任意整理をしても意味がない?効果が得られない7つのケースとその他の対処法とは

任意整理をしても意味がない?効果が得られない7つのケースとその他の対処法とは
任意整理をしても意味がない?効果が得られない7つのケースとその他の対処法とは
  • 「任意整理しても効果がないってホント?」
  • 「任意整理で借金問題を解決できないときの対処法が知りたい」

任意整理は利息や遅延損害金を減額できる、借金減額方法です。しかし中には「任意整理をしても意味がない」という人がいます。実はこれ、任意整理をしても効果が得られなかった人の意見と思われます。では任意整理しても効果が得られないのはどのようなケースなのでしょうか。

そこで任意整理しても効果が得られないケースや、任意整理が向いている人について詳しく解説していきます。これから任意整理を考えている人にとっては看過できない問題です。さらに任意整理で借金問題が解決できなかったときの対処法も紹介するので、ぜひ参考にしましょう。

 

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任意整理しても効果が得られない7つのケース

冒頭でお伝えしたように、「任意整理は意味がない」というのは、任意整理に向かないケースや、任意整理しても思うような効果が得られなかったケースだと考えられます。こちらでは、どのようなケースで効果が得られないのかについて解説していきます。

①利息の減額程度では借金完済ができない

利息や遅延損害金の減額程度では、借金を完済できない人は、任意整理しても効果が得られないでしょう。そもそも任意整理は手続きで利息や遅延損害金を減額した後の元本の支払いが残ります。通常は3年から最大でも5年かけて返済していくのですが、元金の金額が大きすぎると、3~5年以内に完済できる目途が立ちません。

完済の目途がたたない場合や、今よりもさらに生活が苦しくなるような場合は、任意整理しても意味がない可能性が高いです。例えば月2万円返済できる能力があるとしましょう。任意整理で借金の残高が300万円になったとして、毎月2万の返済では150カ月、12年と6カ月必要です。最大5年という任意整理の返済期間を大幅にオーバーしてしまいます。5年で完済しようとすると、毎月5万円を支払わなければなりません。

②借金額が少なすぎる

借金の金額が少なすぎる場合も、任意整理の効果が得られないでしょう。というのも任意整理をすると事故情報が登録され、新たに借り入れができないなどのデメリットが生じます。また手続きを弁護士に依頼すると、貸金業者1社当たり、5万円~10万円の着手金と、10%~20%の減額報酬の支払いが発生します。

1社当たりの借金が10万~20万円程度、総額でも50万~100万円以内だと、任意整理のメリットよりもデメリットの方が大きくなる可能性が。ただし借金の種類や本人の収入によっては、この程度の借金でもメリットの方が大きくなる場合もあります。判断基準は個々のケースによって異なるため、詳しくは弁護士に相談しましょう。

③金利の低い借金しかない

金利の低い借金しかない場合も、任意整理のメリットを実感できません。任意整理は「経過利息」「将来利息」「遅延損害金」を減額できる手続きです。金利の低い借金では、手続きしても返済額がそれほど変わらないからです。例えば次のような借金は、任意整理してもそれほど効果を得られません。

  • 住宅ローン(金利0.5~3%)
  • マイカーローン(1~8%)
  • 奨学金(上限3%)

とくに住宅ローンや、金利の上限が3%と決められている奨学金は、任意整理しても意味がありません。また住宅ローンやカーローンを任意整理すると、抵当権や所有権を持っているローン会社(銀行)が、住宅や車を引き揚げてしまいます。家族の今後の生活にも大きな影響があるでしょう。

カードローンでも事業系なら金利2~3%、銀行系のカードローンだと金利5%程度で借り入れが可能です。手続きにかかる費用や時間と任意整理で得られるメリットを比較しても、金利4%で100万円を借りた場合、5年で返済するときのトータルの利息は20万円です。一方、手続きを弁護士に依頼するとその費用は15万~25万円前後かかるため、メリットはほとんど得られないでしょう。

任意整理で減額できる将来利息について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「任意整理で減額できる『将来利息』とは?カットできる条件や金額、事例を解説」

④返済期間の残りが長い

住宅ローンや奨学金など、元々の返済期間が長い借金は、任意整理しても意味がありません。これらの借入は金利が低く設定されていることがほとんどで、任意整理すると返済期間が3~5年になり、逆に短縮されてしまうため。金利の低い借金の返済期間が短くなると、毎月の返済額が増えてしまうでしょう。

任意整理する場合は、必ず残りの返済期間をチェックして、3~5年よりも長いかを確認してください。

⑤債権者が交渉に応じない

貸金業者が交渉に応じないと、任意整理しても思うような効果が得られなかったり、意味がなかったりします。任意整理は裁判所を通さずに、貸金業者(債権者)と直接交渉する債務整理方法です。裁判所を通す手続きのような強制力がないため、貸金業者の都合や債務者の状況によっては交渉に応じないケースがあります。

任意整理に応じるかどうかは、あくまで債権者が決めること。いくら弁護士に依頼しても、任意整理を拒否している相手を交渉のテーブルのつかせることは難しいでしょう。主に次のような理由から、債権者が交渉に応じない場合があります。

5-1会社都合で応じない

貸金業者の中には、会社都合で応じない債権者がいます。すでに貸金業から事業撤退したり、新規事業の停止などを理由に、現在は債権回収業務しか行っていない事業者です。任意整理に応じないことで有名な業者は以下4社です。

  • 株式会社日本保証
  • 株式会社クレディア
  • CFJ(アイク・ディック・ユニマ)

これらの業者はすべて任意整理を交渉してもそれに応じてくれません。借入先にこれらの業者が含まれていないかチェックしましょう。

5-2借入してからほとんど返済していない

借入からほとんど返済していない借金は、債権者が任意整理に応じない可能性が高いです。借り入れから間がなく、ほとんど返済していない状態で任意整理してしまうと、債権者は利息も得られずに無償で貸し付けたことと同じになってしまうため。業者も慈善事業ではないので、交渉に応じてくれない可能性があります。

たとえ交渉に応じたとしても、将来利息を要求されるケースが。一般的に取引期間が半年~1年未満で、3~10%ほどです。元々の約定利率よりは低いものの、今後の返済額があまり減額できないので、任意整理するメリットがなくなります。

5-3すでに債権回収の手続きが進んでいる

すでに債権回収の手続きが進んでいると、任意整理を持ちかけても交渉に応じてくれないでしょう。例えば住宅ローンやカーローンなど担保を必要とするローンや、すでに債権者が給与や預貯金などを差し押さえる手続きに入っているようなケースです。

長期間返済を滞納していると、債権者は裁判所に訴えて債務者の財産を差し押さえる手続きに入ります。このような場合は債権を回収する目途が立っているため、任意整理に応じる必要がありません。任意整理する前に債権者や裁判所から差押の通知が届いている場合は、任意整理することをあきらめた方がいいでしょう。

5-4債権者が担保を保有している

債権者が担保を保有している借金は、任意整理の交渉に応じません。住宅ローンやカーローンなどはローンを組むときに金融機関が購入する住宅や車に対して担保権を設定します。担保権は返済が滞ったときに、担保目的物を売却して残債を回収できる権利のこと。

このような借金は、担保目的物を売却すれば債権を回収できるため、任意整理に応じる可能性は低いでしょう。

5-5減額後の借金を完済する能力がない

債務者に減額後の借金を完済する能力がないと判断すると、債権者は交渉に応じてくれないでしょう。たとえ任意整理に応じたとしても、その後の返済が失敗する可能性が高いからです。とくに安定した収入がない場合や無職の方、手続き後の借金額が多額で完全に支払い能力を上回っている場合は任意整理に応じません。

減額後の借金を完済できるかは、自分でもある程度判断がつきます。利息をカットした借金の残金を基本3年で返済していくことになるため、3年(36回)で分割した金額で毎月の返済が難しそうなら、任意整理は現実的な方法でなくなります。収入を増やす努力や他の債務整理を検討すべきでしょう。

任意整理で減額されない理由や減額できないときの対処法については、こちらの記事を参考にしてください。

「任意整理で減額されない原因と理由|減額できないときの対処法とは?」

⑥過去に任意整理している

過去に任意整理したことがある人は、任意整理の効果を得られない可能性が高いでしょう。任意整理は債権者が合意すれば何度でも手続き可能な制度です。とくに回数に制限はないため2回でも3回でも手続きできます。しかし前回手続きした債権者と2回目の任意整理を行う場合は、和解条件が前回よりも非常に厳しくなるでしょう。

何度も任意整理するということは、過去の任意整理が失敗したということ。そうなると債権者からは信用されなくなります。とくに前回の任意整理で最大限の譲歩をしてもらっていた債権者と2回目の任意整理する場合、利息の減額は望めず、分割払いで返済できるという「期限の利益」を回復させる程度の内容で終わる可能性が高いです。

2回目の任意整理を成功させるコツや注意点については、こちらの記事を参考にしてください。

「2回目の任意整理はできる?失敗しないための注意点、成功のコツを解説」

⑦任意整理後の返済ができなくなった

任意整理後の返済ができなくなってしまうと、任意整理した意味がなくなります。手続き時点では返済能力に問題なくても、返済途中で収入が減ったり途絶えたりすると、返済が滞ってしまうように。状況によっては再和解や任意整理以外の債務整理を検討せざるを得なくなります。

当初から収入が不安定で、毎月の返済額をねん出できそうもないという方は、任意整理以外の方法を検討した方がいいでしょう。とはいえ急な解雇やケガ、病気による休業は予測できるものではありません。手続き後の返済が厳しいと感じたら、すぐに手続きを依頼した弁護士に相談しましょう。

任意整理をしない方がいい14のケースについては、こちらの記事を参考にしましょう。

「任意整理をしない方がいい14のケースとありがち誤解とは?悩んだときの解決方法も解説」

任意整理が適している人の特徴

任意整理が適している人が手続きすれば、意味がないということにならず、大きな効果が期待できるはずです。そこでこちらでは、任意整理が適している人の特徴について見ていきます。

手続き後も継続的な収入が見込める

手続き後も継続的な収入が見込める方が、任意整理に向いています。任意整理は手続きにより利息等をカットしてもらった後は3年~5年かけて完済を目指す手続きだからです。毎月一定額を返済できる能力がないと失敗する可能性が高まります。借金総額ごとの任意整理後の返済額の目安は以下の通りです。

借金総額/返済期間 3年(36回) 5年(60回)
100万円 2.8万円 1.7万円
200万円 5.6万円 3.3万円
300万円 8.3万円 5万円
400万円 11.1万円 6.7万円
500万円 13.9万円 8.3万円

安定した収入が見込める会社員や公務員はもちろんのこと、アルバイトやパートでも毎月一定額を返済できれば任意整理が可能です。任意整理が適しているかは、現在の収入や借金の程度によって異なります。詳しくは弁護士に相談しましょう。

無職でも任意整理できる?という疑問をお持ちの方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「無職でも任意整理は可能?任意整理できないと言われた時の対処法を紹介」

手続きに費用や時間をかけたくない

手続きになるべく費用や時間をかけたくない人が、任意整理に向いています。裁判所に申し立てて手続きする個人再生や自己破産では、必要な資料が多く手続きも複雑で厳格です。一方任意整理は債権者と直接交渉して和解を目指すため、他の債務整理よりも比較的簡単です。こちらは債務整理の種類ごとにかかる費用や時間を比較した一覧です。

債務整理の種類 費用の目安 期間の目安
任意整理 債権者1社当たり5万~8万円
(過払い金返還請求:返還金額の15~25%が成功報酬)
6カ月~10カ月
個人再生 60万~70万円(住宅ローン特則利用の場合は80万~90万円) 8カ月~12カ月
自己破産 20万~40万円(同時廃止)

80万~100万円(管財事件)

7カ月~12カ月(管財事件)

任意整理に関する期間については、こちらの記事を参考にしてください。

「任意整理に関する期間を徹底解説!手続きや返済、ブラックリスト期間の注意点とは」

処分されたくない財産がある

処分されたくない財産がある方も、任意整理に向いています。自己破産のように所有している財産を手放す必要がありません。また整理対象の債権者を選べるので、住宅ローンを除いて手続きすれば、ローン返済を継続する代わりにマイホームを残せます自身の今後の生活のためだけでなく、家族への影響も最小限にできます。

保証人に迷惑をかけたくない

保証人に迷惑をかけたくない借金がある方も、任意整理が向いています。通常(連帯)保証人付きの借金を債務整理すると、保証人に借金の一括請求が行きます。保証人が一括で支払えるだけの資産があればいいのですが、そうでないと保証人も債務整理をする羽目に。

保証人が必要な借金には、住宅ローンやカーローン、奨学金などがあります。これらの借金がある場合、保証人に迷惑をかけたくないと考えれば、整理する債権を選べる任意整理が向いています。家族が保証人になっている方や、好意で保証人になってくれた人に迷惑をかけたくないという場合は、任意整理を選択しましょう。

周囲に任意整理したことを知られたくない

会社や家族など身近な人に借金があることや債務整理したことを知られたくない場合は、任意整理が適しています。個人再生や自己破産など裁判所を通す手続きでは、申立人の住所や氏名が国の機関誌である「官報」に載ってしまいます。そこから債務整理していることがバレるリスクも。その点任意整理ならこうしたリスクはありません。

さらに個人再生等では、裁判所にさまざまな書類を提出する必要があり、その準備のために家族や職場にバレる可能性も。しかし任意整理では、自身の収入についてや借入に関する書類のみで手続きできます。弁護士に依頼すれば債権者から直接連絡が来ることもありません。

どうしても家族にバレたくないという方は、弁護士に依頼する時点で相談すると、極力バレないように配慮してくれるはずです。

任意整理をバレずに手続きしたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

「任意整理をバレずに手続きしたい方必見!原因と対処法を知って賢く借金を減額」

任意整理を成功させるポイント

任意整理を成功させ意味あるものにするには、いくつかのポイントがあります。任意整理する予定だという方は、参考にしましょう。

支払い実績を作る

借入して間もない借金は、一定期間の支払い実績を作ってからにしましょう。支払い実績がない状態で任意整理しようと思っても、相手が交渉に応じてくれないため。少なくとも半年程度は返済を継続し、債権者が減額に応じやすい形を作ることがポイントです。

収支計画を立てる

任意整理を依頼する前に、自分で収支計画を立てるのも有効です。実際に毎月の収入と支出を書き出すことで、人整理後の返済可能額が分かるだけでなく、何にいくら使っているか把握でき、無駄遣いを防ぐというメリットも。支出を抑えることで、より手続きしやすい状況へと改善できるかもしれません。

収支計画を立てることは、借金完済を早めるきっかけにもなります。支出を抑えた結果、余裕がある月は貯蓄に回し、十分に貯蓄が溜まったら一括返済や繰り上げ返済という方法も。まずは収支計画を立て、自身にどの程度の返済能力があるかを知りましょう。

任意整理対象の債権者を選ぶ

任意整理の手続きをする債権者を上手に選ぶと、より任意整理の効果を実感できるはずです。任意整理のメリットを最大限に活用して、保証人がいる借金や担保権のある借金を除外すると、全体的に借金の負担を減らせ、保証人に迷惑をかけることもなく、自身や家族の生活にも影響が出ません。

さらに任意整理に応じやすい債権者とだけ交渉するという選択肢も。初めから交渉に応じない業者や、和解条件が厳しくなりそうな業者を外しておくと、よりスムーズに手続きが進むでしょう。

安定した収入を確保する

安定した収入を確保することも、任意整理を成功させるには重要です。今のままでは収入が足りなそうと思ったら、転職や副業で収入を増やすことを考えましょう。もし親族などで金銭的に頼れる人がいる場合は、返済資金の援助をお願いするという方法も。

任意整理後の返済が滞ると、せっかくの手続きが無駄になります。親族からの援助や安定した収入を確保できると、このようなリスクを予防できます。

弁護士事務所の返済代行を利用

弁護士事務所の返済代行を利用すると、手続き後の失敗を防ぐことができます。返済代行とは、任意整理した本人に代わり、依頼した事務所が任意整理後の返済を行うというサービス。依頼者はまとまった金額をあらかじめ事務所に預け、事務所が任意整理で合意した金額や支払い日に支払います。

依頼者は事務所の口座一か所に入金するだけで済み、債権者それぞれに振り込む手間や支払い忘れを防げます。「払い忘れたらどうしよう」という精神的負担も軽減されるので、依頼する事務所にこのようなサービスがあるか確認してみましょう。

任意整理で解決できないときの対処法

さまざまな事情で任意整理ができなかったり、失敗に終わったときには、次のような対処法があります。

債務整理に詳しい弁護士に相談

任意整理で解決できないときは、借金問題や任意整理に詳しい弁護士に相談しましょう。過去に任意整理をしたことのある方は、依頼した弁護士に相談してもいいでしょう。借金の種類や金額、相談者の背景によって最適な借金解決方法が異なります。

借金問題に詳しい弁護士なら、法律的な専門知識や過去の経験に基づいて依頼者に一番適した解決方法をアドバイスしてくれるはず。「弁護士に依頼するには費用がかかるのでは?」と心配になる方がいるかもしれませんが、借金問題を多く扱う弁護士事務所では、弁護士費用を分割で支払えるサービスを行っていることも。

費用の面でも相談に応じてくれるところがあるため、心配せずに相談に行ってみましょう。

他の債務整理を検討

借金の総額が大きく任意整理では解決できそうもない人や、すでに債権者から債権回収の裁判を起こされている人、過去に任意整理したことがある人など、任意整理しても効果がないという場合は、他の債務整理を検討することをおすすめします。

個人再生

任意整理では減額しきれず完済が難しいが、支払い能力がない訳でないという方は個人再生を検討してください。個人再生は現在の収入や財産、借金の総額などから返済が困難であることを裁判所に認めてもらう手続き。借金の総額に応じて最大1/10という大幅な減額が可能です。大幅に減額できた借金は3年~5年かけて完済を目指します。

任意整理に比べると元本も含めた大幅減額が可能で、ローン返済中のマイホームを残せる「住宅ローン特則」という制度があるのもメリット。裁判所に再生計画案を認可してもらい、返済計画通りに返済が終われば、残りの借金を免除できます。

個人再生のメリット・デメリットはこちらです。

メリット デメリット
  • 減額割合が大きい
  • 借金の理由を問わない
  • 職業・資格の制限がない
  • ローン返済中の住宅を手放さずに済む
  • 借金総額100万円以下だと減額にならない
  • 借金総額5000万円以上だと利用できない
  • 保証人に返済義務が移る場合がある
  • 一定以上の安定した収入がないと再生計画案が認可されない
  • 官報に住所や氏名が載る

自己破産

収入が不安定もしくは無職で支払い能力に不安があるという場合は、自己破産を検討しましょう。自己破産は一定以上の財産を処分する代わりに、借金をすべてゼロ(支払い義務の免責)にできる手続き。裁判所に生計を一にする同居家族を含めた収入や、財産の状況を報告し、借金の完済が不可能であることを認めてもらう必要があります。

自己破産のメリットとデメリットは以下のとおりです。

メリット デメリット
  • 借金全額の支払い義務が免責される
  • 破産後の収入は生活再建に使える
  • 安定した収入がなくても(無職でも)手続きできる
  • 一定以上の財産は処分される
  • 借金理由によっては免責が許可されない
  • 保証人に返済義務が移る場合がある
  • 一時的に制限を受ける職業・資格がある
  • 官報に住所や氏名が載る

自己破産の一番のメリットは、税金や年金といった「非免責債権」を除いたすべての借金の支払い義務が免責されること。一方で家や車など資産価値のある財産は現金化され、債権者への返済にあてられます。また手続き中は一定の職業や資格が制限され、個人再生と同様に保証人に支払い義務が移るというデメリットがあります。

個人再生と自己破産の違い、条件の比較についてはこちらの記事を参考にしましょう。

「個人再生と自己破産の違いとは?手続き・条件の比較や切り替え方法を教えます!」

債務整理以外の方法を探す

利息の極端に低いローンや、返済期間が長い奨学金のような借金は、以下の方法で解決が可能です。

奨学金の各種制度を利用

奨学金に係る事業を行っている日本学生支援機構では、失業や経済的困窮などが原因で奨学金の返済が難しくなった人に対し、次のようなさまざまな返還支援制度を設けています。

制度名 詳細
減額返還制度
  • やむを得ない事情で奨学金の返済ができない人に、毎月の返済額を1/2~1/3に減額できる制度
  • 利用条件はは減額すれば完済が可能な人で、傷病や災害、経済的理由による基準以下の収入減少があったとき
  • 一回の申請につき1年まで減額可能で、最大で15年分を減額できる
返還期限猶予制度
  • やむを得ない事情で奨学金の返済ができない人に対し、一定期間(最長10年)返済を先送りする制度
  • 利用できるのは傷病や災害、その他経済的事情で年収300万円(所得200万円)以下になった人
  • 制度を利用すれば督促がストップし信用情報に傷がつかない
  • 返済する元金や利息の減免はできず、あくまで期間を延ばすことが目的
在学猶予制度 奨学金利用者が学校に通っている間は、奨学金の返済を猶予できる制度

最大で10年奨学金の返済を延期できる

手続きには在学届を提出しなければならず、毎年の申請が必要

これらの制度の申し込みは、日本学生支援機構の「スカラネット・パーソナル」がおすすめ。詳しい利用方法や利用条件は、日本学生支援機構のホームページを参考にしましょう。

600万円の奨学金の返済方法や対処法については、こちらの記事を参考にしてください。

「600万円の奨学金は返済可能?返済プランの算出方法やいざというときの対処法、債務整理の可否を解説」

金融機関への相談

住宅ローンをはじめとする各種ローンの支払いが難しいときには、ローンを借りている金融機関に相談してみましょう。金融機関に早めに相談することで、次のような有効な対応策を提示してもらえる可能性があります。

  • 一定期間の減額返済
  • 返済期間の延長
  • ボーナス返済月の変更

住宅ローンなどでは、契約者専用の返済相談窓口が設けられています。金融機関としては返済が滞る前に相談してもらった方が、親身に相談に応じてもらえます。

任意売却

どうしても住宅ローンの支払いが難しいという方は、「任意売却」という手段があります。任意売却とは住宅ローンを借りている金融機関の許可を得て、市場価格に近い価格で住宅を売却すること。ある程度所有者の希望条件を聞いてくれるので、住宅ローン滞納で裁判所に差し押さえられ競売にかけられるよりは有利に売却できます。

任意売却の主なメリットはこちらです。

  • 市場価格に近いい価格で売却できる
  • 所有者の情報を非公開にできる
  • 引っ越し費用を負担してもらえる可能性
  • 引っ越し希望日を相談できる

任意売却の流れは、まずローンを借りている金融機関への相談が第一です。その後売却する住宅の査定を専門の不動産会社に依頼し、査定額を踏まえて売却のためのステップへ進みます。いずれの段階でも金融機関との連携は欠かせません。

任意売却をする場合、依頼する不動産会社によって対応が異なる可能性があります。できれば複数の不動産会社に査定を依頼し、その価格や対応によって信頼できる業者を選んでもいいでしょう。

まとめ

任意整理をしても思うような効果が得られないのは、借金の総額が少なすぎる人や逆に多すぎて完済が難しい人、金利の低い借金や返済期間の長い借金など。また様々な理由から債権者が交渉に応じないケースや過去に任意整理したことがあるケース、任意整理後の返済ができない場合などです。

任意整理に向いているのは、処分されたくない財産がある人や保証人に迷惑をかけたくない人、安定した収入があり債務整理したことを周囲に知られたくない人です。任意整理を成功させるには、一定期間の支払い実績を作り収支計画を立て、債権者を選んで手続きしましょう。弁護士事務所の返済代行を利用するのも手です。

任意整理で借金問題が解決できなかった場合は、金融機関に相談したり奨学金の各種制度を利用しましょう。借金問題に詳しい弁護士に相談して、任意整理以外の債務整理を検討するという方法もあります。ひとりで悩まず、まずは法律の専門家である弁護士にアドバイスを受けましょう。

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