- 「リボ払いの返済がいつまで経っても終わらない…」
- 「リボ払いの借金を効率的に返すコツは?」
リボ払い(リボルビング払い)は毎月決まった金額だけ返済すればいいので、ショッピングなどで利用される方も多いのではないでしょうか?しかしリボ払いは返済しやすい一方で、使い過ぎるといつの間にか借金が膨らんで、いつまで経っても完済できない状態になりやすいのが特徴です。
こちらの記事では「リボ払いの借金が減らない…」と苦しんでいる方のために、効率的に完済する方法やリボ払いの注意すべき点、リボ払いの借金問題を解決するコツなどを解説していきます。
さらにはリボ払いに向く人・向かない人も紹介しますので、自分はリボ払いに向くかどうかチェックして、完済するために何が必要か考えていきましょう。
リボ払いの借金を完済する方法&メリット
リボ払いを採用している多くのカード会社では、リボ払いの実質年利を15~18%としています。これは消費者金融で100万円借りたときと同程度の高い金利です。とくに残高が一定以上増えてしまった場合、毎月の返済額が少ないと利息だけを支払うことになり、いつまで経っても元本が減っていきません。さらに返済期間が長くなればなるほど支払わなければならない手数料も増えてきます。
このようにいつまでも減らないリボ払いの借金を完済するには、次の4つの方法がおすすめです。
- 一括返済に変える
- 毎月の返済額を増額
- 早いタイミングで繰り上げ返済する
- 低金利ローンへの借り換え
それぞれの方法と共にメリットも紹介していくので、リボ払いをなるべく早く完済したいという方は参考にしましょう。
一括返済に変える
ボーナスなどまとまったお金が入るタイミングで、リボ払いの借金を一括返済するのがおすすめです。支払い残高が手持ちのお金で払いきれるときに効果的な完済方法で、これ以降リボ払いで返済する必要がありません。通常の返済日を待たずに返済でき、振り込みやATMで手続きできるので、手軽に返せるのもメリットです。
手数料負担が軽減できる
一括返済の一番のメリットは、支払手数料の負担が大きく軽減できるということ。リボ払いは早く返済すればするほど支払う利息を減らすことができるので、一括返済すればそれ以降の手数料はカットできます。
リボ払いの手数料は実質年利15%~と高めです。残高に対して返済額が少なければ元金が減らず利息だけを支払うようになり、完済までの道のりが長いほど支払う利息も高額に。一括返済できればその分の手数料をおさえられるという訳です。
利用可能枠が増える
一括返済すると、クレジットカードの利用可能枠が増えます。クレジットカードには最初に設定した「利用可能枠」があり、リボ払いの残高が増えればその分の利用可能枠も少なくなります。しかし一括返済で残高を一気に支払うことで、クレジットカードの利用可能枠に余裕ができます。
毎月の返済額を増額
毎月支払っているリボ払いの返済額を増額するという方法があります。一括返済やこれから紹介する繰り上げ返済が難しい方でも、支払い残高が多く残っているなら、毎月の返済額を少し増やすだけでも完済に近づけます。ほとんどのクレジットカードのリボ払いでは、毎月の返済金額を自由に変更できます。
「毎月の生活に少し余裕があるな」と感じたら、数千円でもいいので毎月の返済額を増やしていきましょう。一度設定すると毎月口座から引き落としされるので、自分で振込手続きをする等の手間がかからないのもメリットです。そのほかのメリットはこちらです。
より早く完済に近づく
毎月の返済額をアップさせると、より早く完済に近づけます。こちらは実質年利15%の残高スライド元利定額方式のショッピングリボ払いの10万円の借金を、毎月5千円・1万円・2万円それぞれの金額で返済したときの支払金額と回数の一覧です。
毎月の返済額 | 5,000円 | 10,000円 | 20,000円 |
---|---|---|---|
支払総額 | 115,782円 | 107,497円 | 103,923円 |
支払手数料 | 15,782円 | 7,497円 | 3,923円 |
返済回数 | 24回 | 11回 | 6回 |
こちらの表で分かる通り、毎月5千円で返済すると支払う手数料は15,782円で返済回数は24回(2年)です。しかし毎月2万円で返済できると払う手数料は3,923円で済み、わずか6回で完済できます。
リボ払いに限ったことではありませんが、毎月の返済額が少なければ少ないほど、毎月の返済に占める手数料の割合が大きくなってしまいます。逆に毎月の返済額を増やすことで、確実に完済までの期間を短縮できます。もし一日も早くリボ払いの借金を減らしたいと思うなら、まずは月々の返済額を増やすことから始めましょう。
千円単位で増額可能
リボ払いの返済金額を増額する場合は、千円単位で設定できます。昇給で毎月2千円アップしたという方は、リボ払いの返済金額も同じだけアップできます。とはいえ早く完済したいからと返済金額を上げすぎると、日々の生活に支障をきたしてしまいます。返済額を設定するときは「無理のない範囲で」が鉄則です。
リボ払いの返済金額の変更はカード会社によって異なりますが、ほとんどの場合、カード会社の会員専用サイトにログインすれば簡単に設定可能です。早く完済したい方は、無理のない範囲で毎月の返済額を増額することをおすすめします。
早いタイミングで繰り上げ返済する
もし一括で返済することが難しい場合は、なるべく早いタイミングで繰り上げ返済することをおすすめします。繰り上げ返済とは、「適宜(てきぎ)返済」ともいい、まとまったお金ができたときに通常の返済に追加して借金を返す方法です。
「繰り上げ返済するんだったらいつでもいいんじゃないの?」と思われる方がいるかもしれませんが、実は繰り上げ返済は早ければ早いほど完済までが短く、支払総額も軽減できます。
こちらは実質年利15%の元利定額方式リボ払いの残高が50万円ある状態で、通常通り毎月1万円返済した場合と、50回返済後に10万円繰り上げ返済したときと、5回返済後に同じく10万円繰り上げ返済したときの支払総額や回数を比較したものです。
毎月1万円/リボ払い | 50回返済後に 10万円繰り上げ返済 |
5回返済後に 10万円繰り上げ返済 |
|
---|---|---|---|
支払総額 | 789,501円 | 756,894円 | 670,147円 |
支払手数料 | 289,501円 | 256,894円 | 170,147円 |
返済回数 | 79回 | 66回 | 58回 |
上の表で分かる通り、5回返済後に繰り上げ返済した方が50回の場合と比較して、手数料額で86,747円、返済回数は8回も減ることが分かります。繰り上げ返済を使用と考えているなら、なるべく早めのタイミングがおすすめです。
元本だけ効率的に減らせる
繰り上げ返済は支払総額や支払回数を減らせるだけでなく、元本だけ効率的に減らせることも大きなメリットです。繰り上げ返済をすると、返済したお金はすべて元本の返済にあてられ利息は取られません。当初はお金がなくてリボ払いにしたけど、今はお金に余裕があるという方は、一括返済もしくは繰り上げ返済がおすすめ。
返済額を増額しても完済は早まりますが、返済するのは元本に手数料を加えた金額です。しかし繰り上げ返済なら元本のみを減らせるので、その後の手数料返済も楽になるでしょう。
家計に応じて柔軟に対応できる
繰り上げ返済は毎月の家計の状態に応じて柔軟に対応可能です。返済額を増額すると、お金に余裕がある月も逆に苦しいときも同じ額だけ返済しなければなりませんが、繰り上げ返済なら余裕のあるときだけ多めに返済できます。ただし返済するには自分でATMに行くなどして振り込み手続きが必要なので、多少の手間がかかることを忘れずに。
とはいえ繰り上げ返済は家計状況に合わせた柔軟な支払い方法ができます。毎月の収入に変動がある方や、臨時収入が入ったときは、家計の支出を見ながら繰り上げ返済でリボ払いの借金を減らしていきましょう。
低金利ローンへの借り換え
リボ払いの借金をより低金利ローンへ借り換えると、完済までの期間を短くできます。借り換えとは、今までの借金を別の条件の借金に置き替えること。より低金利なローンに借り換えると、月々の利息負担も少なくて済みます。
金利を下げられる
低金利ローンへの借り換えの一番のメリットは、支払う金利を下げられること。通常クレジットカードの金利は15%~18%に設定されていますが、銀行系のカードローンの金利は借り入れの金額に応じて次のようになっています。
金融機関名(商品名) | 実質年利 | 利用限度額 | 特徴 |
---|---|---|---|
三菱東京UFJ銀行(バンクイック) | 1.8%~14.6% | 10万円~500万円 | 口座があればATMに行かなくてもWebで振込融資が可能 |
みずほ銀行(カードローン) | 2.0%~14.0% | 10万円~800万円 | Web申し込みで最大30日間利息全額キャッシュバック |
三井住友銀行(カードローン) | 1.5%~14.5% | 10万円~800万円 | スマホから24時間申し込み可能 返済実績に応じて翌年度以降の金利が引き下げられる |
上の表で分かる通り、リボ払いの金利よりも大幅に金利を下げられます。金利を下げられるということは毎月の返済額をおさえられて結果として完済に近づけます。
ただし借り換えローンにも審査はあります。審査に通らないと借り換えしたくてもできませんので、まずはローンを取り扱っている金融機関に条件などを問い合わせてみましょう。
返済総額を減らせる
低金利ローンへ借り換えできると、返済総額を大幅に減らせます。こちらは100万円利用して毎月2万5千円支払ったときの実質年利ごとの返済総額の違いです。(残高スライド元利定額方式)
実質年利 | 18% | 15% | 12% | 9% |
---|---|---|---|---|
支払総額 | 1,539,576円 | 1,394,927円 | 1,283,433円 | 1,193,358円 |
支払手数料 | 539,576円 | 394,927円 | 283,433円 | 193,358円 |
返済回数 | 62回(5年2カ月) | 56回(4年8カ月) | 52回(4年4カ月) | 48回(4年) |
上の表を見ると、より低金利のカードローンに借り換えることで返済総額を大幅に減らせることが分かります。とはいえあくまで借金を移動させただけ。金利が低くなって支払いが楽になったからといって、新たな借金はしないように気を付けましょう。
他の借金も一本化できる
より金利の低いローンへ借り換えるときは、他の借金の分もプラスすると複数の借金を一本化できます。今まで借金の数だけ返済期日を気にしたり、銀行の残高が足りなければATMに行って現金を預入しなければなりませんでしたが、借金を一本することで返済の管理がしやすくなります。
金融機関では複数の借金を一本化する「おまとめローン」といった商品もあるので、現在支払っている金利を確認しながら、より低いローンに一本化できるように手続きしましょう。
リボ払いを含む借金の返済方法を知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「【種類別・ケース別】借金を返済するコツは?返済が厳しい場合の解決法も解説!」
気を付けて!リボ払いの落とし穴
リボ払いは毎月同じ額だけ支払っていればいいのでとても便利な返済方法ですが、使い方を誤るとトラブルの原因に。現に国民生活センターには毎年、多数のリボ払いに関する相談が寄せられています。ここでは「リボ払いの落とし穴」として、トラブルの元になり得るリボ払いの特徴や、注意点などを紹介していきます。
分割払いとは異なる
リボ払いをよく理解しないまま利用している人の中に、分割払いと混同していることがあります。リボ払いは分割払いとは違うので、十分に気を付けましょう。分割払いとリボ払いの違いは次の通りです。
- 分割払い
- 利用のたびに支払回数を自分で設定する。手数料は1つの利用ごとに加算される
- リボ払い
- 利用回数を問わず毎月の返済額が一定。残高に応じて手数料が加算される
分割払いは一回の買い物ごとに分割の回数を自分で設定します。2回払いまでは手数料が無料で、それ以降は1回の利用ごとに手数料が加算される仕組みです。リボ払いは何回利用しても毎月の返済額が同じで、残高に応じて手数料が加算されていきます。つまり完済するまで支払いは続き、返済時にはその都度手数料が発生するという訳です。
返済回数が分かりにくい
リボ払いのデメリットに完済までの返済回数が分かりにくいという点があります。上で説明した通りリボ払いはいくら利用しても毎月の返済額が変わりません。毎月の返済が苦しくないからとどんどん買い物に使っていると、いつの間にか残高が限度額近くにまでなり、何年も返済が続くことに。
リボ払いが「先に一回当たりの返済額を決める」という仕組みのため、どうしても完済までの返済回数が把握しづらくなります。
隠れリボ・自動リボトラブル
消費生活センターに寄せられるリボ払いの相談で多いのが、「隠れリボ」や「自動リボ」と呼ばれているトラブルです。自分の知らないうちにリボ払いになっていたり、利用している間にいつの間にかリボ払いになってしまっているケースがあります。リボ払いになっているのを気付かないまま利用していると、本来必要のない手数料を支払わなければなりません。
隠れリボ・自動リボになる理由
知らないうちにリボ払いになっているというトラブルでは、次のような理由が考えられます。
- 初期設定でリボ払いになっている
- クレジットカード契約時に「リボ払いを利用する」にチェックしていた
- そもそもリボ払いしかできないリボ専用カードだった
- 設定した限度額以上になると自動でリボ払いになる契約だった
リボ専用カードの中には「〇〇リボ」という名前のカードもありますが、そうでないカードの場合はリボ払いになっていることが気付きにくいので気を付けましょう。またカード会社から「今だけリボ払い手数料無料です」と言われて変更し、キャンペーン期間が終わったら支払方法を変更する必要があったのに、知らずにリボ払いのままになっているケースがあります。
隠れリボ・自動リボトラブルを防ぐために
トラブルの多い隠れリボや自動リボの被害を防ぐには、毎月の利用明細書を必ずチェックする必要があります。利用明細書では、次のような項目を毎月確認すると、隠れリボによるトラブルを防げるでしょう。
- クレジットカードを使っていない月に請求がある
- 利用した金額よりも請求金額が少ない
- よく分からない手数料が取られている
- 支払残高のところに金額が記入されている
最近は紙の請求書よりもインターネット上で見る電子明細が主流です。つい見るのを忘れたりすることが多いので、スマホのリマインダーなどを利用して利用明細書の確認し忘れを防ぎましょう。
いつの間にか限度額いっぱいに
リボ払いは一定金額しか返済する必要がないので、自分でも使った実感がわきにくく、いつの間にか限度額いっぱいになってクレジットカードが使えなくなる恐れがあります。クレジットカードの利用限度額が100万円のところ、すでにリボ払いの残高が97万円になっていると、3万円を超えるショッピングをしようとすると限度額オーバーとなり、クレジットカードが使えなくなります。
リボ払いによってカードの限度額が上限に達することを「リボ天(天井)」といい、ここまでくると完済はかなり大変になります。リボ払いは便利だからと利用明細をチェックせずに使い続けてしまうと、カードの利用残高が上限いっぱいになりかなり危険な状態になることを忘れずに。
種類ごとに返済額の計算方法が違う
リボ払いには返済額の計算方法により3種類あります。クレジットカード会社やカードローン会社によって採用している方式が異なり、実際の返済総額も変わってくるため、リボ払いの種類や特徴を理解しておくことが重要です。
残高スライド方式
残高スライド方式とは、利用残高に応じて毎月の返済額が変動(スライド)する方式のことです。残高が多い当初は返済額が高く、返済が進むにつれて残高が少なくなると毎月の返済額も減っていきます。残高ごとの返済額はクレジットカード会社ごとで異なりますが、特徴として完済までに時間がかかり、ずっと同額を返済し続ける定額方式よりも支払総額が高くなる傾向にあります。
定額返済方式
定額返済方式とは、利用残高に関わらず毎月一定の金額を返済する方式です。残高スライド方式と異なり、利用金額が変動しても返済額は変わりません。よって返済の負担が軽く、収支管理がしやすいのが特徴です。
しかし毎月の返済額を低く設定すると、その分残高の減りが遅くなって手数料を余分に支払わなければなりません。また残高が増えても返済額が変わらないため「いつの間にか残高が増えて支払う手数料も多額になっていた」という状況に陥りやすいのがデメリットです。
定率返済方式
低率返済方式とはクレジットカード会社などが定める一定の割合を利用残高にかけて返済方法を計算する方式。例えば50万円の残高があり返済割合が3.5%だとすると、毎月の返済額は17,500円です。このように残高に応じて毎月の返済額が変わってくるので、今月はいくら支払うのかのチェックが欠かせません。
ただしこの定率返済方式を採用しているクレジットカード会社やカードローン会社はあまりいないので、それほど気にしなくてもいいでしょう。
リボ払いに向く人・向かない人
リボ払いで失敗しないためには、自分がリボ払いに向いているか向いていないかを知る必要があります。こちらではそれらの特徴を紹介するので、自分はどちらに当てはまるのかチェックしましょう。
リボ払いに向いている人
リボ払いに向いている人の特徴はこちらです。
「リボは借金」と分かっている人
リボは借金だということを良く分かっている人が、リボ払いに向いています。リボ払いで支払う手数料は「残高が増えると返済総額も増加する」という借金そのものの仕組みと似ています。一見当たり前のように思われますが、リボ払いで失敗する人の多くがこれを忘れがちです。
リボは借金だと分かっていれば、本当に必要な物だが一括で買える余裕のないときだけや、毎月の生活費が厳しいときだけ利用するという方法ができます。リボ払いに向いている人は、リボ払いで余計な支出をしないという特徴があります。
自分の中で限度額を決められる人
自分の中で限度額を決めている人が、リボ払いに向いている人です。「いつの間にかリボ払いの残高でカードの限度額を使い切ってしまった」という状況を免れるには、あらかじめ「〇〇万円以上は使わない」「10万円以上の支払いにしか使わない」などの条件を決めておきましょう。そうすればクレジットカードの使い過ぎを防げるでしょう。
リボ払いは計画的に利用するとメリットが得やすいサービスです。自分なりに条件を決めていると、リボ払いでの失敗を防げるはずです。
リボ払いに向かない人
リボ払いに向いていない人には、このような特徴があります。もし自分が当てはまるようなら、リボ払いの利用について一度考え直す必要があります。
すぐに浪費してしまう人
欲しいものがあると無計画に買い物をしてしまう人や、我慢できずに浪費しがちな人はリボ払いに向いていません。毎月の返済で利用額に余裕ができてもすぐにショッピングなどで使ってしまい、いつまでたっても残高が減らない可能性があります。「リボ払いだから大丈夫」と何も考えずに利用し続けていると、いつの間にか自分が返済できる限度を超えてしまうことも。
浪費しがちだという自覚がある方はリボ払いを利用する前に、家計を見直して現金を捻出したり、他から借りている借金の返済状況を見直したりして、本当にリボ払いを利用しても返済していけるのか再検討しましょう。
残高チェックを怠る人
クレジットカードなどの残高チェックを怠る人は、リボ払いに向いていません。今ほとんどの人はクレジットカードなどの支払いを銀行の自動振り込みにしています。「毎月キチンと返済しているから大丈夫」と思いがちですが、残高が多いと毎月の返済額の中で手数料の占める割合が大きく、思ったほど残高が減っていない場合があります。
気付かずにリボ払いで買い物し続けていると、カードの限度額を超えてから「大変なことになっていた…」と気付くパターンが考えられます。そうならないためにはカードの利用明細をチェックして、確実に残高が減っているか確認しましょう。利用明細を確認するときには、次のような点を重点的に見るといいでしょう。
- 利用残高がいくらあるか
- 後どの位で返済が終わるか
- 今まで支払った手数料の額
残高を確認して今後の見通しを立てておくと使い過ぎが防げます。
残高に対して返済額が少なすぎる人
利用残高に対して毎月の返済額が少なすぎる人もリボ払いに向きません。返済の多くが手数料にあてられ、元金が減らないために残高も減らない状態では、完済までに何年もかかる場合があるからです。毎月の返済額によって最終的な返済総額や支払回数が大きく変わってきます。なるべく早期に完済したいなら、毎月の返済額を1,000円でも上げるべきでしょう。
リボ払いの借金を解決するコツ
増えすぎたリボ払いの借金を解決するには、いくつかのコツがあります。
利用明細書をチェックして残高を把握
先ほどから言っている通り、クレジットカードの利用明細書は毎月チェックして必ず残高を把握するようにしましょう。とくにリボ払いを利用しているときは、毎月の返済額の他に手数料の金額や完済までの期間のチェックを忘れずに。金利手数料の高さを実感でき、無駄にリボ払いを利用する機会を減らせるでしょう。また返済の見込みが立つかどうかで、今後の借金の解決方法が変わってきます。
完済するまでリボ払いで買い物をしない
一度リボ払いを利用したら、その支払いが終わるまでクレジットカードで買い物はしないようにしましょう。リボ払いの借金を早く完済するには、利用残高を増やさないのが一番の秘訣です。リボ払いは毎月の返済額が同じなのでつい油断しがちになりますが、結果として支払う手数料や回数が増え、完済までが遠のいてしまいます。
「前回購入したリボ払いの借金が終わるまでは絶対に新しい買い物をしない」との強い気持ちを持てば、リボ払いを完済できる日も近づくでしょう。
返済期日は絶対に守る
リボ払いの返済期限は絶対に守ってください。返済日を過ぎると翌日から1日ごとに「遅延損害金」が発生します。遅延損害金は返済が遅れたことへの損害賠償のようなもので、利息制限法では利率を「上限金利の1.46倍まで」と定めています。通常の金利よりもはるかに高い利息が付いてしまうことで、リボ払いの完済をさらに難しくする原因に。
遅延損害金の利率はクレジットカード会社によって異なりますが、通常の手数料に上乗せして請求されます。一日でも早くリボ払いの借金を返済したいなら返済期日は絶対に守り、遅延損害金を発生させないようにしましょう。
返済シミュレーションを活用
リボ払いの借金を解決するには、カード会社のホームページなどから確認できる返済シミュレーションを活用しましょう。返済シミュレーションはリボ払いの借金の返済計画を立てるときに利用できます。また返済額を増やす場合や繰り上げ返済をする前に確認すると、完済までどの程度短縮できるか分かるでしょう。
毎月いくらずつ追加で支払えば完済できるかは、次の手順で調べましょう。
- リボ払いの残高を利用明細で確認
- 返済シミュレーションを開く
- 画面に残高・利率・希望の返済回数を入力し月々の返済額を確認する
最後に3で算出した返済額から現在の返済額を引いて、追加で払うべき返済額が求められます。
債務整理を検討する
リボ払いの残高が膨らんでしまい、いくら返済しても元金が減っていかない場合は、債務整理を検討してみては?債務整理とは法的に借金を減額および免責できる手続きで、任意整理・個人再生・自己破産の3種類があります。それぞれの特徴やメリットデメリットはこちらです。
債務整理の種類 | 任意整理 | 個人再生 | 自己破産 |
---|---|---|---|
減額割合 | 今後支払う利息を減額 遅延損害金をカット |
借金総額を1/5~1/10に減額 | 借金を免責 |
手続き方法 | 債権者との直接交渉 | 裁判所に申立て | 裁判所に申立て |
手続き期間 | 3カ月~6カ月 | 8カ月~1年 | 4カ月~1年 |
メリット |
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デメリット |
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いずれの方法もブラックリストに載ることで新しくローンが組めなくなったり、クレジットカードが作れなくなります。ただし今の収支状況からリボ払いの返済がどうにもならないような状況なら、上のような債務整理を検討するのも一つの方法です。
債務整理をするときは返済が滞ってしばらく経ってからよりは、まだ余裕があるうちの方が債権者側も交渉のテーブルに乗りやすいでしょう。手続きは債務整理に詳しい弁護士に依頼すると、債権者との交渉や裁判所手続きなどを安心して任せられます。
ブラックリストに載るとどうなるかについては、こちらの記事を参考にしましょう。
「債務整理するとブラックリストにのる?気になる『ブラックリスト』についてすべてお答えします!」
まとめ
なかなか終わらないリボ払いを効率的に完済するには一括返済や繰り上げ返済、毎月の返済額の増額や金利の低いローンへの借り換えがおすすめです。返済期間を短縮したり、支払う手数料をおさえると、結果的に支払総額を下げられます。返済期日をしっかり守り、利用明細書を毎月チェックしながら、完済するまで新たにリボ払いを利用しないようにしましょう。
リボ払いは分割払いとは異なり返済回数が分かりにくく、いつの間にか限度額いっぱいになってしまうことも。気が付かないうちにリボ払いになっている隠れリボや自動リボに気を付けて、異なる返済方式ごとの特徴を覚えておくと、リボ払いによるトラブルを防げます。
すぐに浪費してしまう人や残高チェックを怠る人、残高に対しての返済額が少なすぎる人はリボ払いに向きません。返済シミュレーションを利用しながら、今支払っている借金の返済計画を立ててください。もしどうしても返済できないときは債務整理がおすすめ。借金問題に詳しい弁護士に相談すると、あなたにピッタリの債務整理方法を教えてくれるでしょう。