- 「闇金からの借金、完済できずに困っている…」
- 「どうしたら闇金からの借金を解決できる?」
他に借りる当てがなく仕方なく闇金からお金を借りたもの、完済できずに困っている人は多くいます。確かに闇金にお願いすると、ブラックリストに載っている場合でもすんなりお金を借りられます。ただほんの数万借りただけなのに、いつの間にか利息が膨れ上がり、到底返済できないような金額に。
また何とかお金を準備しても、様々な手口で借金を完済させないような手段を取ってきます。どうして闇金は借金を完済させようとしないのでしょうか?こちらの記事ではその理由と手口、完済できないと起こることや解決方法を詳しく解説していきます。
闇金の借金が完済できない理由
一度闇金からお金を借りると、しつこいくらいに「早く全額返済しろ」と言ってきますが、実際は完済することはほとんど不可能です。闇金の借金が完済できないのは、いったいどのような理由からなのでしょうか。
利息が高すぎて元金返済ができない
そもそも闇金の借金は、利息が高すぎてなかなか元金返済にまで手が回らないという特徴があります。闇金から借金すると「トイチ(10日で1割)」の他、「トサン(10日で3割)」や「シュウサン(1週間で3割)」といった法外な利息を請求されます。
利息の決め方が10日単位や週単位なのでピンとこない人がいるかもしれませんが、利息制限法に基づく貸金業者上限金利と、闇金の金利を年利に変換して比較した一覧はこちらです。
利息制限法に基づく貸金業者の年利 | 闇金の年利 |
---|---|
10万円未満…20.0%
10万円以上100万円未満…18.0% 100万円以上…15.0% |
10日で1割(トイチ)…365%
10日で5割(トゴ)…1825% 1週間で3割(週三)…1564% 1週間で4割(週四)…2085% |
10万円を上限金利の20.0%で消費者金融から借り入れたときの1日分の利息は54円です。一方、闇金からトゴで10万円を借り入れると、1日で5,000円もの利息が付きます。10日経てば50,000円が利息で取られ、あっという間に利息だけで数十万円に膨れ上がる計算に。
闇金からお金を借りるのは他からお金を借りられず、なおかつお金に困っている人です。そのような人が利息だけで数十万を簡単に返済できるとは思えず、利息と元金を完済するのはかなり難しいと言わざるを得ません。
あらゆる手段を講じて完済を阻止しようとする
また闇金は、あらゆる手段を使って完済を阻止しようとしてきます。下でその手口は詳しく紹介しますが、完済しようとするとなだめたりすかしたり、あるいは恫喝しながら完済をさせないように話を持っていきます。借りた方は「そこまで言うなら今回も利息だけ返済しておこう」となり、いつまでも完済できないという訳です。
実は完済させたくない
闇金の本心として、実は借金を完済させたくありません。端的に言うと闇金の常套句である「借金を返せ」というのは嘘です。闇金の借金はお金の貸し借りを装ったゆすりやたかり、恐喝といっても言い過ぎではありません。闇金は恐喝するきっかけとしてお金を貸しているに過ぎないということを覚えておきましょう。
不当に金銭を払わせ続けるのが真の目的
闇金の真の目的は、貸し付けをきっかけにして様々な手口を使って不当にお金を搾取すること。借りた側は「お金を借りている」という立場の弱さがあり、それに付け込んで恐喝などでお金を払わせられ続けます。
逆に完済してしまうと闇金がいちゃもんを付ける口実がなくなってしまうため、あえて完済させようとしないのが闇金の手口。完済できない限り、利用者は闇金にとって「いいカモ」や「金づる」になってしまうという訳です。
完済できたとしても別の闇金が近づいてくる
運よく闇金の借金を完済できたとしても、また別の闇金がすぐに近づいてくるでしょう。闇金は違法金利での貸し付けのみならず、個人情報の売買も行っています。一度でも闇金からお金を借りてしまうと、あなたの情報は一生闇金業者の間で回ることに。「また利用する可能性が高い」として他の闇金業者からもカモとして扱われます。
情報が闇金業者の間で出回ってしまうと、完済後も別の闇金業者からひっきりなしに融資の連絡が入ったりします。中には闇金だと分からないようカモフラージュして近づいてくる業者もいるため、闇金だと気づくのは大変困難です。返済が滞った利用者には、他の系列店からお金を借りさせて利益を増やそうとする業者も。闇金地獄から抜け出せないのは、こうした理由もあります。
他の詐欺や犯罪に利用するため
闇金が完済させない理由の一つに、他の詐欺や犯罪、闇金の業務に利用するためという目的があります。返済が滞った利用者に銀行口座を作らせたり、携帯電話を新規で契約させたりして完済の代わりとし、それらを振り込め詐欺や他の犯罪で使用します。万が一詐欺グループが逮捕されることがあれば、名義人であるあなたもその一味として逮捕される可能性があるので気を付けましょう。
また闇金ビジネスそのものに加担させられるケースもあります。実際に闇金利用者なら、仕事の流れを良く分かっていて、即戦力になりやすいからです。実際、元々利用者だった人が闇金業者の従業員になっているという事例も少なくありません。闇金は違法業者のため、その業務を手伝うということは犯罪に手を染めるのとイコールです。
闇金から借金して口座を凍結されたときの原因と解除方法は、こちらの記事を参考にしてください。
「闇金からの借金で口座凍結されたらどうなる?3つの原因と解除方法、再び被害にあわないための対策」
闇金が借金を完済させない(完済ブロック)主な手口
闇金では借金を完済させない手口の総称のことを「完済ブロック」と呼びます。こちらではその完済ブロックについて詳しく解説していきます。
高利貸し
法外に高い利息で貸し付けるのは、借金を完済させない手口の一つです。どの闇金も例外なく、この手口を使ってきます。上で紹介した通り「トサン」や「トゴ」といった高い金利でお金を借りてしまうと、利息を返済するのが精いっぱいで、元金を返済する余裕がなくなってしまうからです。
闇金からお金を借りるのは余裕がない人ばかりなので、当然完済するのは不可能です。もしも「これって闇金?」と思ったら、正当な金利である利息制限法の上限金利と比較して、上限金利以上のときは絶対にお金を借りないようにしましょう。
利息だけを払わせる(ジャンプ・スキップ)
利息だけを払わせるのも、完済を阻止する手口の一つです。これらの手口を闇金用語では、ジャンプやスキップと言います。「生活が苦しいだろうから、完済は後ででもいいですよ」などと親切なふりをして、完済を先延ばしにさせようとする手口です。
とりあえず利息だけ支払えば返済日はやり過ごせますが、完済までの道のりはジャンプした分だけ遠のきます。もちろん元金が減らないため、次の返済日にも同じ金額の利息を返済しなければなりません。
振込したのに完済を認めない
どうしても完済したいからと残りの借金をすべて振り込んだとしても、完済を認めないという手口があります。それは主に次のような手口です。
- 「入金が確認できない」と言われた
- 「事前に連絡なしで振り込んだから、完済とは認められない」と言われた
- 「以前の銀行口座から変わったから、完済と認めない」と言われた
- 「(聞いていなかった)延滞料や手数料が含まれていない」と言われた
- 振込したはずなのに「まだ残金があるから返済しろ」と言われた
闇金側からすると、完済を認めてしまうとそれ以上は金銭を巻き上げられなくなります。そのため様々な理由をでっち上げてでも、完済を認めようとしません。
押し貸し
押し貸しも、闇金が完済させないためにとる手口の一つです。押し貸しとは頼んでもいない借金を無理やり貸し付け、違法な金利を上乗せして返済するよう要求する手口のこと。すでに闇金から借金をしている人や過去に借金した人、借りようと思って申し込みをしたがキャンセルした人などが押し貸しの被害にあいやすいでしょう。
押し貸しの被害にあうのは、すでに闇金に銀行口座の情報を知られてしまっているためです。せっかく闇金の借金を完済できたのに、すぐに勝手に口座に入金されてしまうと、また高額な利息を上乗せしての返済を要求されてしまいます。押し貸しを防ぐには、闇金に知られてしまった口座を閉鎖してしまうのがベストです。
追い貸し
追い貸しとは、不当に借入元金を増やされる完済させない手口です。例えば返済が遅れたときの遅延金としてや返済の不足分を追加融資という扱いにして、闇金側の帳簿上で借入金額を膨らませるというもの。他の手口と組み合わせて完済されるのを防ぎます。
当日(前日)連絡の強要
当日もしくは前日の連絡を強要して、完済を阻止するという方法もあります。当日連絡とは「返済する場合は必ず当日に連絡するように」との要求です。完済されそうになると当日連絡を要求していながら、電話がつながらなかったり、LINEの既読が付かなかったりします。
そして後日になって「どうして当日に連絡しないんだ」と言われて完済を認めない、延滞金を課せられる、慰謝料を請求されるというやり口です。先方から連絡するように言ってきたのにわざと当日電話に出ず、電話しなかったからと完済を認めないのはかなり卑怯な手法です。闇金はこのような卑怯な手も簡単に使ってくるので、十分気を付けたいものです。
様々な名目での金銭の請求
闇金からの借金を完済しようとすると、様々な名目で金銭を請求されることもあります。理由があろうとなかろうと、闇金にはお構いなし。次のような名目の金銭を、ことあるごとに要求してきます。
- 延滞料
- 事務手数料
- システム利用料
- データ抹消料
- 完済手数料
- 慰謝料
- 迷惑料
- 損害賠償金
中にはこのような金銭を完済までに10回以上請求されたというケースが。また上記以外にも「利息の計算を間違っていた」などと言って新たに請求してくることもあります。
闇金から元金和解を提示された裏にある思惑や起こる可能性があるリスク、トラブル解決法はこちらの記事を参考にしましょう。
「闇金から元金和解を提示されたら…起こりえるリスクとトラブル解決法を解説!」
闇金の借金を完済できないと起こること
闇金からの借金を完済できないと、次のようなことが起こる可能性があります。
執拗な取り立てにあう
闇金からの借金が残っている限りは、執拗な取り立てにあうでしょう。1日に何百回も家に電話がかかってきたり、深夜早朝を問わずに携帯電話が鳴りやまないというケースです。自宅や携帯電話だけでなく、勤務先やバイト先にまで電話をかけてくる場合もあります。
このような執拗な取り立てで、利用者は精神的に徐々に追い込まれていきます。取り立てにあいたくないばかりに、言われるがまま金銭を支払う羽目になります。
闇金の取り立てをやめさせるには、こちらの記事を参考にして適切な相談先に相談しましょう。
「闇金の取り立てをやめさせる方法|最適な相談先や対処法を知ってトラブルを解決!」
家族や職場に嫌がらせをされる
電話で取り立てを受けるのみならず、家族や職場で嫌がらせをされる可能性も。よくある手口は頼んでもいない出前が自宅に届く、自宅周辺に誹謗中傷の張り紙をされる、職場周辺で他の社員に因縁をつけるなどです。また子どもの付きまといなど、「お金を支払わないと家族に危険が及ぶ」と思わせる方法で嫌がらせをしてきます。
ただしこのような取り立て行為は、警察に捕まる可能性があるため最近では少なくなりつつあります。
脅し文句で脅迫される
うっかり闇金からの電話に出てしまうと、以下のような脅し文句で脅迫されるケースがあります。
- 「返済できないなら、家族や親せきのところに取り立てに行く」
- 「いついつまでに返済できないと、お前を殺す」
- 「逃げても必ず見つけるから、必ず返済しろ」
お金を借りて返していないという負い目があると、このような脅し文句でも深刻に受け止めてしまいます。しかしこのような脅し文句で返済を強要する行為は「脅迫罪」に当たる可能性が。弁護士等に相談すると、速やかに法的措置を取ってくれるはずです。
闇金からの電話がしつこいときの対処法や、電話がかかってくる理由はこちらの記事を参考にしてください。
「闇金からの電話しつこいときの対処法!間違った方法や電話がくる理由も紹介」
お金を払い続ける限り請求が止まない
闇金は利用者がお金を払い続ける限り、解放してくれません。闇金の目的は初めからお金を巻き上げ続けることで、貸したお金を返してもらうことでないからです。逆に言うと、これ以上お金を搾り取ることができないと判断されると、解放してもらえる可能性も。
闇金には独自の調査ルートがあり、いくら口で「これ以上はもう払えないから」と言っても簡単にあきらめてもらえません。そのため「今度こそ完済できるかも」という淡い期待にかけて返済を続けるのは、闇金にとっていいカモでしかないという訳です。
返済したお金は戻ってこない
闇金に返金したお金は、基本的に戻ってこないと考えましょう。闇金からの借金は違法なので、本来返済しなくてもよいお金です。法律の上では返済した元金や利息を返還させる権利があります。しかし携帯でしか連絡が取れないなど闇金の実態が不明なことが多く、弁護士に依頼しても交渉で返還させることはほぼ不可能です。
警察への被害届の提出や裁判を通して返還を求める方法がありますが、すぐに別の口座にお金を移すなど逃げ足が速いため、これまで闇金に支払ったお金を取り戻せる可能性はほぼゼロです。
闇金の借金を借り逃げするとどうなるかについては、こちらの記事を参考にしましょう。
「闇金の借金を借り逃げするとどうなる?取り立てと闇金被害への対処法とは」
完済できない闇金の借金を解決する方法
闇金から借金して完済できないという場合には、次のような解決方法があります。
まずは返済をストップすること
まずは闇金への返済をすぐにストップしてください。闇金からの借金は、法律上は返済の義務がないからです。民法第708条には「不法原因給付」という規定があります。
不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。
参照:民法|e-GOV法令検索
民法では、不法な原因でお金を貸し付けた者は、その借金の返済を請求することができないと規定しています。つまり違法な金利で借りた闇金からの借金は、返済義務は発生しないということです。闇金から催促の電話がかかってきたときは「違法な利息なので以後の支払いはしません」と言い、二度と連絡しないようにしましょう。
あらゆる連絡方法を断つ
闇金と手を切るには、返済をストップしてあらゆる連絡方法を断つことです。闇金に知られている電話は解約して、新しい電話番号を取得するようにしましょう。メールやLINEもアカウントを変え、絶対に返信しないようにしてください。
警察に被害届を出す
闇金からの脅迫行為や物損被害がある場合は、警察に被害届を出すことができます。被害届を出す場合は、脅迫の内容を録音したものや、壊された物の写真などの証拠が必要です。相談という形でなく、被害届を出すことで警察が動いてくれる可能性が高まるでしょう。
ただし被害を証明できる証拠がない場合や、被害だと認められない場合は被害届を受け付けてもらえません。警察には「民事不介入の原則」があり、単に金銭の貸し借りによるトラブルには手が出せないためです。警察に行くときは必ず証拠を持参するようにしましょう。
闇金の被害を警察に相談する時の注意点や、対応してくれないときの対処法は、こちらの記事を参考にしましょう。
「闇金は警察に相談できる!相談する時の注意点と民事不介入で対応してくれないときの対処法」
公的機関に被害を相談
警察に言うほどの被害がなく、弁護士に相談するには敷居が高いという方は、公的機関に相談する方法があります。具体的には次のような機関が、闇金問題の相談を受け付けています。
消費生活センター
全国の消費生活センターや国民生活センターでは、借金や闇金に関するトラブルを相談できます。現在の借金の状況や闇金被害の悩みを聞いてくれ、専門の相談機関を紹介してもらえます。ただし消費生活センターに相談しただけでは闇金問題を解決できないため、それ以降は紹介された専門機関に相談しなおすことになります。
貸金業相談・紛争解決センター
日本貸金業協会の「貸金業相談・紛争解決センター」でも、闇金の問題を相談できます。今後どのように対処すればいいかアドバイスがもらえたり、弁護士など法律の専門家を紹介してもらえたりします。ただこちらも闇金業者と直接交渉して問題を解決してくれるような機関でないため、また別の専門機関に相談しなければならないので気を付けましょう。
法テラス
国が設立した法律問題の専門機関「法テラス」は、借金問題や闇金トラブルを相談できます。法テラスでは直接司法書士や弁護士の紹介を行っています。さらに収入や財産等の条件が合えば、弁護士に依頼する費用を立て替えてもらえ、費用を毎月5,000円~10,000円の分割払いにすることが可能です。
ただ相談する専門家は自分で選べず、変更は3回までと決められているため、紹介してもらった弁護士が闇金問題に詳しいとは限りません。また法テラスに連絡した当日に相談できず、費用の立て替え審査に時間がかかるのもデメリット。闇金問題を解決するにはスピードと実績がある専門家の存在か欠かせません。
闇金対応の実績がある弁護士に相談
闇金被害を解決する最もおすすめな方法は、闇金対応の実績が豊富な弁護士に相談すること。早ければ当日中の対応が可能で、一週間もかからずに解決するケースも少なくありません。主な交渉方法は電話になりますが、法的措置をもいとわない姿勢を持ち、粘り強く依頼者に近づかないように約束させます。
弁護士は警察に対してもつながりを持っているので、警察が動いてくれる可能性が高まります。闇金が一番嫌うのは、営業ができずに逮捕されること。これ以上しつこくすると逮捕や裁判という法的手段に出られると思えば、多くの闇金は逃げていくはずです。
まとめ
闇金の借金を完済できないのは、利息が法外に高いのはもちろんのこと、そもそも完済を目的にしていないという理由のため。闇金は一度貸し付けしたら、様々な手口で完済を引き延ばし、手数料や迷惑料などの名目で利用者から金銭を搾り取ろうとします。
返済が滞ると、執拗な取り立てや周囲への嫌がらせ行為が始まります。多くの利用者は精神的に追い詰められてしまい、闇金の言いなりになってしまうことも。そのような人は闇金にとっていいカモとして、長期間にわたりお金を搾取され続ける結果になります。
闇金の借金は法的に返済する義務はなく、返済を途中で中断しても問題ありません。闇金トラブルを解決するには警察に被害届を出す方法や専門機関に相談する方法がありますが、一番いいのが闇金問題に詳しい弁護士に相談すること。法的措置を匂わせながら闇金と交渉し、今後一切近づかないように対処してくれるでしょう。