母子家庭で借金苦しい。シングルマザーが借金から抜け出す方法や支援制度を紹介

母子家庭で借金苦しい。シングルマザーが借金から抜け出す方法や支援制度を紹介
母子家庭で借金苦しい。シングルマザーが借金から抜け出す方法や支援制度を紹介

  • 「母子家庭で借金の返済が難しく、行き詰まっている」
  • 「債務整理をしたいけど、子どもにデメリットがありそうで不安」

母子家庭の方は自分だけの収入で生活をしていかなくてはいけません。借金の返済のためのお金が用意できず、苦しい思いをしていませんか。

生活が急変して身動きがとれなくなっている方は、もしかすると本来なら申請できるはずの手当を受け取っていないかもしれません。今回は母子家庭の方が受けられる支援制度お金の工面方法について紹介します。

また、債務整理のことは知っていてもお金がないから難しい、デメリットが怖い等と考えて踏み出せずにいる方もいるでしょう。

しかし実際には、お金に困っている母子家庭・シングルマザーの方でも債務整理はできます。母子家庭の方が債務整理をする上で気になる費用面、デメリットについても詳しく解説をしていきます。

 

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母子家庭の方が借金の負担を減らすには

今借金で苦しく返済ができない方、借金の負担を減らしたいと考えている方に向け、具体的な対応策を紹介していきます。まず借金の返済日が迫っているのに返済ができそうにない場合、そのことを金融機関に連絡しましょう。

そして自分が受けられる支援制度がないかを確認し、日々の収入や支出で改められる部分がないかをチェックしてください。

一時的に返済ができないことを債権者に伝える

まず次の返済が間に合わない、という場合は債権者に連絡をしてそのことを伝えてください。期日通りに返済ができなかった場合早ければ次の日から督促の連絡が開始され、携帯電話に電話がかかってきたり、圧着ハガキや封書で自宅に督促状が届いたりします。

入金ができないからと言ってそのまま放置を続けていると、個人信用情報機関に「延滞をしている」ということが記録されて他のローンが使えなくなります。いわゆるブラックと呼ばれる状態です。そして最終的には法的措置をとられ、給与や財産を差し押さえられることに。

今は返済ができなくても少し経てば返済ができる場合、前もってそのことを伝えれば支払を待ってもらうことができ、その日まで督促の連絡が来なくなります。延滞すると伝えるのは怖いかもしれませんが、消費者金融や銀行のオペレーターは親身になって対応してくれますので大丈夫です。

借金の延滞することのリスクは以下の記事でさらに詳しくまとめています。クレジットカードに関するタイトルですが、消費者金融や銀行カードローンにも該当する内容です。
クレジットカードの支払いを3カ月連続で遅延したらどうなる?払えない時の対処法は?

ただ返済を待ってもらえる目安は1カ月程度までであり、2カ月を超えると一括請求をされたり、法的措置に移る可能性が高くなります。しばらく返済ができない場合はこの後で解説をする債務整理も視野に入れたほうがよいでしょう。

公的支援を受ける

母子家庭の方が受けられる公的支援には様々なものがあります。もしまだ申請をしていないものがあり、条件に合っているものがあれば積極的に活用をしていきましょう。

児童扶養手当

児童扶養手当とは、高校3年まで(子に障害がある場合は20歳)の児童を育てているひとり親が受けられる手当です。中学校卒業までの子をもつ人が受けられる児童手当とは別の制度になります。

前年度の所得が親子二人世帯で160万円までであれば支給額の全額、365万円までであれば一部の金額を受け取れます。なおここで述べている所得額は自分自身の給与所得ではなく、以下のような計算で算出することに注意してください。

所得額=総所得+養育費-8万円(一律控除)-諸控除

「総所得」は1年間(1月~12月)の収入を指し、給与所得者であれば源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」の金額が該当します。養育費とは別れた配偶者から子どもの養育のために受け取っているお金のことを指しますが、生活費などの名目で受け取っているものも含みます。

自分が条件に該当するかの確認、申請はお住まいの市区町村役場で行えます。
参考:厚生労働省 児童扶養手当について

母子家庭の住宅手当

ひとり親を対象に住宅の家賃を補助する制度を指します。自治体ごとに名称や内容が異なり「住宅費助成制度」「家賃補助」などと呼ぶこともあります。

住宅手当を設けている自治体の名称、金額の一例を紹介します。

自治体 支援の名称 支援金額
東京都武蔵野市 ひとり親家庭等住宅費助成制度 月額1万円
東京都国立市 住宅に対する費用助成 月額1万円
埼玉県さいたま市 賃貸住宅入居支援 家賃の一部を補助
神奈川県厚木市 母子家庭等家賃助成 月額1,300円〜1万円

手当を受けられる条件も自治体によりバラバラですが、申請先の市区町村に6カ月以上在住していること、生活保護を受給していないことなどが申請の最低条件になっている自治体が多いです。

自治体によっては住宅制度自体を設けていないところもありますので、まずは自分のお住まいの市区町村にそのような手当があるかどうかを確認してみてください。

母子寡婦福祉資金貸付金

母子寡婦福祉資金貸付金制度とは、子を養育しているひとり親、もしくは寡婦を対象に貸付を行う制度のことです。給付ではないためいずれ返済を行うことが条件ですが、金融機関よりもはるかに低金利でお金を借りられます。

また貸付用途によって据置期間も設けられており、たとえば子供の大学・高校進学費用を借りられる「修学資金」は子どもの卒業後6カ月以内まで返済開始を遅らせることができます。

資金の対象は以下の通りで利息は年1.0%、連帯保証人がいれば無利子での貸付です。修学資金・修業資金は子が連帯借受人になるため、連帯保証人は不要で無利子での貸付となります。

名称 資金使途
事業開始資金 事業を開始するのに必要な設備・機械などの購入資金
事業継続資金 現在営んでいる事業を継続するための資金
修学資金 子どもを高校、短大・大学、専門学校や大学院などの進学させるための費用
技能習得資金 就職や事業開始のために必要な技術・資格を習得するための資金
就業資金 子どもが就職や事業開始のために必要な技術・資格を習得するための資金
就職支度資金 子どもが就職するために必要な衣料品、就職に必要な通勤用自動車などの購入費
医療介護資金 医療費、もしくは介護に必要な資金
生活資金 母子・父子家庭になった直後、就職活動中などに生活を安定させるための資金
住宅資金 住宅の建設や購入、リフォームや修繕のための費用
転宅資金 引っ越しに必要な資金
就学支度資金 修学や就職のための被服購入費用
結婚資金 子どもの結婚費用

申請や条件の確認などは、お住まいの市区町村役場の福祉担当窓口で行えます。
参考:男女共同参画局 母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

ひとり親家庭等医療費助成制度

ひとり親の家庭、親がいない子を養育している家庭を対象に保護者・子どもの医療費の自己負担分を助成する制度です。助成を受けられる範囲は医療保険の対象となる医療費や薬剤費で、自由診療分や予防接種代、入院時の差額ベッド代などは対象外です。

住民税が非課税の世帯であれば入院・通院ともに自己負担は0円となります。住民税課税世帯でも自己負担は1割になり、負担額の上限(月18,000円、入院は57,600円)を超えた場合は免除されます。

また助成を受ける場合には所得制限があり、以下を超える場合は制度を使えないので気をつけてください。

扶養親族の人数 母子家庭の母、父子家庭の父の所得 孤児の養育者の所得
0人 192万円 236万円
1人 230万円 274万円
2人 268万円 312万円
3人以上 1人につき38万加算 1人につき38万加算

ここで紹介をしている所得制限等の数値は東京都の内容ですので、お住まいの自治体によっては内容や条件が異なる場合があります。詳しくは市区町村役場の子育て支援担当窓口に問い合わせをしてください。
参考:東京都福祉保健局 ひとり親家庭等医療費助成制度

就学援助制度

就学援助制度とは、学校教育法第19条に基づき、経済的理由で就学が難しい児童の保護者に対して学用品費や給食費などを助成する制度のこと。対象は以下のいずれかに当てはまる保護者です。

  • 要保護者…生活保護を受けている、もしくは生活保護が必要な保護者
  • 準要保護者…市町村教育委員会が認定する保護者

生活保護を受けている方は、ひとり親を対象とした助成から除外されることが多いのですが、この制度は生活保護者も対象になっています。準要保護者の認定基準は市町村によって対象が異なりますので、詳しくは自治体のホームページを確認してください。

申請方法や受け取れる金額も自治体によってさまざまで、子どもの小中学校への申請が必要なところもあります。
参考:文部科学省 就学援助制度について

生活サポート基金(南関東)

生活サポート基金は、借金の返済や多重債務、その他家賃や学費などの支払いで困っている方に対して支援を行う一般社団法人です。南関東(東京・神奈川・埼玉・千葉)に住んでいる方を対象に相談や融資の案内を行っています。

また2021年より認定NPO法人しんぐるまざぁず・ふぉーらむと提携の元、ひとり親の東京都民に対して貸付事業も行っています。こちらは都内在住の方限定ですが、別居を開始して離婚などの法的手続きが終わっていない方も申込ができます。法的手続きが済んでいないことを理由に他の公的支援が受けられない方に向いています。

参考:一般社団法人 生活サポート基金

児童育成手当(東京都)

東京都に住んでいて以下のいずれかに該当する高校三年生までの児童を養育している方は児童育成手当の申請ができ、児童一人につき月額13,500円を受け取れます。

  • 父母が婚姻解消している
  • 父か母が死亡、もしくは生死不明
  • 父か母が重度の障害を抱えている
  • 母が婚姻関係を結ばないまま出生した子ども
  • 父か母の片方が児童を1年以上遺棄
  • 父か母が裁判所からDV保護命令を受けている
  • 父か母の片方が法令によって一年以上拘禁されている

児童扶養手当と比較し所得制限額が高いことが特徴で、扶養親族がいない場合は上限360万円程度に設定されています。申請は市区町村役場の子育て支援担当で行えます。

生活保護

生活保護は最低限の生活を保障するための制度で、国民の権利です。仕事に就ける見込みがしばらくない場合、様々な手当を受けても生活が苦しい場合は申請を検討してみてください。

申請のための条件は以下の通り。

  • 収入・財産が国が定める基準に達していない
  • 働けない状況である、もしくは働いても十分な収入が得られない
  • 給付や手当を利用しても生活ができない

生活保護の申請先は役場ではなく、住んでいる地域を管轄している福祉事務所です。まずは自分が条件に該当するかを確認しましょう。

参考:厚生労働省 生活保護制度

日払いのバイト、副業をする

働きたいけど安定してシフトが組めないという方、給料日前になるといつも生活が苦しいという方は日払いのバイト副業がお勧めです。特に日払いのバイトは働いたその日にお金を受け取れますので、給料日を待つ必要がありません。

以前は「短期バイト」というと登録会や説明会への出席が必要であり、履歴書などの書類を用意する手間もかかりました。しかし最近は登録会なしでいきなり働ける「ワクモ」「タイミー」のような短期バイト専用アプリも登場しています。

子供が小さいなどの理由でまとまった時間が作れない場合は在宅ワークがお勧めです。テレワークの普及により在宅でできる仕事も広まりつつあります。以下は在宅でできる仕事の一例です。

  • データ入力
  • webライター
  • アフィリエイト
  • ハンドメイド品販売
  • ネット通販サイトのサポート業務

副業サイトの中には「仕事をあっせんする」という名目で高い教材・情報教材などを買わせようとする詐欺業者もいますので要注意。少しでもおかしいと思ったら断るようにしましょう。

現在住んでいる家の家賃を見直す

現在賃貸住宅に住んでいて家賃を自分で払っている場合、以下のように住居の見直しをすることで月々の負担が軽減します。

  • 家賃が低い住宅に引っ越す
  • 県営住宅や市営住宅に応募する
  • 実家などに住む

家賃が低い住宅に引っ越した場合、一カ月あたりの負担は少ししか違わなくても、長い目で見ると大幅な負担軽減になります。できるだけよい場所に住みたいという気持ちは当たり前のことですが、間取など譲歩できそうな条件があれば新しい物件を検討してみてください。

県営住宅や市営住宅は、収入が低い方向けに提供されている自治体管轄の賃貸住宅です。家賃が低いため入居の際には抽選になることが大半ですが、ひとり親家庭の場合優先的に入居できる自治体もあります。

また実家に頼れそうな場合、実家暮らしに切り替えるのが大変効果的です。家賃の負担が軽減されるだけでなく、光熱費や食費などを抑えることができます。

元夫が存命なら養育費を請求する

母子家庭になった原因が離婚なのであれば、元夫に養育費の請求をしましょう。離婚時に取り決めをしたにも関わらず支払いが滞っている場合、裁判所に申し立てをすることで履行勧告をしてもらえます。

離婚時に養育費を請求しなかった場合でも後から請求することができます。ただ過去の分を遡って請求はできませんので注意してください。

元夫が死亡している場合は遺族年金を受け取る

夫の死亡によって母子家庭となった場合遺族年金を受け取れます。遺族年金には以下の2種類があります。

  • 遺族基礎年金…子どもがいる配偶者が受け取れる
  • 遺族厚生年金…死亡した夫が会社員や公務員の場合受け取れる

条件を満たしていれば、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受け取れます。遺族基礎年金の申請先は市区町村役場、遺族厚生年金の申請先は年金事務所または年金相談センターです。どちらも過去に遡って請求できる期間は5年間と定められていますが、実際は5年以上経過していても受け取れることが大半です。
参考:日本年金機構 遺族年金を請求する方の手続き

借金で苦しんでいるなら債務整理の検討を

ここまでは収入を増やすことを中心に手段を紹介してきました。しかし様々な手当を受けても生活だけで精一杯になっている方もいるはずです。そのような方は借金そのものを減らす債務整理を検討してください。

債務整理とは金融機関と交渉をしたり、裁判所に申し立てをしたりして借金を減額する、もしくは免責する(返済の義務をなくす)手続のことで、以下の3通りの手段があります。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

いずれも信用情報が一定の間ブラックになるというデメリットがありますが、借金の負担を大きく軽減でき苦しい生活から抜け出すことができます。

任意整理

任意整理とは、弁護士に債権者と交渉をしてもらい、将来的に返済する金額を減額してもらう手続きのことです。利息分を大きくカットできますので、消費者金融や銀行のカードローンなど高い利率で借金をしている方に向いています。

借金そのもの(元金)はカットできないためある程度の返済能力があることが条件です。仕事に就いていなくても、手当や家族の援助で返済ができる場合は手続きができることが大半です。

債務整理の中では一番デメリットが少なく、弁護士に依頼をすることで自宅に書類が一切届かないままで手続きが可能です。金融機関ごとに減額手続きを行うため、車のローンなどをそのままにできることもメリットです。

任意整理ができる条件などについては、以下の記事で詳しくまとめています。
任意整理と債務整理の違いは何?メリット・デメリット、任意整理に向いてる人を解説

個人再生

個人再生とは裁判所に申し立てを行い、借金を最大5分の1程度にまで減額ができる手続きのこと。任意整理と異なり借金そのものを減らせるため、返済の負担を大きく軽減できます。

自己破産とは異なり財産の差し押さえがないことや、住宅ローン特則を利用することで持ち家をそのままにできることがメリットです。ただし連帯保証人を設定している借金をしていた場合、減額された分は連帯保証人に請求が行くことになるため要注意。

個人再生については以下の記事で詳しく解説をしています。
個人再生のメリット・デメリットを徹底分析!注意点・利用条件・他の債務整理との違いは?

自己破産

自己破産は裁判所に申し立てを行い、高額な財産を手放す代わりに借金を免責してもらう手続きのことです。

自己破産というと人生の終わりというイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、実際は人生を立て直すための制度です。詳しくはこの後の項目でも解説しますが、自己破産をしても周囲にバレるリスクはほぼありませんし、家族の進学や就職に悪影響を与えることもありません。

ただ借金の原因が浪費やギャンブル等の場合、免責不許可事由に該当し破産が認められないこともあります。自分が自己破産できるのかどうかについては弁護士に相談をして確認してください。
自己破産の免責不許可事由の11項目を解説!免責が下りなかったときの対処法とは?

また自分がどの債務整理に向いているかについても、年収や借金の金額によって様々ですので一概に言えません。自分では自己破産しかないと思っていても、実際にはリスクが低い任意整理で解決できるケースもあります。自分がどの手続きを取れるのかについては、弁護士の無料相談で確認をしてみてください。
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母子家庭で債務整理に踏み切れない方へ

債務整理が借金問題を解決すると分かってはいても「費用がかかる」「子どもに影響がある」等の理由でどうしても踏み切れない方も多いはずです。

確かに債務整理をするには費用がかかりますが、実際は問題なく手続きできる方が大半です。また債務整理は第三者にバレる心配はなく、子供の進学や就職に悪影響を及ぼすこともありません。これらの理由について詳しく解説をしていきますので、債務整理を迷っている方はぜひお読みください。

債務整理の費用を心配する必要はない

債務整理はそもそも金銭的に困っている方向けの手続きであり、法律事務所も当然それを理解した上で料金設定をしています。債務整理で過度に高額な費用を請求されることはありません。またほとんどの事務所は後払いや分割払いに応じてくれます。

実際にかかる費用については事務所によってさまざまです。無料相談を利用することで実際の費用や支払方法について見積もりを出してもらえます。最近はホームページなどで実際にかかる費用を明示している事務所も増えています。

返済分を弁護士費用に充てる人が多い

弁護士に債務整理を依頼すると債権者に受任通知(介入通知)が発送されます。受任通知とは、弁護士が依頼者の代理として交渉することを知らせる通知のこと。これが債権者に届くと督促の連絡が止まり、債務整理の手続きが終わるまでは返済もストップします。

債務整理の手続きにかかる期間は手段により異なり、任意整理の場合は4カ月~半年、個人再生や自己破産では6カ月~1年かかります。この間は返済をしなくてよいため、今まで毎月の返済に充てていた分を弁護士費用に充てる方が多いです。

法テラスの民事法律扶助を使おう

日本司法支援センター法テラスは、国が設立した法的トラブル解決のための支援団体です。法テラスで法律相談をすることにより、債務整理に必要な弁護士や認定司法書士の費用を立て替えてもらえます。この制度を民事法律扶助と呼びます。

ただ誰でも民事法律扶助を使えるわけではなく、所定の収入制限・資産制限があります。例えば二人家族の場合は月収が251,000円以下、保有資産(現金や預貯金・不動産など)が250万円以下であることが条件です。

ただ利用には以下のデメリットもあります。

  • 審査があり、収入を証明する書類などの提出が必要
  • 債務整理手続開始までに時間がかかる
  • 自分で依頼したい弁護士を選べない

また費用はあくまで一時的な立て替えですので、いずれ支払う義務があります。費用を準備するのにどうしても日数がかかる方、債務整理が急ぎではない方は検討をしてみてください。
参考 法テラス 民事法律補助業務

債務整理は周囲にバレない

債務整理をすると周囲にバレるのではないかと不安になる方も多いはずです。債務整理を依頼する弁護士には守秘義務がありますので、第三者にバレることはありません。

また債務整理の中でも任意整理は弁護士と金融機関との交渉ですので、弁護士とメール等で連絡をとっているだけで手続きが終了することも多く、第三者や家族にバレる心配はありません。

任意整理が周囲にバレない理由やバレるケースについては、以下の記事で詳しくまとめています。
任意整理をバレずに手続きしたい方必見!原因と対処法を知って賢く借金を減額

個人再生、自己破産の場合は官報に氏名・住所が記載されますが、そもそも世間では官報の存在を知っている方のほうが稀です。さらに官報の過去分を閲覧するのは有料な上に情報量も膨大ですので、官報を通して債務整理がバレることは無いに等しいでしょう。

自己破産は就業制限に注意

ただ自己破産をする場合、免責許可が決定するまでは一部の職業に就けなくなるため注意してください。いわゆる資格制限、就業制限と呼ばれるもので、以下のような職業が該当します。

士業
司法書士、弁護士、公認会計士、税理士など
公職
国家公安委員、公正取引委員、公証人など
団体企業
日本銀行、信用金庫、労働者派遣業、金融商品取引業、商工会議所など
その他
生命保険募集人、警備員、建築業、廃棄物処理業者、風俗業管理者など

破産手続が終われば今まで通り働けますが、免責許可が決まるまでは早くても3カ月程度かかるため、その間ずっと休むのは難しいでしょう。もし職業制限に当てはまっている場合、職業制限のない個人再生に切り替えるか、自己破産の手続き中のみ別の部署にしてもらう等の対策が必要です。

自己破産を検討していて職業制限が心配な方、対象の職種でなくても自己破産が職場にバレるか心配な方は以下の記事もぜひ読んでみてください。
債務整理が及ぼす就職・転職・仕事への影響とは?会社に知られないための対処方法も解説

子どもの将来に影響はない

債務整理をすると子どもに影響があるのではないか?と心配になる方も多いはずです。しかし実際には子どもには一切影響はありません。債務整理をしたということは戸籍や住民票に残ることはなく、あくまでも個人信用情報機関にのみ一定期間残ります。

個人信用情報機関を参照できるのは本人と本人の許可を得た金融機関だけですので、親の信用情報が無断で誰かにチェックされるということは絶対にありません。親が債務整理をしても子どもの進学や就職には一切影響がありませんので安心してください。

また親の信用情報がブラックになっても、子どもなど同居家族がローンを組む際の審査にも一切影響ありません。

ブラックリストに掲載される情報や期間については、以下の記事で詳しくまとめています。
債務整理するとブラックリストにのる?気になる「ブラックリスト」についてすべてお答えします!

親が自己破産しても奨学金は借りられる

債務整理の子どもへの影響を強いて挙げるとすると、進学の際に申込をする奨学金です。奨学金の貸し出しをしている日本学生支援機構では、奨学金の連帯保証人について債務整理中の人は連帯保証人になれないと規定しています。

3.連帯保証人について
あなた(奨学生本人)と連帯して返還の責任を負う人です。原則として「父母」です。
次の条件すべてに該当する人を選任してください。(中略)
5.債務整理中(破産等)でないこと。
引用元:日本学生支援機構 第一種奨学金の人的保証制度

債務整理中とは、信用情報が異動になっている(ブラックになっている)状態のこと。債務整理から最長5年、自己破産の場合は最長10年を超えると異動情報は消えるため、奨学金を利用するのが遠い先のことであれば影響はないでしょう。

奨学金を利用したい時に自分がブラックだったとしても、機関側が指定する保証機関を利用する機関保証制度を使うことで連帯保証人なしで奨学金を借りられます。
引用元:日本学生支援機構 保証制度について

債務整理をしても公的支援は受けられる

受けられる公的支援はできるだけ受けたいものですが、債務整理をすると受給資格がなくなってしまうのでは?と考える方もいるでしょう。確かに母子家庭の方向けの公的支援は申請に所得制限などの条件があるものばかりです。

しかし債務整理は公的支援とは関係がなく、収入や所得の数字には一切関係がありません。公的支援のお金を債務整理の費用にしてはいけない、というような決まりもありません。公的支援と債務整理をフル活用してください。

ただし債務整理と生活保護の両方を検討している方は注意が必要です。生活保護費は最低限の生活を営むためだけに使うよう指示されます。生活保護費の使い方について法的な決まりはないのですが、生活保護課の職員の中には借金の返済に充てることを許さない方も多いです。

債務整理のうち、任意整理と個人再生は手続き後も返済が必要です。そのため弁護士事務所の中には、生活保護を受けている方からの任意整理・個人再生を受付していないところもあります。もし生活保護を申請するつもりであれば、任意整理や個人再生との併用は難しいと考えてください。

まとめ

母子家庭の方で借金が苦しい方は、まずは自分が申請せずにいる手当がないか、利用できる制度があるかどうかを確認しましょう。ひとり親を対象にした支援制度の種類は非常に豊富で、市区町村独自のものもあります。自治体のホームページを確認するか、市区町村役場の子育て支援窓口や福祉窓口に問い合わせをしてみてください。

また在宅ワークや日払いバイトも昔より充実しつつあります。特別なスキルがなくても手軽に始められるものが増えていますので、時間がある方はぜひ挑戦をしてみましょう。

支援制度を利用しても借金で苦しい方、支援制度が使えない方は債務整理を検討しましょう。債務整理は周囲にバレるリスクは無いに等しく、子どもの進学や就職に影響を与えることも一切ありません。ただ自己破産の場合は資格制限がありますので、もし自分の職業が該当する場合は個人再生や任意整理を検討するか、手続き中だけ別の業務に就きましょう。

債務整理は公的支援制度の審査や所得に影響を与えません。活用できる制度は最大限活用し、借金の苦しみから抜け出しましょう。

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