- 「借金の減額診断やシミュレーターって信用できる?」
- 「借金を減額する方法を詳しく知りたい」
借金に関するCMやインターネット広告などで「借金が減額できるかすぐに診断!」などという宣伝文句を目にすることがあります。しかし「これって何かの罠じゃないの?」と疑う方も多いのではないでしょうか。そこでこちらの記事では、借金減額診断やシミュレーターは本当に「罠」なのかについて詳しく解説。
さらに利用方法や手順、安心して利用するために気を付けるポイントもあります。このような広告が気になるということは、借金が減額できないか悩んでいるはず。怪しくない手段で、借金を減額する方法を知って、いち早くあなたの生活を立て直しましょう。
借金減額診断(シミュレーター)とは?
まずは「無料で借金の減額診断します!」という広告には信ぴょう性があるのか、借金減額診断ではどのようなことが分かるのか、本当に無料で利用できるのかについて解説していきます。
借金がどの程度減額できるか診断するサービス
借金減額診断(シミュレーター)は、借金がどの程度減額できるか診断できるWebサービスです。必要事項をいくつか入力すると、概算がすぐに出たり後日診断結果の連絡が来る仕組みです。ほとんどのサービスは無料で利用でき、診断内容もきちんとした根拠をもとに算出されます。
借金が減額できる理由
「借金が減額できるなんて、何かの罠じゃないの?」と思われるかもしれませんが、借金が減額できるのは法律が定めた合法的な制度に基づく、下記のような2種類の手続きによるものです。
過払い金返還請求
過払い金返還請求とは、2010年以前に消費者金融からお金を借りて必要以上に返済した利息を返済してもらう手続きです。2006年に最高裁判所で判決が出るまで、借金の上限金利に関して利息制限法(年利15~20%)と出資法(年利29.2%)とでは、大幅な乖離がありました。
年利20%と29.2%の間の金利は「グレーゾーン金利」と言われるようになり、その金利で貸し付けても処罰されないことから、多くの消費者金融でグレーゾーン金利での貸し付けが横行しました。借金を返せない人が増え社会問題化し、2010年の貸金業法改正でグレーゾーン金利は撤廃されました。
これにより2007年頃からグレーゾーン金利で返済したことがある人による、過払い金返還請求が全国で起きる結果に。そのため10年以上前から借金返済している場合は、過払い金返還請求により、返済中の借金を減額できる可能性があるということです。
債務整理
借金を公的に減額できるもう一つの方法は、債務整理です。債務整理とは、民事再生法や破産法などに基づいて行う借金解決方法です。裁判所に申し立てて手続きする「個人再生」や「自己破産」の他に、債権者と直接交渉する「任意整理」が主な債務整理の種類です。
種類ごとに手続きの流れや条件、借金の減免割合が異なるので、自分に一番適した方法を見つけるのが債務整理を成功させるコツです。またそれぞれに生活への影響やデメリットがあるので、影響を最小限に抑える方法を知ったり、デメリットを上回る効果が得られるかを検討するのも重要です。
債務整理の方法ごとのメリット・デメリットや、向いている人についてはこちらの記事を参考にしましょう。
「債務整理の種類は4つ!メリットデメリット・変わること・向いている人を解説」
サイトの運営元
このようなサイトを運営している多くは、司法書士事務所や弁護士事務所です。というのも過払い金返還請求や債務整理では、法律の専門家である弁護士や司法書士などが代理人として手続きを行えるため。それぞれの事務所の特徴は、以下の通りです。
司法書士事務所
債務整理を取り扱っている司法書士事務所で、借金の減額診断サイトを運営していることがあります。司法書士は行政機関に提出する書類の作成および審査請求を主業としている職種です。過払い金返還請求や債務整理では、次のような業務が可能です。
- 1社当たり元金140万円以下の過払い金返還請求
- 簡易裁判所への訴訟
- 1社当たり元金140万円以下の任意整理
- 個人再生や自己破産の書類作成代理人
弁護士は対応可能な業務や債務額に制限はありませんが、司法書士には上記のような制限が設けられています。
弁護士事務所
債務整理を得意としている弁護士事務所でも、事務所のHPに借金の減額シミュレーターを載せているところがあります。債務整理は債権者との交渉や裁判所への手続きが必要なため、弁護士の専門的な知識や経験がものを言います。
また弁護士が代理人になると、自己破産の「少額管財(裁判所に納める費用を減額できる手続き)」や「即時面接制度(裁判所との面接までの期間を短縮できる制度)」が利用できるので、手続きにかかる費用や時間を節約できます。さらに司法書士のように取り扱える債務額に制限がないので、借金の金額が多くても心配ありません。
利用する方法と流れ
借金の減額診断を利用する方法は簡単。スマホやパソコンから該当するページを開いて、以下の3つの情報を選択式で入力するだけです。
項目 | 選択肢 |
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借入金額 |
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借入期間 |
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返済について |
|
項目を選択後に「診断結果を見る」というボタンをクリックすると、すぐに減額できる可能性がある金額が表示されます。より具体的な金額を知りたい場合は、次のような項目を入力する画面に進みましょう。
- 名前(匿名可)
- 年齢
- メールアドレス
- 電話番号
- お住まいの地域(都道府県)
- 滞納の有無
- 借入件数
- 毎月の返済額
必要事項を入力して送信ボタンを押すと、詳細な計算をして後日メールや電話にて連絡が来ます。なるべく正確な金額を知りたければ、あいまいな内容でなく、調べられる範囲できちんと調べて入力しましょう。
信頼できるサイトを利用すれば、入力した内容は診断以外に利用される心配はありません。また借金があることを周囲に知られたり、個人を特定されることもないでしょう。
無料で利用できる理由
借金減額診断やシミュレーターは、無料で24時間利用可能です。無料で利用できるということから「罠じゃないの?」と怪しむ方がいますが、無料なのは司法書士事務所や弁護士事務所への集客につなげる意図があるためです。つまりこのようなサイトを経由することで、専門家への相談のハードルを下げる役割があります。
債務整理は司法書士や弁護士の専門業務ですが、借金返済に困った人がいきなり弁護士事務所などに相談に行くのは、なかなかにハードルが高いことです。減額診断やシミュレーターを利用するのは、明らかに借金で困っている人。利用者にとっては相談しやすくなり、事務所にとっては依頼の増加が期待できるという双方にとってメリットがあるのが、このような無料の借金減額診断です。
その後の手続きは有料
借金減額診断やその後の詳細診断は基本的に無料で利用できますが、実際に過払い金返還請求や債務整理を依頼する場合は、司法書士事務所や弁護士事務所に費用を支払わなければなりません。というのも減額診断やシミュレーターを介さずに依頼した場合でも、同様の費用がかかるからです。
司法書士や弁護士に支払う費用は数万円~数十万円かかるため、それなりに高いと感じる人もいるでしょう。「もしかしてシミュレーターの費用も上乗せされているのでは?」と考えたくもなりますが、決してそのようなことはありません。司法書士や弁護士が業務として行うため、料金が発生するのは当然と考えるべきでしょう。
借金減額診断を安心して利用するには?
借金減額診断やシミュレーターを安心して利用するためには、これから紹介するいくつかの項目をチェックする必要があります。
実績のある法律事務所が運営しているか
まずは減額診断を利用する前に、サイトを運営しているのが実在していて実績のある法律事務所か確認しましょう。世の中には一般の業者に紛れて、悪質な手口でお金をだまし取ろうという業者もいるからです。少しでも怪しいと感じたら、サイト内にある「運営者情報」を確認して、どのような団体が運営しているか確認してください。
中には「○○法律事務所」という記載があっても実在しない可能性があるため、ネットで検索して実在する法律事務所か確認するのがベストです。また運営元がはっきりしないものは、使わないように注意しましょう。
口コミをチェック
安心して借金減額診断を利用するには、経験者の口コミをチェックするのも有効です。「○○(弁護士事務所名)減額シミュレーター 口コミ」などと検索すると、実際に利用したことのある人の口コミが確認できます。またネット上の知恵袋や口コミサイトなどでも見ることができるでしょう。
「簡単に使えた」「債務整理する良いきっかけになった」などの体験談は、あなたの参考になるはずです。
必要以上の情報入力を要求されないか
必要以上の情報を入力するように要求されないかも、信頼できるシミュレーターかを判断する材料になります。優良な業者が運営しているサイトでは、借金減額を診断する場合に、住所や氏名、勤務先などの情報は必要ありません。必要以上の個人情報を要求されたときは、悪質な詐欺業者の可能性が高いので、絶対に利用しないようにしましょう。
プライバシーポリシーの記載がある
サイト内に「個人情報保護方針(プライバシーポリシー)」の記載があるかもチェックしてください。インターネット上で事業者が個人情報を取得して利用する場合は、その取扱い方針を必ずプライバシーポリシーとして公表する必要があります。
きちんとした業者なら、個人情報の取り扱いについて定めたこと(個人情報を第三者に提供しないなど)を遵守するという文言があるはずです。
減額できない借金があることを知る
減額診断やシミュレーターで「騙された」とならないためには、減額できない借金があることを知りましょう。減額できない借金には、債務整理をしても意味がない借金と、そもそも減免できない借金の二種類があります。
債務整理をしても意味がない借金の代表格は、奨学金や住宅ローンです。このような借金は金利が通常の借金と比べものにならないほど低く、返済期間も20年前後と長期に及ぶため。債務整理をしても思うように減額できず、間違った債務整理方法を選ぶと住宅が処分されてしまいます。
またそもそも減免できない借金は「非免責債権」と呼ばれ、次のような債権が該当します。
- 未払いの税金
- 罰金や過料
- 公共料金(下水道)
- 損害賠償金(慰謝料)
- 国民年金保険料・健康保険料
- 婚姻費用
- 養育費
未払いの税金や罰金、慰謝料や子どもの養育費などは債務整理しても支払いの義務はなくなりません。もしも支払いが厳しい場合は、債務整理以外の方法を取らなければなりません。
任意整理で減額できない原因や対処法を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください
「任意整理で減額されない原因と理由|減額できないときの対処法とは?」
借金減額診断のメリット・デメリット
借金減額診断には、次のようなメリットやデメリットがあります。本当に利用すべきか悩んでいる方は、参考にしましょう。
メリット
借金減額診断のメリットはこちらです。
無料で24時間利用可能
借金減額診断やシミュレーターは、無料で24時間利用できます。時間を気にせずいつでもパソコンやスマホから利用でき、料金がかからないので利用者にはとても便利。本来なら司法書士や弁護士に借金が減額できるか調べてもらうには、いくつもある事務所から選んで相談の予約を取り、事務所まで足を運んで相談しなければなりません。
しかしこのようなサイトでは、自宅から簡単な質問に答えるだけで借金が減額できるか知れます。詳細な情報をもとにした診断でないため、100%正確な金額が分かる訳ではありませんが、減額できるかの目安にはなります。
匿名で利用できる
自分の名前を入力しなくても匿名で利用できるのが、このようなサイトのメリットです。ネット上に本名や借金の情報を入力するのは嫌だなと感じる方も少なくないでしょう。そのような方でも、個人情報の流出や悪用を気にせず利用できるのが、大きな利点となります。
すぐに結果がわかる
すぐに結果が出るのも、このようなサイトのメリットです。借金減額診断で入力する項目は、基本的に借入金額・借入期間・返済についての3項目。いくつかある選択肢から選ぶだけなので簡単に入力でき、最短60分で借金の減額が可能か分かるようになっています。
時間がないときや思いついたときでも、すぐに結果が分かるので、気になった方は試してみることをおすすめします。
債務整理に強い弁護士事務所が分かる
借金減額診断を利用すると、債務整理に強い弁護士事務所が分かるのもメリットの一つです。多くのサイトは、債務整理の顧客を獲得したい弁護士事務所が運営しているためです。通常再整理を依頼する弁護士を探す場合は、ネットや知人の紹介を通して見つけます。
しかし弁護士事務所によって得意分野は異なるため、別分野に詳しい事務所に借金について相談しても、思うような結果が得られない場合が。その点、借金減額診断を利用した流れで弁護士事務所を紹介してもらえれば、高確率で債務整理が得意な専門家に行きつくはずです。
デメリット
借金減額診断は利用しやすいメリットがある一方で、次のようなデメリットがあります。
実際の結果と差が出ることがある
借金減額診断の結果は、あくまでも入力内容に基づいた概算なので、実際の減額結果と差が生じる可能性があります。主に次のような理由で、診断結果に差が出てきます。
- 金利タイプの違い
- 遅延損害金の有無
- 取引期間に相違がある
- 債務整理できない借金も含めている
金利タイプや遅延損害金の有無によって、借金の返済額や減額できる金額が変わってきます。また取引期間が実際と異なると過払い金が発生している可能性があるので、減額割合が大きくなることも。そして債務整理できない借金も含めてしまっていると、実際の結果と相違が出てしまいます。
個人情報を知られる
借金減額診断を利用するデメリットは、ネット上に自分の借金の情報などを他人知られてしまうことです。またメールアドレスや電話番号などの連絡先の入力が必要な場合もあり、よく知らない運営元に個人情報を知られるのを嫌がる人もいるでしょう。
とはいえ直接個人を特定できるような氏名や住所などの情報は、基本的に入力する必要がありません。運営元さえしっかりしていれば、家族や知り合いに知られる心配はないでしょう。
利用後に勧誘の電話がくる
借金減額診断のサイトを利用して電話番号を入力した場合、利用後に勧誘の電話がかかってくることがあります。多くの減額シミュレーターでは、詳しい診断結果をメールや電話で案内することになっているためです。また話の行き違いを防ぐために、担当者から電話が来ることがあります。
また診断からしばらく経ってから、その後の状況を確認する電話がかかってくる場合も。とはいえいずれの電話も、債務整理を迫ったり契約を強要するような電話ではありません。債務整理の必要がない方はしっかりと断れば、その後の電話がかかってくることはないでしょう。
詐欺サイトに騙される可能性
サイト運営者が闇金や詐欺集団の場合、個人情報を搾取されたり手数料を請求されたりする可能性があります。司法書士事務所や弁護士事務所が運営しているように見せかけて、嘘の診断結果を出して、さらに借金を背負わせるように誘導するサイトもあります。
正規の専門家事務所が運営しているサイトでは、新たに借入を勧誘したり、手数料を請求したりすることはありません。診断時にお金を請求された場合は、詐欺業者の可能性が大です。少しでも怪しいと感じたら、すぐに利用をやめて絶対に個人情報などを入力しないように気を付けましょう。
本当に借金を減額したいと思ったら…
本当に借金を減額したいと思ったら、次のような方法があります。
低金利ローンへの借り換え
今借りているよりも低い金利のローンへ借り換えると、これから支払う借金の総額を減額できます。金利は元金の残高に応じてかかってきます。例えば借金が100万円あるとすると、現在返済しているローンの金利が18%だったものを、金利12%のローンに借り換えるだけで、6%の年利分、金額にすると60,000円の返済を減らすことができるでしょう。
ただし借金の借り換えをするには新たに審査があり、審査に通らないとこの方法を使えません。また借り換えは長期的に見て効果があるものの、すぐに減額したいという場面では、効果は実感しにくいのがデメリット。急を要するような状況では、あまり有効でない方法です。
複数の借金は一本化
借入先が複数ある場合は、「おまとめローン」などで借金を一本化してみては?より金利の低いローンへ組みなおしできれば、トータルの返済金額を減らせます。とくに返済日が複数あり、その管理に手間や時間がかかるという方は、借金を一本化するだけでかなり負担が軽減されます。
ただしこちらも利用するには審査があり、複数借り入れがあると審査に通らない可能性が。また、金利を下げられるといっても、ほんの少ししか下げられない場合があり、計算を間違えると以前よりも返済総額が増えてしまう可能性があるため、借金を一本化するときは慎重に検討しましょう。
借金の原因別の解決方法については、こちらの記事を参考にしましょう。
「借金地獄から抜け出したい!借金の原因別・種類別10の解決方法」
過払い金請求をする
2010年以前から返済している借金がある場合は、過払い金が発生している可能性があります。戻ってくる過払い金は現在返済中の借金の返済と相殺できるので、借金が減額できるだけでなく借金完済の可能性まで出てきます。
過払い金の有無は、借金問題に強い弁護士に相談するといいでしょう。依頼を受けた弁護士は、債権者から取引履歴を取り寄せ、過去に支払った元金と利息をすべて再計算します。その段階で過払い金の有無が分かるようになります。債務整理の準備段階で過払い金の有無が分かるので、債務整理の次いでに確認する方法も有効です。
ただし最後に返済してから10年を経過すると、過払い金の時効が来て返還請求ができなくなってしまいます。また過払い金請求をして、その手続きが終了されるまでは、個人信用情報に事故情報として掲載されます。その期間中に借金の申し込み等をしないように注意しましょう。
過払い金請求が住宅ローンの審査に影響するか心配な方は、こちらの記事を参考にしてください。
「過払い金請求は住宅ローン審査に影響する?確認方法や注意点を解説」
債務整理を検討する
借金を効率的に減額したいなら、債務整理を検討しましょう。上で説明した通り、債務整理は国が認めている借金の減額制度です。借金の内容や金額に応じた次の3種類の方法があるので、自分に一番合った債務整理方法を選べます。
任意整理
任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉して借金を減額する手続きです。減額できる内容はこちらです。
- 将来利息
- 完済するまで支払い続ける予定の利息
- 経過利息
- 弁護士が受任通知を送付してから和解が成立するまでに発生する利息
- 遅延損害金
- 返済期日を過ぎてしまった場合に上乗せされる損害賠償金
これらを交渉によりカットして、手続き後に残った借金は基本3年、最長で5年かけて返済していきます。任意整理する対象の借金を選べるので、保証人がいる借金や担保権が設定されている借金を除くことができます。ただし債権者が合意しないと減額できず、返済開始から間もないと交渉に応じてもらえない場合があります。
任意整理に向いているのは、次のような人です。
- 毎月安定した収入がある
- 借金総額が年収の1/3以上ある
- 複数社からの借金がある
- 返済していても残高が減らない
- 少なくとも3回は返済している
- 手続に時間や手間をかけたくない
- なるべく周囲にバレずに手続きしたい
任意整理と債務整理との違い、任意整理に向いている人について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「任意整理と債務整理の違いは何?メリット・デメリット、任意整理に向いてる人を解説」
個人再生
個人再生は民事再生法に基づく手続きで、裁判所に申し立てて借金を大幅に減額できる債務整理方法です。減額の割合は、借金の総額によって次のように異なります。
借金総額 | 最低弁済額(手続き後に返済義務が残る借金の金額) |
---|---|
100万円未満 | 全額 |
100万円~500万円未満 | 100万円 |
500万円~1500万円未満 | 総額の1/5(100万円~300万円未満) |
1500万円~3000万円未満 | 300万円 |
3000万円~5000万円未満 | 総額の1/10(300万円~500万円未満) |
個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者再生」の二種類があり、それぞれ適用の条件や最低弁済額の金額が若干変わってきますが、任意整理よりも大幅な減額効果が見込めます。また個人再生には「住宅ローン特則」があるため、ローン返済中の住宅を手放さずに住み続けることができます。
個人再生に向いているのは、次のような人です。
- 借金総額が200万円~5000万円以下
- ローン返済中の車やマイホームを残したい
- 安定した一定額以上の収入がある
- 制限のかかる職業や資格の必要な仕事についている
- 債権者の過半数の反対がない
個人再生と自己破産との違いや手続きの切り替え方法については、こちらの記事を参考にしましょう。
「個人再生と自己破産の違いとは?手続き・条件の比較や切り替え方法を教えます!」
自己破産
自己破産とは破産法に基づく債務整理方法で、減額しても借金の返済が不能な場合に、借金をゼロに(免責)できる手続きです。財産を持たない人が利用できる「同時廃止」と、破産管財人が財産や破産理由を調査する「管財事件」の二種類があります。
借金を免責できるということで「債務整理の最後の砦」的な位置付けですが、債権者に大きな損害を与えるため、自己破産には次のような多くの制限やデメリットが生じます。
- 一定以上の財産が処分される
- ブラックリストに登録される
- 官報に公告される
- 特定の資格・職業に制限がかかる
- 免責不許可事由がある
- 保証人に返済義務が移る
- 郵便物が転送される(管財事件)
- 引っ越しや旅行が制限される(管財事件)
このようなデメリットがあることを理解したうえで、それでも借金を免責できるメリットが上回る人は、自己破産すべきでしょう。その他、自己破産に向いているのは次のような人です。
- 借金総額が5000万円以上
- 減額しても完済の見込みがない
- 無職・生活保護受給者
- 財産を手放しても借金が残る
自己破産すると人生が終わるのでは?と心配な方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「自己破産後の人生は真っ暗?できること・できないことと周囲への影響について」
借金問題に詳しい弁護士に相談
借金を減額するには、借金問題に強い弁護士に相談するのも有効です。借金減額診断やシミュレーターを通して知った弁護士事務所に相談するのもいいでしょう。借金を効率的に解決する方法や自分に一番適した債務整理方法をアドバイスしてもらえます。
また過払い金返還請求や債務整理の手続きを、金額にかかわらず依頼できるのも弁護士だけ。弁護士が債権者に受任通知を送付すると、借金の催促がストップできます。これだけでも心理的な負担を軽減できるでしょう。もちろん書類の作成や債権者との交渉、裁判所での手続きもすべて代行してもらえます。
債務整理を依頼する弁護士選びに迷ったら、次の記事を参考にしましょう。
「【相談前・相談時】債務整理を依頼する弁護士の選び方を解説!失敗しない6つの注意点も紹介」
まとめ
借金減額診断やシミュレーターは決して怪しいサイトでも罠でもなく、正しく使用すればとても便利なツールです。司法書士事務所や弁護士事務所が運営しているサイトなら基本無料で利用でき、3つの項目を入力するだけで減額できる借金の概算が分かります。
からくりとしては借入金額や借入時期から、過払い金の有無や債務整理の有効性が分かるため。より詳しい情報が知りたい場合は、借金の詳細や連絡先を入力すれば、後日担当者から連絡が届きます。その後の手続きは有料となりますが、安全なサイトを利用すればお金を請求されたり詐欺業者に騙されることもありません。
本気で借金を減額したい場合は、おまとめローンやより金利の低い借金に借り換えるのが有効。それでもだめなら借金問題に強い弁護士に相談して債務整理を検討しましょう。手続きの途中で過払い金の有無も分かるので一石二鳥。まずは弁護士事務所の無料相談を利用して、安心して任せられる弁護士を見つけましょう。