- 「借金が苦しくて辛い。誰かに話して少しでも楽になりたい…」
- 「借金の相談をしたいけどどこにすればいい?」
お金に関する問題は誰かに話しにくいものです。しかし借金問題を一人で抱え続けていると苦しい状態から抜け出しにくくなり、精神的にもどんどん追い詰められていく傾向があります。
借金に関する悩みは話を聞いてもらうだけでもかなり気分が楽になるはずです。今回は借金問題を相談できる相談先について紹介をしていきます。借金問題だけでなく借金の原因となる依存症や生活苦、DVについての相談先も紹介しています。
状況によって適した相談先は異なる
借金問題について誰かに相談したいと思っていても、一体誰に相談したらよいのか分からないと考えている方もいるでしょう。同じ借金問題でも人によって状況は様々であり、悩みの度合や相談内容が異なります。以下の表は相談先の分類と相談内容について簡単にまとめたものです。
友人・家族 | 借金を一時的に肩代わりしてほしい お金を工面したい |
---|---|
公的機関 | 気軽に相談したい 第三者の視点からアドバイスがほしい |
弁護士 | 返済を続けることが苦しい 借金の負担を減らしたい 延滞していて督促に悩んでいる |
まずはそれぞれの手段におけるメリットやデメリットについて詳しく解決をしていきます。
友人・家族
返済ができずお金を借りたい時、借金を代わりに払ってほしい時には家族や友人へ相談することで解決できるかもしれません。身近な誰かに借りることができれば、金融機関からの借金とは違って利息がかからないため、支払いの総額も減らせる可能性があります。金融機関からの借金がなくなれば督促や支払い日のストレスもなくなります。
ただ誰かにお金に工面をしてもらうためには、自分がお金に困っているということを伝えなくてはいけません。また人によっては個人間での借金を嫌悪する人がいるのも事実ですので、お金を借りたいと伝えることで人間関係に亀裂が入る恐れもあります。
- メリット…利息がかからない・金融機関からの督促がなくなる
- デメリット…人間関係に影響が出る恐れがある
公的機関
ここでの公的機関とは国や自治体、団体などが設けている相談窓口を指します。例えば国が法的支援のために設立している法テラス、金融機関の団体組織である貸金業協会、さらには警察などの行政機関も含みます。
基本的に相談は無料のところが大半であり、知り合いにバレることがないので気軽に相談ができます。状況に応じて弁護士や司法書士などの専門機関を紹介してもらうことも可能です。
デメリットは相談できる日時が限られていたり、混みあっていて予約がなかなかできなかったりする点です。またあくまでも相談だけであり、「借金を減らしたい」「支払いを待ってもらいたい」等の直接的解決には繋がらないことも多いです。どちらかと言えば誰かに借金の話を聞いてもらいたい方に向いています。
- メリット…申込がしやすい・無料で利用できる
- デメリット…予約ができないことがある・借金の直接的解決に繋がらない事が多い
弁護士
借金に関する相談は弁護士が所属している法律事務所でも受付しています。法律事務所に無料相談を申し込むことにより、債務整理を検討することができます。
債務整理とは借金の返済ができないときに行う手続き全般のことを指します。「国が認めた借金救済方法」という広告を見かけたことがある方もいるでしょう。裁判所に申立をする、もしくは弁護士を通して交渉をしてもらうことにより合法的に借金を減らすことが可能です。
債務整理には主に以下の3通りの手続きがあります。
- 任意整理
- 弁護士を通して交渉し利息をカットする手続き
- 個人再生
- 借金を5分の1~10分の1に減額し再生計画を立てる
- 自己破産
- 財産の多くを引き換えに借金を全て免責してもらう
弁護士に相談するメリットは借金問題解決に向けて具体的な行動に移せることです。弁護士に債務整理を依頼する場合はお金がかかりますが、自分がどの手続きに向いているかを確認するだけであれば無料です。
しかし弁護士に相談したいと思った場合は自分で相談先を探す必要があります。公的機関の相談窓口は連絡をするだけで担当者と話ができるのに対し、自分で近くの事務所を見つけなくてはいけないという点がデメリットと言えるでしょう。弁護士に相談をするメリットとデメリットについては後半でも詳しく解説をしています。
- メリット…借金問題解決の糸口を掴める
- デメリット…弁護士を自分で探さなくてはいけない
借金相談ができる公的機関の窓口
「借金に困っているが債務整理をするほどではない」「とりあえず第三者の意見が聞きたい」という方は公的機関の相談窓口をまず利用してみましょう。借金の相談を受け付けている機関の種類は実にさまざまです。ここでは無料で利用できる機関に絞って紹介をしています。
相談先と相談できる手段、営業時間を表にまとめました。それぞれの相談先の特徴については、項目に分けて詳しく解説をしていきます。
相談先 | 申込手段 | 受付時間 | 備考 |
---|---|---|---|
金融庁 | 電話 | なし | なし |
国民生活センター | 電話 | 10時~16時 | 業者とのトラブル相談向け |
法テラス | 電話 | 平日9時~21時 土曜9時~17時 |
電話相談後に面談 |
市区町村の法律相談 | 市区町村により異なる | 市区町村により異なる | 地域の広報に掲載されている |
日本貸金業協会 | 電話・web・FAX・郵便 | 平日9時~17時 | webでの相談は電話で折り返し(平日9時~17時) |
全国銀行協会 | 電話 | 平日9時~17時 | なし |
日本クレジットカウンセリング協会 | 電話 | 平日10時~12時40分、14時~16時40分 | 家計カウンセリングと併用の任意整理可 |
日本弁護士連合会 | 地域により異なる | 地域により異なる | 面談相談は有料のケースが大半 |
日本司法書士連合会 | 電話 | 地域により異なる | なし |
警察 | 電話・来署 | 闇金問題の通報 |
金融庁
内閣府に属している金融庁は地方に関する事務を全国各地の財務局に委任しており、その財務局で多重債務相談の受付を行っています。また多重債務者対策本部を設置し、弁護士連合会と司法書士連合会、法テラスと共に定期的に相談強化キャンペーンを実施していることも。
金融庁のホームページより、全国の財務局や相談窓口の連絡先を見つけることができます。
参考:金融庁|多重債務についての相談窓口
国民生活センター
独立行政法人国民生活センターは国民の消費生活を守るために設置されている独立行政法人で、消費者センターと呼ばれることもあります。商品を購入した際のクーリングオフ、定期購入などのトラブルについての相談先として有名ですが、借金や多重債務の相談も受付しています。
相談専用の電話窓口として消費者ホットライン(局番なし188)が設置されており、土日でも利用が可能です。消費者を保護する目的で運営されている機関のため、「返済ができない」という個人的な相談ではなく借り入れをしている業者とのトラブルが発生している場合の利用をお勧めします。
参考:国民生活センター
法テラス
法テラス(日本司法支援センター)は国民の法的なトラブル解決を支援するために設置された機関です。借金問題だけでなく賠償問題、相続など法律が関係するトラブルについて相談を受付しています。
法テラスと契約している弁護士・司法書士に一回30分、3回まで無料で相談を行うことができますが相談の利用には以下のような条件があります。
- 収入や財産が法テラスの基準以下であること
- 宣伝や報復、権利濫用な訴訟が目的でないこと
相談の結果債務整理が有効だと判断された場合、一時的に費用を立て替えてもらうこともできます。法テラスを利用するための詳しい基準、審査については以下のページでさらに詳しくまとめています。
法テラスの審査は落ちることもある!審査基準や落ちた時の対処法を解説
相談を利用するためにはまず法テラスサポートダイヤルに電話をし、近くの法テラス事務所での相談を予約します。混みあっている場合は相談ができるまで数週間~1カ月以上かかることもあるため注意してください。
市区町村で行っている法律相談
全国各地の自治体では1カ月に1回程度のペースで無料の法律相談を実施しています。弁護士にその場で借金問題を相談でき、債務整理が必要かどうか等を判断してもらえます。お住まいの自治体で配布されている広報やホームページなどをチェックしてみてください。
ただ自治体で実施している法律相談は平日の昼間に行われる上に事前予約制である場合が大半です。日程が合わない場合は自分で相談先の弁護士を探したほうがよいでしょう。
日本貸金業協会
日本貸金業協会(貸金協)とは、消費者金融や信販会社、クレジットカード会社など貸金業を営む業者を加入対象とし、貸金業法に基づいて内閣の認可のもと設立された団体です。加入している貸金業者向けに督促や広告に関する規定を設けています。
貸金協は貸金業者を利用している債務者に対して相談窓口「貸金業相談・紛争解決センター」を設置していて、家計管理や借金問題について相談を受付しています。業者の対応に問題があった場合は貸金協側からその会社に対して改善を促してくれますので「督促が一日に数十回もかかってくる」「電話で脅された」というような会社側の対応に悩んでいる方はぜひ利用をしてください。
参考:日本貸金業協会
全国銀行協会
全国銀行協会は日本の銀行ほぼ全てが会員として加盟している一般社団法人です。家計や相続、詐欺問題などお金に関する様々な問題に対して啓発を行っており、多重債務問題の対応もその一つです。
銀行のカードローンや住宅ローンなど、銀行から借りているお金について返済が難しい方に向けて、東京・大阪の2カ所でカウンセリングサービスを実施しています。
所在地 | 相談窓口の名称 | 相談方法 |
---|---|---|
東京 | 全国銀行協会相談室 | 電話・面談 |
大阪 | 銀行とりひき相談所 | 面談 |
また借金に限らず、銀行とトラブルが発生しなかなか問題が解決しない場合、第三者の公平な立場から紛争解決手続きを行うあっせん委員会も設置しています。銀行に対して苦情がある場合はホームページの相談・苦情受付フォームから申告が可能です。
参考:一般社団法人全国銀行協会
日本クレジットカウンセリング協会
日本クレジットカウンセリング協会は内閣の認可を受けた公益財団法人で、借金やクレジットカードによって多重債務に陥っている方に対し費者保護の立場から公正・中立なカウンセリングを行っている機関です。
多重債務に悩んでいる方専用の電話番号「多重債務ほっとライン」を設けており、全国どこからでも気軽に電話で相談が可能です。全国17箇所(令和4年8月現在)の相談室・センターで面談によるカウンセリングも実施しています。
任意整理が必要だと判断された場合は家計カウンセリングを実施しながら無料で任意整理を行うことができます。また任意整理では借金問題が解決できない場合、弁護士会など適切な機関を紹介してもらえます。
参考:日本クレジットカウンセリング協会
日本弁護士連合会
日本弁護士連合会(日弁連)とは弁護士法に基づいて1949年に基づいた法人機関です。弁護士の指導・監督、弁護士向けの倫理講習会などを行っており、日本の弁護士は地域ごとにある弁護士会を通して必ず加入をしなくてはいけない団体です。
日弁連では加入弁護士に向けた啓発活動だけでなく、消費者に向けて借金問題・債務整理の無料相談会も実施しています。専用ダイヤル「ひまわり110番」に電話をすることで、自動的にお住まいの地域を管轄する弁護士会の相談センターに電話が繋がるようになっています。
まずは電話で予約を入れ、その後近くの法律相談センターで面談にて相談を行うという流れです。電話の受付時間は管轄のセンターによって異なりますが、「ひまわり相談ネット」を利用するとインターネットから24時間いつでも相談予約の申込みができます。
相談を受付するのは各地域ごとに設置されている弁護士会ですので、受付時間や相談できる時間、料金は地域によって異なります。例えば東京にある三つの弁護士会(東京・第一東京・第二東京)が合同で運営している相談センターの場合電話での無料相談は15分程度。面会での相談は30分以内5,500円です。料金や時間については、電話で相談をする際に確認をすることをお勧めします。
参考:日本弁護士連合会
日本司法書士連合会
日本司法書士連合会とは司法書士法に基づいて設立された特別民間法人で、弁護士にとっての日弁連と同様、日本の司法書士が登録を義務付けられている団体です。司法書士連合会に属している各都道府県の司法書士会では定期的に無料相談を実施しており、そこで借金問題や多重債務問題について相談をすることができます。
相談を受付している曜日や時間、相談の方法(面談・電話)は各都道府県によって異なりますので、以下のホームページより近くの相談センターを確認をしましょう。
参考:日本司法書士連合会|司法書士総合相談センター一覧
警察(闇金問題のみ)
借金の相談と一口に言っても悩みの種類も様々であり、闇金問題のトラブルを相談したいと考えている方もいるはずです。闇金からの執拗な督促や嫌がらせ、暴力行為などに悩んでいる場合は警察への相談もお勧めします。
ただ警察は民事不介入ですので、借金問題そのものは解決できません。他の相談窓口と併用しての活用をお勧めします。闇金問題を警察に相談する際の注意点やコツは以下で詳しくまとめていますので、闇金問題に悩んでいる方はぜひお読みください。
闇金は警察に相談できる!相談する時の注意点と民事不介入で対応してくれないときの対処法
借金問題を解決したいなら弁護士へ相談を
ここまで借金の相談を受付している窓口を紹介しましたが、借金そのものを解決できるわけではありません。またコロナ禍などが原因で借金問題に悩む方は増加傾向にあるため、混みあっていて予約がかなり先になる窓口も。
期日通りに返済ができなくて辛い、返済の目途が立たず困っている等借金問題を早く解決したい方は弁護士の無料相談を利用することを強くお勧めします。
弁護士に相談するメリット
弁護士に相談するメリットやデメリットはこの記事の前半で簡単に紹介していますが、さらに詳しく解説をしていきます。弁護士に借金の相談をするメリットは以下の4つ。
- 相談の申込がしやすい
- 無料相談をじっくりと受けることができる
- 借金の早期解決の糸口を見つけられる
- 取り立てを止めることができる
相談の申込がしやすい
ここまで様々な相談先を紹介しましたが、受付方法の大半が電話であることが特徴です。一部インターネットより申込ができる団体もありますが、大半が電話で申し込みをしてその後面談という流れです。電話に抵抗がある方や、電話をしたいと思っていても時間が合わない方も多いはずです。
しかし弁護士の場合、ホームページや紹介ページの入力フォームやメールで受付しているところが多いため、自分の都合のよい時間帯に気軽に申し込みができます。最近ではLINEに対応している事務所もあります。
また多くの相談先は平日昼間のみの受付ですので、仕事をしている方にとっては申込がしにくいという特徴があります。弁護士事務所も平日のみ営業をしている所が大半ですが、あらかじめネット等で予約をすれば土日祝日や夜間の相談にも応じてくれることがあります。
無料相談をじっくりと受けることができる
公的機関の窓口は、その多くが全国からの相談を受付しているため大変混みあいます。相談の予約ができても時間が限られていることがあり、十分な助言をもらえないことがあります。
弁護士事務所の中にも、無料相談を30分以内に設定している所があります。しかし借金問題の相談は他の相談に比べると時間がかかる傾向があるため、借金問題に力を入れている事務所は「初回無料」というように無料相談の時間制限を設けていないところが多いです。時間を気にせず、心配なことや気になることをじっくり確認することができます。
借金の早期解決の糸口を見つけられる
借金問題を解決するにはどうすればよいか、具体的な糸口を見つけられることが弁護士へ相談する最大のメリットです。自分の借金の状況を伝えることでどう行動すべきかを具体的に提示してもらえます。
弁護士に相談をすることで債務整理をしたほうがよいのか、実際に債務整理をするとどれくらい借金が減額できるのか、依頼した時の費用はどれくらいかかるのかなどを細かく確認することができます。
また長期間借金をしていて返済をずっと続けている場合は過払い金が発生している可能性があります。過払い金とは文字通り払いすぎているお金のこと。2010年6月より前から借金をしている人は過払い金が発生している可能性があり、弁護士に依頼をすることで返金をしてもらえます。高い金利で長く返済を続けていた場合はこの過払い金だけで借金を完済できてしまうケースもあります。
取り立てを止めることができる
借金に悩んでいる方の中には「すでに借金を延滞していて督促が辛い」という方もいるはずです。返済できないことを理由に督促を放置していると、最終的に法的措置を取られることになります。
しかし弁護士の無料相談を利用し、債務整理をすることに決めて弁護士と委任契約を結んだ場合、弁護士から金融機関に対して受任通知が発送されます。金融機関はこの受任通知を受け取ると本人への取り立て行為が一切できなくなります。
また受任通知送付から債務整理が終わるまでは借金の返済もストップしますので、督促連絡や借金の返済から一時的に開放されることになります。現在督促の連絡に悩んでいる方、返済日に追われて辛い方は精神的にもぐっと楽になるはずです。
弁護士に相談するデメリット
他の手段同様、弁護士に相談することにはメリットのみではなくデメリットもあります。まず自分で相談する弁護士を選ばなくてはいけない点です。公的機関を利用した場合は所在地に合った場所で相談をすることができますが、弁護士に相談をする場合は自分の近くの事務所を自分で探さなくてはいけません。
また弁護士なら誰でも同じというわけではありません。弁護士が請け負う案件は借金問題だけでなく離婚問題や相続問題、訴訟問題等様々であり、弁護士によって得意な分野が異なります。もし借金問題に疎い弁護士に相談をした場合は十分なアドバイスが得られないことも。紹介ページなどを活用し債務整理に詳しい弁護士を探しましょう。
弁護士に相談する際の注意点
弁護士に相談をしようと決めた場合、まずはインターネット等を通して法律事務所に無料相談の申込を行い、その後メール等でやりとりをして面談の日取りを決定します。事務所を選ぶときから相談を行うまでの間に注意したい点をいくつか紹介します。
2回目以降の相談は有料の場合がある
弁護士への相談は無料で受けられますが2回目以降の相談は有料のところが多いです。また借金問題に力を入れている事務所ではあまり見かけませんが「最初の30分は無料、以降30分ごとに〇千円」というように延長分を有料にしている法律事務所もあります。無料相談を利用する際にはどこまでが無料なのか、料金をよく確認しましょう。
訪問できる法律事務所を選ぶ
最近はインターネットで様々な弁護士事務所を探し、どこからでも手軽に無料相談を申し込むことができるようになっています。ただしもし債務整理を行うことになった場合、細かな相談や委任契約締結の手続きは対面で行うため、自分で実際に訪問ができる地域の法律事務所を選ぶようにしましょう。
居住地と同じ市町村に籍を置く弁護士でなくても問題はありません。実際に「近すぎると知り合いに会いそうで怖い」という理由で少し離れた事務所を選ぶ方は珍しくありません。
また近年ではコロナ禍等を理由に、web会議や電話だけでの対応を行っている事務所も存在します。ただ借金問題は伝えるべきことが多いため、相談において意図や希望が十分に伝わらないケースもあります。相談の形式にこだわることなく、親身になって相談に乗ってくれる弁護士かどうかを見極めることが大切です。
あらかじめ情報をまとめておく
弁護士の無料相談は、無制限に何度も相談ができるわけではありません。2回目の相談は有料という事務所は多いですので、できる限り最初の相談ですべての情報を提示できるようにしましょう。あらかじめ借金の相談に必要な情報をまとめておき、それを相談時に持参することをお勧めします。弁護士が債務整理をすべきかどうか判断するために必要な情報は主に以下の通りです。
借金についての情報 | 会社名 借り入れ金額 いつから借りているか 利率 担保や保証人の有無 |
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収入についての情報 | 収入 家族構成 だいたいの支出 |
財産についての情報 | 自宅や土地(不動産)の有無 退職金の有無 高額な財産(20万円以上)の有無 |
借り入れ日や利息などはっきりと分からないところは大体の数字で問題ありません。もし公共料金や税金などを長い間滞納している場合、そのことについても伝えるようにしてください。また申告する借金は住宅ローンや奨学金も含みます。保証人の有無で借金の解決方法が変わってきますので、あらかじめ必ず確認をしておきましょう。
借金のきっかけを断ちたい場合の相談先
借金については公共団体の無料相談を活用したり、弁護士に相談をして債務整理をしたりすることで解決ができます。しかし以下のように借金を増やしてしまう何らかの原因がある場合、その元を絶たないと借金問題を解決することはできません。
- 失職やケガ・病気などで生活が苦しい
- ギャンブル・アルコール・浪費などの依存症から抜け出せない
- 経済的DVを受けていて借金をしないと生活費を賄えない
一度解決した借金問題にまた苦しまないために原因を根本から断ちましょう。最後に、上記のそれぞれの要因について具体的な相談先を紹介します。
生活が苦しい場合
収入がなく毎日の生活に困難を感じている場合、お住まいの地域を管轄する社会福祉協議会に相談をすることをお勧めします。社会福祉協議会は各都道府県、区市町村にあり、地域福祉の推進を図ることを目的として設立された社会福祉法人です。
社会福祉協議会では生活福祉資金の貸し付けや福祉活動の推進、生活保護制度の受付窓口業務などを行っています。地域によっては子ども食堂の支援、フードバンクの斡旋などを行っていることも。相談をすることで何らかの支援を受けられる可能性が高いですので、ぜひ活用しましょう。
生活が苦しい場合やお金がない場合に受けられる他の支援については、以下のページで詳しくまとめていますので併せてお読みください。
お金がない…助けて!原因やNGを知って公的救済制度・状況別対処法で乗り切ろう
依存症から抜け出したい場合
ギャンブルや買い物、アルコールなどの依存症が原因で借金をしている場合、借金問題を解決しただけでは生活を立て直すことができない恐れがあります。なぜなら依存症に陥っている方はなんとしてもお金を借りようとするためです。
もし借金問題解決のために債務整理をした場合、信用情報が5年程度ブラックになりしばらくお金が借りられません。しかし依存症を放置していた場合、お金が借りられないにも関わらず「ギャンブルがしたい」「買い物がしたい」等と大きなストレスを抱えることになります。その結果、闇金などに手を出し取返しがつかない事態になる恐れが。
依存症の相談は精神科や心療内科のカウンセリングが有効です。依存症の治療が受けられる医療機関は依存症対策全国センターのホームページより検索ができます。
参考:依存症対策全国センター|全国の相談窓口・医療機関を探す
病院に行くのに抵抗があるという方には保健所や精神保健福祉センターへ相談をしてみてください。精神保健福祉センターは精神保健福祉法に基づいて各都道府県に必ず設置されている組織で、こころの病を持つ人や精神的な悩みを抱える方の自立を助ける活動をしています。
全国の精神保健福祉センターは以下のページより検索ができます。
参考:全国精神保健福祉センター長会|全国精神保健福祉センター一覧
またアルコールや薬物、ギャンブル依存症については、同じ依存症の悩みを持つ人が集まり、互いに話をしたり助け合ったりできる自助グループも存在します。依存症から回復したいと考えている方はぜひ参加をしてみてみましょう。
経済的DVが原因の場合
近年は配偶者の経済的DVによって十分な生活費が得られずに借金をする方が増加傾向にあります。経済的DVとは「配偶者が生活費を渡してくれない」「少ししか生活費をもらえない」というような経済的に苦痛を受ける行為のことを指します。
借金問題が解決できたとしても、経済的DVを受けている場合はまた借金を繰り返すことになりますので、家計状況の見直しが不可欠です。経済的DVの解決方法については以下のページで詳しく解説していますので、経済的DVに悩んでいる方や自分が被害者かもしれないと思う方はぜひお読みください。
経済的DVが原因の借金を返す方法|弁護士に相談して根本的解決を
まとめ
借金の相談先に適した相手は状況によって異なります。借金を肩代わりしてほしい、お金を工面してほしいと思っている方は家族などの身近な人への相談が有効です。ただ実際には簡単に身内を頼れない、もしくは借金のことを話せないと感じている方も多いはずです。
借金の話を誰かに聞いてほしい、自分の状況を冷静に判断したいときには公的機関へ相談をしましょう。今回紹介をした通り、相談先によって相談すべき内容が異なる場合がありますので、自分がよいと思った相談先を適宜使い分けていきましょう。
ただ単に相談をしただけでは借金問題は解決できません。返済が苦しい場合やすでに借金を延滞している場合、返済の目途が立たず困っている場合は弁護士へ相談することをお勧めします。弁護士に相談をすることにより、自分は債務整理をすべきかどうか、どの債務整理が向いているか等具体的な解決策を提案してもらえます。弁護士の無料相談を利用する際はあらかじめ必要な情報をまとめ、万全の体制で挑むようにしましょう。