トイチの利息で借りた闇金からの借金、返済請求できる?過払い金返還請求の可否と返還交渉の方法

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  • 「闇金からトイチで借りた借金に過払い金が発生している?」
  • 「闇金被害を受けた場合に返還請求する方法が知りたい」

「トイチ」や「トサン」などの言葉から、闇金が高利で貸す借金について何らかのことを知っている方も多いのではないでしょうか。一方で闇金からの借金にかかる利息を過払い金返還請求できることや、借金そのものを返還請求できるということについて知らなかったという方も多いのが実際のところ。

そこでこちらでは、闇金からの借金について過払い金返還請求できる理由や返還交渉の方法、ケース別の対処方法を紹介していきます。闇金から数万円借りただけなのに、多額の利息が付いてあっという間に返済できなくなってしまったという方は参考にしてください。

 

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闇金からの借金の特徴と返済請求の可否

まずは闇金とは?という点や法的に見た返済義務の有無、返還請求の可否について解説していきます。

闇金とは

闇金とは、貸金業法や出資法などに違反して金銭を違法に貸し付ける金融業者のことをいいます。とはいえ「自分は闇金ですよ」と言って貸付している訳ではなく、中小の消費者金融やSNS上の個人間融資を装っていることがほとんど。そのため、闇金とは知らずにお金を借りてしまう人が後を絶ちません。

闇金の特徴

闇金にはいくつかの共通した特徴があるので、その特徴を知っておくことで闇金を避けられます。

  • 貸金業登録がない
  • 連絡先が携帯電話のみ
  • 出資法の上限金利を超える高金利で貸し付ける
  • 1週間ごとや10日ごとの返済を要求される
  • 脅迫的な取り立てをされる
  • 返済が滞ると自宅に来たり取引先や親族に影響が出る
  • 勝手に口座にお金を振り込まれた・借りてもいないのに返済を迫られた
  • 「ブラックでもOK」「審査なし」などの宣伝文句で客を集める

本来貸金業を営むには、貸金業法に基づいて国もしくは都道府県に貸金業の登録を受ける必要があります。しかし闇金のほとんどは貸金業登録を行わず、違法な高金利で貸し付けをしています。また正規の貸金業者は固定電話を設置することが必須ですが、闇金は身元を探られたくないため他人名義で契約できる携帯電話のみを連絡手段としています。

闇金地獄に陥りやすい人の特徴について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。

「闇金から借金した債務者の末路|闇金地獄に陥りやすい人とそこから抜け出すための対処法」

闇金の利息

上で説明した通り、闇金の金利は法律を超えているというだけでなく、非常に高い金利を設定しているのが特徴です。闇金が設定しているケースで多いのが「トイチ」や「トサン」など。高いのでは「トナナ」まであります。この「ト○○」というのは、10日ごとに利息が加算されていくというシステムです。

  • トイチ…10日で1割
  • トニ…10日で2割
  • トサン…10日で3割
  • トゴ…10日で5割
  • トナナ…10日で7割

闇金からトイチで10万円借りた場合、10ごとに1万円、1年間で365,000円の利息がかかる計算に。また返済蛾遅れた場合、利子にも同様の金利がかかります。そのため一度返済が滞ると、雪だるま式に借金が増えることに。

闇金から押し貸しされたという方は、こちらの記事を参考にして対処法を実践しましょう。

これって押し貸し?適切な対処法は?気になる被害と押し貸しにあわないポイントを解説」

闇金の手口

闇金は闇金だと気づかれないようにして客をだますケースがほとんど。闇金被害に遭わないためには、闇金が良く用いる手口を知る必要があります。

よくある手口 内容
給料ファクタリング まだ受け取っていない給料を債権として、高額な手数料を差し引いてお金を貸す手口

返済時はさらに手数料を含めた金額を支払わなければならず、強引な取り立て等のトラブルが起きる可能性が高い

090金融 事務所を構えずプリペイド式の携帯電話を使用して貸付を行う手口

数万円程度の小口の貸し付けが多く、ネット上で勧誘するケースが増えている

個人間融資 SNSなどを利用して、知らない人同士で金銭の貸し借りをしていると見せかける手口

借りる側の個人情報を徴収する目的であるケースも多く、別の犯罪被害や詐欺被害に遭う可能性がある

自動車金融 融資時に車を担保に取る手口

リースなど別の取引を装うケースが多く、請求時には「リース料」や「保管料」として高額の手数料を取る

架空請求 債権を譲渡された債権拐取業者と偽って、借金の返済を求めるケースや、利用した覚えのない出会い系サイトやアダルトサイトの使用料を請求するケースがある
カラ貸し 実際にお金を貸していないいのに、貸したものとして返済を求める手口

取り立ては脅迫めいた内容で、恐怖心から借りてもいないお金を振り込んでしまう

押し貸し 申し込みをしていないのに、勝手に銀行口座にお金を振り込み、高い金利で返済するように迫る手口

過去に闇金などを利用して口座情報を知られているケースが多い

LINEの闇金被害で多い個人間融資について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。

「LINEの闇金被害『個人間融資』とは?増加の理由と対処法を知り、被害を最小限に抑えよう」

そもそも返済の義務はない

闇金からの借金は、そもそも返済の義務はありません。というのも闇金の貸し付け行為自体が法律上無効になるので、闇金から借りたお金そのものは元金も含めて一切返済する必要がないという訳です。闇金から借りたお金が返済する必要がないというのは、次の根拠によるものです。

法外な利息を設定しているから

闇金から借りたお金を返さなくていい理由の一つ目は、法外な利息を設定しているからです。貸金業を営む場合、次の2つの法律の上限金利の範囲内で利息を設定しなければなりません。

法律の種類 上限金利(年利)
利息制限法 元本の金額が10万円未満 20.0%
元本の金額が10万円~100万円未満 18.0%
元本の金額が100万円以上 15.0%
出資法 20.0%

一方で闇金の借金にかかる利息を年利に直すと、次のようになります。

闇金の利息 年利
トイチ…10日で1割 365%
トニ…10日で2割 730%
トサン…10日で3割 1,095%
トゴ…10日で5割 1,825%
トナナ…10日で7割 2,255%

利息制限法の年利20%の上限金利を超える場合は、超過部分が無効となり行政処分の対象となります。また出資法の上限金利を超える金利は、刑事罰の対象となります。このようなことから、闇金が設定した違法な金利の支払いは不要ということが分かります。

闇金とソフト闇金の見分け方については、こちらの記事を参考にしてください。

「ソフト闇金と闇金の違いって?よくある手口と見分け方、知らずに借りたときの対処法とは」

裁判で返済不要と判決が出ている

闇金から借りたお金を返済しなくてもいい理由の2つ目は、最高裁判所で返済の必要がないという判決が出ているからです。2008年6月10日に最高裁判所が出した判決では、闇金に対して、

  • 正規ではない貸し付け行為で顧客に金銭を貸し付けた場合、その貸したお金を返して欲しいと請求できない
  • 闇金に対してすでに返済したお金は、利息や元金を含めた全額を闇金に返還請求できる

という結論を出しています。

参考:「ヤミ金元本返済不要」判決|全国消費生活相談員協会

この判決の根拠として、民法第708条の「不法原因給付」をあげています。不法原因給付とは、一般的な倫理原則に反する内容による給付(貸付)のこと。日本では貸金業の許可を受けた者だけが、不特定多数の顧客に対して貸付でき、利息を徴収できるようになっています。そのため貸金業登録がない業者が同様の行為をすることは原則として不法行為とみなされるという訳です。

民法第708条(不法原因給付)
不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。

引用:民法|e-GOV法令検索

返還請求が可能な理由

上のような理由から、法的に闇金からの借金は元本・利息ともに返還請求が可能だとしています。また次のような闇金側の理由からも、返還請求ができると考えられます。

身バレを嫌がる

闇金は身バレを嫌がるという理由から、裁判に至る前の返還請求に応じる可能性が高いでしょう。闇金は実質的な代表者の身元や会社名、組織の名称などを明らかにされるのを極端に嫌がります。トラブルが公になり被害者が裁判を起こしたりすると、それらが裁判記録やネットの口コミなどで公になることは避けたいと考え、裁判前の返還請求に応じる可能性があるという訳です。

闇金としては多少のトラブルは想定内でしょうが、できるだけトラブルにならない相手や金を搾り取りやすい相手から搾り取れるだけ搾り取り、また次のターゲットを探すというのが基本的な手口です。そのためには正体を隠し続けることが重要に。今後も闇金を続けるために、返還請求に応じる可能性があります。

警察沙汰にされたくない

闇金側が警察ともめたくないと考えて、返還請求に応じる可能性があります。警察にマークされて逮捕や起訴されてしまうと、その後の活動が困難になります。闇金にとっては最も避けたいことの一つで、警察沙汰にされたくないという理由だけで返還請求に応じる場合場あります。

闇金が借金を完済させてくれない理由は、こちらの記事を参考にしてください。

「闇金が借金を完済させてくれない…どうすればいい?その理由と手口、適切な対処方法とは」

闇金の借金は過払い金の対象になる?

では闇金の借金は、過払い金の対象になるのでしょうか。

過払い金とは

過払い金とはそもそも、かつての利息制限法と出資法との間に存在していた「グレーゾーン金利」で計算された利息のことをいいます。2010年6月に出資法が改正されて上記のような金利になる前までは、以下のような金利で貸金業者は利息を計算していました。

法律 利息(年利)
利息制限法 10万円未満…20.0%

10万円~100万円未満…18.0%

100万円以上…15.0%

出資法 29.2%

上の表で見ると、利息制限法の上限金利と出資法の上限金利には、10万円未満で9.2%、10万円~100万円で11.2%、100万円以上で14.2%の開きがあります。これがいわゆるグレーゾーン金利です。グレーゾーン金利は利息制限法に違反しているものの、貸金業法のみなし弁済制度が適用されていたために貸金業者に行政処分はありませんでした。

しかしこうした法律の不備を是正し、金利負担の軽減を目的として出資法が改正。グレーゾーン金利で貸し付けていた貸金業者は、利用者の求めに応じて払い過ぎた利息を返還しなければいけなくなりました。これが過払いの金返還請求ができる理由です。

法的に闇金の利息は過払い金の対象

闇金の金利は、上で説明した通り、出資法や利息制限法の上限金利よりもはるかに高金利で貸付されています。利息が一番低い「トイチ」でさえ年利365%で、法定利息20%を18倍も超過しています。このことから闇金からの借金に過払い金が発生していることは間違いありません。

闇金への過払い金返還請求は難しい

ただし残念なことですが、闇金に過払い金返還請求をしても、実際にお金が戻ってくるケースはほとんどありません。その理由を簡単に言うと「闇金だから」となるのですが、実際には次のような理由があるからと考えます。

手続きが進まない

闇金への過払い金返還請求が難しい理由の一つ目に、手続きが進まないという理由があげられます。スムーズに進まないばかりか、こちらの要求に全く応じない可能性も。通常正規の消費者金融過払い金返還請求をするときには、次のような順序で手続きを進めていきます。

  1. 貸金業者に取引履歴を請求する
  2. 取引履歴をもとに利息の引き直し計算を行う
  3. 過払い金が発生していれば、郵便やFAXで返還請求する
  4. 業者から連絡が来て和解内容の交渉を行う
  5. 交渉がまとまれば決めた日にちに過払い金が指定口座に振り込まれる

闇金に取引履歴を請求しても、ほとんどのケースでまともに出してくれません。そればかりか逆に嫌がらせをされたり、脅してくることも。相手が弁護士の場合でも同様です。取引履歴がなければ、過払い金の計算もできないので、初めから手続きを進められない可能性が高いでしょう。

手続きを妨害しようとする

闇金への過払い金返還請求が難しい理由の2つめは、闇金が手続きを妨害しようとしてくるためです。万一でも相手が過払い金を返すと応じた場合でも、本来借りた額よりも少ない金額を出してきたり、威圧して全く請求できないように仕向けてくることがあります。

そのため闇金相手の請求がとても難しく。いざ手続きを進めようと思っても「請求してきても無駄だ」や「ペナルティとして利息を増やす」といった脅しをかけるケースも少なくありません。

闇金からの電話がしつこいときの対処法は、こちらの記事を参考にしましょう。

「闇金からの電話しつこいときの対処法!間違った方法や電話がくる理由も紹介」

会社名などの情報を得られない

闇金の会社名などの情報を得られないのも、過払い金返還請求が難しい理由の一つです。過払い金返還を求める裁判を起こす場合、相手の会社や連絡先などの情報がないと裁判を起こせません。闇金を相手に裁判を起こすには次のような情報が必須ですが、実際問題として突き止めるのは非常に困難です。

  • 業者名
  • 本店所在地
  • 連絡先(固定電話・FAX)
  • 代表者の氏名
  • 担当者名

闇金の中には携帯電話一つで商売をしている業者も少なくなく、初めから事務所を構えていないケースも。携帯電話ですら他人名義の可能性が高いので、個人を特定するのさえ困難で。公式のホームページがあるソフト闇金などでも、会社名や電話番号等は掲載されていないことがほとんどです。

街金と闇金との違い、見分け方は、こちらの記事を参考にしてください。

「街金と闇金の違いは?サラ金・ノンバンクとの見分け方や特徴、借金で困ったときの対処法とは」

闇金側に法律を順守するメリットがない

そもそも闇金側に法律を守るメリットがないので、過払い金返還請求に応じる意味がありません。闇金は法律を無視して極端に高い金利で暴利を得ているので、いくら「グレーゾーン金利だから」といって過払い金返還請求をしても相手にされないことがほとんど。

正規の貸金業者なら、過払い金返還請求に応じないと金融庁に行政処分を受けたり、訴えられて会社の看板にキズが付くというデメリットがありますが、元からいくつもの法律違反を犯している闇金には過払い金返還請求に応じるメリットがないといえます。そのため初めから無視される可能性が高いでしょう。

引き受けてくれる専門家が少ない

闇金への過払い金返還請求が難しい理由に、引き受けてくれる専門家が少ないということがあげられます。正規の貸金業者に請求する場合、司法書士や弁護士に手続きを依頼するのが一般的。この場合の報酬は「取り戻した金額の○%」という契約になっていることが多いでしょう。

しかし闇金相手では、上のような理由から取り戻せる可能性がゼロに近いため、成功報酬で契約する専門家のほとんどが受けてくれないでしょう。

嫌がらせがエスカレートする可能性

闇金に過払い金を請求するのが難しい理由の最後は、嫌がらせがエスカレートする可能性が高いということ。相手は初めから法律を守る気すらない闇金です、過払い金請求をして相手を怒らせてしまうと、嫌がらせや脅しがエスカレートする可能性が。

闇金の嫌がらせには様々な手口があるものの、最近で多いのはお金を借りるときに提出した個人情報をインターネット上にバラまくというものです。免許証や顔写真などをネット掲示板に載せたり、特に女性に多いのですが、お金を借りるときに提出させた性的な写真をバラまかれるといったケースも。

「対応がソフトだから応じてくれるかもしれない」と思う気持ちも分かりますが、しょせん相手は闇金です。むやみに請求すると危険にさらされる可能性があります。

闇金の取り立てをストップする方法は、こちらの記事を参考にしましょう。

「闇金の取り立てをやめさせる方法|最適な相談先や対処法を知ってトラブルを解決!」

闇金に返済した利息や被害に遭った金額を取り戻す方法

では、闇金に返済した元金や利息を取り戻す方法はないのでしょうか?どうしても被害に遭った分を取り戻したいという方のために、こちらではポイントを紹介していきます。

自分一人では不可能

前提として、自分一人で被害に遭った分を取り戻すのは不可能と考えてください。とくに電話番号一つで営業している闇金など、その実態が不明な場合は任意の交渉で返還させるのは不可能です。一人で対応しようとすると嫌がらせや脅迫がエスカレートする可能性もあるでしょう。

闇金と交渉する場合は、警察への被害届の提出や裁判所への訴訟提起といった法的手続きが必須です。このような場合、法律に詳しい専門家がいるといないのとでは、相手の対応が変わってきます。その意味でも自分一人で対応したりせず、必ず専門家に相談するようにしましょう。

振り込め詐欺救済法による分配金

闇金と振り込め詐欺グループがつながっている場合、いわゆる振り込め詐欺救済法「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」によって分配金が受け取れる可能性があります。振り込め詐欺救済法による救済制度は、振込詐欺の被害者だけでなく、未公開株詐欺や闇金による振り込み被害が発生した場合にも対象となります。

犯罪利用預金口座として闇金が不正に利用していた口座は凍結され、口座に残されていた残高から被害回復返金を受けられます。返金を受けるには必要書類を添付して「被害回復分配金支払請求書」を金融機関に提出します。手数料等の費用は掛からず、被害者本人が手続きできるのがメリットです。

一方で預金残高を申告のあった人数で分配するため、被害に遭った全額を取り戻せるという訳ではありません。闇金の利用口座を明らかにするために、闇金と取引した履歴の提出が求められます。詳しくは、「振り込め詐欺救済法Q&A」を参考にしましょう。

闇金から借金して口座凍結される理由について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。

「闇金からの借金で口座凍結されたらどうなる?3つの原因と解除方法、再び被害にあわないための対策」

訴訟を起こす

どうしても被害に遭った分を取り戻したい場合は、訴訟を起こすという方法があります。上で説明した通り、訴訟を起こすには闇金についての情報が必要です。実店舗があって闇金の情報が分かっている場合には裁判を起こせますが、裁判所から支払いを命じる判決が出てもそれを無視する可能性があり、強制執行よって財産をおさえようと思っても銀行口座を判明できないと預金を差押えすることは不可能です。

とはいえ、実際に闇金に裁判で返還請求を訴えてお金が返ってきた事例もあります。闇金の情報が分かる場合には、裁判を起こせないか専門家に相談してみましょう。

警察に相談

闇金被害に遭ったときには、警察に相談するという方法がとれます。被害届を提出すれば、犯罪の捜査をしてもらえるケースも。ただし警察に被害届を提出できるのは、違法な取り立て行為があったと証明できるケースに限られます。また被害金額が少なかったりすると、そもそも取り合ってもらえない可能性も。

そして警察では「民事不介入」の原則により、借金トラブルに介入しない可能性も。違法な取り立てなどがない場合は、あくまで個人間のお金の貸し借りに関するトラブルと判断され、警察も積極的には介入できません。

ただし最近では警察でも闇金被害に関する注意喚起を行っていて、最寄りの警察署や相談ホットライン(#9110)への相談を呼び掛けています。

闇金に強い専門家に依頼

闇金からどうしても被害に受けた分を取り戻したいという方は、闇金問題に強い弁護士に依頼するようにしましょう。闇金問題に詳しく返金実績がある弁護士なら、闇金への適切な対応方法が分かります。中には闇金専属の対策チームを持っている弁護士事務所もあり、闇金問題解決についてのアドバイスを受けられます。

振り込め詐欺救済法による分配金を受け取りたい場合でも、手続きの方法やアドバイスを教えてもらえます。時には警察への被害届提出や裁判提起などの法的手段を取りながら、状況に応じた対応をしてもらえるでしょう。

以後の闇金とのやり取りはすべて弁護士に任せられます。執拗な取り立てや嫌がらせがなくなり、精神的ストレスから解放されることで生活も落ち着くはず。万が一弁護士に依頼した後でも取り立てが続く場合には、支払わないという姿勢を貫くことが大切です。

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【闇金被害】ケース別対処法

闇金被害に遭った金額を請求する場合、ケース別で対処法が異なります。こちらでは4つのケースに分けて解説していきます。

店舗実態がある

闇金を調査した結果、店舗を構えて営業していたり、事務所の場所が明らかになった場合には、直接弁護士などが訪問して返還請求をしたり交渉することが可能です。業者の中には刑事告発を恐れて、返金に応じる可能性があります。また弁護士が介入しているということで、よりその可能性が高まります。

闇金への罰則は過去に比べて厳しさを増しています。店舗や事務所があれば取締りがより容易になるため、返金に応じるケースがあるという訳です。借り入れから間もなく返済がほとんどないという状態を除けば、返金につなげられるケースは多いでしょう。

対面取引

路上や駅などの場所を指定して、対面でお金のやり取りをするタイプの闇金では、うまく接触が持てれば返金できる可能性があります。しかし店舗などを持つ闇金と違い、弁護士などが接触しようとすると逃げられてしまう恐れも。そのため店舗などを持つ闇金と比べて返金率が低いのが現状です。

090闇金

携帯電話しか連絡手段がない、いわゆる「090闇金」の場合、返金を求めることが非常に困難。090闇金の多くはグループで活動していますが、ある程度利益を確保できたら一度解散し、また新しい携帯電話番号を手に入れた後に活動を再開します。

昔闇金からお金を借りた分を返還したいと思っても、すでに電話番号が変わっていたり、闇金自体が存在していない可能性があります。090闇金の場合、過払い金や借金そのものの返還請求が困難で、たとえ請求できたとしても実際にお金を取り戻せる可能性は非常に低いと考えます。

返金額が少ないケース

取引開始からまだ日が浅く返済額が少ない場合、返金額が数万円程度だと闇金業者が和解に応じる可能性があります。というのも闇金自体が費用対効果を考えて、法的措置を取られて口座が凍結されるよりも、和解に応じた方がコストがかからないと判断する可能性があるため。

闇金が新しく口座を手に入れるのにもコストがかかるため、口座が凍結されるよりは数万円程度を支払ってもいいと判断すると、返還に応じる可能性があります。

まとめ

闇金からトイチの利息で借りた借金は、利息のみならず元金を含めた全額を返済請求することが可能です。闇金はいくつもの法律を違反しているだけでなく、過去の裁判でも損害賠償として返還を認めているため。また闇金側の身バレを嫌がり、警察沙汰にされたくないという理由もあります。

しかし実際に過払い金の返還を求めたり、返済した分を請求するのは難しいといわざるを得ません。法的措置を取るには闇金の情報が不可欠で、手続きが進まなかったり妨害しようとする恐れがあるからです。また闇金側に応じるメリットがなく、引き受けてくれる専門家が限られているのもその理由。

どうしても闇金に返済を請求したい場合には、法的手段に出たり振り込め詐欺救済法による分配金請求を行うのが必須です。そのためにも、闇金問題に強い弁護士の助けをかりましょう。闇金から返還を受けるのは簡単ではありませんが、専門家の力を借りることでその可能性を高められるはずです。

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