病気で借金が返せない!今すぐやるべきことから借金問題解決までを一挙解説

病気で借金が返せない!今すぐやるべきことから借金問題解決までを一挙解説
病気で借金が返せない!今すぐやるべきことから借金問題解決までを一挙解説
  • 「病気で借金が返せないとどうなる?」
  • 「病気が原因で借金が返せなくなったときの対処法を知りたい」

突然のケガや病気で、これまで返済していた借金が返せなくなって困っているという方はいませんか?この記事では病気などで借金が返せなくなったらどうなるかについてや、借金が返せなくなる前にすぐにすべきこと、病気後に借金問題を解決するための方法を解説。

さらには病気療養中の金銭的負担を軽くできる手当や給付金、保険金や支援金なども紹介。入院費や治療費をおさえるための制度もお教えしますので、生活費や病気療養のお金が困ったときの参考にしましょう。

病気で借金が返済できなくなることは誰にでも起こり得ます。いざという時に困らないように、適切な対処方法や助けになる制度について覚えておきましょう。

 

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病気で借金が返せなくなるとどうなる?

借金の返済途中で病気にかかると入院や自宅療養によって仕事ができなくなり、収入が途絶えてしまうということはよくあります。こちらでは病気で借金が返済できなくなると、実際にどんなことが起こるのかを中心に解説していきます。

借金の返済は待ってくれない

残念なことですがたとえ重い病気やひどいケガなどで働けなくなり、借金返済ができなくなってしまっても、あなたが回復するまで借金の返済は待ってくれません。「正当な理由があるから返済も退院まで待ってくれるのでは?」と考える方がいるかもしれませんが、あくまでもそれは借りた側の事情であり、債権者側はその事情に対して特別な処置を取る義務はありません。

カードローンや消費者金融からのキャッシングの返済が残っている場合は、たとえ入院中や働けなくなって収入が途絶えてしまっても継続して返済する必要があります。返済できる貯金がある方はいいのですが、お金がなく生活にも困る場合は何らかの手立てを講じる必要が出てくるでしょう。

遅延損害金が発生

借金の契約時に決めた支払期限を過ぎてしまうと、その翌日から1日ごとに「遅延損害金」が発生します。この遅延損害金は「延滞利息」や「遅延利息」と呼ばれることもあるのですが、厳密にいうと借金の利息ではありません。利息との違いは次のようになっています。

利息
完済予定日までの借金に対して発生する
遅延損害金
完済予定日以降に発生して利息よりも利率が高い

一般的に遅延損害金の利率は、利息制限法により次のような利率になります。

借入金額 利息 遅延損害金
10万円未満 20% 29.2%
10万~100万円 18% 26.28%
100万円以上 15% 21.9%

ただし消費者金融からの借入は利息制限法により上限が20%と決められています。とはいえ利息に比べても利率が高いことには変わりありません。

ここで注意したいのは、遅延損害金は上乗せされた合計金額をすべて支払うまで加算され続けてしまうということ。つまり遅延損害金を放置し続ける限り、借金は日を追うごとに膨らんでいってしまいます。

参考:金銭消費賃借契約上の上限利率の推移一覧|利率一覧表

滞納3カ月でブラックリストにのる

遅延損害金が発生してもなお返済を放置すると、滞納61日以上または3カ月以上でブラックリストにのることになります。ブラックリストは実際には存在しませんが、信用情報機関で管理されている一人一人の信用情報に「事故情報」として登録されることをいいます。

事故情報として登録されてしまうと次のような様々な制約が課されます。

  • クレジットカードの利用および新規申し込み審査に通らない
  • ローンやキャッシングなどの借り入れができない
  • 携帯電話・スマートフォンの分割払いができない
  • 賃貸物件や奨学金の保証人になれない
  • ETCカードが使えない

信用情報は貸金業者や銀行などの金融機関の間で共有されています。あなたが新しくローンを組んだり携帯電話の本体料金分割払いを申し込んだ際に照会がかけられ、事故情報が登録されているとローンや分割払いを断れらてしまいます。

ブラックリストに関してはこちらの記事で詳しく解説しています。気になる方は参考にしましょう。

債務整理するとブラックリストにのる?気になる『ブラックリスト』についてすべてお答えします!

滞納し続けると裁判で差し押さえされる

借金を滞納し続けると金融機関から電話や郵便で督促が届き、それでも放置すると借入金の残額を一括で支払うよう請求が来てしまいます。消費者金融では借金を滞納してから2カ月前後で一括返済請求を行っています。連帯保証人を立てているような借金では、連帯保証人にも請求がいくことに。

一括請求の通知も無視していると滞納から3カ月前後で、残債返済を求めて債権者側が裁判をかけてきます。当然債権者の主張は認められ、裁判所から強制的に財産などを差し押さえされてしまいます。この差し押さえは法的な強制力があり、拒否することはできません。

差し押さえられる財産には次のようなものがあります。

  • 預貯金
  • 給与・退職金
  • 不動産
  • 自動車
  • 株式
  • 生命保険

実際に差し押さえにあった人によると「ある日突然通帳からお金が消えていた」ということです。財産の差し押さえは非常にリスクが高いので、なるべくなら差し押さえされる前に適切に対処することをおすすめします。

借金が返せなくなったらすぐにすべきこと

では実際に病気やケガが原因で借金を返せなくなったとき、すぐにすべきことを解説していきます。こちらでは「借金問題」と「病気回復」の2点に分けて見ていきましょう。

【借金問題】ですべきこと

借金返済は理由がどうであれ何も対処しないと、最悪の場合裁判所命令によって財産が差し押さえられてしまいます。そうならないために必要な対策を取ることが重要。体の具合が悪いときは、家族や周りの人に協力してもらいながら進めていきましょう。

貸金業者へ連絡する

病気などで返済ができなくなりそうだと思ったら、なるべく早めに借金相手に連絡しましょう。場合によっては支払期限を延ばしてもらえたり、遅延損害金を付けずに返済を待ってくれることも。貸金業者なら通常は1週間前後なら返済を待ってもらえる可能性が高いです。

返済期限を延ばして欲しいときは、いつまでに返済できるのかを伝え、病気回復後も継続して返済が可能だとアピールできると交渉がしやすくなります。黙って返済しないと遅延損害金が間違いなく発生してしまいます。まずは正直に事情を説明して、借金返済について相談をしてみましょう。

紛争解決センターへ相談

「紛争解決センター」へ病気で返済ができないことを相談するのも一つの手です。紛争解決センターとは、カードローン会社や消費者金融とその利用者との中立の立場として、トラブルが発生したときに双方に助言する機関です。

貸金業者のホームページには、こうした紛争解決センターの連絡先が記載されていることがほとんどです。借金の返済ができずにどうしていいか分からなくなったら紛争解決センターへ連絡してみては?多くのセンターでは無料相談を受け付けていて、次のようなサービスを行っています。

  • 家計管理のサポート
  • 延滞再発防止のためのカウンセリング
  • 債務整理の情報提供や方法についての助言

参考:日本貸金業協会|貸金業相談・紛争解決センター

収支の見直し

病気で借金を返済できなくなったら収支を見直すことをおすすめします。内容は簡単でかまわないのでこの先半年から一年程度の入ってくるお金と出ていくお金を計算してみましょう。具合が悪くて自分でできないときは、家族に協力してもらってください。

基本は現金の出入りをベースとして、クレジット払いが発生するときは引き落とし日に支出として記入します。このような収支一覧を作成しておくことで、お金の工面が必要になる時期が分かり、万が一手持ちのお金がショートしそうな場合は一時的に借り入れなどを検討しやすくなります。

借金の借り直し

下で紹介しますが、病気やケガで利用できる手当や給付金は支給までに1カ月前後かかることがほとんどです。最初の1カ月を乗り切るためには、借金の借り直しすることを考えていきましょう。今支払っている借金の利息よりも低いところから借り入れできれば、トータルの返済金額を抑えられます。

今ある借金は借り直しで返済して、新しく借り直した借金はその翌月から返済をスタートできます。この方法を取れば遅延損害金を支払う必要がなく、1カ月返済を遅らせられるだけでなく利息も安くできるかもしれません。

【病気回復】のためにすべきこと

借金返済と同時に、病気回復のためにもすべきことがあります。

病院で診察を受ける

痛みや症状がある場合は病院などの医療機関を受診して、病気やケガの回復に努めることが一番大切です。特にうつ病などの精神疾患は、「仕事に穴を開けるわけにいかない」と受診を後回しにしがちです。症状がひどくなってしまい、仕事に行けなくなるケースがあるため早めの受診が必要でしょう。

「どうせたいしたことないから」と自己判断で病院を受診しないのも危険です。大きな病気が隠れている場合があるため、症状に応じた専門の診療科を受診し、様々な検査や現れている症状などをもとに診断してもらいましょう。

適切な治療をする

診断をもとに病名が分かったら、医師の指導のもと適切な治療を行ってください。「借金を返済しなきゃ」と焦る気持ちも分かりますが、社会復帰するには決められた期間中は心と体をしっかりと休め、治療に専念するのが一番の近道です。

病名が分かったら病院から診断書を取っておきましょう。手当や給付金の申請手続きには、診断書の添付が必須となることも多くあります。診断書は病院受付の窓口で申請できるので、手数料や届くまでの時間を確認しておくといいでしょう。

休職を検討

症状がひどいときは、無理に仕事をせず休職を検討することも必要です。「自分の代わりはいないから」と無理してしまうと、症状の悪化により結局休むことになるばかりか、完治するまでにさらに時間がかかってしまうことも。

休職は社会復帰する上でも大切なことだと割り切り、休職中にしっかりと治療に専念するのが大切です。休職できる期間や休職中の給与の扱いについては、会社によって異なります。詳しくは総務担当に直接聞いたり、就業規則の内容をチェックするなどして休職時の待遇について確認しましょう。

入ってくるお金とかかる費用をチェック

病気やケガをすると、普段の生活費はもちろん通院や入院にお金がかかります。特に借金を抱えている人は尚更ではないでしょうか。こちらでは少しでも金銭的負担を減らすための、病気で申請できるお金や治療費が安くなる制度について解説していきます。

病気で申請できるお金

加入している保険や年金では、病気で申請できる保険金や給付金があります。該当しそうなものがあるときは、自分のケースに当てはまるかを確認し、手続きについて調べていきましょう。

生命保険の給付金

医療保険やがん保険に加入している方は、指定の病気やケガで入院したり手術をすると入院給付金や手術一時金という形で保険金が支払われます。支給される金額や条件は加入している保険の種類によって異なります。詳しくは加入している保険会社に問い合わせてみましょう。

実際に支払われた保険金の使い道は決められていません。生活費にあててもいいですし、借金の返済にもあてられます。加入している保険が適用になることを確認したら、保険会社に連絡して必要書類を送ってもらいましょう。場合によっては指定の用紙に医師が病名を記載しなければいけないことがあります。

書類の作成に手間取る可能性があるので、入院や手術前に書類を取り寄せておくとスムーズに手続きできます。実際にお金が手元に来るのは、1週間から1カ月ほど。こちらも保険会社に問い合わせておくと間違いありません。

高額療養費貸付制度

国民健康保険や協会けんぽなどの健康保険に加入している方が利用できる制度に、「高額療養費貸付制度」があります。通常高額な医療費がかかった場合には、「高額療養費制度」により上限を超えて支払った医療費は、手続き後に払い戻しされます。しかしこの場合は一旦医療費を立て替え払いしなければなりません。

どうしても建て替えが難しい場合は、高額療養費貸付制度を利用できます。こちらは高額療養費で支給される予定の8割~9割相当の金額を、無利子で借りることができる制度です。あくまで「貸付」ということで、高額療養費が払い戻しされたら貸付した金額は返済が必要です。

国民健康保険の貸付制度を利用する方はお住いの市区町村の担当窓口まで、協会けんぽに加入している方は協会けんぽのホームページを参考にしましょう。

傷病手当金

健康保険に加入している被保険者が、次のような条件に当てはまる場合は傷病手当金を受け取ることができます。

  • 業務外の原因による病気やケガの療養のためであること
  • 仕事に就くことができないこと
  • 連続する3日間を含む4日以上仕事に就けなかったとき
  • 休業の間に給与支払いがないこと

傷病手当金は業務外の原因による病気やケガで働けなくなったときに支給され、最長で1年6カ月受け取れます。支給される金額は給与の8割程度で、働けなくなってから4日から1日当たりで計算されます。うつ病などの精神疾患も対象で、在職中であることが必須です。

申請書は全国健康保険協会のホームページからも入手でき、被保険者(本人)・会社・医師それぞれが記入する箇所があります。お金は申請書を提出してから1カ月前後で指定の銀行口座に振り込まれます。会社や医師に書いてもらうのに時間がかかる場合があるので、早めに手続きを進めていきましょう。

雇用保険の傷病手当

上の傷病手当金は会社に所属して健康保険に加入している人が対象ですが、すでに退職された人のために雇用保険が管轄している傷病手当もあります。こちらの傷病手当金は失業した後にハローワークで休職申し込みをしたときに、15日以上病気やケガが原因で仕事に就くことができない場合に受け取れる手当です。

もらえる金額は直近6カ月分の給与の50%~80%ほどで、雇用保険の加入期間や年齢、離職理由などによって異なります。受け取れる条件は以下の通りです。

  • 雇用保険の基本手当が受け取れる資格がある
  • 失業後にハローワークで求職の手続きをしている
  • 15日以上病気やケガで働けない
  • 上記の病気やケガは求職手続き後に発生している

尚、こちらの傷病手当を受け取ると後に支給される失業保険から差額を差し引かれます。

障害年金

国民年金や厚生年金に加入している人が病気やケガで働けなくなったとき、現役世代も含めて受け取れるのが「障害年金」です。障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があり、それぞれ受給額や申請先が異なります。

障害年金の種類 障害基礎年金 障害厚生年金
対象者 国民年金に加入している人 厚生年金に加入している人
支給要件
  • 年金加入期間に初診日があること
  • 一定の障害の状態にあること
  • 初診日時点で65歳未満であること
  • 初診月の前々月まで1年間に保険料の滞納がないこと
年金額 障害等級1級…780,900円×1.25+子の加算
障害等級2級…780,900円+子の加算
障害等級1級…(報酬比例の年金額)×1.25+224,700円(生計を一にする65歳未満の配偶者がいるとき)
障害等級2級…(報酬比例の年金額)+224,700円(生計を一にする65歳未満の配偶者がいるとき)
障害等級3級…最低保証額の585,700円
申請先 住所地の市区町村役場窓口
年金事務所(年金相談センター)
 年金事務所(年金相談センター)

障害年金は病気やケガによって生活や仕事が制限されるような障害の状態にあるときに受けられ、障害等級に応じて年金支給額が決められています。障害厚生年金が受けられる障害よりも軽い場合は「障害手当金」として一時金が受け取れます。

失業手当

病気やケガで会社を辞めざるを得なくなったときに受け取れるのが失業手当です。支給期間は年齢や雇用保険の加入期間に応じて90~360日の間となっています。受け取れる金額は直近の給与の5割から8割ほどで、次に就職するまでの期間受け取れます。

ただし病気やケガが原因で求職活動ができないときは、失業手当の受給期間を延長することになります。求職活動開始後に病気やケガが明らかになった場合は、上で紹介した雇用保険の傷病手当を失業保険の代わりに受け取れます。失業保険や雇用保険の傷病手当は住所地のハローワークで手続きしてください。

労災保険

通勤中や就業中に発生した事故などでケガや病気が発生した場合は、労働災害保険(労災)の保険給付対象となります。こちらは身体的な疾患だけでなくうつ病などの精神疾患にも適用されます。

ただし精神疾患の場合は、原因が仕事によるストレスだと認定されなければなりません。労災によるものと認められるためには、心理負荷の判定が不可欠で容易に認められるわけではありませんが、実際に認定されているケースもあるため諦めずに申請することが大切です。

労災保険の申請手続きは本人に代わって勤務先が行うことがよくあります。自分で申請する場合は管轄する労働基準監督署長あてに労災保険の給付請求を出します。給付期間に制限はないため、症状が続く限りは労災保険を受け取り続けられます。

生活保護を検討

病気やケガで仕事を続けられなくなったり回復の見込みが立たないと、仕事をして収入を得ることができなくなります。借金の返済どころか日常生活にも支障をきたしてしまうため、他に利用できる公的制度がない場合や、生活費を借りられるあてがない人は生活保護の受給を検討しましょう。

生活保護は何らかの理由で働けなくなって収入を得ることが難しくなった人のための公的セイフティネットです。まずはお住いの市区町村役場に行き、生活保護担当に相談してみましょう。返済しなければならない借金があると生活保護が受けられないケースがありますが、自己破産で借金を免責し、その他の受給要件を満たせば生活保護を受けられる可能性があります。

生活保護を受け取るには住所地のある福祉事務所に申請します。担当のケースワーカーが次のようなことを調査し、要件が満たされれば生活保護を受け取れます。

  • 資産の調査(預貯金・不動産・保険)
  • 扶養義務者の援助を受けられるか
  • 収入や年金がいくらあるか
  • 働けるかどうか
  • 家庭訪問による生活状況の把握

申請が通れば2週間以内に保護費が支給されます。ただし受給期間中は毎月の収入を申告したり、ケースワーカーによる訪問調査を定期的に受けなければならないなどの制限があります。

入院費や治療費をおさえる公的制度

高額な入院費や治療費がかかると分かっているときは、支払う金額をおさえられる公的制度を利用しましょう。出ていくお金を減らせるので心理的な余裕も生まれるはずです。

自立支援医療制度

自立支援医療制度とは、心や体の障害を除去・軽減するための医療費を軽減できる公的医療制度です。対象となる医療は次のような内容です。

更生医療
18歳以上の身体障害者手帳の交付を受けた人が対象で、その障害を除去および軽減する治療により確実に効果が期待できる場合
育成医療
18歳未満の児童および生徒が対象で、その疾患を放置すると将来障害が残ると認められ、かつその障害を除去・軽減する治療により確実に効果が期待できる場合
精神通院医療
統合失調症やうつ病、不安障害などの精神疾患がある人で、通院による継続的な治療を必要とする場合

上のような条件に当てはまる場合は、通常医療費としてかかる自己負担割合を3割から1割に軽減できます。こちらの制度の申請先はお住いの市区町村役場の担当窓口および保健所(保険センター)です。

高額療養費制度

高額療養費貸付制度の項目で少し説明しましたが、高額療養費制度とは収入金額に応じた医療費の自己負担の上限金額を超えた場合、後日その超えた医療費が還付される制度です。こちらの制度は自己申告制になっているので、自分が該当すると分かった場合は忘れずに手続きしましょう。

手続きの流れとしては一旦1割~3割の自己負担分を支払った後で国民健康保険の場合は市区町村役場に、その他は全国健康保険協会(協会けんぽ)に申請し、指定した銀行口座に後日振り込まれます。各月の1日から末日までを基準とするため、1カ月ごとに手続きが必要です。

振り込まれる金額は収入によって異なり、振り込まれるまでに数か月かかることがあります。特に急がないという場合は診療を受けた月の次の月から2年以内であれば、申請すれば支給されます。

限度額適用認定制度

もしも高額な医療費がかかるだろうと分かっているときは、あらかじめ「限度額適用認定証」を発行してもらえば、自己負担上限額までの支払いで済むでしょう。出ていく金額は高額療養費制度と結果的に同じになりますが、立て替え払いが必要ないため手持ちの資金に不安な方も安心です。

高額療養費制度は世帯で合算できるので、同じ月内なら家族の医療費も安くできます。病院にかかる費用と借金の支払いが両立できるか不安だという方は前もって限度額適用認定証を準備して、支払う金額を少なくできれば返済の計画も立てやすくなるでしょう。

限度額適用認定証は国民健康保険の場合は市区町村役場に、会社単位で健康保険に加入している場合は会社に申請手続きを依頼する方法の他に、協会けんぽに被保険者が直接申請することも可能です。

病気後の借金問題解決のために

病気やケガで働けなくなり借金の返済が難しくなったときは、借金問題解決のために次のような手段を取ることをおすすめします。

弁護士に相談

借金問題に詳しい弁護士に相談すると、あなたの現在の状況や借金の総額に応じたアドバイスが得られます。特に「債務整理」を検討している場合は、なるべく早めに弁護士に相談することをおすすめします。中には無料相談を行っている事務所もあるので、遅延損害金が発生する前に相談しましょう。

病気やケガによって借金返済が難しくなった方を救済するために日本には様々な制度があり、自分で手続きを行うことは可能ですが、書類をいくつも準備したり複雑な手続き内容を理解して進めるのは治療をしながらの体には大きな負担になります。こと債務整理に至っては債権者との交渉や法律に基づいた手続きが必要なため、弁護士などの専門家の協力が欠かせません。

弁護士に債務整理を依頼すると次のようなメリットがあります。

  • 債権者からの催促や督促をストップできる
  • 書類の準備や作成を代行してもらえる
  • 裁判所や破産管財人との面談を代行してもらえる
  • 法に基づいた複雑な手続きを代行してもらえる
  • どの債務整理が向いているか判断してもらえる

弁護士事務所の中には弁護士費用を分割払いや後払いを認めているところがあります。病気やケガで収入が途絶えてしまっても債務整理を弁護士に依頼できるのでご安心を。

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任意整理で借金を減額

債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類がありますが、次のような方は任意整理で借金を減額する方法がおすすめです。

  • 回復後の収入の目途が立っている
  • 返済可能な金額である
  • すでに仕事に復帰している
  • 債権者の数がそれほど多くない
  • 借金を返済したいという意思が強い

任意整理は裁判所を通さずにできる手続きなので、手続きにかかる費用を抑えられ期間も短くて済みます。借金の利息や遅延損害金をカットでき、元本のみを3年から5年かけて完済します。今はまだ休職中でも、任意整理で返済額を減らせれば社会復帰後の返済による負担が減らせるでしょう。

ただし生活保護を受給した人が、生活保護費で減額された借金の返済にあてることはできません。このケースでは初めから自己破産を検討することになるため、気を付けましょう。

自己破産で借金を免責

病気やケガの回復のめどが立たず少しの返済も難しいときは、自己破産で借金を免責することも考慮に入れましょう。借金の金額が大きすぎる人やうつ病など繰り返し症状が出る病気では、いつまた収入が途絶えてしまうか分からないという不安が尽きません。病気を再発させないためにも、借金を免責できる自己破産の方が良い場合があります。

病気やケガで借金の返済が滞っている人の中には、病院の治療費や入院費も滞納しているというケースがあります。医療費も債権の一つなので自己破産すると医療費の支払いも免除されますが、病院に提出する書類に保証人として家族や親族の名前を記入していると、その保証人に医療費の請求が行ってしまうため注意しましょう。

すでに生活保護を受給している方は、法テラスを通じて手続きすると自己破産にかかる弁護士費用や裁判所費用を自己負担なしでできることも。自己破産は財産を没収されたりといったデメリットがありますが、病気と借金返済の両方で苦しむよりは借金だけでもその負担をなくしてみてはいかがでしょうか。

自己破産にかかる費用はこちらの記事を参考にしましょう。

自己破産にかかる費用相場・内訳を解説!安くおさえるコツや払えないときの対処法も紹介

自己破産の手続きがどの位の期間かかるか心配な方は、こちらをお読みください。

自己破産にまつわる期間を徹底解説!手続き・制限解除にかかる期間&短くする方法とは?

まとめ

病気で借金が返せなくなっても回復するまで返済は待ってくれません。1日でも過ぎると遅延損害金がかかり、3カ月の滞納でブラックリストに載ってしまいます。半年以上滞納したままだと一括返済の通知が届き、債権者から裁判にかけられて財産を差し押さえられてしまうことも。

そうならないためには事前に債権者に連絡したり借金を借り直しましょう。同時に病気回復のためキチンと病院にかかり適切な治療をすることが欠かせません。場合によっては仕事を休むことも考え、無理をしないのが社会復帰をするための秘訣です。療養期間中は各種手当や保険金、公的制度などを利用して生活費や治療費にあてましょう。

それでも借金返済が難しいときは弁護士に相談して債務整理を検討してみては?回復の見込みがあり返済できる額なら任意整理を、元本すら返済できなかったり繰り返し休業を余儀なくされるような病気の人は自己破産を考えましょう。債務整理に詳しい弁護士に依頼できれば、煩雑な手続きだけでなく債権者への対応や裁判所との話し合いも代行してもらえるでしょう。

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