- 「借金返済はいつになったら終わるんだろうか…」
- 「借金を短期で返せる方法が知りたい」
いくら返済し続けていても借金がなかなか減らないとお困りの方へ、こちらの記事では借金を短期で返す秘訣や金額別の返済方法を紹介。
借金はただ漫然と返済し続けていてもなかなか減っていきません。ポイントを押さえ、借金の種類にあった方法を取ると確実に借金を減らせます。
また短期で返せない借金を、減額したり免責できる「債務整理」についても解説していきます。まずはなるべく早く借金を返済することを目指し、自分のできることから始めていきましょう。
借金を短期で返すための5つのポイント
借金を短期で返済するためには、押さえておくべき5つのポイントがあります。
①支出を減らす
借金を早く返したいのであればまずは出ていくお金、すなわち「支出」を減らすようにしましょう。つまり返済できるお金を増やすことが、完済への近道になります。
家計簿を付ける
支出を減らすには、今現在どの位の支出があるか可視化することが重要。そのためには家計簿を付けてみることをおすすめします。手書きで家計簿を付けるのが面倒という方は、パソコンのエクセルやスマホの家計簿アプリを使うと便利です。
正確な支出を把握するためには、なるべく買い物したときのレシートやクレジットカード明細などをもとにして記入しましょう。家計簿を付けるときは下のような項目ごとに分けて金額を入れると、詳細が分かりやすくなります。
- 食費
- 光熱費
- 住居費
- 交通費
- 車両関係費
- 通信費
- 保険料
- 医療費
- 教育費
- 日用品費
- 交際費
- 嗜好品費
- 借金返済費用
このように項目ごとに支出を書き出すことで、削れそうな支出が分かるだけでなく借金返済にまわせる金額も明らかになります。最低でも2~3カ月家計簿を付けていると、どの費用にいくら使っているかの平均が分かるようになります。
節約に努める
毎月の項目ごとの支出が分かったら削れるところは節約し、借金返済にまわしましょう。シャワーを出しっぱなしにしない、電気は必要な場所だけ点けるといった基本的なことだけでなく、コンビニでドリンクを買うのを止めて、それよりも安いスーパーでまとめ買いするなども節約には有効。
最も節約で効果があるのは、お酒やたばこといった嗜好品代です。なくても生活に困らないので、健康のためにもお酒やたばこの量を減らすことをおすすめします。一回当たりの支出は数百円でも、1カ月トータルで計算すると数万円になることも。その分借金返済にあてられると、いっそう完済できる日が近づきます。
毎日の買い物をお得に
日用品や食料品など、毎日の買い物を上手にやり繰りするのも借金の早期返済におすすめです。スマホアプリのクーポンやポイントカード、電子決済サービスなどを利用して、お得に買い物できると結果的に節約につながります。
ポイントが貯まるからとクレジットカードで買い物する方もいるかもしれませんが、クレジットカードは現金が引き落とされるまでタイムラグが生じ、家計の管理が難しくなります。リアルタイムで収支状況を確認したいという場合は、クレジットカードの利用を控え、現金決済やプリペイドカード、現金をチャージするタイプの決済方法を選ぶといいでしょう。
固定費を見直す
毎月かかる固定費を見直して借金返済にあてる方法もおすすめです。固定費とは毎月かかる支出のことで、節約できる固定費には次のようなものがあります。
- 保険料
- 生命保険・学資保険・個人年金
- 通信料
- 携帯やスマホの電話料金・固定電話・インターネット通信費・wifi使用料・スマホの有料アプリ
- その他
- 新聞代・宅配の水・スポーツジム代・サブスクサービス
固定費①保険料
保険は万が一のときや老後のためのものですが、仮に解約しても今現在の生活に影響はありません。付き合いで契約した保険やかなり前に契約してそのままになっている保険は、内容や支払い金額を検討して最低限必要なものに組み替えるようにしましょう。
固定費②通信費
携帯電話やスマホの料金を大手キャリアで契約するよりは、格安スマホにした方が毎月かかる通信費をおさえられます。格安スマホは実店舗がなくキャリアメールが使えないなどのデメリットがありますが、機能面ではキャリアの商品とほぼ変わらずに使えます。またインターネットやwifi料金も同様に見直して、もっと低料金のプランや業者がないか探してみましょう。
固定費③その他
ただ何となく毎月支払っている新聞代やスポーツジム代、宅配の水なども見直す必要があります。新聞は紙での契約を止めネット配信サービスに替えるだけでも料金が安くなり、新聞をまとめてゴミに出すといった手間が省けます。また携帯ゲームへの課金や漫画など有料アプリの利用も「本当に必要か」を定期的にチェックして、無駄なお金を使わないようにしましょう。
引っ越しや車の売却を検討
ある程度まとまったお金を節約したいなら、引っ越しや車の売却を検討してみては?今まで賃貸を借りて生活していた人は、実家に帰って生活することで今まで支払っていた家賃を借金の返済にあてられます。また車がなくても交通手段がある都会に住んでいる場合は、思い切って車を処分すると今までかかっていた車の税金や駐車場代、車の維持費を借金返済にまわせます。
車を売却するとその売却益も手に入るので一石二鳥です。数社に売却の見積もりを出してもらい、一番高額で買取してくれるところに車を売りましょう。間違っても知り合いなどにただで車を譲るということは避けてください。
②収入を増やす
借金を短期で返すためには、支出を減らすと同時に収入を増やす努力も必要です。支出を見直すだけでは借金返済のペースはそれほど早まらないので、時間に余裕がある人は自由な時間の一部を収入を増やすための時間にしましょう。
不要なものを売る
着られなくなった洋服やもう読むことのない本は、ネットオークションやフリマアプリで売却してみましょう。他にもアクセサリーやコレクショングッズ、CDやDVDなども売れやすいのでおすすめです。家電や家具などは配送料がかかるので買取サービスなどを利用するといいでしょう。
高価なものはなるべく複数の店から見積もりを取って、最も高く買い取ってくれるところに売りましょう。「いつか使うかも」と取っていても、その「いつか」はほとんど訪れません。部屋を見回してみてなくても困らないものは、思い切って売却すると借金返済の資金にあてられます。
副業(ダブルワーク)する
夜だけのアルバイトや在宅ワークといった副業でお金を稼ぐという方法があります。ただし本業として勤めている会社の就業規則で「副業禁止」となっている場合は、黙って働くとバレたときに処分される恐れがあります。必ず会社の規則や雇用契約書を確認してから副業するようにしましょう。
副業がOKな職場でも、あまりがんばって無理してしまうと本業に支障が出たり体調を崩してしまう恐れがあります。結果的に借金の完済から遠ざかってしまうので、無理のない範囲で本業に差し支えない程度にするのがポイントです。
転職を考える
今の仕事の給料が安かったりサービス残業が多いという場合は、思い切って転職することを考えるのも一つの方法です。転職するときは、もらえる給与の見込みと転職することで増えるかもしれない支出について計算し、本当に転職が借金返済に有効か慎重に判断しましょう。
また転職のタイミングでもらえなかった残業代を請求するのもおすすめ。退職金が支給されるのなら、退職金で借金の返済ができる可能性もあります。
③返済計画を立てる
借金を効率的に返済したいなら返済計画を立ててみましょう。今返済している借金について調べると、完済までの道のりが明らかになります。
借金をリストアップ
まずは現在の借り入れ状況を把握するために、借金を全てリストアップします。リストアップする借金は次の通りです。
- 消費者金融
- カードローン
- クレジットカード(キャッシング・ショッピングのリボ払い)
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- 携帯電話・スマホの分割払い
次に借り入れの状況や金利などを債権者ごとに一覧にしていきます。エクセルなどを使って表にすると計算しやすいでしょう。借り入れ状況を把握するには、「大体この位かな?」といった何となくの情報ではなく、明細表や契約書を見て正確な情報を記入しましょう。
手元に明細書などがない場合は、貸金業者のホームページで会員専用ページを見るか、直接電話で問い合わせるといいでしょう。一覧にする項目は次の通りです。
- 債権者ごとの借入金額の残高
- 毎月の支払金額
- それぞれの金利(%)
- 支払回数・完済までの期間
- 返済総額
- 利息の合計
一覧表にすると今現在の残高が分かるだけでなく、総額でいくら必要かや完済までにどの位の時間かかるかが明らかになります。
滞納している借金がないかチェック
債権者ごとの一覧を作る場合は、滞納している借金がないか必ずチェックしましょう。すでに滞納している借金があるときは、その借金から最優先で返済していく必要があります。というのも滞納している借金には「遅延損害金」がかかっているからです。遅延損害金は決められた返済日の翌日から発生し、一日当たりで加算されていきます。
通常は下にある上限金利の1.46倍が加算されます。消費金融などの貸金業者は、遅延損害金を上限20%に設定しています。
- 元本の額が10万円未満
- 年利20%
- 元本の額が10万円以上100万円未満
- 年利18%
- 元本の額が100万円以上
- 年利15%
つまり借金を延滞すればするほど返済しなければいけない金額が膨らんでいくという訳です。特に複数の貸金業者から借金している人は、返済日の管理が追い付かずうっかり返済し忘れるということがよくあります。もし滞納している借金を見つけた場合は、すぐにその状況を改善しなければいけません。
完済までの期間を調べる
借金を全てリストアップすると、完済までどの位の期間がかかるか分かるようになります。「あと○年で返済が終わる」と分かれば、返済のモチベーションアップにつながるのはもちろん、無駄に返済で心配することもなくなります。
完済までの期間が分かったら、支出や収入の見直しでどの程度期間を短縮できるか目標を決めましょう。ただしあくまで「無理しない範囲で」ということが鉄則です。到底実現できない目標を設定してしまうと、途中で辛くなり完済にたどり着けない可能性があります。
④返済額を上げる
当然ですが借金の返済額を上げると、完済までの期間が短くなります。これは元本を減らせるだけでなく、支払う利息の削減にもつながるからです。
早い段階で繰り上げ返済する
返済額を上げるには、借金した早い段階で繰り上げ返済するのが有効です。繰り上げ返済とは毎月決められた返済額とは別に、臨時収入があったときや給料日前に手元にお金が残ったときにするスポット的な返済のこと。繰り上げ返済の大きなメリットは、利息がかからないことです。元本のみ効率的に返済できるので、今後支払う利息も圧縮できます。
毎月の利息は元本の残高によって決まるため、残高が多く残っているとそれだけ利息がかかり、完済までの期間が延びます。つまり元本がたくさん残っている早い段階で繰り上げ返済できると、結果的に完済までの期間も短くできるという訳です。
毎月の返済額を見直す
繰り上げ返済とは別に毎月の返済額を見直すことも重要です。キャッシングなどお金を借りるときの契約では、貸金業者が決めている「最低弁済額」以上を支払えばいいということになっています。確かに毎月の返済額が少ないと、他のことにお金をまわせるので嬉しいと感じる人がいるかもしれませんが、借金を早く返済したい場合はマイナスになります。
こちらは金利15%で借りた60万円の借金を、毎月5,000円・10,000円・20,000円・30,000円で返済したときの返済総額と利息総額の一覧です。
毎月の返済額 | 利息総額 | 返済総額 | 返済回数 |
---|---|---|---|
5,000円 | 152,387円 | 752,387円 | 59回 |
10,000円 | 131,009円 | 731,009円 | 44回 |
20,000円 | 115,919円 | 715,919円 | 32回 |
30,000円 | 94,754円 | 694,754円 | 24回 |
毎月の返済額が少なければ少ないほど支払う利息や借金の総額が増えます。結果的に返済回数(期間)も長くなってしまうため、最低弁済額で返済している人は毎月の返済額を見直してみましょう。「お金を借りたときは経済的に余裕がなかったが、今は少し余裕が出てきた」という人は、毎月の返済額を少しでもアップしてみてはいかがでしょうか。
⑤支払う利息を減らす
借金返済の総額や期間に大きな影響を及ぼすのが支払う利息です。借金にかかる金利が下がれば支払う利息が減少します。つまり今より少ない金利にできれば完済までの期間が短くできるということになります。
返済予定の金利を計算
支払う利息を減らすには、今現在返済している借金の金利を計算していきましょう。金利は一般的に元本に対する1年当たりの利息を割合(%)で示した「年利」が採用されています。金利は借入契約書などに記載されているので確認してください。
金利が分かると支払う利息の金額が計算できます。通常利息額は次の計算式で計算できます。
例えば50万円を年利18%で1年間借りたときの利息は、50万円×18%÷365日×365日で9万円となります。金利が高く設定されているほど、早めの返済がお得です。
支払方法の変更
返済している借金の金利を低くするには、支払い方法の変更がおすすめです。一般的にリボ払いよりも分割払いが、分割払いよりも一括払いの方が金利が低く設定されています。現在リボ払いでショッピングクレジットの借金を返済している方は、分割払いにするだけでも支払う利息を減らせます。
また今分割払いで支払っている人は節約や収入を増やす努力でお金をため、一括払いで借金を返せればその時点で借金生活から抜け出せるでしょう。ただし支払方法の変更が可能かやかかる手数料については貸金業者によって異なります。支払い変更の手続きをする前に必ず確認しましょう。
借金の種類別・早く返済するコツ
こちらでは借金の種類別に早く返済するコツを紹介していきます。該当する借金がある方は参考にしましょう。
リボ払いは一括払いに変更
上で少し紹介しましたが、リボ払いで支払っている借金を一括払いに変更できると早く返済できるばかりか、支払う利息も減らせます。リボ払いは毎月一定の少ない支払額で済むというメリットがある一方で、通常のカードローンの金利が年4~13%に対して15%前後と高めです。借り入れ金額が高ければそれだけ支払う利息の額も大きくなり、いつになっても借金がなくならないという原因に。
思い切って一括払いで支払うのが一番ですが、難しい場合は分割払いに変更しましょう。また新たに借金をするときはなるべくリボ払いにしないのも借金を増やさないポイントです。
複数の借金はおまとめローンで一本化
複数か所からの借金がある場合は「おまとめローン」で一本化しましょう。何社もの貸金業者から借金していると、それぞれに返済日や返済方法が異なり、毎月借金を返済するだけでも大変な労力がかかります。うっかり返済日を忘れてしまうということにもなりかねないため、遅延損害金を発生させないためにもおまとめローンはおすすめです。
おまとめローンで借金を一つにまとめると、このようなメリットがあります。
- 毎月の返済管理がしやすくなる
- 毎月の返済額が下げられる
- 利息を下げられる場合がある
いくつもあった借金が一つになるだけでも心理的負担がグッと軽くなります。ただしおまとめローンに変えることで返済期間が延びると、結果として支払う利息が増える可能性があります。またおまとめローンには審査があり、これに通らないと一本化できないことを覚えておきましょう。
高い金利の借金は借り換えで
高い金利を支払って返済している借金は、より低い金利の借金を借り換えることで完済までの道のりが短くなります。消費者金融から借り入れしている場合は、より金利の低い貸金業者を探すか、銀行などの借り換えローンにすると返済総額をおさえられます。
また2010年以前から高い金利で借金を返し続けていた方は、法定金利を超えた利息を支払っている可能性があります。もし払い過ぎた利息がある場合はその利息を元本返済にあてたり、「過払い金」として返還請求できます。多くの弁護士事務所では過払い金返還請求の手続きを行っています。「過払い金があるかも」という方は相談してみてはいかがでしょうか。
残金の少ない借金から積極的に返済
借金返済の期間を短くするには、残金の少ない借金から積極的に返済していきましょう。「何カ所もからキャッシングしているけど、どこから返済したらいいか分からない」という方は、残金や返済回数が少ない借金から繰り上げ返済したり、毎月の返済額を増額していくのがおすすめです。
返済しなければいけない借金がいくつもあるとそれだけで心理的負担になります。借金が一つ減るだけでも気持ちに余裕が生まれます。また完済した借金にあてていた分を他の借金返済に回せるので、全体的な期間短縮にもつながります。
借金の種類別の返済方法のコツは、こちらの記事に詳しく記載しているので参考にしましょう。
「【種類別・ケース別】借金を返済するコツは?返済が厳しい場合の解決法も解説!」
金額別の返済方法
借金の種類別の返済方法が分かったところで、金額別の返済方法も紹介していきます。トータルの借金額に照らし合わせて参考にしてみてください。
50万円の借金
50万円の借金であれば、完済や返済期間の短縮は難しくありません。毎月の支出を見直して、嗜好品を節約したり固定費を削減する努力をしましょう。不用品を売ったりダブルワークなどで繰り上げ返済できるお金を作るのも有効。とにかく身近に節約できるものやお金になるものがないか探し、一日でも早い完済を目指しましょう。
100万円の借金
100万円の借金がある人は、収入によっては自力での完済が困難になり始めます。とはいえまずは収入を増やすことを最優先で考え、アルバイトや在宅ワークなどで借金返済にプラスできる収入を確保しましょう。また支払方法を変更したり、借り換えローンを検討するなど、利息の支払いを減らすのも短期で返済するコツです。
ただしここで気を付けたいのは、年収600万円以下の方の借り換えです。借金は「総量規制」によって、貸金業者から借りられる上限が決まっています。通常は年収の1/3までと決められているため、年収300万円の方はすでに年収の1/3の金額を借金していることになり、借り換えのために新しい借金ができないので気を付けましょう。
100万円の借金返済については、こちらの記事で詳しく解説しています。
「借金100万円の返済方法は?効率的な返済方法&金利別の返済シミュレーション」
200万円の借金
200万円の借金があると少しの節約や収入アップでは間に合いません。思い切って引っ越しして家賃のかからない実家に戻ることや、車を売って返済にあてるなどの思い切った対策が必要です。特に生活費が足りないという理由で少しずつ借りたお金が、いつの間にか200万円にまで増えたという場合は返済の短縮が難しくなります。
住宅ローンや自動車ローンなどまとまったお金を借り入れした場合は、予め返済計画を立てていることがほとんどですが、自覚もないまま膨れ上がったような借金は誰かから肩代わりしてもらわない限り自力での完済するのは困難です。
300万円以上の借金
300万円以上の借金があると、毎月の返済額が少なければ少ないほど返済期間は長期化します。300万円の借金を完済するには年利15%で計算した場合、毎月6万円近く支払っても80カ月(6年8カ月)ほどかかり、支払総額も約476万円と元本より176万円も余分に支払わなければならないことに。少しでも延滞すると遅延損害金が発生するため、支払総額はさらに増大します。
借金の原因別による解決方法は、こちらの記事を参考にしてください。
「借金地獄から抜け出したい!借金の原因別・種類別10の解決方法」
短期で返せない借金は…「債務整理」を検討!
300万円以上の借金や、いつ完済できるか分からないような借金は「債務整理」を検討してみては?債務整理とは法的に認められた手続きで、申立てが認められると借金が減額できたり免責できます。
債務整理に詳しい弁護士に相談
まずは債務整理に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。債務整理のみならず、借金問題は法律の専門家に相談することで、解決の糸口が見つかるケースがあります。借金問題は一人一人状況が異なるため、弁護士に相談できるとあなたの収入や借金の種類、家族の有無や希望などにあった借金の解決方法を見つけてくれるでしょう。
実際に債務整理を弁護士に依頼できると、面倒な書類の作成や借金額の再計算、債権者との交渉や裁判所の出廷などを任せられます。また弁護士から代理人として債務整理手続きを行うことを知らせる「受任通知」が債権者に送付されると、借金の取り立てや督促がストップできます。
過払い金返還請求で利息を取り戻す
債務整理の過程で、これまで支払った借金の利息や総額を再計算する「引き直し計算」が行われます。これにより払い過ぎていた利息があることが分かると過払い金返還請求で利息を取り戻すことができます。債務整理を希望しない人でも過払い金請求は可能で、過去の借金が分かる書類を弁護士事務所に持参すると、過払い金があるか診断してもらえるでしょう。
ただし過払い金請求ができるのは次の条件に当てはまる人です。
- 最後に完済してから10年以内
- 2010年6月17日以前に借り入れしている
- 特定の消費者金融やクレジットカード会社から借りた
現在も借金を返済中なら、戻ってきた過払い金を元本返済にあてることが可能です。
返済額を減らせる任意整理
任意整理とは裁判所を通さずに弁護士が債権者と直接交渉することで、今後発生する利息分やこれまでの遅延損害金を減額できるという手続き。減額された借金は3年~5年かけて分割で返済していきます。裁判所を通さない手続きということで整理する対象の借金が選べるため、保証人が付いている借金や住宅ローンなどを対象から外せます。
また手続きにかかる費用や期間が少なくて済むのもメリットで、周囲に一番バレにくい方法です。しかし借金の総額が大きいと元本だけになっても返済が難しいことがあり、信用情報機関に事故情報として登録されてしまいます。新たにクレジットカードを作れなかったりローンが組めない等の制限が出てきます。
個人再生は裁判で大幅減額
個人再生は裁判所に申立てて、それが認められると借金を1/5~1/10まで減額できる手続きです。住宅ローン返済中の方はマイホームを手放さなくて済む「マイホーム特例」が受けられ、どんな原因で借金しても申立てできるのがメリットです。残った借金は任意整理と同じように3年から5年かけて返済していきます。任意整理よりも大幅に減額できるため、借金総額が多い人に適しています。
ただし収入や借金の総額が5000万円までと制限があり、弁護士費用の他に裁判所に支払う費用が必要になります。手続きにかかる期間は早くて半年、長いと1年以上かかるのもデメリット。さらに信用情報に事故情報として登録されたり、政府の機関紙「官報」に掲載されることも避けられません。
借金を免責できる自己破産
裁判所に申立てを行い破産手続開始決定(破産宣告)が出されると、借金が免責されるのが自己破産です。無職や生活保護を受給中の人も手続きが可能で、どんな大きな借金でも免責できるのがメリット。
しかし財産を持っている場合は必要最低限を除いて処分され、債権者に分配されます。また借金の理由がギャンブルや散財だと「免責不許可事由」に該当して、借金が免責されません。また手続き中は特定の職業に就けなかったり、制限される資格があるなど仕事の面で不都合が生じます。
まとめ
借金を短期で返済するには支出を減らす努力をしながら収入アップを目指すのがポイント。また借金の返済計画を立てて、返済額を増やしたり支払う利息を減らす工夫が必要です。借金の種類や金額によって、効率的な返済方法があります。なるべく早期に完済を目指すなら、ポイントを押さえた返済を心がけましょう。
何かの事情で返済が難しくなったり、自分一人の力では完済できない程借金が膨らんだ場合は、債務整理を検討してみては?借金に詳しい弁護士に相談すると、あなたに一番合った債務整理の方法を教えてくれたり過払い金があるかどうか調査してくれます。
債務整理には主に任意整理・個人再生・自己破産の3種類があります。それぞれメリット・デメリットが異なるので、信頼できる弁護士に相談しながら、最も適した債務整理の方法を見つけていきましょう。