- 「パルティール債権回収から書面が来た、これってどうしたらいいの?
- 「債権回収会社から連絡が来た場合の対処方法が知りたい」
楽天カードやイオンクレジットを利用して返済していないと、最終的にパルティール債権回収というところから連絡が来ます。「これって詐欺じゃないの?」と思われる方もいるかもしれません。そこでこちらの記事ではパルティール債権回収について詳しく解説するとともに、怖いと言われる理由も紹介。
また債権回収会社から連絡が来たときの正しい対処法についてもお教えします。いきなり知らない名前の会社から通知が届いたら、まずは放置せず書面の内容を確認したうえで正しい対処が必要です。場合によっては専門家の力も借りながら、借金問題を解決していきましょう。
パルティール債権回収株式会社とは
ではまずパルティール債権回収とはどのような会社なのかから見ていきます。
債権回収を専門とする会社
パルティール債権回収は、債権(借金)回収を専門とする会社です。債権者である銀行やカード会社、消費者金融などから委託を受けたり債権を譲渡されたりしたのちに、本来の債権者に代わって債権を回収することを主業務としています。債権回収に必要なサービスを総合的に行っていることから「サービサー」とも呼ばれています。
パルティール債権回収も債権回収会社の一つ。正式名称をパルティール債権回収株式会社といい、本社は東京都港区にあります。HPを見ると事業内容は「特定金銭債権の買取」と「債権管理・回収」となっています。
パルティール債権回収の営業所
営業所は全国に6か所、それぞれの住所と連絡先は以下の通りです。
営業所 | 住所 | 電話番号 |
---|---|---|
東京営業所 | 東京都江東区二丁目17番16号
ビサイド木場7階 |
0120-300733
03-6830-8080 |
関西営業所 | 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1号
日清食品ホールディングス大阪本社ビル8階 |
0120-946760
06-4862-4762 |
東海営業所 | 愛知県名古屋市中村区則武一丁目9番19号
協和名駅ビル4階 |
0120-951302
052-459-3421 |
山陰営業所 | 鳥取県米子市加茂町2丁目180番地
国際ファミリープラザ7階 |
0859-21-9151 |
四国営業所 | 香川県高松市亀井町8番地11
B-Z高松プライムビル6階 |
0120-951068
087-831-8530 |
九州営業所 | 福岡県福岡市博多区博多駅南2丁目1番5号
博多サンシティビル 4階 |
0120-951235
092-433-3001 |
その他、お客様相談センター(03-4334-0600)や女性スタッフが対応する女性専用ダイヤル(0120-554395)があります。パルティール債権回収株式会社というところから書面が届いたときは、住所や連絡先をチェックしたうえで内容を確認するようにしましょう。
怪しい会社ではない
パルティール債権回収を含む債権回収会社は、決して怪しい団体や機関ではありません。債権回収というと借金の取り立てを連想しがちです。「反社会的勢力が関係していそう」「借金の取り立てをする会社なんて怪しい」と思われる方もいるのではないでしょうか。
しかし一般の債権回収会社は「債権管理回収業に関する特別措置法(通称:サービサー法)」という法律に基づいて業務を行う、債権回収業務を特別に認められている会社。最低限、次のような条件を満たしていないと、金融機関から回収を委託されたり債権を譲渡されたりして債権の回収業務を行うことができません。
- 資本金5億円以上
- 常務に従事する取締役に弁護士が1名以上いること
- 法務大臣の許可を受けた株式会社でなければならない
- 暴力団員との関りがない
上記のように、会社の業務から暴力団を排除することや、取締役に1名以上の弁護士がいることが条件となっています。決して怪しい会社などではないことが分かります。
債権回収会社と金融機関との関係
債権回収会社は、銀行やカード会社など金融機関から回収業務の手数料を受け取ったり、安く買い取った債権を回収することで利益を上げている会社です。通常お金を貸した金融機関は、自分たちで債権の回収業務を行います。しかし滞納が続くなどして回収が困難になった場合に、自分たちで回収することを諦め、債権回収会社に回収業務を委託したり安く債権を譲渡したりします。
債権回収会社は、サービサー法に置いて「特定金銭債権」に限って引き受けることができるとされています。特定金銭債権には、次のようなものが該当します。
- 金融機関等の貸付債権(ローン・事業用融資など)
- ファイナンスリースのリース料債権
- クレジットカード債権(1回・分割・リボ払い)
- リース会社の分割払い販売
- 信用保証協会等が債務不履行により取得する求償権
- 法的破産者又は特定調停の債務者が譲渡またや有していた金銭債権
また特定金銭債権に該当しないものの、携帯電話料金や光熱費なども集金代行として債権回収会社が代わりに請求するケースがあります。
パルティール債権回収に委託している会社
パルティール債権回収に債権回収を委託しているのは、次のような会社です。
- アプラス
- イオンクレジットサービス
- 武富士(TFK)
- 楽天カード
- 全日信販
- シティカードジャパン
- トヨタファイナンス
- マキコーポレーション(本田ちよ)
- 新生セールスファイナンス(旧:帝人ファイナンス)
- 合同会社パルティールケーシー
- 株式会社西新宿投資1号
- 有限会社エスエヌアール・ナイン
- プライム
- ライブドアクレジット
- 高島屋クレジット
- ディーシーカード
パルティール債権回収は、楽天カードやイオンクレジットサービスといった大手から、マキコーポレーション(本田ちよ)といったすでに倒産した会社の債権回収も行っています。
詐欺や架空請求に注意
最近パルティール債権回収という名前を使い、不当に債権を請求するケースが発生しています。詐欺や架空請求の可能性があるので、十分に注意が必要です。パルティール債権回収を騙るケースでは、債権回収を担当する弁護士だと偽って電話をしてくるケースや、ハガキを偽造して送りつけるケースなどが見受けられます。
またパルティール債権回収からのメールを装って偽のホームページに誘導、個人情報やお金をだまし取る手口もあります。詐欺や架空請求で騙されないためには通知内容や差出人をチェックして、住所や電話番号が正しいか確認してください。また次のような特徴がある場合は、詐欺の可能性が高いでしょう。
- 連絡先として複数の電話番号・携帯番号が記載されている
- 個人情報保護シールが貼られていないハガキで通知される
- 個人名義の口座が支払先に指定されている
通知内容に心当たりがなく、住所や電話番号が正しいものと違う場合は直接連絡したりせず、消費生活センターや警察、弁護士などに相談してください。
パルティール債権回収が怖いといわれる理由
パルティール債権回収をネット検索すると「怖い」というワードがヒットすることがあります。これは多くの人がパルティール債権回収と「怖い」という言葉を関連付けているからですが、どうして怖いといわれるのでしょうか。
一括請求をされる
パルティール債権回収が怖いといわれる理由の一つに、一括請求されるからということが考えられます。一般的に金融機関からの借入は、毎月決められた額の分割払いが認められています。これは民法第136条に規定されている、一定の期日が到来するまでの缶は債務を履行しなくてよいという「期限の利益」によるもの。
期限の利益は契約ごとに喪失事由が決められており、通常は滞納期間が2カ月以上になると、金融機関との契約により期限の利益を喪失します。債権回収会社から連絡が来る時点では、相当期間滞納した後というのが通常です。そのため債権回収会社から連絡が来た時点で、すでに期限の利益が喪失しているため、一括請求が求められるという訳です。
多額の金額を請求されるため
債権回収会社が怖いという理由に、元本をはるかに超える多額の金額を一括請求されるからという点があります。請求された金額を見て「こんなに借りていないはず」と思うのは、遅延損害金についてよく知らないからと考えられます。
通常、金融機関から借金をして期日までに返済できないと、支払期日の翌日から利息の他に遅延損害金が加算されます。遅延損害金は支払いが遅れたことに対する損害賠償のようなもので、年利20%前後という高い金利が設定されています。
遅延損害金の金額は、次のような計算式で算出可能です。
例えば滞納している借金の元金が200万円で遅延損害金利率が20%の場合、半年(180日)滞納した場合の遅延損害金はこちらです。
200万円の借金を半年滞納すると、19.7万円の遅延損害金を請求されることに。通常は利息も加算されて一括請求されるので、かなりの高額になると考えられます。
自宅に来られる可能性がある
パルティール債権回収が怖いといわれるのは、自宅に来られる可能性があるからです。パルティール債権回収から書面による通知が来てもなお何も反応しないと、電話による督促や催促が行われます。電話も無視し続けていると、自宅にパルティール債権回収の社員が訪ねてくる可能性が高いでしょう。
自宅に来るのは、郵便物が届いているかや本当にその場所に住んでいるかどうかを確認するためという意味合いが強いですが、在宅していて対応した場合は、そのまま取り立てが行われるでしょう。取り立て自体は穏便に行われますが、自宅に来られることに抵抗がある人もいるはず。
債権者は債務者の住民票を取得して住所を調べることが可能です。とくに次のようなケースでは、住所を調査されている場合があるでしょう。
- 引っ越ししてすぐに通知が届いた
- 現在の住所を知らないはずなのに請求書が届いた
- いきなり今の家に訪ねてきた。
家族に借金のことを秘密にしている方は、パルティール債権回収からの訪問によって借金していることがバレる可能性があります。
職場に連絡が来る可能性
パルティール債権回収から、職場に連絡が来る可能性があります。職場の人には借金のことを知られたくなかったという方も多いでしょうが、自宅に届く郵便物や電話を無視し続けていると、勤務先に電話がかかってくることがあるので気を付けましょう。
とはいえ職場に連絡が来るのは、債務者の在籍や住所が合っているか確認するためで、電話口で債権回収会社であることを名乗られる心配はありません。職場に連絡が来るのを避けるのは、パルティール債権回収からの連絡を無視せず、電話にキチンと対応するようにしましょう。
最終的に強制執行をされる
パルティール債権回収からの連絡を無視し続けていると、いずれ裁判所からの支払督促や訴状が届きます。最終的には強制執行されて、給与や預貯金などの財産を差し押さえられてしまうでしょう。とくに債権回収会社は債権回収のプロであるため、期限が来れば事務的に法的手段を取ります。
実際に返済すべき借金を滞納しているのなら、法的手段を取られた場合の勝ち目はほとんどなく、債権回収会社の主張通りに強制執行されることは免れません。強制執行を回避したい場合は、通知が届いた段階で何らかのアクションを取るようにしましょう。
債権回収会社から通知が来るまでの流れと通知の内容
こちらでは債権回収会社から通知が来るまでの流れと、通知の内容について解説していきます。自分がいまどの段階にいるのかをチェックして、後に紹介する対処法を取りましょう。
ローンやクレジットカードの支払いを滞納する
クレジットカード会社やローン会社から借金して、期日が来ているのに様々な理由で支払できないケースがあるでしょう。数日程度の遅れなら、金融機関に連絡した後に指定されて方法で支払えば大事には至りません。
督促に応じない
借金を滞納していると、郵便や電話などで返済の督促があります。「督促状」というハガキや封書を受け取ったことのあるという方もいるかもしれません。督促状には次のような内容が記されているのが一般的です。
- 滞納している旨の案内
- 請求金額(利息・手数料・遅延損害金の金額)
- 支払期限
- 支払方法(振込先など)
- 送り主の連絡先
督促状が届いて数日すると、自宅や携帯電話に連絡が来る場合があります。それも無視し続けていると、申込時に記入した職場の電話に連絡が来る可能性があります。
返済しない状態が続く
電話や通知による督促に応じず返済しない状態が続くと、一旦連絡が途切れるタイミングがあるかもしれません。「もしかして催促するのを諦めた?」と思われるかもしれませんが、債権者は債権回収会社に回収委託および譲渡の手続きを進めている可能性が高いです。
債権が譲渡/回収委託される
借金を滞納して数カ月~1年で、債権回収会社に債権が譲渡または回収委託されます。期間の幅が広いのは、金融機関によって債権回収会社に委託・譲渡する期間が異なるためです。
債権回収会社からの通知・連絡の内容
債権回収会社に債権回収の委託がされたり債権そのものが譲渡されると、次のような通知が届きます。
債権回収を委託したという通知書
債権回収会社から、債権回収を委託されたという内容の通知が届きます。元々の金融機関から、債権回収会社に回収を委託したという書面が届くことも。通知と同時に督促も行われるケースがほとんどですが、次のようなタイトルであることが多いです。
- 通知書
- ご入金のお願い
- 重要なお知らせ
- ご通知並びに法的請求前のご確認
- 和解に関するご提案
- 通告書
- 催告書
- 訪問予定のお知らせ
債権を譲渡したという通知書
元の債権者から、債権を譲渡したという通知が届く可能性があります。これは借金の回収を委託したというケースとは異なり、債権者そのものが変わったということを知らせる通知書です。このような通知を送らないと、前の債権者に返済をしてしまったり、二重払いの可能性があるため。
債権譲渡通知書が届いた以降は、借金の支払いは債権回収会社に行ないます。債権譲渡通知書には、次のような内容が記載されています。
- 譲渡人(元の債権者)の会社名
- 譲受人になった債権回収会社の名前・担当者名
- 債務者の氏名
- 債権の種類
- 債権の金額
- 債権発生の原因となった内容
- 返済先の口座情報
債権譲渡通知書が届いたときの対処法は、次の記事を参考にしましょう。
「債権譲渡通知書が届いたときの対処法|詐欺の見分け方と注意点とは?」
一括で返済するようにとの督促
場合によっては、一括で返済するようにとの督促状を受け取る場合もあるでしょう。上で説明した通り、債権回収会社から連絡が来る段階では、すでに期限の利益を喪失している可能性が高く、原則として残金を一括で返済しなければならないため。
とはいえ、今まで分割で返済できなかった人がいきなり全額返済できるとは、債権回収会社も思っていません。場合によっては分割払いでの返済に応じる可能性があります。
電話・SMSによる督促
パルティール債権回収からは、電話やSMS(ショートメッセージサービス)による督促が行われる可能性が高いです。次の電話番号から着信があったときには、パルティール債権回収からの連絡と考えましょう。
- 0120-300-733
- 080-4954-7441
パルティール債権回収では、電話だけでなくSMSも連絡手段として使用しています。SMSを送信する際に使用している発信元番号は以下の通りとなっています。
- 0343340600
- 0032069000
- 21094
上記番号以外から電話やSMSが届いた場合には、パルティール債権回収を騙った詐欺や架空請求の恐れがあります。直接連絡をせず、まずはパルティール債権回収のお客様相談センター(03-4334-0600)に連絡してください。
債権回収会社から通知が届いたときの対処法
パルティール債権回収から通知が届いたときは、次のような対応が必要です。
放置するのはNG
パルティール債権回収のみならず、債権回収会社から連絡があったときには、絶対に放置しないようにしましょう。「何か分からないから」「なんだか怖いから」と放置し続けると、裁判を起こされて最終的には財産を差し押さえられてしまいます。以下に紹介する通り、適切に対応してください。
書面の内容を確認
パルティール債権回収から書面が届いたら、その内容を確認してください。まずは借金がいつのものかと、書面の発送元を確認してください。借金時期によっては、時効が到来している可能性があるからです。
また発送元が債権回収会社からなのか裁判所からなのかも要チェック。発送元が裁判所であれば、期限内に必要書類を提出しないと財産が差し押さえられてしまいます。そして記載されている借金に心上りがあるかについても確認しましょう。心当たりがある場合は、速やかな対処が必要です。
詐欺の可能性がないかチェック
書面に記載されている借金や料金の支払いに全く心当たりがない場合は、債権回収会社を装った詐欺や架空請求の可能性が高いでしょう。封書やハガキに上で紹介したような特徴がある場合には、焦って連絡や支払いをしたりせず、消費生活センターや警察、弁護士などに相談してください。
時効が到来していないか確認
借金がかなり昔のものの場合は、時効が到来していないかの確認が必要です。借金にも時効があり、返済をしないまま一定期間経過した借金は時効で消滅します。つまり借金の返済義務がなくなるという訳です。とはいえ時効は時間が経てば時効的に成立する性質のものではありません。「消滅時効の援用」という手続きが必要です。
パルティール債権回収の時効は、次の通りとなります。
- 2020年3月31日までに成立した借金…債権を行使することができる時点から5年
- 2020年4月1日以降に成立した借金…債権を行使することができると知った時点(主観的起算点)から5年、もしくは債権を行使することができる時点(客観的起算点)から10年
後者は主観的起算点と客観的起算点がイコールになるケースがほとんどのため、パルティール債権回収の時効は借金の弁済期が到来した日(借金の返済期限)から5年となります。
「支払の催告に係る債権の弁済期」による時効の確認方法
具体的に時効が到来しているか確認するには、パルティール債権回収からの書面に記載している「譲受債権の内容」の「支払の催告に係る債権の弁済期」という個所を確認してください。この日付が5年以上前であれば、消滅時効を主張できる可能性があります。
しかし楽天カードなど元々の借入先によっては、「支払の催告に係る債権の弁済期」が最後の返済日になっていない可能性も。また債権譲渡を受けた日が記載されている場合があります。その場合は「契約日」や「当初取組日」の日付が5年以上前になっているか確認し、最終的には自分の記憶で5年以上返済をしていないかどうかで判断することになるでしょう。
時効援用が失敗するケースについては、こちらの記事を参考にしましょう。
「借金の時効援用が失敗するケースを解説|失敗を防ぐ確認方法と失敗したときの対処法」
遅延損害金の金額による時効の確認方法
パルティール債権回収からの書面に請求金額の内訳が記載されているときには、元金や遅延損害金の額、遅延損害金の利率が分かればおおよその滞納年数を計算できます。例えば借金の元金が20万円、遅延損害金の利率が14.6%の場合、時効となる5年で発生する遅延損害金の金額は以下の通りです。
上記の事例で遅延損害金の金額が15万円と記載されていれば、5年以上返済をしていないこととなり、消滅時効が到来している可能性があります。ただし利息や遅延損害金が「0円」となっていたり、遅延損害金の利率が「0%」となっている場合は、過去に裁判を起こされて債権名義を取られている可能性が高いでしょう。
このような場合は時効が通常の5年ではなく、倍の10年になります。契約年月日が10年以内だと、時効が到来していない恐れがあります。
時効の更新に注意
消滅時効による時効の援用を狙うためには、「時効の更新」に注意が必要です。時効の更新とは、これまで経過した時効のカウント期間をゼロに戻して再スタートさせること。時効が到来する前に時効の更新があると、そこからまた5年ないし10年経過しないと時効となりません。
一般的に時効の更新となるのは、次のようなケースです。
権利の承認 | 債務者が権利を承認、つまり借金があることを認めたとき。
支払猶予の要請 利息・遅延損害金の支払い 借金の一部の返済 |
強制執行等 | 強制執行
担保権の実行 担保権の実行としての競売 財産開示手続 などにより、時効の完成が猶予される。そしてこれらにより権利が確定し事由が終了すると、時効が新たに進行する。 |
裁判上の請求等 | 裁判上の進行
支払督促 和解又は調停 破産手続参加・再生手続参加・更生手続参加 などにより、時効の完成が猶予される。そしてこれらにより権利が確定し事由が終了すると、時効が新たに進行する。 |
パルティール債権回収をはじめとする債権回収会社では、消滅時効の援用を防ぐ目的で時効の更新を狙って支払督促を送ってきたり連絡をしてきます。うっかり借金の存在を認めたり少額でも返済してしまうと、時効のカウントがゼロに戻ってしまうことに。最後の返済や債権譲渡日から5年以上経過していそうな場合は、直接連絡したりせず、一度弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
時効の実態と援用について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「10年放置した借金は時効で返済義務がなくなる?時効の実態と援用について解説」
すぐに支払う
借金に心当たりがあり、手持ち資金で完済できそうなときには、速やかに支払いを行ってください。届いた書面に記載されている指定の方法で支払をします。
分割払いを交渉
一括返済が難しい場合には、分割払いできないか交渉してください。パルティール債権回収のHPには、支払方法に関して次のような説明があります。
Q.一括返済しないといけないの?
A.一括返済が難しい場合、当社ではお客様の状況に合わせたご返済プランを提案することができます。まずお問合せください。
引用:債権譲渡通知書を受け取られた方へ|パルティール債権回収株式会社
債権回収会社にとっても、債務者が支払不能状態のまま連絡が取れなくなると、借金を回収できずに不利益に。そのため少しでも回収できる方法として分割払いに応じてもらえる可能性があるという訳です。スムーズに分割払いを認めてもらうには、交渉する場合に次のような点に気を付けましょう。
- なるべく早めに連絡を入れる
- 支払の意思があることを明確に伝える
- 支払できない状況を素直に説明し、誠意ある対応を心がける
自分で交渉する場合の危険性
パルティール債権回収から通知が届いたら自分で分割交渉するという方法があるものの、次に紹介するような危険性が生じる可能性があるので注意が必要です。
不用意に電話すると督促を受ける可能性
自分からパルティール債権回収に電話連絡してしまうと、電話番号を知られてしまい電話でも督促を受けるリスクが発生します。延滞期間中に電話番号が変わった場合、こちらから連絡をしない限り債権回収会社が新しい電話番号を調べる術はありません。新しい電話番号を把握できていない可能性が高いでしょう。
しかし一括請求の通知が届いたことでびっくりしてパルティール債権回収に電話してしまうと、ナンバーディスプレイなどで新しい電話番号を知られてしまいます。以降は何度も電話で督促を受けるようになってしまう訳です。
時効が中断してしまう可能性
うっかりパルティール債権回収に連絡を入れると、時効が中断する恐れがあります。前項で時効の更新事由について説明しましたが、例えば今後の返済について相談したり、一部でも支払うといってしまうと債務を承認したとみなされて時効が中断します。
時効が成立して借金の返済義務をなくすことができれば、利息や遅延損害金だけでなく借金の元金も返済せずに済みます。しかし自分から連絡してしまうと、みすみすそのチャンスを逃すことになりかねません。
借金の時効についての基礎知識は、こちらの記事を参考にしてください。
「借金の時効に関する基礎知識|時効までの期間と時効援用の方法、失敗しないためのポイントとは」
弁護士に相談
パルティール債権回収から通知が届いたときには、弁護士に相談するのがおすすめ。時効が成立している可能性があるときには、「最終返済日はいつか?」「過去に裁判を起こされたことがあるか?」などを確認したうえで、消滅時効が成立しているか否かを判断してもらえます。
パルティール債権回収に委託した元の債権者情報が分かる場合には、キャッシングのカードや利用明細書、過去に届いた通知などを準備して相談に行くといいでしょう。そのうえで法律に基づいた時効援用の手続きを行い、借金の返済義務をなくせるよう、債権者に働きかけを行います。
また時効が到来していない場合でも、債権回収会社との交渉を任せられたり、裁判を起こされそうなときには強制執行に至る前に有効な手立てを取ってくれるはず。さらに下で紹介する債務整理を検討する場合でも、どのような方法が最適かアドバイスしてくれます。
債務整理を依頼する弁護士の選び方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「【相談前・相談時】債務整理を依頼する弁護士の選び方を解説!失敗しない6つの注意点も紹介」
債務整理を選択
パルティール債権回収からの通知が届いた後で返済ができないようなときには、債務整理を検討しましょう。また時効が成立していない場合でも、それぞれの状況に最適な方法で借金を減免して、問題の解決を図ります。
債務整理とは借金の負担を減らすための公的手続き。利息や元金をカットしたり、借金の返済義務を免除できる可能性があります。主に下に紹介する3つの方法があるので、選ぶ場合の参考にしましょう。
任意整理
任意整理とは債務整理の一種で、債権者と直接交渉して将来利息・遅延損害金のカットや3年~5年の分割払いにする手続き。将来利息とは借金の元金に対して発生する利息のことで、ここでは債権者との和解成立日以降、完済までに発生する利息を指します。利息の高いカードローンやクレジットカードのリボ払いなどに有効です。
しかしあくまで「任意」で交渉を行う債務整理方法なので、債権者が合意しなければ減額したり支払い期間を延長できません。パルティール債権回収に任意整理の交渉をすると、会社の方針により次のような条件でないと合意できないといわれる可能性があります。
- 1割程度の頭金を入れる必要がある
- 将来利息を減額できない
1割程度の頭金を入れて手続きしても将来利息を減額できない可能性があるなら、任意整理しない方がましと考える人もいるでしょう。場合によっては任意整理に応じないケースもあるため、パルティール債権回収の債務を任意整理しようとお考えの方は注意が必要です。
任意整理しても意味がないケースに関しては、こちらの記事を参考にしてください。
「任意整理をしても意味がない?効果が得られない7つのケースとその他の対処法とは」
個人再生
個人再生は裁判所に借金返済が難しいことを申立てて、借金を大幅に減額してもらう手続き。個人再生は任意整理と違って、債権者の合意が得られなくても裁判所が認めれば減額可能です。とくに強制執行の手続きが進んでいる場合、個人再生は有効です。
通常裁判となると、債務者側が負けてしまいます。確定判決を取られると最短で1週間程度で強制執行が開始されます。しかし個人再生の開始決定を受けると、財産の差し押さえが禁止されます。すでに差し押さえられている財産についても、差し押さえの効力が停止します。
このような場合、債権者は裁判をしても意味がなくなるため、多くは裁判を取下げます。仮に裁判が続いていても強制執行される心配はありません。個人再生をするには、以下のような要件が必要です。
- 自営業者もしくは給与所得者などの個人であること
- 将来的に継続して又は反復して収入を得る見込みがあること
- 借金総額が5000万円を超えないこと(住宅ローンを除く)
個人再生には、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の二種類があり、それぞれに条件が異なります。
小規模個人再生 | 再生計画遂行の見込みがあること
計画弁済総額が最低弁済額を下回っていないこと 再生計画案に不同意回答した債権者が、全体の半数以上または債権総額の1/2を超えていないこと |
給与所得者等再生 | 上記要件に加えて、
給与等の定期収入があり、かつその額の変動幅が小さいと見込まれること 最低弁済額・財産の清算価値・2年分の可処分所得のいずれか高額なものが再生後の返済額となる |
小規模個人再生では、債権者の総数の半数以上、債権総額の1/2以上の反対がないことが条件。大口の債権者が反対する可能性が高いようなときには、給与所得者等再生を選択するというケースが一般的です。
個人再生にかかる期間については、こちらの記事を参考にしてください。
「個人再生にかかる期間はどれくらい?申立から再生手続開始決定、返済までの流れと注意点」
自己破産
自己破産とは、借金が返済不能状態であることを裁判所に認めてもらい、借金の返済義務を免除(免責)してもらう手続き。免責が認められれば借金そのものを返済しなくても済みます。こちらは任意整理や個人再生の小規模個人再生のように債権者の同意が必要ないので、裁判所が免責を許可すれば、全ての借金を返済しなくてもよくなります。
ただし一定以上の財産を処分する必要があったり、免責許可決定までの期間は特定の職業・資格が制限されるなどのデメリットがあります。また免責が許可されない免責不許可事由があることや、連帯保証人に返済義務が移ることも気を付けるべきポイント。
借金の返済義務がなくなるという大きなメリットがある一方で、少なくないデメリットがある点も注意したいところです。
自己破産のデメリットについて詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「自己破産のデメリットを状況別に解説!誤解や嘘を解決して最適な選択へ」
まとめ
パルティール債権回収とは、法律で認められた債権回収を専門に行う会社。金融機関から回収を委託されたり、債権を譲渡されることで、債権の回収を可能にしています。パルティール債権回収では楽天カードやイオンクレジットなど、多くの金融機関と取引があり決して怪しい会社や反社会的な勢力ではありません。
パルティール債権回収から通知が届いたときには、絶対に無視したりせず、まずは通知の内容を確認しましょう。記載された内容に心当たりがない場合には、詐欺や架空請求を疑って然るべき機関に連絡してください。心当たりがある場合には、時効が成立していないか確認するのを忘れずに。
時効が成立していないと明らかになったら、一括もしくは分割で支払えないか検討しましょう。支払いが難しいときには、債務整理ができないか弁護士に相談してください。他の借金を含めた状況や収入、家計に応じた最適な方法をアドバイスしてもらえるでしょう。