- 「キャバクラで作った借金を返済できない…」
- 「キャバクラに行きたい気持ちをおさえられない…どうすればいい?」
キャバクラが原因で借金を作り、その返済で困っている方はいませんか?キャバクラは自分の資力の範囲内で割り切って遊ぶ分にはいいのですが、うっかりはまってしまうと大変なことに。借金を作ってまでキャバクラ通いがやめられないという人も少なくありません。
こちらの記事では、キャバクラにハマって借金を増やしてしまう原因や借金の解決方法について詳しく解説していきます。さらにキャバクラで、新たな借金を作らないためのポイントも紹介。キャバクラの借金を債務整理する場合には、注意すべき点があります。キャバクラにハマってしまった理由を明らかにし、今までの自分を反省したうえで、二度とキャバクラで借金を作らないように気を付けましょう。
キャバクラにハマり借金を増やしてしまう理由
キャバクラが原因で借金を作ってしまった人の多くが、いつの間にかキャバクラにハマり、気が付いたときには返済しきれないほどの借金になっていたという道をたどります。途中までは楽しく行っていたキャバクラですが、気が付いたら借金地獄に陥り、生活すらままならないことも。こちらでは、キャバクラにハマって借金を増やしてしまう理由を紹介していきます。
敷居が低い
キャバクラにハマってしまう原因の一つに、店に訪れることの敷居の低さがあります。一般的にキャバクラやホストクラブでは、初めて来店する人に対して比較的リーズナブルな料金設定をしています。その金額を見て「このくらいで楽しめるのなら、次も来てみよう」という気持ちが出てしまうのです。
いわばそれは客を増やすためのキャバクラの戦略の一つでもあるのですが、それにまんまとハマると、キャバクラ通いがやめられなくなるという訳です。
キャバ嬢を好きになってしまった
初めて行ったキャバクラで付いたキャバ嬢に一目ぼれしてしまった、何回か通っているうちに徐々に好きになっていったという人もいるかもしれません。そのような人はお目当ての相手に会うために、キャバクラ通いがやめられなくなるでしょう。
相手は接客のプロです。どんな相手でも楽しませ、自分に気があるように見せるのはお手の物。そのようなふるまいについ自分が惚れられていると思い込み、通うペースがだんだんと増え、毎日のように会いに行くようになるとお金がいくらあっても足りません。
頼りにされたいから
キャバ嬢から頼りにされたいという気持ちから、キャバクラ通いがやめられなくなる人もいます。中には「親が病気になり治療費を稼ぐために働いている」「苦学生で学費を工面しなければならない」というトークをするキャバ嬢もいます。お気に入りのキャバ嬢にそのようなことをいわれると、同乗してお金を渡したくなる人もいるでしょう。
またキャバクラでは、売上をもとにしたキャバ嬢の人気ランキングがつけられているため、お気に入りキャバ嬢を上位にしたいと競い合って高額なドリンクを入れるというケースも。競争心やプライドが刺激され、気が付いたら大金を使ってしまっていたという人も少なくありません。
淋しさを紛らわせるため・ストレス発散のため
淋しさを紛らわせるために、仕事が終わってからのキャバクラ通いがやめられないというケースもあります。一度ハマってしまうと、毎日のストレスを解消するためにキャバクラに行くしかないという状況になり、どんどん悪循環に陥ってしまいます。最終的には借金を抱えてしまい、借金のストレスをキャバクラで発散しようとする人も。
淋しさを紛らわせるためにキャバクラ通いがやめられなくなる中高年の男性には、次のようなケースが少なくありません。
- 独身で一人で家にいるのが寂しい
- 妻との関係が悪化していて家庭内別居状態
- 別居中や離婚協議中で妻が子どもを連れて家を出た
家族がいない寂しさや将来の不安を紛らわせるために、借金をしてでも毎晩のようにキャバクラ通いをする人がいます。
承認欲求から
仕事でミスがあったり自信を失っている人などは、キャバクラ通いが唯一の心の救いになっているという場合もあります。とくに男性は他人に認められたいという「承認欲求」が強く、普段の生活でその欲求が満たされないと、チヤホヤされて褒めてくれるキャバ嬢に会いに行ってしまうのはある意味仕方のないことかもしれません。
キャバクラ通いで承認欲求を満たそうとする人は、キャバ嬢の指名や高額なドリンク購入にお金を使ってしまう傾向があります。この悪循環で借金がどんどんかさんでしまうという人が少なくありません。
女性にチヤホヤされた経験が少ない
現実世界で女性にチヤホヤされたりモテたりする経験がないと、キャバクラにハマりやすい傾向があります。現実ではモテないからこそキャバクラに通っているという人もいるでしょう。このような人はキャバ嬢の営業トークを本気として受け止め、キャバ嬢のことを好きになってしまうケースも。
また現実とのギャップを埋めるために、キャバクラに行くことで現実逃避しようとしている人もいます。このような人は借金するほどキャバクラにハマる傾向があるので、気を付けましょう。
一回当たりの利用額が高額になりがち
キャバクラでは初回の料金は比較的安く済んでも、何回も通ううちに気が付けば一晩で数十万円や100万円以上使ってしまうケースが少なくありません。一般のサラリーマンであれば、あっという間に小遣いや給料を使い果たしてしまうでしょう。
払えなくなった時点で通うのをやめられればいいのですが、相手との関係を断ちたくない一心で借金してまで通おうとすると、あっという間に返済できない程の金額に。キャバクラや風俗に通い詰める人の傾向として、比較的短期間のうちに複数の消費者金融やカード会社から、合計数百万円の借金をしてしまうケースが多く見受けられます。
ツケ払いができるから
キャバクラ通いで借金を増やしてしまう原因の一つに、ツケ払いができるからということが挙げられます。通常キャバクラで飲食した後はその都度料金を支払うのですが、ツケ払いとはその料金を支払わずに後日にまとめて支払うという方法です。「売掛」や「掛け」、「未収金」と呼ばれることもあります。
ツケ払いができる店やキャバ嬢が相手では、手元にお金がなくてもサービスが受けられます。酔って気が大きくなって、高額なボトルを入れてしまうことも可能です。通い詰めるうちにツケ払いがたまってしまう人もいるかもしれません。しかしツケ払いは借金と同じこと。後日金額を聞かされて「そんな大金は払えない」と困ってしまうでしょう。
いくら使ったのか分からなくなる
キャバクラ通いで借金が膨れ上がってしまう原因の多くは、「いくら使ったか分からなくなる」ということに集約されます。キャバクラは現金払いの他、ツケ払いができるところも。またクレジットカードで支払う場合や、消費者金融や銀行のカードローンで借りたお金で支払うというケースも少なくありません。
様々な方法で支払うことにより、一体合計でいくら使っていくらの借金があるか分からなくなってしまうという人も。借金の金額を把握できないままキャバクラ通いをやめられないでいると、借金だけはどんどん増えていってしまう状況に陥ります。
キャバクラでできた借金の解決方法
ではキャバクラ通いで作ってしまった借金は、どのように解決していけばいいのでしょうか。
女の子の騙されたと思っても取り返すのは不可能
キャバクラでいつの間にか借金をしていたという人の中には、「キャバ嬢にだまされてお金を支払ってしまった」という人もいるでしょう。そして多額の借金があることに気づき目が覚めた状態になると、何とか騙されて支払ったお金を取り戻したいと考えてしまうかもしれません。
しかし結論からいうと、キャバ嬢に騙されて作った借金を取り戻すのは、現実的には難しいでしょう。というのもキャバクラをはじめとする夜の飲食店では、法的な取引や契約があいまいで、金銭トラブルが発生しても証拠が無かったり、裁判で証拠として認められないケースが多いため。
キャバ嬢とのやり取りや支払いの詳細を証拠として保管しておけば可能性はありますが、実際には難しいでしょう。
詐欺罪が成立する可能性
ただし例外的に詐欺罪が成立する可能性があります。このようなケースでは、支払ったお金を取り戻せる可能性があります。
- キャバ嬢が虚偽の約束や情報を提示して借金させた
- 脅迫や暴力を用いて借金させた
- 法律に違反する手段で借金させた
詐欺罪が成立するかどうかは、状況や具体的な証拠、法的な判断に応じて異なります。また詐欺罪が成立したからといって、キャバクラで使ったお金を必ず返してもらえるという訳ではありません。このようなケースでは専門家による判断が欠かせません。まずは弁護士に相談し、借金を取り戻せる可能性やその方法についてアドバイスをもらってください。
収入を増やす
キャバクラで作った借金を返すためには、収入を増やす必要があります。数百万もの借金がある方は、支出を減らした程度では焼け石に水でしょう。定職がある方は休みの日や仕事が終わってからの時間を使って収入を増やし、それを借金返済に充てる必要があります。
しかし今よりもさらに働くということは、これまで以上に体力や気力を使うため、長く続けられない可能性が。また借金返済のために働いている状況では、生きがいもなくなるでしょう。そのような生活が続くとストレスが溜まり、またキャバクラに行きたくなってしまうかもしれません。
債務整理を検討する
キャバクラで返済できない程の借金を抱えてしまった場合には、債務整理を検討した方がいいでしょう。債務整理には主に、任意整理・個人再生・自己破産の3種類があり、それぞれで効果や条件、適した人が異なります。まずは自分に適した方法を探すことから始めましょう。
任意整理をした方がいいケース
借金の利息が高額で、なかなか元金が減らないという方は、任意整理が適しています。また支払期間を延長できれば完済できるという人も任意整理がおすすめです。任意整理の最大のメリットは、今後支払うはずの利息(将来利息)や遅延損害金を減額できるということ。リボ払いならではの「リボ地獄」に陥っている人は、任意整理を検討しましょう。
減額できた借金は3年もしくは5年かけて完済を目指します。また手続きする借金を選べるので、保証人がいる借金や住宅ローンを除外できます。また任意整理は裁判所を通さずに手続きできるので、家族や会社にバレにくいというメリットも。利息を減額できれば返済可能な安定した収入があるという方は、任意整理がおすすめです。
任意整理が向いている人について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「任意整理と債務整理の違いは何?メリット・デメリット、任意整理に向いてる人を解説」
個人再生が適しているケース
個人再生は、任意整理と比べて大幅に借金を減額できるのがメリット。100万円以上から5000万円までの借金が対象で、借金総額に応じて1/5~1/10に減額できます。また手続きが開始されると、給料などの差し押さえが中断します。すでに給料の差し押さえにあっているという方は、任意整理ではなく個人再生を検討すべきです。
ただし個人再生はすべての借金が対象となるので注意が必要。また裁判所を通す手続きなので、氏名や住所が「官報」に掲載されます。時間や費用がかかるのもデメリットに。減額できた借金は、再生計画案に基づいて3~5年で返済していきます。そのため安定した収入があることも条件です。
個人再生のメリットとデメリットに関しては、こちらの記事を参考にしましょう。
「個人再生のメリット・デメリットを徹底分析!注意点・利用条件・他の債務整理との違いは?」
自己破産が適しているケース
自己破産は、借金に対して収入が極端低い方や無職の方に向いている方法です。具体的には返済比率(月収に占める毎月の返済額の割合)が40%以上の人は、このまま返済し続けていても完済できる可能性が低いです。なるべく早めに自己破産を検討した方がいいでしょう。
自己破産を裁判所に申し立てて、返済不能と認められると、全ての借金の返済義務を免除(免責)できます。つまり、以降は一切の借金の返済をしなくてもいいという訳です。自己破産には一定以上の財産を処分される、官報に掲載される、手続きが終わるまで特定の職業・資格が制限されるというデメリットがあるものの、収入がなく処分される財産もない人は、自己破産を検討した方がいいでしょう。
自己破産はしたもん勝ちじゃないの?と思われる理由については、こちらの記事を参考にしてください。
「自己破産はしたもん勝ち?そういわれる理由と実際のデメリット、後悔しない対策とは」
判断がつかないときは弁護士に相談
債務整理には、上で紹介した3つの方法があります。自分でどの方法が適しているか判断つかないという人もいるでしょう。そのような人は、債務整理に強い弁護に相談してください。素人考えで選び方を失敗してしまうと、全く借金が減らないということになります。必ず弁護士に相談して、自分に最適な債務整理方法を選択するようにしましょう。
弁護士に相談に行くときには、借金や収入、資産の詳細が分かる資料を持参すると、具体的なアドバイスが得られるでしょう。手続きで不明な点や費用、具体的なデメリットなども相談時に聞くと、後のトラブルを防げます。債務整理は法律で認められている借金解決方法です。早期に対処することで、キャバクラで作った借金を解決できます。
債務整理を依頼する弁護士の選び方については、こちらの記事を参考にしてください。
「【相談前・相談時】債務整理を依頼する弁護士の選び方を解説!失敗しない6つの注意点も紹介」
キャバクラの借金を債務整理するときの注意点
ただしキャバクラで作った借金を債務整理するときには、次のような注意点があります。
ツケ払いの借金は任意整理できない
まずキャバクラのツケ払いに関してですが、ツケ払いや売掛などの借金は、基本的に任意整理で減額できません。任意整理は弁護士などの専門家が間に入り、債権者(この場合はキャバクラ)と交渉して利息の減額や分割払い、支払い期間の延長を求める手続き。
キャバクラは、金融機関のような貸金業法という法律に制限されないため、弁護士に依頼した後は本人に対して督促ができないなどの制約がありません。また任意の交渉なので、これを拒否することもできるという訳です。一方で個人再生や自己破産は裁判所を通す手続きのため、ツケ払いや売掛に関しても減額や免責が可能になります。
キャバクラやホストへのツケ払いを返済する方法は、こちらの記事を参考にしてください。
「ホストへの借金・ツケを返済する方法が知りたい!払えないときの対処法とは?」
任意整理ではメリットが得られない可能性
比較的短期間で借金を重ねた場合、任意整理をしても大きなメリットが得られない可能性があります。というのもそのような場合に任意整理をすると、通常よりも短い返済期間に設定されてしまうためです。その原因は短期間に限度額ギリギリまで借金をしていることにあります。
通常貸金業者は、融資して利息を含めた金額を返済してもらうことで、その利息分が収益となっています。しかし短期間で限度額いっぱいまで借入した借金を任意整理してしまうと、ほとんど返済が行われることなく弁護士が介入することに。貸金業者側は、ほとんど利益を得られないままに元本しか回収できなくなります。
このような場合、貸金業者が減額や3~5年の分割請求に応じる可能性はほぼないでしょう。応じてもらえたとしても短期間での分割返済しか応じてもらえないリスクがあるということを覚えておきましょう。
任意整理で減額されない原因や理由は、こちらの記事を参考にしましょう。
「任意整理で減額されない原因と理由|減額できないときの対処法とは?」
安定した収入がないと個人再生は認められない
個人再生の場合、安定した収入があることが条件となっています。アルバイト程度の収入や無職では、個人再生が受けられないでしょう。個人再生では借金の理由が問われないため、キャバクラや風俗で浪費したような場合でも手続き可能です。
一方で減額後の借金を3~5年で返済しなければならないため、一定以上の安定した収入がないと、再生計画案が認められません。具体的には毎月の収入と個人再生後の最低弁済額を見て判断されます。個人再生には「小規模個人」と「給与所得者等再生」の2種類があり、それぞれで最低弁済額の計算方法が異なります。
まずは個人再生した場合の最低弁済額を算出し、自分の今の収入で返済かのうなのかを検討しましょう。
個人再生の最低弁済額の計算方法は、こちらの記事を参考にしましょう。
「個人再生の最低弁済額が知りたい!手続き別の計算方法や減額できないケース、滞納後の対処方法」
債権者の同意が得られるかがポイント
任意整理や個人再生では、債権者の同意が得られるかもポイントになります。とくに個人再生の「小規模個人再生」では、過半数以上の債権者数もしくは、総借入額の過半数の債権者の同意を得る必要があります。キャバクラで浪費しているケースでは、比較的短期間で高額な借入をしている人が少なくありません。
そうなると個人再生手続きに同意してもらえない可能性があります。そのような場合には、もう一つの方「給与所得者等再生」ができないか検討しましょう。給与所得者等再生は、会社員や公務員を対象とした個人再生手続き。返済額が高額になりがちというデメリットがあるものの、借入先の債権者の同意が必要ありません。
個人再生の成功率について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
「個人再生の成功率はどのくらい?失敗する理由と成功の秘訣、失敗したときの対処法を解説」
キャバクラ通いが借金の原因での自己破産
キャバクラ通いでできた借金を自己破産する場合、「免責不許可事由」に該当する可能性があることを覚えておきましょう。免責不許可事由とは、破産法第252条に規定されている免責が許可されない事柄のことで、浪費や賭博、その他の射幸行為による過大な借金は免責不許可事由に当たる可能性が高いです。
キャバクラ通いが浪費とみなされると、自己破産しても免責不許可事由に該当する可能性が。免責不許可事由に該当するかどうかは借金の総額や収入にもよります。自分の作った借金が免責不許可事由に該当するかどうかは、手続き前に弁護士に確認しておきましょう。
自己破産の免責不許可事由については、こちらの記事を参考にしてください。
「自己破産の免責不許可事由の11項目を解説!免責が下りなかったときの対処法とは?」
免責不許可事由があっても免責が受けられる可能性
キャバクラ通いでできた借金が免責不許可事由に該当した場合でも、「裁量免責」という制度により免責が受けられる可能性が残されています。裁量免責とは、申し立てた裁判所が申立者の事情を考慮し免責が妥当であると破断した場合に、免責が受けられる制度のこと。
裁判所により選任された破産管財人が借金の理由や反省の度合い、申立人の言動などを見て、裁量免責を出すべきか判断します。「キャバクラ通いの借金は自己破産できないのでは?」と不安な方は、裁量免責が受けられる可能性があるので安心しましょう。
自己破産ができる条件
裁量免責を受けるには、いくつかのポイントがあります。まずは自己破産で免責を受けるための最低条件から見ていきましょう。
- 借金が支払不能状態である
- 裁判所に予納金を納められる
- 借金が非免責債権だけでない
自己破産をするには、借金が返済不能状態であることを裁判所に認めてもらう必要があります。収入が十分にあり返済が可能な人や財産を処分すれば完済できそうな人は自己破産できません。そして裁判所に必要な費用「予納金」を納められるかも条件になります。予納金の金額は手続きの種類によって異なるので注意しましょう。
また借金非免責債権だけでないのも条件です。非免責債権とは自己破産しても返済義務がなくならない性質の借金のことで、次のような支払いが該当します。
- 税金や国民年金、国民健康保険料などの請求権
- 親族関係に関する請求権(養育費・婚姻費用など)
- 悪意で加えた不法行為についての損害賠償
- 人の生命、身体を害する不法行為についての損害賠償
- 労働者の給料や退職金(個人事業者の場合)
裁量免責を受けるポイント
続いて裁量免責を受けるポイントについて解説していきます。本来免責不許可事由に該当する場合でも、本人の反省度合いなどにより免責を受けられるのが裁量免責です。そのため、最低限次のようなことを心がける必要があるでしょう。
- キャバクラ通いはやめる
- 裁判所や破産管財人には正確な情報を伝える
- 面接等では誠実な態度を心がける
- 自己破産に詳しい弁護士に依頼する
免責を受ける前提として借金を作った原因を取り除く必要があります。この場合は借金の原因となったキャバクラ通いをやめるのが必須です。また面接等では誠実な態度を心がけ、裁判所や破産管財人には正確な情報を伝えてください。裁量免責では次のような点から、弁護士の協力が欠かせません。過去の実績を見て自己破産の手続きに精通した弁護士に依頼しましょう。
- 免責不許可事由に該当するかどうかが分かる
- 少額管財を適用できる
- 裁量免責を受けるためのポイント(反省文の書き方など)が分かる
弁護士に依頼しなくても自己破産は自分でできるかについては、こちらの記事を参考にしましょう。
「自己破産は自分でできる?手順と注意点、弁護士に依頼しないときのデメリットとは」
同時廃止か管財事件か
自己破産で重要になるのが、「同時廃止」と「管財事件」のどちらの方法で手続きするかということ。というのもそれぞれの手続きで、必要な費用や期間が大きく変わってくるため。どちらの手続きとなるかは条件によって次のように変わってきます。
自己破産の種類 | 同時廃止 | 管財事件 |
---|---|---|
条件 | 管財事件とならない場合 | 一定以上の財産がある
免責不許可事由に該当する |
破産管財人の有無 | なし | あり |
裁判所費用(予納金) | 2~3万程度 | 少額管財:20万程度 管財事件:50万程度 |
手続きにかかる期間 | 3~4カ月程度 | 4カ月~1年程度 |
どちらの場合でも、裁判所費用にプラスして弁護士費用がかかります。管財事件では、裁判所によっては費用や期間を節約できる「少額管財」で手続きできますが、弁護士に依頼していることが必須です。キャバクラ通いでできた借金が免責不許可事由に該当する場合は、少額管財もしくは管財事件で手続きすることになります。
破産管財人がどこまで調べるかについては、こちらの記事を参考にしてください。
「破産管財人はどこまで調べる?自己破産の管財事件での調査内容・方法と財産隠しについて」
キャバクラで新たな借金を作らないために…
債務整理で借金問題を解決した後で、キャバクラ通いを再開して新たな借金を作らないためには、次のような点に気を付けましょう。
なぜキャバクラにハマってしまったか自己分析する
まずはなぜキャバクラにハマってしまったのかを自己分析してみましょう。それによって取れる対処法が変わってきます。
あくまで疑似恋愛と割り切る
キャバ嬢を好きになってキャバクラ通いをやめられなかった人は、あくまで疑似恋愛と割り切る必要があるでしょう。またキャバクラで淋しさを紛らわせようとしたり承認欲求を満たそうとしていた方、恋愛経験が少なかった方も同様です。
キャバ嬢があなたを相手してくれるのはサービスの一環です。あくまでもお客として同伴やアフターに付き合っているに過ぎません。決して「付き合っている」状態ではないことを心に刻みましょう。相手との関係や状況を客観的に分析し、疑似恋愛をしたいだけと割り切れれば、キャバクラに通っていてもそれほどのめり込む心配がないでしょう。
ストレスを解消しようとしない
キャバクラ通いがストレス解消法になっている方は、他のストレス発散法を見つける必要があります。とくに仕事やプライベートでたまったストレスを、キャバクラ通いで発散させようとする人は、キャバクラが一時的なストレスのはけ口であるだけでなく、いつしかそれがやめられなくなり毎日のように通ってしまいます。
そして借金をしてまでキャバクラ通いがやめられず、借金もストレス源となりさらにやめられなくなるという悪循環に。このような解消法は賢明とはいえません。キャバクラは一時的な楽しみと割り切って、毎日のストレスは他で発散するようにしましょう。
見栄を張らない
キャバクラ通いがやめられない理由が「見栄」や「承認欲求」の場合、キャバクラに通うこと自体をやめてください。高いボトルを開けてキャバ嬢が喜ぶのは、お店の売上や自分の成績が上がったからに過ぎません。あなたのことを素晴らしい男性と思っている訳でないということを忘れずに。
一時的な見栄や承認欲求を満たすために、高額なお金を費やすのは賢明な判断と言えません。分不相応な借金をしてしまうと、その後に大きな後悔が待っているでしょう。また借金を作ってしまう前に、キャバクラで高額なお金を使うのは何のためなのか、もう一度立ち止まって考えてみてください。
キャバ嬢に借金があることを打ち明ける
どうしてもキャバクラ通いがやめられないときには、キャバ嬢に借金があることを打ち明けて、お店の外でデートできないか聞いてみましょう。債務整理後には、5年~10年間は当分借金返済が続くことや、ローンを組めない・クレジットカードが使えないなどを伝えてください。
多くの場合、キャバ嬢の方から去っていくでしょう。というのもキャバ嬢にとって、お金のない客は本当の客ではないからです。中には「遊びに来てくれるだけでもうれしい」などの甘い言葉をかけてくるキャバ嬢がいるかもしれません。そのようなときは「一緒に借金を返してくれるか?」と聞いてみてください。
そのときキャバ嬢はどう反応するでしょうか。あなたと共に人生を歩む姿を想像できるでしょうか。ほとんどのキャバ嬢は客にリアルな恋愛感情を抱くことはありません。思い切って相手から去っていくように仕向けるのも一つの方法です。
カードの利用限度額を下げる
キャバクラで多額の支払いを出来ないように、あらかじめクレジットカードの利用限度額を下げておく方法があります。キャバクラなど夜のお店では一回に支払う金額が大きいため、クレジットカードで支払うという人も多いでしょう。
そこで1カ月の利用限度額を低く抑えられると、今までの支出の一部を借金返済や貯蓄に回せられ、無計画な支出を抑制できるというメリットがあります。
必要最低限のお金しか持ち歩かない
キャバクラの支払いを現金でするという方は、必要以上のお金を持たないのも有効です。仕事帰りにキャバクラに行ってしまうという方は、あわせてクレジットカードも持ち歩かないようにすれば、浪費に使うお金を制限できるでしょう。
その場合には家にカードを取りに行ったり、口座からお金を引き出したりしないよう、誘惑に負けないような強い意思や自制心が必要です。日々の努力が借金問題の解決に向けた第一歩となります。
まとめ
キャバクラは初回料金が割安でツケ払いができたり、いくら使ったか分からなくなるという理由から、借金が増えていってしまうでしょう。またキャバクラ通いがストレス解消法という方や今まで女性にもてた経験が少ない方、承認欲求を満たすためや頼りにされたいという気持ちからキャバクラにハマる人も少なくありません。
キャバクラが理由の借金を解決するには、収入を増やすか債務整理を検討してください。キャバ嬢に騙されたと思っても、詐欺罪で訴えたり取られたお金を取り戻すのは難しいでしょう。自分に適した債務整理方法を知るには、弁護士に相談したうえでアドバイスをもらってください。
ツケ払いの借金は任意整理が難しく、安定した収入や債権者の同意がないと個人再生で減額できません。自己破産する場合は裁量免責が受けられるかがポイントに。債務整理を成功させるためには、借金問題に詳しい弁護士に依頼するのがベストです。まずは無料相談を利用して、自分にあった弁護士を見つけましょう。