借金を滞納すると年金も差し押さえになる?差し押さえられる条件や回避方法を解説します

借金を滞納すると年金も差し押さえになる?差し押さえられる条件や回避方法を解説します
借金を滞納すると年金も差し押さえになる?差し押さえられる条件や回避方法を解説します
  • 「借金を延滞すると年金も差し押さえられる?」
  • 「年金は差し押さえられないと聞いたことがあるけど、実際はどうなんだろう」

借金を長い間返済できないでいると、財産を差し押さえるという通知が届きます。年金を受給している方は、貴重な収入源である年金が差し押さえになるか気がかりかと思います。

公的年金は差し押さえ禁止財産に設定されているため差し押さえはされません。しかしその事実に安心して放置をしていると、年金が振り込まれた後の銀行口座を差し押さえられたり、税金の滞納など他のことがきっかけで年金の差し押さえを受けたりする恐れがあります。

年金は状況によって差し押さえ対象になります。ではどのような時に年金が差し押さえられるのか、そしてそれを防ぐにはどういう手段を取ったらよいのかについて解説をしていきます。

 

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公的年金は振込されると差し押さえ対象に

結論から言うと、年金そのものは差し押さえ禁止財産のため、借金を返済できなくても差し押さえの対象にはなりません。

ただ注意しなくてはいけないのは、差し押さえが禁止されているのはあくまでも年金を受け取る権利だということです。年金が銀行口座に振り込まれるとその瞬間年金は預金となり、差し押さえの対象となります。

もちろん年金が口座に振り込まれた瞬間を見計らって口座を差し押さえられる、ということはほぼありません。しかし年金は差し押さえ対象外だと思い込んで何も対処をせずに過ごしていると、口座に入っている年金が差し押さえられてしまいますので気をつけましょう。

年金口座の差し押さえを防ぐには

年金を生活の資金にあてている場合、年金が預金口座に振り込まれた後に差し押さえられると最低限の生活ができなくなります。そのような方は裁判所で差し押さえ禁止財産の範囲変更申立てを行うことで差し押さえられる財産を変更できます。

生活保護費や公的年金が振り込まれている預貯金口座の債権の差押えを受けた方や民事執行法152条の差押禁止債権に当たらないものの給料に類似しているような報酬債権全部の差押えを受けた方の利用を目にします。
これらの債権であっても(略)その方の生活の維持のために充てられていることの立証をしていただくことになります。
引用元:大阪地方裁判所 差押禁止債権の範囲変更申立てQ&A

口座に振り込まれた年金について差し押さえ禁止財産の範囲変更申立てを行うには、裁判所に所定の書類を提出し年金が生活に欠かせないということを伝える必要があります。

申し立ては差し押さえ命令を出した裁判所に行います。提出書類は裁判所や家庭の状況によって異なりますので、弁護士や司法書士などの専門家に依頼をして手続をすることをお勧めします。

公的年金が差し押さえられない理由

国民年金や厚生年金などの公的年金を受けとる権利は日本国憲法の第25条「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」で保障されています。国民年金法にも給付を受ける権利は差し押さえができない旨が明記されています。

受給権の保護 第二十四条
給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。(以下省略)
引用元:e-Gov 法令検索 国民年金法

障害年金なども差し押さえ対象外

「年金」というと65歳から支給される「老齢年金」を指すことが大半ですが、公的年金には他に遺族年金、障害年金があります。

遺族年金
亡くなった人の遺族に支払われる年金
障害年金
障害がある人に支払われる年金

遺族年金は亡くなった人の収入で生計を立てていた家族に支払われるものですので、生活に欠かせない存在です。障害年金も障害で収入を得られない人にとっては不可欠です。そのため両方とも老齢年金と同様差し押さえられません。

私的年金の一部は差し押さえ対象

年金の種類には、公的年金とは別に個人で任意で加入する私的年金があります。私的年金のうち以下のものは公的年金と同じように扱われます。

  • 国民年金基金/厚生年金基金
  • 確定給付企業年金
  • 確定拠出年金

国民年金基金、厚生年金基金は公的年金でもらえる年金を上乗せするための制度です。公的年金と同じものとして扱われるため、差し押さえの対象になりません。また確定拠出年金は確定拠出年金法、確定給付企業年金は確定給付企業年金法でそれぞれ差し押さえ禁止として明示されています。

しかし銀行や保険会社の個人年金、すなわち年金保険養老保険と呼ばれる金融商品は差し押さえ禁止ではありません。あくまでも保険という扱いであり差し押さえの対象です。

他の差し押さえ禁止財産

公的年金以外の差し押さえ禁止財産としては、以下のようなものが当てはまります。

  • 生活に必要な家具、寝具、家電、衣類など
  • 職業に欠かせない器具や道具、実印など
  • 位牌や仏像など、思想上の礼拝などに必要なもの
  • 生活保護、児童手当の受給権

憲法で定められている「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」に必要なものは差し押さえられません。逆に言うと最低限の生活に必要がないものは差し押さえられるので気をつけましょう。

例えばテレビや冷蔵庫などの家電は差し押さえ禁止財産ですが、同じものが2台あった場合(テレビが2台あるなど)、2台目は無くても生活を営めるものだとして差し押さえられます。

公的年金が差し押さえられる他のケース

公的年金は預金として口座に入金されると差し押さえの対象となります。原則として年金そのものが差し押さえにならないということは初めに解説をした通りですが、絶対というわけではありません。

年金の支払いを滞納したとき、もしくは年金を担保にした制度を利用していたとき、公租公課などを滞納したときは年金自体が差し押さえられますので注意しましょう。

年金を滞納したとき

公的年金は受けとるだけでなく、支払うものでもあります。会社に勤めている人の場合は給与から年金が差し引かれますので問題はありませんが、自分で支払っている方の場合意図的に年金を滞納すると年金が差し押さえられます。

年金の滞納による差押えは決して珍しいものではありません。日本年金機構の報告によると、平成29年度は66,270件の督促状を加入者に送付。そのうち14,344件に対して財産や年金の差し押さえを行っています。
(参考:日本年金機構 アニュアルレポート2017

年金の支払免除や猶予の対象になっている場合は問題ありませんが、十分な収入があるにも関わらず年金を支払わないと年金が差し押さえられる可能性があります。年金は他の債務と違い同じ世帯の家族や配偶者にも納付義務がありますので、差し押さえに至る場合は家族・配偶者の財産も対象になることに要注意。

第八十八条 被保険者は、保険料を納付しなければならない。
2 世帯主は、その世帯に属する被保険者の保険料を連帯して納付する義務を負う。
3 配偶者の一方は、被保険者たる他方の保険料を連帯して納付する義務を負う。
引用:e-Gov法令検索 国民年金法

家族にお金に困っていることがバレたくないのであれば年金の支払いは最優先に行い、他の借金は債務整理などで対処するようにしてください。

年金を担保にしているとき

公的年金を担保にして公的機関からお金を借りられるという制度があります。制度は以下の2つのみで、いずれも支払ができない場合は年金で損害を補うという仕組みです。

  • 福祉医療機構の年金担保貸付制度
  • 日本政策金融公庫の恩給・共済年金担保融資

年金を担保にした貸付はいずれも新規受付を停止していますが、債権の回収業務は引き続き行われています。年金担保貸付の返済を延滞すると担保にしていた年金が差し押さえられますので、返済中の方は注意してください。

また現在、年金を担保にした貸付は法律で禁止されています。もしそのようなサービスの勧誘を受けた場合は利用しないようにしてください。

公租公課を滞納したとき

国や地方自治体に納める公租公課を滞納した場合、年金が差し押さえの対象となります。具体的には以下のような税金、保険料などが該当します。

  • 住民税
  • 所得税
  • 社会保険料
  • 健康保険料
  • 介護保険料
  • 固定資産税
  • 自動車税
  • 下水道使用料

上記のような公租公課は債務整理の対象にできず、破産をしても免責対象になりません。しかし管理をしているのが自治体ですので、支払ができない事情があれば分割払いや期日の延長などに応じてくれる可能性があります。お住まいの区市町村役場の収納課に相談をしてみてください。

差し押さえが心配なら債務整理を

公的年金は差し押さえ禁止財産ではありますが、状況によっては差し押さえられることがあります。年金の差し押さえを心配する程返済に行き詰まっているのであれば、専門家に相談をし借金問題を解決することをお勧めします。

弁護士に相談を行い債務整理をすることで、借金の一部を減額もしくは免責してもらうことができます。債務整理は

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産
  • の3種類があります。債務整理というと「自宅がなくなるのでは?」「家族にバレるのでは?」と心配になる方もいるでしょう。しかし債務整理のうち財産に影響を与えるのは自己破産のみ。

    任意整理は家族にバレるリスクがほぼない上、財産を失うことも一切ありません。個人再生は書類の準備に手間がかかりますが、借金を大きく減額することが可能です。

    任意整理

    任意整理とは利息をカットし、これから先に支払う金額を減額する手続きです。契約しているローンごとに手続きを行うため、住宅ローンや自動車ローンなどをそのままにすることができます。

    もし長い間返済をしている場合、現在の法律にあった利息で計算をしなおす引き直し計算も行いますので、状況によっては過払い金を受け取れるケースも。

    任意整理は借金が全くゼロになるわけではなく、減らした借金を3年~5年かけて返済していくことになります。そのため全く収入がない方はできない手続きですが、年金を受け取っているのであれば「返済ができる」とみなされ、手続きがうまくいく可能性が高いです。

    任意整理についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてお読みください。
    任意整理と債務整理の違いは何?メリット・デメリット、任意整理に向いてる人を解説

    個人再生

    個人再生とは借金を5分の1に減額し、再生計画を立てて返済を行っていく手続きのことを指します。住宅ローン特則を利用することで、住宅ローン返済中でもマイホームを残したまま手続きが可能です。借金を大きく減らしたいけど財産を失いたくない、という方は個人再生を検討しましょう。

    手続きをする場合は本人の収入・支出の状況を詳しく申告しなくてはいけませんので、通帳のコピーや2カ月分の支出の状況などを提出する必要があります。書類の準備に手間がかかることがデメリットではありますが、借金を確実に完済したいという方に向いている手続きです。

    個人再生のデメリットや手続きの手順については、以下の記事に詳しくまとめています。
    個人再生のメリット・デメリットを徹底分析!注意点・利用条件・他の債務整理との違いは?

    自己破産

    年金以外に収入がなく生活だけで精一杯な場合、この先借金を返済できる見込みがない場合は自己破産も視野にいれることをお勧めします。自己破産をすると高額な財産は手放すことになりますが、生活に必要なものは差し押さえられません。公的年金も差し押さえられませんので、この先も年金を受給し続けることができます。

    借金は相続の対象ですので、万が一借金の名義人が亡くなった場合は相続人に借金の存在を知られることになります。しかし自己破産をすれば借金は免責されますので、借金のストレスから完全に開放される上、将来の心配もしなくて済みます。

    自己破産によるデメリット、差し押さえられる財産について知りたい方は以下の記事もあわせてお読みください。
    自己破産のデメリットを状況別に解説!誤解や嘘を解決して最適な選択へ

    自己破産は任意整理・個人再生と違い家族にバレるリスクが高い手続きですが、状況によっては家族に知られずに手続きができることもあります。どのような場合に家族にバレるのか、バレないための対処法については以下の記事で詳しくまとめています。
    自己破産すると家族にバレる?バレる8つのケースと対処法を紹介!

    差し押さえられた後でも債務整理はできる

    年金に限らず差し押さえが決定すると原則として取り消しは不可能であり、一度差し押さえれらた財産は戻ってきません。ただ差し押さえは予告なしに行われることはなく、必ず直前に債権差押命令が裁判所から届きます。

    債権差押命令とは差し押さえが決定したという通知ですが、これが届いたら完全に手遅れというわけではありません。送達から1週間以内であれば、弁護士などの専門家に依頼をすることで取り下げてもらえる可能性があります。

    また差し押さえが実行された後でも債務整理は可能です。差し押さえ後に個人再生や自己破産を行い強制執行取消命令を申し立てると一度差し押さえられた財産が戻ってくる可能性があります。差し押さえは人生の終わりではありません。専門家に相談をして手続きをしてもらうことで生活を立て直すことができます。

    税金の滞納は対象外のため注意

    公租公課の滞納が原因で財産を差し押さえする場合、裁判所を通さずに手続ができるため「債権差押命令」は届きません。督促状のあと予告なしで差し押さえが行われるという事例も実際にあります。

    公租公課は債務整理によって減額や免責はできませんので、支払ができない場合は必ず役所の担当部署に相談をしましょう。

    まとめ

    公的年金の受給資格は差し押さえ禁止財産に指定されていますので、借金の滞納が原因で差し押さえられることはありません。しかし年金が預金口座に振込をされた時点で年金ではなく「預金」として扱われることになるため、差し押さえの対象となります。

    差し押さえを止めたい場合、裁判所で差し押さえ禁止財産の範囲変更申立てを行うと年金の差し押さえを回避できます。また既に「債権差押命令」が発布された後でも専門家を通して取り下げをしてもらえる可能性があります。

    差し押さえの心配をする程に借金問題に悩んでいるのであれば、差し押さえに移る前に債務整理を行うことを強くお勧めします。債務整理のうち任意整理や個人再生であれば年金はもちろんのこと、自宅などの財産を所持したままで借金の減額手続きができます。

    どの債務整理ができるか、実際にどれくらい借金が減額ができるかどうかについては、弁護士事務所の無料相談を利用することで確認ができますので利用をしてみてください。

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