任意整理は途中解約できる!払った費用や信用情報について徹底解説

任意整理は途中解約できる!払った費用や信用情報について徹底解説
任意整理は途中解約できる!払った費用や信用情報について徹底解説
  • 「任意整理を始めたけどやっぱり取り消したい」
  • 「弁護士事務所に任意整理を依頼したけど、別の弁護士に依頼し直したい」

任意整理とは弁護士や司法書士を通して金融機関と交渉を行い、借金の負担を軽減してもらう手続きのこと。弁護士に依頼をしたものの「弁護士が合わない」「今まで通りに返済ができるようになった」等の理由で任意整理を取り消したいと思うこともあるかもしれません。

任意整理を行う際には弁護士や司法書士と委任契約を締結します。この契約は途中解約をすることができますので、任意整理が終わる前までであれば取り消しが可能です。

しかし手続きの進み具合によっては成功報酬の支払いが必要になる、督促が再開するなどのデメリットも。またブラックになった信用情報は取り消せると限りません。任意整理を途中解約する際の注意点やデメリット、費用や信用情報の扱いについて詳しく解説をしていきます。

 

 無料相談

借金のお悩みを無料で弁護士に相談できます!

当サイトでは債務整理や借金問題に強い弁護士のみを掲載! 無料相談・土日祝日・オンライン面談可能など、あなたの希望に合った弁護士事務所を探せます。まずはお気軽にご相談ください。

任意整理は途中解約ができる

任意整理は弁護士と委任契約を結んで金融機関と取引をしてもらう手続きです。手続きの最中でも任意整理が終わる前であれば、依頼している弁護士に解約したい旨を伝えることで任意整理の中途解約ができます。

手続きが始まると解約はできないのでは?と不安に思う方もいるはずです。しかし委任契約ではいつでも契約が解除できることが民法651条で決められていますので法的には全く問題がなく、解約を断られることもありません。

1項 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる
引用元:e-Gov法令検索 民法

解約する際の理由についても特に制約はありません。

  • 弁護士が合わない
  • 事務所の対応がよくない
  • 任意整理をしなくても返済ができるようになった
  • 費用が支払えない

など、さまざまな事情で自由に解約が可能です。解任を伝える手段にも特に決まりはありませんので、メールや電話など、連絡がしやすい手段で大丈夫です。

解約の意志を伝えると弁護士から理由を聞かれることになります。その時に理由を正直伝えると、担当弁護士が対応できることに関しては対処してもらえる場合があります。例えば費用の支払いが不安な場合、分割払いに変更してもらえたり料金を下げてもらえたりする可能性が。

なお途中解約によって生じる影響は手続きの段階によって異なります。また任意整理の交渉が終わったあと、すなわち和解契約を結んだ後は任意整理の取り消しはできません。

途中解約には段階がある

任意整理の流れは以下のようになっており、どの段階で解約するかによって及ぶ影響が違います。

  • 1.法律事務所へ無料相談
  • 2.弁護士と面会、委任契約締結
  • 3.弁護士が金融機関へ受任通知を送付
  • 4.弁護士が債権者と交渉
  • 5.和解成立

解約のタイミングごとに注意点・影響を詳しく解説していきます。

委任契約締結前

法律事務所の多くは依頼者からの無料相談を受付しています。その後実際に弁護士と面会を行い、依頼することが決定したら委任契約を締結します。契約を結ぶ前までは手続自体が開始していませんので、キャンセルをしたいと思ったら好きなタイミングで取り消しが可能です。

委任契約締結後

弁護士へ任意整理を依頼することが決まったら委任契約書を取り交わします。この委任契約書には必ず

  • 手続き終了までであれば委任契約が解除できること
  • 委任契約を解除したときの料金の精算方法
  • が記載されていますので、契約後に途中解約をする場合はこれらに則って手続きをすることになります。

    途中解約をした際に戻ってくるお金については事務所によって規定が異なります。契約を結んだあとに途中解約をしたい方は必ず契約書類を確認しましょう。着手金は事件に着手したときの対価として支払う費用ですので、契約後は戻ってこないことが多いです。

    受任通知発送後

    弁護士が金融機関に受任通知を発送した後でも途中解約はできます。しかし金融機関は受任通知を見て個人信用情報に異動情報を登録するため、この時点でほぼ確実にブラックと呼ばれる状態になっています。

    債務整理とブラックリストの関係、信用情報についてもっと知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
    債務整理するとブラックリストにのる?気になる「ブラックリスト」についてすべてお答えします!

    任意整理の解約をしたからといって、必ずブラックも取り消しされるとは限りません。ブラックの情報を確認・取り消しする方法については後の項目で詳しく解説します。

    弁護士に依頼を行うと督促がストップしますが、受任契約が解除されると督促が再開すること、返済の義務が復活することにも注意。また手続き中は利息・遅延損害金の加算は止まっていますが、中途解約するとこれらの加算が再開することにも気をつけてください。

    なお各債権者への解約連絡は弁護士が行うため、自分から債権者に連絡する必要はありません。

    債権者との交渉中

    弁護士が債権者と減額交渉の手続きを行っている間でも任意整理の途中解約は可能です。ただし交渉の進み具合によっては成功報酬を支払う必要があります。

    任意整理が終わった後は解約不可

    任意整理において弁護士と債権者が話し合い、毎月の返済計画が決定することを和解と呼びます。和解が終わると金融機関と和解書(示談書・合意書)を交わし、毎月いくら返済をするのかを確認します。

    この合意手続きが終わったあとは任意整理の取り消しができなくなります。和解の条件に納得がいかない場合はもう一度交渉を行い再和解をすることはできますが任意整理自体はキャンセル不可能です。

    和解後の返済ができない時は

    和解後は金融機関との間に定めた決まりに従って毎月の返済を行っていくことになります。しかし何らかの事情で返済ができなくなった時やさらに減額をしたい時は、もう一度任意整理をして再和解をする、もしくは個人再生・自己破産に切り替えることができます。

    依頼を行うのは一度目の任意整理と同じ弁護士でも別の弁護士でも構いません。ただ任意整理をもう一度行う場合は一度減額されている借金をさらに減らすことになるため、一度目よりも交渉が難しくなります。金融機関にとっては二度目の交渉を受付していないことも。

    二度目の任意整理を考えている方は債務整理の実績が豊富な弁護士に依頼を行い、一度任意整理を行っていることを必ず伝えてください。

    2回目の任意整理ができる条件、注意点などについては以下の記事に詳しくまとめています。
    2回目の任意整理はできる?失敗しないための注意点、成功のコツを解説

    任意整理を途中解約する際の注意点

    任意整理は和解完了前であればどの段階でも解約ができますが、途中で解約するにあたり注意しなくてはいけない点やデメリットがいくつかあります。途中解約を考えている方は前もって必ず確認をしておき、後悔しないようにしましょう。

    着手金は返金されない

    任意整理を行うにあたり、弁護士に支払う費用は以下に分類されます。

    着手金
    手続きを開始する時に支払う費用
    基本報酬
    任意整理が成功した時に支払う費用
    減額報酬
    減額した金額に応じて支払う費用

     
    料金体系は事務所によって異なるため、基本報酬・減額報酬のどちらかしか請求しない事務所、着手金無料の事務所もあります。

    着手金とは手続き開始費のようなもので、弁護士が依頼に取り掛かった時に発生します。そのため既に任意整理が始まっていた場合、途中解約をしても着手金は返還されないことが多いです。

    解約の理由によっては返金可能な例も

    解約の原因が弁護士側にある場合は、例外として支払った着手金の返還に応じてくれる事務所も。しかし委任契約書に「いかなる場合も着手金の返還はできない」と定められている場合は返還を受けられません。

    最近では手続きに満足できなかった場合に着手金を全額返還する着手金保証制度を設けている事務所も増えています。

    段階によっては成功報酬の支払いが必要

    任意整理を開始して日数が経過してから解約をする場合、和解に向けてある程度手続きが進んでいることがあります。手続きが進んでから解約をする場合、弁護士が実際に行った交渉に対して支払われる成功報酬を支払わなくてはいけないケースがあります。

    途中解約における料金の考え方は弁護士によって様々であり、実際にかかった事務手数料のみ請求する事務所もありますので一概には言えません。途中解約した時の費用については委任契約書に必ず記載がありますので、解約をする際にはそれに基づいて支払を行いましょう。

    費用面のトラブルには紛議調停が利用可

    現在弁護士の費用は事務所ごとに自由に定めてよいことになっており、着手金や成功報酬についても特別に規定はありません。そのため料金にどうしても納得がいかない、ということもあるかもしれません。そのような時は所属弁護士会に紛議調停の申立ができます。

    紛議調停とは弁護士法41条に基づき、弁護士の業務に関するトラブルについて調停を行うことを指します。調停にかかる料金は無料ですが所属弁護士会によっては手数料が必要になることもあります。

    なお弁護士会は地方裁判所ごとに管轄が決められています。各連絡先は日本弁護士連合会に記載されていますので「弁護士が仕事をしなかったのに着手金を返してもらえない」「実際の交渉に対して請求された成功報酬が高い」などの理由で料金面に対して不満がある場合は弁護士が所属している弁護士会に問い合わせをしましょう。

    信用情報がブラックになっている可能性がある

    任意整理をキャンセルした時に既に金融機関に受任通知が発送されていた場合、信用情報には事故情報が登録され、いわゆるブラックの状態になっています。任意整理の解約を行うと弁護士から債権者に辞任通知が送られ、債権者はそれを確認してブラックの取り消しを行うという流れになります。

    このように手続きがスムーズに進められれば異動情報が消えてブラックではなくなりますが、任意整理の取り消しをしても必ず異動情報が消えるとは限りません。

    ブラックリストは取り消せないことも

    債権者側が辞任通知を受け取った時点で異動情報の取り消しを行えばブラックではなくなりますが、金融機関によって対応はさまざま。任意整理を取り消しても異動情報の取り消しをしない会社もあります。

    弁護士に依頼をしている間は返済や督促連絡がストップします。しかし任意整理をやめた場合、弁護士に依頼をしていた期間はなかったことになり、その間ずっと延滞をしていたとみなされます。そのことで「長期延滞」と判断されてブラックを撤回してもらえないことが多いです。

    ブラックの情報を訂正できるのは異動情報を登録した会社だけです。信用情報機関のCICのホームページにも、情報については登録元会社(金融機関)に問い合わせをするよう記載があります。

    開示された情報に心あたりがない場合は、登録元会社へお問合せください。
    情報に誤りがあることが判明した場合には、登録元会社にて訂正・削除をいたします。
    引用元:株式会社CIC よくある質問

    ブラックであることが納得できない場合は信用情報機関ではなく、金融機関に交渉を行わなくてはいけません。

    自分がブラックかどうか確認するには

    自分の信用情報がブラックになっても、信用情報機関や金融機関から連絡が来るわけではありません。自分がブラックになっているかどうかを知りたい場合は信用情報機関で開示手続きを行いましょう。

    日本国内には信用情報機関が3つあり、銀行やカード会社、消費者金融などの金融機関は以下のいずれに必ず加盟をしていますので、3つ全ての機関の情報を確認しましょう。

    3カ所いずれも郵送で開示手続が可能です。JICCとCICはパソコンやスマホからも開示手続・個人情報の確認ができます。

    返済や督促連絡が再開する

    任意整理の開始時に「委任通知」を債権者に送ることによって債権者からの連絡は全て弁護士が受けることになり、契約者本人は返済の義務が一時的になくなります。しかし任意整理を解約すると「委任通知」がなかったことになるため、督促の連絡が本人に入るようになり返済の義務も元に戻ります。

    遅延損害金・利息の加算も再開する

    任意整理を行っている間は本来かかる利息、延滞の際に課せられる遅延損害金の加算は一時的にストップしています。弁護士が辞任することで再度利息・遅延損害金の加算は再開されますので、放置していると返済すべき金額が大きく膨らんでいく恐れが。

    また本来の期日からあまりに日数が経過していた場合、支払をせずに放置していたとみなされて残高を一括で支払うよう請求されることがあります。支払いが長く行われなかった場合、債権者は残高を一括で請求できるという権利があるためです。

    任意整理を取り消してすぐに返済が難しい場合はできるだけ早く新しい弁護士を見つけるようにしましょう。

    弁護士を替える時は新たに費用がかかる

    任意整理を途中解約、つまり弁護士との契約を解除したあとに新しく別の弁護士に依頼をすることもできます。ただ前の弁護士に着手金を払っていたとしても、弁護士を替える場合はまた新たに着手金を支払わなくてはいけないので気をつけましょう。

    任意整理の引き継ぎをすることは可

    前の弁護士との契約を解除するときに新しい弁護士がすでに決まっている場合、弁護士同士で業務の引き継ぎをしてもらうこともできます。業務の引き継ぎを行うことで新しく書類を準備する必要がなくなり、費用や手間を省くことができます。

    新しい弁護士のことを伝えると嫌がられるのではないか、引き継ぎをしてもらえないのではないかと考える方も多いでしょう。弁護士は他の弁護士が不利益になる行為を規程で禁止されていますので、他の弁護士への引き継ぎも適切に行ってくれます。

    第九章 第七十一条
    弁護士は、信義に反して他の弁護士等を不利益に陥れてはならない。
    引用元:弁護士職務基本規程

    どうしても新しい弁護士のことは伝えづらいという方は、契約解除の際に書類を返却してもらいそれを新しい弁護士に渡すことでスムーズに新しい任意整理を行うことができます。

    まとめ

    任意整理はどの段階でも途中で解約ができます。解約をしたいときには伝えやすい連絡手段で弁護士に解約の意志を伝えましょう。しかし和解契約を結んだあと、すなわち新しい返済計画を組んで書類を交わしたあとは任意整理の取り消しができません。

    任意整理をして条件に納得がいかないときや返済ができない時は二度目の任意整理(再和解)、もしくは他の債務整理を検討しましょう。

    また弁護士に委任をすると信用情報がブラックになりますが、任意整理を解約したからといってブラックが解除されるわけではありません。自分の信用情報が気になる方は、個人信用情報機関に開示請求を行い、異動情報が登録されているかをチェックしてください。

    任意整理をキャンセルすると弁護士に債務整理を依頼する前の状態に戻るため、督促の連絡や遅延損害金の加算が再開されます。すぐに返済ができるのであれば問題ありませんが、キャンセル後に放置をすると返済金額が膨らんでいくだけでなく、残高の一括請求に移行する恐れもありますので早めに新しい弁護士に依頼を行いましょう。

債務整理の相談なら専門家にお任せください!

  • 借金で首が回らない
  • 人生を一からやり直したい
  • 自己破産のメリット、デメリットが知りたい
人生はいつからでもやり直せます。弁護士はあなたの味方です。

任意整理カテゴリの最新記事

PAGE TOP