときにはリボ払いに頼りたい、と思う方もいるでしょう。
しかしリボ払いに変更をした分は、借金と同様に高額な利息が加算され続けることになります。毎月の返済金額が少ないため残高がなかなか減らず、なかなか返済から解放されません。クレジットカードの支払いは一括払いを利用するようにしましょう。
リボ払いがなぜ危険なのか、その仕組みや理由については以下の記事で詳しくまとめています。ぜひ参考にしてください。
リボ払いがヤバイ理由と仕組みを分かりやすく解説!安全に使う方法や払えなくなったときの対処法とは
闇金を利用する
借金の返済が苦しくても、絶対に闇金に手を出さないようにしましょう。闇金とは貸金業法で義務づけられている貸金業者の登録をせず、違法な営業を行っている業者のことです。違法な高金利で貸付を行うだけでなく、悪質な取り立てを行う業者もいます。
近年では「ソフト闇金」を名乗り、闇金と比較してソフトな対応をしているとアピールする業者もいます。しかし貸金業者の登録をせずに営業している時点で違法です。闇金と同じ存在であり、安全ではありません。
闇金を利用するリスクとして、以下のことが挙げられます。
- 違法な金利を請求される
- 違法な取り立てに遭う
- 完済させてもらえない
- 個人情報を悪用される
違法な金利を請求される
金融機関が請求できる金利の上限は利息制限法で以下のように規定されています。
貸付金額 | 上限利率 |
---|---|
10万円未満 | 年20% |
10万円以上100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
しかし闇金はこの規定を守りません。トイチ(10日で1割)、トゴ(10日で5割)といった違法な高金利を請求します。
違法な取り立てに遭う
借金を滞納した場合、金融機関から督促の連絡が入るようになります。返済が遅れた際の督促については、貸金業法で厳しく規定されています。具体的には以下のような決まりです。
- 正当な理由なしに午後9時~午前8時の間に督促をしない
- 正当な理由なしに自宅以外の場所に連絡・訪問をしない
- 家族など、本人以外に取り立てをしない
- 張り紙や立て看板などにより、債務者の借金の存在を明らかにしない
闇金は違法で営業を行っていますので、これらの決まりも当然守りません。時間を問わず督促を行うだけでなく家族や勤務先に取り立てを行ったり、自宅に押しかけたりすることもあります。
完済させてもらえない
闇金を利用する人は多くありません。そのため一度でも闇金を利用するといわゆる「カモ」とみなされ、縁を切ることができなくなります。
完済が近づくと手数料を請求してきたり、振込をして強引に貸付をしたりなど、あの手この手を使い完済を妨害してくるようになります。闇金の標的になるのを防ぐためには、最初から利用しないことが一番です。
個人情報を悪用される
闇金業者に提供した個人情報が、特殊詐欺などの犯罪に利用されるケースもあります。例えば契約時に提示した身分証明書などを利用し、勝手にあなた名義の携帯電話を契約され、詐欺などに利用されることも。
闇金業者からの借金を完済できたとしても、一度手渡した個人情報は悪用のリスクから解放されません。
闇バイトをする
闇バイトとは、特殊詐欺などの犯罪を実行する人を募集し、犯罪に加担させる行為です。前の項目でも少し触れましたが、スポットバイトなどのアプリやSNS等で闇バイトを募集する事例が近年増えています。
少ない労力でお金を稼げるという話は、確かに魅力的に思えるかもしれません。しかし闇バイトに加担すると、それが犯罪だと知らなかったとしても、犯罪グループの一員として扱われます。初犯であっても実刑判決が下る可能性が高く、人生を棒に振ることになります。
闇バイトの一例として、以下のようなものがあります。
- 特殊詐欺
- 詐欺の電話をする「かけ子」、お金を受け取る「受け子」など
- 運び屋
- 薬物や詐欺で騙し取った現金を指定された場所まで運ぶこと
- 名義貸し
- 携帯電話や銀行口座の名義を他人に貸すこと
「闇バイト」の特徴
闇バイトの募集は、大半が犯罪実行者募集情報とは気づかれない方法で行われています。最近では「電話をかける仕事」「荷物を受け取る仕事」といった、あたかもコールセンターや配達業での仕事であるかのように見せかけた求人もあります。以下のいずれかに当てはまる求人募集は、闇バイトである可能性が高いため応募しないようにしてください。
- SNSやネットの掲示板で募集されている
- 連絡先がSNSのみである
- 仕事内容の説明があいまいである
- 「物を運ぶだけ」等、手軽さをアピールしている
- 報酬が相場より高額である
借金20万円の返済に困った時の相談先
借金を早く返済したい!と思っていても、予想外の出費や収入減によって返済が難しくなるケースもあります。しかし借金の相談を誰かに切り出すことは極めて難しいものです。借金に困った時には、一人で抱え込まず専門機関に相談することをオススメします。相談者のプライバシーが保護されるため、安心して利用できるでしょう。
市区町村などお住まいの自治体
全国の都道府県や市区町村などの多くの自治体には生活支援相談窓口が設けられていて、経済的な問題に対する相談を受け付けています。相談者の状況に応じ、利用可能な公的支援制度や解決のための具体的な手段を提案してもらえる場合があります。
また自治体によっては、定期的に無料相談会を実施していることもあります。借金問題について、地域の弁護士に対面で相談することが可能です。公的支援制度の利用を考えている方は利用してみてください。
日本クレジットカウンセリング協会
日本クレジットカウンセリング協会は、クレジットカードや消費者金融などの借入によって多重債務に悩んでいる方の相談窓口です。カードローンやローンに詳しい弁護士、消費生活アドバイザー、臨床心理士など、専門的な知識を持ったカウンセラーがサポートを行います。専門家のカウンセリングを受けたい方は、一度相談を検討してみるとよいでしょう。
まず「多重債務ほっとライン」に電話をかけ、カウンセリングの日時を予約すると、対面での無料カウンセリングが受けられます。債務整理が必要な場合は法律事務所などを紹介してもらえることもあります。
(参考:日本クレジットカウンセリング協会)
日本貸金業協会
日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センターは、クレジットカードや消費者金融の借入に悩んでいる方に向けて無料相談を実施しており、生活の立て直しをサポートするカウンセリングを提供しています。
また無駄遣いや買い物の衝動を抑えるための支援、再発防止に向けたアドバイスも行っています。借金を増やさないために、各金融機関に貸付を自粛する手続き(貸付自粛手続き)をすることも可能です。借金をなかなか減らせず悩んでいる方はぜひ利用してみてください。
(参考:日本貸金業協会|貸金業相談・紛争解決センター)
弁護士事務所
多くの弁護士や司法書士事務所では借金問題に関する無料相談を電話やオンラインで受け付けています。債務整理を検討すべきか迷った際には、まず無料相談を利用してみると良いでしょう。相談内容に基づき、借金の状況や収入など返済能力を考慮した適切なアドバイスを受けることができます。
まとめ
急な出費や収入減など、金銭的な困難は誰にでも起こり得ます。そのような時に借金に頼ることは決して悪いことではなく、計画通りに返済を続け、完済ができるのであれば問題はありません。
しかし返済をしていても残高が減らない場合、逆に借金が増えている場合は借金の残高に関係なく危険な状態に陥っていると言えます。早めに手を打たないと、あっという間に借金は膨らんでいきます。
家計の見直しを行うなど、最善を尽くしても借金問題が解決しない場合は弁護士や司法書士など、専門家への相談をおすすめします。