- 「リボ払いの残金を減らす方法が知りたい」
- 「リボ地獄に陥らないためのコツは?」
キャッシュカードやカードローンのリボ払いは、数千円から返済できるので毎月の負担が少なく、利用している人も多いのではないでしょうか。しかしリボ払いは便利に使える一方で、残金がなかなか減らないというデメリットもあります。
残金が減らないばかりか、追加で買い物するとさらに返済が難しくなる場合も。そこでこちらの記事では、リボ払いの仕組みを紐解きながら、リボ払いの借金が減らない理由や効率的に減らすポイントを詳しく解説していきます。さらに今からできることを実践して、リボ地獄に陥らないようにしましょう。
リボ払いの仕組み
リボ払いの借金が減らない原因の一つに、リボ払いならではの仕組みが関係しています。こちらではリボ払いの3つの方式や分割払いとの違い、手数料の計算方法について紹介していきます。
リボ払いとは
リボ払いは正式には「リボルビング払い」といい、利用金額などに関わらず、あらかじめ設定しておいた一定金額を毎月支払っていく支払い方法のことです。クレジットカードのショッピングに採用されていますが、カードローンにも採用している金融機関があります。
毎月の返済額が決まっているため、一括払いで手に入れられないような高額商品を購入でき、お金の流れを管理しやすいのがメリットです。一方で様々な理由から残金が減りにくく完済までの期間が長くなりがちというデメリットがあります。
毎月の返済額は元金に手数料を含んだ金額になっていて、最終的に元本がゼロになれば返済が完了します。ただ支払残高に応じた手数料を支払う必要があるため、本来の利用金額以上の支払いになることは頭に入れておくべきでしょう。
リボ払い3つの方式
リボ払いには、定額方式・定率方式・残高スライド方式の3つの方式があり、それぞれ支払金額の計算方法が異なります。金融機関によってどの方式を採用しているか変わってくるため、自分はどの方式で支払っているか把握するようにしましょう。
定額方式
リボ払いの定額方式とは、支払残高に関わらず毎月の支払いが一定額になる返済方法です。定額方式には「元金定額方式」と「元利定額方式」の二種類があり、それぞれに返済額が変わってきます。クレジットカードのリボ払いの多くは、定額方式のいずれかとなっています。
返済方法 | 特徴 | 支払い金額 (返済額:5,000円・手数料年利:15%) |
---|---|---|
元金定額方式 | 毎月決められた元金返済額に金利手数料をプラスした金額を支払う | 5,750円 (元金返済額:5,000円+手数料750円) |
元利定額方式 | 毎月の支払額が一定で、返済額に手数料分を含めて支払う | 5,000円 (元金返済額:4,250円+手数料750円) |
定率方式
定率方式とは、支払残高に対する手数料の割合を固定にする返済方法。元金のみを計算対象とする「元金定率」と元金+利息に定率をかける「元利定率」の二種類がありますが、残高が増えるほど返済額が増加するため、この方式単独ではあまり採用されていません。
残高スライド方式
残高スライド方式とは、利用残高に応じて毎月の支払額が変動する返済方法のこと。支払残高が多くなればなるほど支払金額も増えるのが特徴です。クレジットカード会社によって、以下の二種類のいずれかを選択しています。
返済方法 | 特徴 |
---|---|
元利定額残高スライド方式 | 残高に応じて支払金額が固定されている (残高10万円なら毎月1万円、残高20万円なら毎月2万円など) |
元利定率残高スライド方式 | 残高に応じて金利が固定されている (残高10万円なら15.0%、残高20万円なら10.0%など) |
ただし残高スライド方式を単独で採用している金融機関は少なく、上の定額方式・定率方式のいずれかと組み合わせて採用しているパターンが多いです。利用残高に応じて支払金額が増減するため、無理のない金額で返済できるのはメリットですが、返済の管理がしにくいというデメリットがあります。
分割払いとの違い
リボ払いに似た支払い方法に「分割払い」がありますが、リボ払いと分割払いの大きな違いは以下の通りです。
比較項目/支払い方法 | リボ払い | 分割払い |
---|---|---|
毎月の支払額 | 基本的に一律 | 購入金額と分割回数によって変動 |
手数料(年利) | 15~18%(残高に対して) | 2回までは無料 2回以降は回数が増えると高くなる |
支払い回数 | 返済が終わるまで | 買い物時に指定 |
リボ払いは返済が終わるまで続き、支払回数は指定できません。毎月の支払額は一定で、残高に対して手数料がかかります。一方で分割払いは、あらかじめクレジットカード会社が設定する支払い回数の中から選ぶやり方で、基本的に2回払いまでは手数料がかかりません。毎月の支払額は購入金額と分割回数に応じて変わります。
例えば10万円の商品を購入して5回で支払うと決めた場合には、毎月2万円+手数料を5カ月支払うことになります。毎月の支払額をおさえたいときにはリボ払いが適していますが、支払う回数を決めて支払額を調整したい場合は分割払いを選んだ方がいいでしょう。
手数料の計算方法
リボ払いの手数料は借金の利息と同じ扱いです。リボ払いの手数料は次の計算式で求められます。
金利手数料=利用残高×年利(%)×利用日数÷365(日)
利用残高:支払いが進むごとに減る
利用日数:返済日翌日から次回返済日までの日数
例えば支払残高100万円を年利15%、毎月の元本支払額が15,000円のリボ払いで支払ったとすると、最終的な金利手数料は417,144円、支払総額は1,417,144円にもなります。
10万円を利用した場合でも、最初の30日で発生する金利手数料は1,233円ということに。毎月の返済額が5,000円の元利定額方式を採用している場合では、元金の返済に3,767円充てられるという訳です。
リボ払いの借金が減らない原因
リボ払いの仕組みが分かったところで、リボ払いが減らない原因について見ていきましょう。
手数料の年利が高い
金利手数料の年利が高いのが、リボ払いが減らない原因の一つです。リボ払いを利用するには、この金利手数料を払わなければなりません。リボ払いの金利手数料はクレジットカード会社にもよりますが、一般的に15~18%に設定されています。
この金利手数料の相場は、年利10~14%前後のカードローンと比べて高くなっています。消費者金融からの借り入れにかかる金利は、借入金額によって5~18%と幅をもって設定されていますが、リボ払いの方がそれよりも高めに設定されていることが分かります。
利用残高に応じて手数料が加算
利用残高に応じて金利手数料がかかるのも、リボ払いが減らない要因となっています。利用金額が大きくなればなるほど手数料も高額になります。また利用金額が少なくても返済のスピードが遅いと、相対的に手数料も高くなってしまうことに。
こちらは利用金額20万円と50万円についての、一括払いとリボ払いの支払い総額・手数料の一覧です。
決済方法 | 一括払い | リボ払い(毎月1万円・年利15%) |
---|---|---|
利用金額20万円 | 支払総額:200,000円 支払手数料0円 |
支払総額:226,250円 支払手数料:26,250円 |
利用金額50万円 | 支払総額:500,000円 支払手数料:0円 |
支払総額:659,375円 支払手数料:159,375円 |
上の内訳を見てわかる通り、リボ払いで50万円分の買い物をしたときの手数料は、実に16万円近くにもなります。一括で支払うケースと比較して、約1.3倍ものお金を支払うことになります。
毎月の支払額が少ない
リボ払いは毎月の支払額が少ないのも、残金がいつまでも減らない原因となっています。例えば楽天カードのリボ払いでは、毎月の最小支払金額は利用残高20万円までは3,000円+リボ手数料、20万円以上でも4,000円+リボ手数料(残高5万円増加するごとに1,000円加算)と低額です。
最小支払額のみで支払う場合、たとえ20万円の買い物でも67回、つまり5年と6カ月も完済までにかかる計算に。そのうえ、新たにリボ払いで買い物をしてしまうと利用残高がプラスされて、完済するまでにさらに時間がかかってしまいます。これが返してもなかなか残高が減らないと感じる理由といえます。
参照:リボ払い|楽天カード
元金がなかなか減らない
リボ払いで支払うと、元金がなかなか減っていかないのも、完済までの道のりが遠い理由です。多くのクレジットカード会社では、リボ払いに元利定額残高スライド方式を採用しています。この方式だと毎月一定の支払額に元金と手数料が含まれていて、利用残高が高くなるほど手数料の占める割合が多くなるためです。
利用残高10万円を毎月1万円ずつ支払っていても、手数料が4,000円分を占めれば元金は6,000円にしかなりません。実際に返済しているのは毎月6,000円と同じことで、これがリボ払いの返済が長期化してしまう原因です。
借金の元金が減らずにお悩みの方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「借金の元金が減らない!7つの原因の解決法&種類別の減らし方」
いくら使ったか・いくら残っているか把握しづらい
リボ払いはいくら使ったか、いくら利用残高が残っているか把握しにくい支払い方法です。使えば使うほど支払額が増える一括払いや分割払いと異なり、リボ払いはいくら使っても毎月の支払額は一定です。そのため「使いすぎたな」と思うことがないままに、いつの間にか残高が増えてしまう原因に。
また毎月決められた金額を引き落としされていて、利用者は支払っている気になりやすいのも、使いすぎに気づくのが遅れる理由です。このように今までいくら使っていくら残金があるのか把握しにくい特徴がリボ払いにはあり、これこそがリボ払いが恐ろしい訳にもなっています。
リボ払いの残高を効率的に減らすコツ
一旦増えてしまったリボ払いの残高を、効率的に減らすにはいくつかのコツがあります。まずは自分のできることから始めていきましょう。
利用明細を定期的に確認
リボ払いの残高を減らすには、利用明細を定期的に確認する必要があります。上で説明した通り、リボ払いは毎月一定額を口座から引き落とされているため、いくら使っていくら残っているのか把握しにくい特徴があります。使いすぎや長期にわたる支払いを防ぐには、クレジットカードの利用明細をキチンと確認しましょう。
利用明細は紙媒体で自宅に届いたり、クレジットカード会社のHP上からログインして確認することができます。とくに、こちらからアクションを起こさないと確認できないネット上の利用明細は、「毎月○日に確認する」など日にちを決めてチェックするように心がけると確認し忘れを防げます。
返済額は多めに設定
毎月の返済額を多めに設定するのも、効率的にリボ払いの残高を減らすのに効果的です。毎月1万円支払っている人は2万円に、2万円支払っている人は3万円に増額するだけでも支払い期間を短縮でき、結果的に支払総額も少なくて済みます。
クレジットカード会社にもよりますが、1,000円単位で増額できるケースもあるので、少しでも多めの返済を心掛けてください。ただしあまり無理し過ぎてしまうと、急な出費に対応できないなどのリスクが生じます。返済額を増額するときは、くれぐれも無理のない範囲で金額を決めましょう。
繰り上げ・一括返済を活用
繰り上げ返済や一括返済を活用するのも、リボ払いを早く完済する秘訣です。繰り上げ返済とは、毎月の支払いとは別に、臨時収入があったときや手元の資金に余裕があるときにまとまった金額を返済する方法です。繰り上げ返済で支払った分はすべて元本の返済に充てられるので、効率的に元本を減らせます。
また一括返済を行うと、リボ払いの残高をゼロにすることができ、以降はリボ払いにかかる手数料を支払わずに済みます。当然支払い期間も短くできるので、余裕のある月はコツコツ繰り上げ返済し、ボーナスなどまとまったお金が入ったタイミングで思い切って一括返済して、早期の完済を目指しましょう。
リボ払いの借金を完済する方法や、早期に解決するコツについては、こちらの記事を参考にしてください。
「リボ払いが終わらない!リボ払いの借金を完済する方法と返済のコツ」
借り換えを検討
借り換えや一括返済が難しい場合は、より金利の低いカードローンなどに借り換えを検討してみては?上で説明した通り、リボ払いの金利手数料は年利15%~と高めです。カードローンの中には年利10%前後の低金利の商品もあるため、その分の利息を減らせる可能性があります。
借り換えはリボ払いで残っている分をカードローンで借りて一括返済し、以降はカードローンの返済に切り替えるという方法です。ただしカードローンの申し込み時には借り入れ状況や収入などの審査があり、場合によっては審査に落ちる可能性があることを覚えておきましょう。
リボ払い以外にも借金がある方は一本化を検討してみては?こちらの記事を参考にして、金融機関を探したり審査に通らないときの対処法を知りましょう。
「借金返済の一本化ができる銀行は?審査に通らないときの対処法も解説」
リボ地獄に陥る前にすべきこと
一旦リボ払いの借金から解放された後は、二度とリボ地獄に陥らないような対策を取ることがとても重要です。
リボ払いの大変さを認識する
二度とリボ地獄に戻らないためには、リボ払いの大変さを認識する必要があります。まずはリボ払いの仕組みをよく理解し、手数料の年利の高さを知り、利用するほどに手数料が増えていくことを頭に入れましょう。リボ払いの仕組みをよく理解しないまま利用し続けることがいかに怖いことなのか知れれば、リボ払いによる失敗を防げるはずです。
自分のカードの設定を再確認
二度とリボ払いで苦労しないためには、自分のカードがどのような設定になっているか再確認してください。中には自分が設定した覚えがないままにリボ払いになっているケースがあります。また普通のクレジットカードだと思って使っていたのが、リボ払い専用カードだったということも。
中には利用額が一定額を超えると、自動的にリボ払いになるという設定のカードもあります。とくに多いのがポイント付与率が高くなるキャンペーンに特典目当てで申し込んだ結果、リボ払いに設定したままになっているというパターンです。まずは普段使っているクレジットカードの設定をよく確認し、リボ払いになっていないかチェックしましょう。
自動リボ払いに注意する
自分が設定した覚えがないのに、リボ払いになっているケースでよくあるのは「自動リボ払い」に設定されているという場合です。自動リボ払いとはクレジットカードの支払いがすべてリボ払いになるようにあらかじめ設定されているもので、設定を解除しただけではリボ払いを停止できません。
というのも一度リボ払いでカードを使ってしまっていると、自動リボ払いの設定を解除しても、支払残高が残っている限りはリボ払いで支払う必要があるため。店頭で「一括払いで」と言っても、リボ払いになってしまうため注意が必要です。
利用額の上限を決める
リボ地獄に陥らないようにするには、クレジットカードの利用上限や条件を決めるといいでしょう。具体的には、「10万円以上の買い物にしか使わない」や「利用残高が20万円以上になったら使用をストップする」など。このように利用に条件を決めておけば、カードの使いすぎを防ぐことができるはずです。
クレジットカードには、利用枠が設定されています。利用額に対して毎月の請求額が少ないリボ払いを使い続けてしまうと、他の一括払いやボーナス払いでの利用枠を使い切ってしまいます。「いつの間にか利用枠いっぱいになっていた」という事態を回避するためには、あらかじめクレジットカードの利用上限を決めることをおすすめします。
完済するまではリボ払いを使わない
リボ払いの残高が残っている間は、新たにリボ払いで買い物しないのもポイントです。リボの残高が残っているのにもかかわらずさらにリボを利用する人の特徴として、気が付かないうちに高額な手数料を支払っていることが挙げられます。
完済する前に新たにリボを利用してしまうと、残高の管理ができなくなるばかりか、さらに手数料がかかる結果に。二度とリボ地獄に陥らないためには、「今以上にリボ払いの元本を増やさない」ということを心掛け、必ず残高がゼロになってから利用するようにしましょう。
手数料のかからない分割払いを選択
クレジットカードで買い物するときは、手数料のかからない一括払いやボーナス払いを基本とし、分割にする場合でも手数料がかからない2回払いまでにとどめておきましょう。もし今使っているクレジットカードの支払い方法がリボ払いになっている方は、なるべく早めに一括払いや分割払いに変更することをおすすめします。
支払方法を変更するには、カード会社のホームページからマイページにログインして申し込む方法と、電話でコールセンター経由で変更する方法の二種類があります。カード会社によっては変更ができない場合もあるため、まずは支払い方法の変更が可能かの確認から始めましょう。
リボ払いを止めるための解決方法や注意点を詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「リボ払い…やめたいけど方法が分からない!やめられない原因と解決方法、注意点とは?」
借金問題に詳しい弁護士に相談
どうしてもリボ払いの利用残高を完済できず、借金で首が回らない状態のときは、借金問題に詳しい弁護士に相談して債務整理を検討しましょう。債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があり、それぞれに手続き方法や借金の減免割合が異なります。
まずは弁護士の無料相談を利用して、自分のリボ払いの状況やその他の借り入れ、収入や財産の有無から、最も適した債務方法をアドバイスしてもらいましょう。もし債務整理をする場合は、そのまま手続きを弁護士に依頼できます。
すでに支払いを延滞していたり、カード会社から督促が届いているような場合は、早急な対応が必要です。まずは弁護士事務所に電話して無料相談の予約を取り、必要な書類などを持参して相談に臨みましょう。
リボ払いを債務整理で減額するメリットや減額方法について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「リボ払いは債務整理で減額できる!実際の手段とデメリットを解説」
まとめ
「リボ払いがいつまでも終わらない…」と途方に暮れている方は、まずリボ払いの仕組みや特徴を理解してください。そのうえで利用明細を確認し、自分が月々いくら支払っているのか、完済までにどのくらいの期間かかりそうかをしっかりチェックしましょう。
リボ払いの借金を効率的に減らすには、返済額を多めに設定したり、繰り上げ返済や一括返済をケースバイケースで活用しましょう。低金利のローンへの借り換えも視野に入れながら、それでもどうしても返済がままならないときは、借金問題に詳しい弁護士に相談して債務整理を検討してみては?
二度とリボ地獄に陥らないためには、自分のカードの設定を確認し、手数料のかからない支払い方法に変更するのが有効。また利用枠の上限を決めたり、完済するまでリボ払いで買い物しない決まりを作るのもおすすめです。リボ払いの特徴を理解して、賢く上手にクレジットカードを使っていきましょう。