奨学金400万円は返済するまで何年かかる?奨学金を延滞した時の流れや対処法、減額方法について調査

奨学金400万円は返済するまで何年かかる?奨学金を延滞した時の流れや対処法、減額方法について調査
奨学金400万円は返済するまで何年かかる?奨学金を延滞した時の流れや対処法、減額方法について調査

  • 「奨学金をずっと返済しているが、いつになったら終わるんだろう」
  • 「奨学金の返済ができない。どうすればいい?」

大学在学時にお金を借りて卒業後に返済をする奨学金制度。大学生が利用する奨学金の平均金額は、労働者福祉中央協議会の調査によると324万3,000円という結果が出ています。これに利息分を加えると400万円近くを返済することになります。

いくら利息が低いとはいえ、すぐに返し終える金額ではありません。具体的に完済までに何年かかるか、総額でどれくらいの金額を支払うかについて改めて確認をしていきます。

また奨学金は卒業後に収入を得ることを前提にした制度ですが、大学を卒業したものの定職に就けない、就職したが社会情勢の変化などを理由に無職になってしまった、という例も決して珍しくありません。今回は奨学金を返せないとどうなるのか、そして奨学金を返せないときの対処法について詳しく解説をしていきます。

 

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奨学金を返還できない人が増えている

奨学金とは、冒頭でも解説したとおり大学在学中にお金を借り、それを卒業後に返済していく制度のことを指します。日本における奨学金の歴史は古く、1943年の大日本育英会が無利子で大学生に奨学金を貸付し始めたのがきっかけです。

かつては大学を卒業すれば定職に就くことができ、奨学金の返済も難なく行うことができました。しかし近年は大学を卒業したものの返済ができない人が増加傾向にあり「奨学金問題」として奨学金制度そのものに疑問を呈する専門家・団体も増えつつあります。

奨学金を延滞している人は3%以上

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の調査結果によると、2019年度末において延滞をせずに返済をしている奨学生がおよそ411万人であるのに対し、3カ月以上の延滞者が15万2千人と全体の3%以上が延滞中であることが分かっています。

参考:日本学生支援機構 令和元年度奨学事業に関する実態調査

奨学金の返済は奨学金の振込に使っていた口座から毎月27日に自動的に口座振替を行う形式で、リレー口座とも呼ばれます。大学生の時からメインで使っていた口座から引き落としを行うため、本来であれば延滞する割合は極めて低くなるはずであり、それを考えると3%という数値は高いと言えます。

卒業後定職に就けるとは限らない

そもそも奨学金は大学卒業後に安定した収入が得られることを前提にした制度です。しかし実際に大学に進学したからといって、卒業時に定職に就けるとは限らないのが実情です。

文部科学省が令和4年度に行った学校基本調査によると、令和3年に大学を卒業した後に就職した人の割合は74.2%。平成31年3月の78.0%より減少傾向にあります。大学院に進学する人は11.8%ほどで、それ以外のおよそ14%の人は定職に就けない、もしくは進路が不明という集計です。

もちろん就職すれば収入が安定というわけではありません。以下のような理由で収入が得られなくなるケース、離職するケースも決して珍しくありません。

  • 会社の経営難のため収入が得られなくなった
  • ブラック企業だったため離職した
  • 体調を崩してしばらく働けなくなった

奨学金を返せず自己破産に至った人も

実際に奨学金を借りている人で自己破産を選択せざるを得なくなったという人も少なくありません。平成28年には一年で2,009件もの破産件数があり、奨学金に関して免責処分を受けています。

日本学生支援機構の報告によると破産者の69%が奨学金の返済を延滞していたとのこと。もちろん奨学金だけが破産の原因とは言い切れませんが、奨学金の返済ができないまま自己破産を選択せざるを得なくなった人がいるというのは事実です。

参考:日本学生支援機構 奨学金返還者の自己破産に関する報道について

400万円の奨学金はいつ完済できる?

現在は特に問題なく返済ができている方でも、この先不慮の事態が全く起きないとは言い切れません。何らかの事情で収入が途絶えたとき、奨学金の返済が足かせになるかもしれません。奨学金をいつ返済できるか改めて確認をしていきましょう。

第二種奨学金(利息付・貸与型)を4年制大学で合計384万円、およそ400万円を利率0.50%で借りたときのケースを紹介します。

貸与総額 3,840,000円
返還総額 4,045,290円
返済回数 240回(20年)
返済額 月々16,855円/最終16,950円

奨学金の特長は利率が極めて低いこと。今回は0.50%で算出をしていますが、実際にはこれより低い利率で借りられるケースも。総支払利息は205,290円と、残高が高いにも関わらず低めに抑えられています。

しかし着目したいのは返済回数です。奨学金は返済240回、20年をかけて返済をしていくことになります。22歳で大学を卒業した場合は42歳まで返済をしていくことになります。現在20代の方は、30代~40代の自分がどのような生活を送っているのかを想像するのは難しいのではないでしょうか。

結婚の際に配偶者が嫌がるケースも

大学卒業直後は仕事で精一杯でも、いずれは結婚を考えるようになる方も多いでしょう。結婚をすると配偶者と家計が同一になることが大半であり、そうすると奨学金を返済していることも共有することになるはずです。

冒頭で解説した通り、奨学金を借りて進学することは普通になりつつありますが、奨学金を借金として忌み嫌う人がいるのも事実です。奨学金を抱えている人とは結婚できないという人、もしくは本人は気にしていなくても親が気にして反対するケースも実際にあります。

結婚前に奨学金を前倒しで完済できれば問題はありません。しかし先ほど提示した400万円の場合、返済期間を10年に短縮するには月々3万円以上の返済が必要です。生活費を全て自分の給与でまかなう場合、返済だけで手いっぱいになり貯蓄や自己投資はできない方が大半でしょう。

教育費用などの出費と重なる可能性が

結婚後も奨学金の返済が続く場合、家計にその負担が圧し掛かります。もし子ができた場合は教育費がかかります。子が小さい時は負担が軽いと思っていても中学・高校と年齢が上がるにつれ教育費の負担は重くなります。結婚・出産の時期によっては教育費の負担が重い時期が奨学金の返済と重なる可能性もあります。

子どもがいない場合でも親の介護費用住宅費用などお金が必要になるシーンはいくつもあります。その都度奨学金返還との兼ね合いをつけなくてはならず、奨学金は長い間家計の足かせとして存在し続けることに。

奨学金が返済できないとどうなる?

奨学金の返済は家計の大きな負担になりますが、それでは実際に奨学金を返還できなかった場合はどうなるのでしょう。奨学金の延滞後のスケジュールについて、仮に5月27日に振替ができなかった時を例にして解説します。

6月7日以降 督促の電話がかかってくる
6月10日~ 本人あてに「奨学金返還の振替不能通知」が届く
6月11日~ 連帯保証人・保証人あてに「奨学金の返還について」が届く
6月17日 本人あてに「個人信用情報機関への登録について」が届く

連帯保証人に請求が行く

奨学金には「人的保証」「機関保証」がありますので、自分がどちらの保証を利用しているのかを確認しましょう。どちらを利用しているかによって延滞時の流れが少し異なります。

人的保証
連帯保証人と保証人が返済を保証する制度
機関保証
保証機関が保証する制度。奨学金から毎月保証料が差し引かれる

上記二つの保証制度のうち「人的保証」とは、契約者が返済できなかったたとき、代わりに返済の義務を負う保証人を二人用意する制度のこと。

  • 連帯保証人…父母、もしくは父母代わりの人
  • 保証人…本人や連帯保証人と別生計で4親等以内の親族

奨学金を延滞すると電話と郵便での督促が開始されますが、人的保証を利用していた場合は本人だけでなく連帯保証人・保証人にも督促が行われます。

延滞金がかかる

期日通りに返還ができなかった場合、ローンを延滞したときにかかる遅延損害金と同じように、追加で延滞金が賦課されるようになります。延滞金は元々利息がない第一種奨学金、利息付で返還をする第二種奨学金でそれぞれ異なります。

また延滞金の利率は平成26年と令和2年に改定がされており、かつて10%(第一種は5%)と設定されていましたが今は低くなっています。

延滞期間 第一種奨学金 第二種奨学金
平成26年3月27日まで 5% 10%
平成26年3月28日~令和2年3月27日 2.5% 5%
令和2年3月28日~ 1.5% 3%

※割合は全て1年あたりの数字

金融機関での遅延損害金が期日の翌日からかかるのに対し、奨学金の延滞金は1カ月の延滞であれば加算されずに2回目の延滞から賦課されます。また金融機関のローンでは残高全てに利率を乗じて計算を行いますが、奨学金の場合はその月に支払ができなかった金額に対して計算を行うため、金額はそれほど高くないことが特徴です。

例えば第二種奨学金の返還金5万円を3カ月(90日)延滞した場合、計算式は以下のようになります。

50,000円×延滞金3%÷365日×60日(90日-1カ月)=247円

1カ月分は延滞金がかからないため、30日分を差し引いて計算を行っています。元々の利率自体が低いこともあり、3カ月延滞をしても延滞金はあまり加算されないことが分かります。

この数字を見て、別に延滞をしていてもデメリットがないのでは?と考える方もいるかもしれません。しかし長く延滞をすると個人信用情報機関に異動情報が登録され、いわゆるブラックの状態になります。

信用情報がブラックになる

金融機関でローンを組むときには信用情報機関を参照し、契約情報の登録を行います。奨学金も借りたお金を返す「ローン」ではありますが契約時に信用情報への登録は行いません。そのため奨学金をいくら借りていても、銀行や消費者金融のローン審査には一切影響がありません。

しかし延滞をして3カ月を経過すると、日本学生支援機構は信用情報機関に異動情報の登録を行います。振替ができなかった日から20日ほど経つと、郵送で「奨学金の返還及び個人信用情報機関への登録について」という通知が届きます。通知に記載されている内容は以下の3つ。

  • 次回の振替日の案内
  • 返還期限の猶予・延滞の手続き案内
  • 3カ月経過した場合は信用情報機関に報告をするという旨

日本の金融機関が登録・参照を行う信用情報機関は以下の3つで、日本学生支援機構はその中の「全国銀行個人信用情報センター」に登録を行います。以下の3つの信用情報機関はCRIN(クリン)というネットワークで提携をしていますので、1つの機関に登録がされれば他の機関に情報が共有されます。

名称 略称 主な会員
全国銀行個人信用情報センター KSC 銀行
日本信用情報機構 JICC 消費者金融
株式会社シー・アイ・シー CIC クレジットカード会社

消えるのは返還完了より5年後

信用情報機関に「延滞」という異動情報が一度登録されると、最長で5年間は消えることがありません。情報がある間は他の金融機関でローンなどが一切利用できなくなる、いわゆるブラックという状態になります。

ブラックの期間については延滞をしてから5年以内と解釈する方も多いですが、奨学金の場合は一度異動情報が登録されると返還完了から5年間は情報が消えません。

一度登録された情報は、延滞中はもちろんのこと、延滞を解消しても一般のクレジットカードと同様に約束どおり返済している人の情報として登録され続け、返還完了の5年後に削除されます。
引用元:日本学生支援機構 個人信用情報機関への個人情報・個人信用情報の登録

つまりあと15年分の返済が残っていた場合返済期間15年+5年の合計20年の間はブラックの期間が続くということです。その間ローンが一切組めないとなると人生に大きく影響を及ぼす恐れもあります。

信用情報に異動情報が登録される、つまりブラックリストに載ることについての解説、デメリットについては以下のページで詳しくまとめています。
債務整理するとブラックリストにのる?気になる「ブラックリスト」についてすべてお答えします!

法的措置をとられ残高の一括請求へ

日本学生支援機構では、奨学金を支払えない状況にある場合は返還期限猶予等の手続きをしたり、連絡をしたりするよう推奨しています。連絡や手続きが一切ないまま延滞をすると、本来なら支払能力があるのに返済を怠っているとみなされ残高を一括で請求されます。

督促を受けても返還期限猶予等の手続きや連絡がない等により、延滞を続けている者については、独立行政法人日本学生支援機構法施行令第5条第5項に定める「支払能力があるにもかかわらず割賦金の返還を著しく怠った」と判断すること等により、一括請求します。
引用元:日本学生支援機構 督促

一括請求の流れは人的保証・機関保証どちらを利用しているかによって若干の違いはありますが、いずれにせよ最終的には法的措置を取られ財産・給与が差し押さえられることになります。

機関保証の場合

日本学生支援機構は保証機関(日本国際教育支援協会)に未返還分の残高と延滞金を請求します。このように保証機関が代わりに残高を支払うことを代位弁済と呼び、信用情報にも異動情報として登録されます。

その後代位弁済を行った日本国際教育支援協会が、本人に弁済額の一括請求を行います。請求に応じなかった場合は訴訟手続に移行し、給与などの差し押さえをされることになります。

人的保証の場合

人的保証を利用している場合は上記の代位弁済は行われず、日本学生支援機構が法的措置を取ります。手続きの流れは以下の通り。

  1. 支払督促予告の送付、残高の一括請求
  2. 支払督促申立の送付
  3. 仮執行宣言付支払督促申立の送付
  4. 強制執行(給与・財産の差し押さえへ)

延滞が長引くと、一括で残高を支払わないと法的措置を取るという旨を記した支払督促予告が日本学生支援機構から送られてきます。これを無視すると支払督促申立が裁判所から届きます。

それもさらに無視すると、裁判所から財産や給与の差し押さえを予告する仮執行宣言付支払督促申立が届きます。さらに放置を続けた場合は強制執行となり、実際に給与などを差し押さえられることになります。人的保証を利用していて奨学金の返還を延滞した場合、本人だけでなく連帯保証人・保証人宛にも支払督促予告が送られ、上記と同様の過程を辿ることになります。

連帯保証人の給与が差し押さえられる

督促を放置し続けた場合、最終的には本人の給与が差し押さえられます。しかし本人が職に就いておらず給与の差し押さえができない場合、代わりに連帯保証人・保証人の給与が差し押さえられることになります。

給与の差し押さえに際しては裁判所から勤務先に直接通達が送られますので、勤務先には「返済ができず差し押さえになった」ということが確実にバレます。人的保証を利用している人が延滞をすると連帯保証人や保証人に多大な迷惑をかけることになり、親族同士の関係に亀裂が入る原因となり得ます。

奨学金を返せない時の対処法

それでは実際に奨学金を返せない状況になったとき、具体的にどのような事をすればいいのかについて解説します。まず第一に督促を無視しないことです。そして猶予制度、減額返還など利用できる制度を最大限に活用しましょう。

猶予制度などを利用すると完済までにかかる期間は延びますが、やむを得ない事情で返済ができないとみなされ、返済を待ってもらうことができます。

督促を無視せず事情を説明する

たとえ返還に充てるお金の目処がなかったとしても、督促の電話などを無視することは絶対にやめましょう。督促を無視していると、支払い能力があるにも関わらず返済を怠っているとみなされて信用情報がブラックになり、残高の一括請求をされる可能性が高くなります。

奨学金の延滞が理由でブラックになると、先に解説をした通り返還完了から5年以内はブラック状態が続くことになり、住宅ローンや自動車ローンなどのあらゆるローン全てが利用できなくなります。しかし返済ができない理由を伝えれば、状況にあった手続きを案内してもらえる上信用情報がブラックになることを防ぐことができます。

猶予制度、減額返還を利用する

失業や経済困難などが原因で返済が難しくなった場合、日本学生支援機構へ返還期限猶予もしくは減額返還の手続きの申請ができます。

減額返還
1カ月あたりの返還額を2分の1~3分の1にする
返還期限猶予
一定期間返還を先送りする(最長10年)

減額返還は傷病や災害、経済的理由で返還が難しく、収入が基準以下のときに申請ができます。一回の申請につき1年まで、最大で15年分までを上限に毎月の返済金額を2分の1~3分の1にすることができます。

返還期限猶予は返済ができない事情が発生したときに申請を行うことで、最長10年まで返済を先延ばしにできる制度です。いずれも返還する元金や利子が免除されるわけでなく後回しになるだけですが、手続を行えば督促が止まり、信用情報に傷がつきません。

申請は郵送で行います。ホームページもしくはスカラネットパーソナルでダウンロードできる申請用紙を印刷し、必要事項を記入しましょう。

猶予制度が申請できる事由・必要書類

返還期限猶予の申請をする場合、返済ができない事由に応じた証明書の添付が必要です。申請ができる主な事由と、申請の際に同封が必要は証明書は以下の通り。

事由 必要書類
ケガ・病気 発行2カ月以内の診断書
生活保護受給中 生活保護受給証明書
失業 雇用保険受給資格者証(求職活動記録面も含む)、離職票、被保険者資格喪失確認通知書のコピーのいずれか
経済困難 最新の所得証明書、市県民税(所得・課税)証明書、令和3年度住民税非課税証明書
マイナンバーを提出すれば証明書の提出は不要
災害 「経済困難」と同様、もしくは罹災証明書
産前産後・育児休業 「経済困難」と同様、もしくは休業証明書

経済困難で申請する際の収入上限

経済困難が理由で減額返還や期限猶予の申請をするには、収入が基準以下である必要があります。

減額返還 返還期限猶予
給与所得 年間収入325万円以下 年間収入300万円以下
給与所得以外 年間所得225万円以下 年間所得200万円以下

 
親へ援助をしている場合や被扶養者がいる場合などは、収入より一定の金額を差し引いた金額で判定を行います。控除金額については以下の通り。

事由 控除金額
被扶養者がいる 一人につき38万円
親への援助 援助先一世帯につき38万円
他の親族(2親等以内)への援助 38万円
医療費 医療費分を控除(最大年間96万円)
被扶養者の医療費 医療費分を控除(最大年間96万円)

例えば年収が310万円ある場合、収入が300万円以下という返還期限猶予の条件に当てはまらないため申請ができません。しかし親の収入が少なく仕送りをしている場合、本来の収入より38万円を差し引いた282万円で判定を行えるため、返還期限猶予の申請を行えます。

奨学金支援制度を利用する

都道府県・市町村によっては人材確保を目的として奨学金を返済予定の人に向けた支援制度を設置しています。対象地域内の特定の職種、提携企業に就職する人が返還する金額の一部、もしくは全額を助成します。

名称や申込条件は自治体により異なります。例えば東京都の場合、大学在学中で奨学金利用中の方に向け以下の2つの制度を設けています。

介護職員奨学金返済・育成支援事業
介護職に就きたい方、働きながら資格取得を目指したい方に奨学金返還相当額を支給
中小企業人材確保のための奨学金返還支援事業
建設・ITなどの中小企業に技術者として就職する方に対し、奨学金返還相当額を3年間支給

既に大学を卒業し返還中の方でも申し込める支援を行っている県もあります。福島県では5年以上福島県内に定住・勤務することを条件に、既卒者も含めて申込ができる「福島県の将来を担う産業人材確保のための奨学金返還支援事業」を設けています。

参考:福島県ホームページ「福島県の将来を担う産業人材確保のための奨学金返還支援事業」

各自治体ごとの制度については、日本学生支援機構にまとめられています。条件に合いそうなものがあれば検討をしてみてください。
参考:日本学生支援機構 地方公共団体の返還支援制度

支援団体に相談をする

大学を卒業した後に奨学金の返済ができない、という事は「奨学金問題」として社会問題にもなりつつあり、それに伴って奨学金の返済ができない人を支援する団体も増えています。支援団体に相談をすることで奨学金に関する各種申請の手助けをしてもらえます。

NPO法人POSSE

POSSE(ポッセ)は若い人を取り巻く労働問題、貧困問題の解決を目指すNGO法人団体です。奨学金問題だけでなく解雇や雇い止め、残業代請求など様々な相談を受け付けており、様々なメディアに取り上げられている団体です。

奨学金については返還猶予制度、減額返還申請の手続きのサポートを行っています。
参考:NPO POSSE

奨学金の支払いを免除される条件とは

奨学金は一回あたりの返還金額を減らしたり、返還を先送りにすることができますが、元金や利息そのものを減らすことはできず、いずれは返還をしなくてはいけません。奨学金の残高は高額ですので、免除を受けたいと考える方もいるでしょう。

しかし奨学金の支払を免除できる条件は本人が死亡もしくは返済の見込みが完全になくなった時のみ。また例外として第一種奨学金を利用し、大学院で優れた成績を残した方は免除の対象になりますが、条件が非常に厳しいため利用できる人はきわめて稀です。

本人が死亡したとき

本人の死亡を理由に支払を免除してもらうためには、死亡の事実を記載した戸籍抄本、もしくは個人事項証明や住民票などの公的な証明書の原本を送付しなくてはいけません。さらに相続人と連帯保証人(人的保証のみ)の直筆による貸与奨学金返還免除願の提出も必要です。

障害によって返済の見込みがないとき

精神もしくは身体に障害を負い、今後回復の見込みがなく労働ができない場合も免除の手続きを行うことができます。まずは日本学生支援機構に相談を行い、該当するようであれば提出用の書類を送付してもらい申請手続きを行います。

提出が必要な書類は以下の3つ。

  • 本人、連帯保証人(人的保証のみ)連署の返還免除願
  • 収入に関する証明書類(原本)
  • 日本学生支援機構の所定用紙による診断書(開封したものは無効)

奨学金は高額であり、万が一返済がされない場合は日本学生支援機構の損失となります。そのため免除を受けるためには極めて厳正な手続きが必要であり、「もしかしたら免除が受けられるかもしれない」というような軽い気持ちでは免除申請ができないようになっています。

奨学金は債務整理ができる?

銀行や消費者金融などの一般的なローンは、弁護士に債務整理を依頼することによって借金の負担を軽減できます。それなら奨学金も債務整理ができるのでは?と思う方もいるはずです。結論から述べると、奨学金は債務整理で減額することができます。

しかし奨学金はその性質上、債務整理には向いていません。理由は以下の2つ。

  • 利率が低く任意整理では効果がない
  • 減額分は連帯保証人へ請求が行われる

任意整理は奨学金に向かない

債務整理には自己破産・個人再生・任意整理の3つがあります。

自己破産
財産の大半を引き換えに借金を免責してもらう
個人再生
再生計画を立て、5分の1程度に減額した債務の返済を行う
任意整理
弁護士に交渉してもらい、利息分をカットしてもらう

任意整理はローンごとに減額手続きができ、周囲にバレるリスクもないため、3つの手段の中では一番利用する方が多い手続きです。しかし任意整理によってカットできるのはあくまでも利息部分だけです。

元々金利が高い消費者金融やカードローンでは効果が高く、返済の負担を大幅に軽減できるのですが、奨学金は金利が極めて低いため、任意整理をしても返済の負担をあまり軽くできません。

人的保証だと連帯保証人に残高の請求が

上記の3つの債務整理のうち個人再生自己破産であれば元金部分をカットできるため、奨学金の返済の負担を大きく軽減することが可能です。しかし人的保証を利用していた場合、債務整理でカットした分の金額は連帯保証人、保証人に請求が行われることになります。

そのため本来であれば自己破産をしてもおかしくない借金を抱えているにも関わらず、奨学金の連帯保証人や保証人に迷惑がかかるため自己破産に踏み切れないというケースが近年増えています。

他の借金があればそちらを債務整理しよう

奨学金以外に借金を複数抱えている場合、奨学金以外を任意整理することで返済の負担を大きく軽減できる可能性があります。任意整理は金融機関との交渉ですので、減額手続をとるローンを自分で選択することができます。奨学金だけでなく自動車ローンや住宅ローンなど、返済を続けたいローンはそのままにすることが可能です。

奨学金以外のローンを任意整理すると信用情報は一時的にブラックになりますが、連帯保証人や保証人に債務整理をしたことがバレる恐れは一切ありません。

任意整理の具体的なメリットやデメリット、どれくらい減額できるかについては、以下の記事に詳しくまとめています。
任意整理と債務整理の違いは何?メリット・デメリット、任意整理に向いてる人を解説

まとめ

大学在学中に毎月8万円の奨学金の貸与を受けていた場合、残高は4年在学で合計384万円、利息を含めるとおよそ400万となり、その合計を240回(20年)かけて返還していきます。

途中で返済ができなくなった場合にはひと月あたりの振替金額を少なくしたり、返済を先送りにすることが可能ですが、申請には収入制限があります。また本人が死亡するなど特別な事情がない限り残高そのものを免除してもらうことはできません。

しかし延滞をしてそのままにしていると延滞後3カ月程度で個人信用情報がブラックになり、返還完了から5年間はローンを組むことができません。また人的保証制度を利用していた場合、連帯保証人・保証人にも督促の連絡が入り、最終的には法的措置を取られ給与の差し押さえを受けることになります。

奨学金は債務整理ができますが、利率が極めて低いため利息分をカットする任意整理には向いていません。個人再生や自己破産で元金を減らすことができますが、減額分は連帯保証人や保証人に請求されることになるため、債務整理をしたことが親族にバレる上迷惑をかけることになります。

奨学金以外に借金を抱えている場合、そちらを優先的に任意整理をすることをおすすめします。消費者金融や銀行のカードローン、カードのリボ払いなど金利が高いローンを利用している場合、任意整理をすることで大きく負担を減らすことが可能です。

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