- 「借金のある彼女と結婚を考えているんだけど、結婚しても大丈夫?」
- 「結婚を前に自分の借金問題を解決する方法が知りたい」
交際期間を経て結婚を考えている相手に借金があることが分かったとき、多くの人はこのまま結婚しても問題ないか迷うはずです。中には「自分が肩代わりすればいいのでは?」と考える人もいるかもしれません。しかし間違った判断や対処法をしてしまうと、結婚を後悔したり「こんなはずじゃなかった…」と思うことも。
そこでこちらの記事では、借金のある彼女・彼氏との結婚を中心に、結婚しようか迷ったときの判断基準や借金問題の解決方法を詳しく解説。さらに自分の借金で結婚しようか躊躇している場合の対処法も紹介していきます。お金の問題は男女関係にとって重要です。正しい判断・解決方法を取り、後悔しない人生にしましょう。
借金がある彼女・彼氏との結婚について
では借金のある彼女・彼氏と結婚しようとした場合、どのようなことが起きるのでしょうか。
借金は夫婦喧嘩のもと
借金をはじめとする金銭問題は、夫婦喧嘩の大きな原因となります。恋人同士ならお互いの財布事情はそれほど気にならなくても、結婚して夫婦となれば状況が変わります。金銭感覚のズレが夫婦仲の亀裂となり、生活費にも事欠く経済状況が問題となると、夫婦間の争いになるのは避けられません。
ただでさえ結婚生活にはお金がかかります。独身時代の借金を抱えたまま結婚するということは、マイナスからのスタートになるということを覚悟すべきでしょう。とくに女性は妊娠・出産・子育てのタイミングで収入が減少します。また出産や子育てには、夫婦2人のときよりもより多くの生活費がかかります。毎日ギリギリの状態での子育ては、かなりのストレスになるはずです。
「愛さえあればお金なんて」という考え方もありますが、正常な結婚生活を続けるためにはある程度のお金が必要だということを覚えておきましょう。
親から反対される可能性
結婚相手に借金があることで、親から反対される可能性があります。大切な息子や娘を借金のある相手と結婚させるのは、できるだけ避けたいと考えるのは親心として仕方ありません。反対されたことに不満を抱くのではなく、親の気持ちも理解するように努めてください。
借金のことはあえて親に伝えないという選択肢もあります。確かに借金の金額が大きくなく、完済の目途が立っているようならあえて言う必要はないかもしれません。ただし親に言うかどうかは、結婚相手と十分に話し合ってから決めるようにしましょう。
借金を理由に結婚を反対されたときには、借金の理由や金額だけでなく、毎月きちんと返済していて完済の目途が立っていることなどを説明してください。相手の誠実さをアピールし、借金のマイナスイメージを払拭するようにしましょう。説明しても承諾してもらえないときには、完済までに結婚を延期することも考える必要があります。自分と相手のためにも、借金がゼロになってから結婚した方がいいでしょう。
独身時代の借金は結婚前に清算すべき
独身時代の借金は、できれば結婚前に清算すべきです。そもそも独身時代の借金は作ったその人個人のものであり、結婚相手に返済の義務はありません。借金額が少ないと「すぐに返済できるから」と後回しにしがち。しかしこれが結婚後の喧嘩の元になる可能性も。少額であればある程、独身時代の借金は結婚前に清算すべきです。
結婚後の生活に支障が出る可能性
借金を抱えたまま結婚すると、結婚後の生活に支障が出る可能性があります。マイホームや車をローンで購入しようと思っても、借金の金額によっては新たにローンを組めないことも。相手の借金が原因でローンが組めないときには、自分名義でローンを組むしかなくなります。
また返済が滞っていたりすると、個人信用情報に「延滞」という事故情報が掲載され、クレジットカードを新規で作成できなくなったり、ローンが組めないということも考えられます。これはいわゆる「ブラックリスト」状態のことで、返済が完了してから数年間経たないと、ブラックリスト状態は解消できません。
結婚前の借金は配偶者に返済義務はない
上で少し触れたように、結婚前の借金の返済義務は、原則として配偶者にはありません。結婚前の借金は、お金を借りた本人にのみ返済の責任があるため、たとえ結婚した相手でも返済の義務を負うことはないという訳です。
ただし結婚前の借金の(連帯)保証人になっていたときには、返済義務を負うことになるので注意が必要です。また結婚前の借金がある状態で配偶者が亡くなった場合には、残された配偶者が相続することで返済義務を負います。この場合は一切の財産(負債)を相続しない「相続放棄」やプラスの財産の範囲内で負債を相続する「限定承認」という方法を選ぶことで負担がかからないようにできます。
旦那の借金は妻に返済義務があるかについては、こちらの記事を参考にしてください。
「旦那の借金は妻に返済義務がある?ケース別の有無と借金発覚時にすべきこと、最適な借金解決方法」
交際相手に結婚前の借金が発覚したときの対処法
結婚しようと思っている相手に借金があることが発覚した場合、どうすればいいのでしょうか?相手から打ち明けられたり、何かの拍子で事実が発覚した当初は、混乱してどうしたらいいか分からなくなるのも当然です。時間が経ち少し冷静になったら、次のような対処法を取っていきましょう。
借金の詳細を把握
結婚を考えている相手に借金があることが分かったら、まずは相手に借金の詳細を確認してください。具体的には次のようなことを確認するといいでしょう。
- 借金の総額
- 借入先(名称・件数)
- 毎月の返済額
- 完済までの期間
- 借金した理由
- 延滞の有無
- 保証人・担保の有無
とくに借金の総額や延滞の有無、借金の理由などは必ず確認してください。どのくらいの借金があって、毎月いくら返済しているか確認しなければ、その後の適切な対処法が取れません。また借金の理由次第では、結婚そのものを考え直す必要があるかもしれません。さらに話し合いをしているときの相手の態度や口調などもチェックしましょう。
借金はいくらからヤバいのか知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
「借金はいくらからやばい?少額でも危険な借金パターン、判断基準や対処法を解説」
相手の態度をチェックする
彼女や彼氏に借金について聞くときには、相手の態度も今後どうすればいいかの判断材料になります。具体的には次のような点をチェックしてください。
- 返済の意思があるか
- 借金についての考え方
- 真摯に話し合いに応じるか
- お金の無心をしてこないか
借金についての話をしても返済する意志が感じられないときには、お金についていい加減な性格の可能性も。金銭感覚はなかなか治せないので、結婚後に大きな問題に発展する恐れがあります。また黙っていたことへの反省の態度が見えるか、真摯に話し合いに応じるかについても冷静に観察すべきでしょう。
借金について話したがらない、真面目に向き合おうとしない、という状況であれば、お金以外の面でも一緒に問題解決に向けて足並みをそろえられる相手ではないかもしれません。開き直ってお金を貸して欲しいと言われても、安易に貸すことは止めましょう。
別れるべきか考える
交際相手に借金があることが分かり、借金の詳細などを確認した後は、結婚や相手に対する自分の気持ちを整理してみましょう。今後も一緒に歩みたいという気持ちを持てるなら、解決策について考えていきましょう。もうこれ以上一緒にいれないと感じるのであれば、きっぱりと別れるのも選択肢の一つです。
別れた方がいいケース
借金の理由や相手の態度によっては、別れを考えた方がいいのかもしれません。次のような言動が見られたり、借金理由があったときには、結婚はもちろん、これからの交際も考え直すべきでしょう。
- 借金のことで嘘をつく
- 話をはぐらかされる
- 借金癖がある
- ギャンブル依存症・買い物依存症などの傾向がある
- 借金についての考えが甘い
- ずぼらでだらしない性格
借金について真剣に話そうとしない、嘘をついているのではと感じる場合は、あなたに対して誠意があるといえません。また借金への考えが甘かったり、ずぼらでだらしない性格は、よほどのことがない限り改善できません。また借金癖があったり借金の理由がギャンブルや浪費、お酒などの場合は依存症の可能性も。依存症自体が改善されない限り、借金を繰り返す可能性が高いでしょう。このような理由で借金をしていた場合、結婚するかどうかだけでなく今後の付き合いについても考え直す必要があります。
ギャンブル依存症になりやすい人や特徴については、こちらの記事を参考にしましょう。
「ギャンブル依存症になりやすい人とは|傾向や特徴を知り、借金問題解決に有効な対策を取ろう」
別れなくてもいいケース
一方で次のような理由で借金したと打ち明けられたときには、すぐに別れを考える必要はありません。
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- 病気の治療や入院のための借金
- 奨学金
- 起業のための借金
住宅ローンや自動車ローン、奨学金など借金の理由が明らかな場合、よほど身分不相応な金額でない限りとくに問題とならないでしょう。これらの借金は利息がそれほど高くなく、返済期間も長く設定されている場合が多いので、収入が安定していて家計を圧迫しないと判断できるようなら、結婚しても問題ありません。
病気治療や入院のための借金など、生活をするためにやむを得ず借りたお金は、一時的なものなので返済を続けられるようなら大きな問題になりません、また起業のための借金は、事業が順調かどうかで判断すべきでしょう。
奨学金が返せないときの滞納リスクと対策については、こちらの記事を参考にしましょう。
「奨学金が返せないのは甘え?滞納リスクと返せないときの対策を知り、一日も早く生活を立て直そう!」
判断が分かれるケース
別れるべきか、結婚するべきか判断が分かれるケースもあります。次のようなケースは、借金の金額やそうなった状況、理由などを聞いて個々に判断すべきでしょう。
- 身内の借金の肩代わり
- 連帯保証人になっている
彼女や彼氏が連帯保証人になって借金を背負ってしまった場合は、元々の債務者は誰で、どのような理由で保証人になったのか確認が必要です。また身内の借金を肩代わりした場合も、可能であれば借金の理由や金額などを聞いてみましょう。あまり納得できない理由で多額の借金をしているケースでは、結婚後に相手親族との関係に悩まされる可能性があります。
返済計画を立てる
今後も一緒に歩んでいこうと決めた場合は、借金の返済に協力していきましょう。借金の理由や金額によっては、結婚後の家計から返済資金を出すという方法で解決を図るという場合もあるでしょう。また結婚前に借金をきれいにして欲しい場合も、一緒に返済計画を立てるのが、解決への近道です。
借金がいつまでも減らないと感じている人の中には、家計管理がずさんだったり、返済期日を守らずに利息や遅延損害金が加算されてしまうという例が少なくありません。まずは借金についての詳細を一覧にし、延滞や遅延がないか、返済計画に無理がないかなどをチェックしてください。
同時に家計簿をつけて、収入と支出のバランスを見てください。不要な支出がないか確認するだけでも、返済に充てられるお金が増やせる可能性があります。収支の目標は、毎月の収入から生活費と借金返済分を引いて、2~3万円余る状態です。これは急病や冠婚葬祭など急な支出に備えて蓄えておきましょう。
返済できているかチェックする
返済計画表通りに進んでいるかも、時々チェックしましょう。返済が進んで残りが少なくなった借金があるときには、臨時収入やお金を作って完済してしまうことも考えましょう。返済先が少なくなるだけで、借金の管理がしやすくなり、支払う利息の額も減らせます。
何より順調に借金が減っていると一目で分かれば、モチベーションの維持にもつながります。あとどのくらいの期間で返済が終わると分かれば、将来の見通しも立てやすくなるでしょう。
借金の原因から遠ざける
借金の原因がギャンブルやお酒、買い物などだった場合には、その原因から遠ざける努力も必要です。いわゆる依存症の状態になっていなくても、医学的なアプローチやカウンセリングを通して、借金の原因から断絶させる必要があります。
というのも借金をした原因を断ち切ることができない場合には、たとえ借金を完済できてもまた借金を繰り返す可能性が高いからです。専門の医療機関やカウンセリングを通して、借金の原因を断ち切るお金の使い方や生活習慣、交友関係の構築などを身に付け、実践していきましょう。
買い物依存症による借金解決方法は、こちらの記事を参考にしましょう。
「買い物依存症を克服したい|原因やなりやすい人、克服や借金解決の方法を詳しく解説」
貸付自粛制度を申請する
彼女や彼氏に結婚前の借金が発覚し、また借金を繰り返す恐れがあるときには、日本貸金業協会が行っている「貸付自粛制度」を利用するという方法があります。この制度は、ギャンブル依存症や浪費の習癖がある人を対象に、本人やその家族の生活に支障をきたす恐れがあるときに、貸金業者に対してこれ以上貸し付けに応じないように求める制度。
来協によるもののほか、郵送やWebでの申告が可能で、無料で手続きできます。登録機関は5年以内ですが、申告できるのは本人のみということが注意点です。本人が借金しないという意思のものとで、自ら手続きする必要があり、配偶者や親族が本人に内緒で申請することができないので気を付けましょう。
交際相手に借金があっても…NG対処法
彼女や彼氏に借金があった場合、どうしても結婚したいと思っていても、次のような対応はNGです。問題の先送りになるだけでなく、あなたにまで被害が及ぶ可能性があります。
借金を肩代わりする
すぐにでも結婚したい、借金した理由が気の毒だからという理由があっても、安易に借金を肩代わりするのは止めましょう。返す約束で建て替えたとしても、最終的に相手が自分に返済してくれ亡くなった場合、泣き寝入りするしかなくなります。
また安易に手を貸すのは、相手を甘やかすことにしかならず、「いざとなったら助けてもらえる」として自分の問題に向き合おうとしなくなります。結婚を考えているのならなおさらです。借金という自分の問題に向き合おうとしない人は、配偶者や家族に問題が起こったときに一緒になって真摯に向き合ってくれない可能性が高いです。
彼氏に借金があることが分かったときの対処法は、こちらの記事を参考にしてください。
「彼氏に借金があることが発覚!直後にすべき7の対処法と判断のポイント、借金問題解決法とは」
連帯保証人になる
たとえ結婚を約束していても、交際相手の連帯保証人になることを止めましょう。連帯保証人とは、お金を借りた本人が返済できなくなったときに、代わりに返済する義務を負う人のことをいいます。本人の支払い能力とは関係なく、返済の義務を負うのが連帯保証人です。
たとえ「名前を書くだけだから」と言われたとしても、絶対に連帯保証人の欄に署名するのは止めてください。本人と連絡が取れなくなったり、自己破産したときには、連帯保証人であるあなたに残りの借金すべてを返済しなければならなくなります。また相手が「いざとなったら代わりに払ってくれる」と甘えた考えを持つ恐れもあるため、間違っても連帯保証人にはならないようにしましょう。
連帯保証人は支払い拒否できるか?については、こちらの記事を参考にしてください。
「連帯保証人は支払い拒否できる?種類・状況ごとの対処法を知って差し押さえを回避しよう」
借金返済が不可能と感じたら…
借金一覧表や家計簿を作ってみて、毎月の生活費と返済額の合計が月収を超えてしまう場合には、「支払不能」と判断すべきでしょう。そうなったら協力してまで一緒に返済を続けるのは控えた方がいいです。相手に責任感を持ってもらうという意味でも、彼女や彼氏の借金は結婚前に自分で整理してもらいましょう。
弁護士に相談
返済不能な借金を抱えているときには、まずは専門家である弁護士に相談してください。弁護士とは無縁の生活を送っている多くの人は、「弁護士に相談するなんて…」と躊躇するかもしれません。しかし弁護士は法律の専門家として、借金に関する様々なトラブルや問題の解決方法を熟知しています。
相手に一番合った解決方法をアドバイスしてくれるはずなので、まずは本人を連れて弁護士事務所の無料相談を受けてみましょう。
債務整理を提案する
自力で解決が難しいほどの借金があるときには、彼女や彼氏に「債務整理」を提案してください。先に弁護士に相談した場合も債務整理を勧められるはずです。債務整理とは、法律に基づいて借金問題を解決する方法で、多くは弁護士の手を借りて手続きを進めていきます。
債務整理には、主に次の3つの方法があります。
任意整理 |
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個人再生 |
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自己破産 |
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いずれの方法も借金を減免できる手続きですが、デメリットもあります。共通するデメリットとして、個人信用情報機関に、5年~10年間事故情報が掲載されるということがあります。この期間は新しくクレジットカードが作れないだけでなく、ローンを組めない、分割払いが利用できないなどのデメリットが。
債務整理後の結婚を考えている場合は、上記のようなデメリットが生じることを覚悟しましょう。
債務整理の種類ごとの特徴と手順について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「国の『借金救済制度』は信頼できる?債務整理の特徴と依頼手順、その他の解決方法を解説」
自分に借金があり結婚を迷っているときの解決方法
自分に借金があり、交際相手との結婚を迷っているという人もいるでしょう。こちらでは、自分の借金が問題で結婚を躊躇しているときの解決方法を紹介していきます。
それほど問題にならない借金
自分が作った借金でも、それほど問題にならないものもあります。その代表的なものが奨学金です。奨学金事業を行っている日本学生支援機構によると、奨学金を受けている学生の割合は、令和4年度で大学(昼間部)で55.0%、短期大学(昼間部)で61.5%です。博士課程では58.9%、大学院修士課程では、51.0%の学生が奨学金を利用しているというデータも。
奨学金を借りることはもはや珍しくはなく、多くの人が社会人になってからや結婚してからも返済を継続しています。また車や家は生活に欠かせないものとして認識されているため、カーローンや住宅ローンもそれほど問題にならないでしょう。ただし結婚後もローンの支払いが続く場合は、トラブルを避ける意味でも、相手にその旨を話しておくことをおすすめします。
参考:令和4年度学生生活調査・高等専門学校生生活調査・専門学校生生活調査|日本学生支援機構
問題になる可能性が高い借金
一方で結婚時に問題になりやすいのが、ギャンブルや浪費で作った借金です。とくに返済の見通しが立っていない場合や、結婚後も返済が続くような場合には、相手に黙っておくのはおすすめできません。また保証人として肩代わりした借金もまた、相手に隠すのは難しいでしょう。
借金のことを黙ったまま結婚できる?
「なるべく借金のことは相手に黙ったままで結婚したい」と考える人もいるでしょう。法的にいうと、結婚相手に借金のことを隠したまま結婚しても特に問題ありません。しかし次のような点から、結婚相手には正直に借金のことを話しておいた方がいいでしょう。
バレる可能性が高い
結婚前の借金を隠したまま結婚したとしても、ゆくゆくはバレてしまう可能性が高いでしょう。例えば誰もが知る消費者金融から夫婦の家に通知が来れば「借金をしているのでは?」と疑われるのは容易に想像ができます。また結婚前の借金があると、金額によっては新たにローンを組めない可能性があります。ローン審査時に、あなたの信用情報を調査されるからです。返済状況なども審査の対象となる場合があるので、たとえ完済後の申し込みであっても、審査に落ちる可能性があります。
信頼関係にヒビが入る
借金のことを隠したまま結婚すると、それがバレたときに夫婦の信頼関係にヒビが入ることは避けられません。「なぜもっと早く教えてくれなかったのか」「バレなかったらずっと隠すつもりだったのか」と今後も疑いの目を向けられてしまうでしょう。最悪の場合、離婚問題にまで発展する恐れがあることを覚悟すべきでしょう。
交際相手に打ち明けるときのポイント
彼女や彼氏に借金のことを隠したまま結婚したとしても、いずれバレてしまう可能性は高いので、結婚前に素直に打ち明けた方がいいでしょう。ただし不用意に「借金がある」とだけ伝えてしまうと、相手に不安感を与える原因に。借金のことを打ち明けるときには、次のようなポイントに注意して、相手に不安感を与えないようにしましょう。
借金の内容は具体的に説明
相手に借金について説明するときには、借金の内容を出来るだけ具体的に話してください。借金があることだけ伝えて、具体的な金額や借金の理由をはぐらかすのは不誠実な態度とみなされても仕方ありません。相手にとってもいくら借金があるかわからなくては、結婚への不安感が増すばかりです。
借金の金額が大きいと、心理的に相手に打ち明けにくいかもしれません。しかし結婚後にローンを組めないこともあるので、結婚相手には伝えるべき重要な情報です。
プランを立てて返済していることをアピール
借金についての詳細を説明した後は、計画を立ててきちんと返済していることをアピールしましょう。毎月いくら返済していて、いつごろまでに完済できそうかといった具体的な数字を出すといいでしょう。具体的なプランがあれば、相手も将来をイメージしやすくなります。
また毎月の返済額が分かれば、今の収入で結婚生活を送れそうかも判断がつきます。ギャンブルや浪費など、あまりよろしくない理由で作った借金であっても、安易に借金したことを反省し、今は確実に返済している姿勢を見せられれば、お金にだらしないイメージを払拭できるかもしれません。
嘘をつくのはNG
いくら相手に言いにくいこととはいえ、嘘をつくのはNGです。借金金額を少なく言ったり、借金の理由や経緯についても嘘をつくのは止めましょう。せっかく借金があることを打ち明けられても、結婚後に嘘がバレてしまっては、相手からの信頼はさらになくなります。
相手に聞かれたことは正直に話し、反省の態度を示すことで、誠実さをアピールする必要があります。結婚前が最後のチャンスと考え、嘘をつかないようにしましょう。
結婚前に借金を清算する方法
結婚前にどうしても借金を清算したいと考えている方は、具体的に次のような方法で完済を目指してください。
返済プランの見直し
今まで返済を続けていても借金が減らないと感じている方は、返済プランの見直しが必要かもしれません。借金の詳細を確認した後で、次のような方法が取れないか検討しましょう。
借金の種類 | 返済方法 |
---|---|
リボ払い |
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カードローン |
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クレジットカードのキャッシング |
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複数のところからの借金 |
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借金の種類別の具体的な解決方法については、こちらの記事を参考にしましょう。
「借金地獄から抜け出したい!借金の原因別・種類別10の解決方法」
収入を増やす
現在の収入では返済期間が長くなりそうなときには、収入を増やす必要があります。転職して収入を増やすか、副業OKの職場であれば副業で収入減を増やすようにしましょう。今は簡単にアルバイト先を探せるアプリなどが充実しています。隙間時間に時給の高いアルバイトをして、返済に充てられる金額を増やしましょう。
支出を減らす
収入を増やす努力と同時に、支出を減らす工夫も必要です。とくに次のような固定費は、削減できると毎月の支出を効果的に減らせます。
- 実家に帰ることで家賃出費を減らす
- より基本料金の安い電力会社に切り替える
- 電力会社の契約を見直す
- 格安SIM(スマホ)に乗り換える
- インターネット回線を見直す
- 不要な保険は解約する
- 保障内容の重複を見直す
- 維持費化がかかる車を手放す
- 不要なサブスク・月額会員は解約する
借金を完済するための8つの対策については、こちらの記事を参考にしましょう。
「借金で首が回らない…どうすれば?完済のための8つの対策を知り、債務整理が可能か判断しよう」
弁護士に相談
返済できない程の借金があるときには、弁護士に相談しましょう。債務整理をする検討している場合も、弁護士への相談が欠かせません。債務整理を成功させるのは、債権者との交渉を行ったり、法律の規定に基づいて申立書を作成し、必要な資料を集め、裁判所に提出しなければなりません。
このような手続きを代理で行ってくれるのが、法律の専門家である弁護士です。また弁護士に債務整理を依頼することで、債権者からの取り立ては即座にストップします。また手続きが終わるまでは、借金返済の必要もなくなります。以降は弁護士が窓口となり、債権者との対応を任せられます。
自分にどの債務整理法が合っているか分からないという場合も、弁護士に借金の総額や毎月の返済可能額を伝えることで、ベストな選択肢をアドバイスしてもらえるはずです。同時にどのようなメリットやデメリットがあるかも説明してくれるでしょう。債務整理を検討している方は、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
債務整理するときの注意点
借金返済が困難で債務整理を考えている場合、次のような注意点があります。結婚後にこんなはずじゃなかったと後悔しないよう、よく理解しておきましょう。
数年間はブラックリストに載る
上で説明した通り、債務整理を行った場合には信用情報機関にある個人信用情報に登録されます。信用情報機関は加盟金融機関別に3つの機関があり、それぞれに登録期間や登録内容が異なります。
信用情報機関/債務整理の種類 | 任意整理 | 個人再生 | 自己破産 |
---|---|---|---|
株式会社シー・アイ・シー(CIC) | 任意整理そのものは登録されない
3カ月以上の延滞や代位弁済などが5年間登録される |
個人再生した事実は載らない | 免責許可決定が確認できた後の報告日から5年間 |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | 受任通知が送付された時点から5年間 | 個人再生を申立てた事実が発生日から5年以内掲載(契約日が2019年9/30以前)、決定後5年以内掲載(2019年10/1以降) | 免責許可決定の確定日から5年で削除 |
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 任意整理そのものは登録されない
代位弁済などが5年間登録される |
個人再生を申立てした事実は載らない(個人再生につき開始決定が出た事実は掲載:開始決定日から10年以内) | 手続開始決定日から最長で10年間 |
信用情報機関に事故情報が掲載されると、次のようなことができなくなります。
- 新規の借入やローン
- クレジットカードの利用・新規作成
- 奨学金などの保証人になること
- 信販系保証会社との契約が必須な賃貸物件の契約
それぞれの信用情報機関同士は、独自のネットワークで情報を共有しているため、全ての信用情報機関の事故情報が解消されるまで、新規にローンを申し込んだりクレジットカードを作成するのは避けましょう。
ブラックリストに載る情報や詳しい期間については、こちらの記事を参考にしましょう。
「債務整理するとブラックリストにのる?気になる『ブラックリスト』についてすべてお答えします!」
本人以外はブラックリストの影響を受けない
債務整理した本人は、5年もしくは10年間ブラックリストに載ることによる影響を受けますが、本人以外の家族はたとえ配偶者であっても、その影響を受けません。そのため、ブラックリスト登録機関に保証人になる必要が出た場合や、ローンを組みたいときには、配偶者の名前で申し込むことができます。
またクレジットカードなどは配偶者名義であれば、債務整理の影響を受ける心配がありません。本人がカードを作れない場合でも、配偶者名義のクレジットカードの家族カードを作成することで、これまで通りカードで買い物ができるようになります。
債務整理によるデメリットについて詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「債務整理したらどうなる?デメリットや影響を把握して、後悔しない借金解決方法を!」
借金を繰り返す可能性
債務整理した本人に、いわゆる「借金癖」がある場合には、一度借金をきれいにしてもまた借金を繰り返すことが考えられます。同じようにギャンブルや浪費による借金も、よほど自制しない限りまた繰り返す可能性があるでしょう。結婚後も借金生活が続くと、安定した結婚生活を送るのが難しくなります。
お金に困る結婚生活になる可能性
債務整理を行った場合でも、自己破産して借金がすべて免除されたケース以外は、分割して残りの借金を返済していかなければなりません。結婚後も毎月借金返済が必要なため、生活費に困る毎日になるかもしれません。また車や家電など、高額な買い物をするときには、ローンを組めない相手に代わって自分のクレジットカードを使ったり、分割払いを申し込む必要が。
常に借金がある状態を負担に思う人もいるでしょう。借金を抱えている彼女や彼氏と結婚を考えている方は、債務整理した場合であっても、結婚後の家計についてしっかりと考えておく必要があります。
借金は完済したら終わりではない
彼女や彼氏の借金を完済できても、借金した理由次第では根本解決とはなりません。とくに結婚して生活を共にしたいと思うのであれば、相手との金銭感覚のズレは大きな問題になるでしょう。ギャンブルや浪費が原因の借金であれば、お金の問題以前に依存症に対する治療が必要になるかもしれません。
債務整理した場合でも、任意整理や個人再生では3~5年は返済が続きます。またブラックリストによる影響がなくなるまでは、5年~10年の期間が必要です。今の相手と結婚すると決めた場合には、お金の使い方について一緒に考え、将来に向けた行動を協力して取っていきましょう。
まとめ
彼女や彼氏の借金がある場合、結婚するかどうかは慎重に判断してください。まずは相手に借金の総額や理由について確認し、相手の態度と共に判断材料としましょう。返済が継続できそうなときには、家計管理などを協力し、完済を目指してください。相手の態度が不誠実だったり、借金の金額、理由如何では結婚はもちろん今後の付き合いも考えるべきでしょう。
自分の借金で結婚を迷っている方は、借金について必ず結婚前に相手に打ち明けてください。そのうえで返済プランに基づいて返済していることをアピールし、具体的な数字を提示して説明するといいでしょう。場合によっては弁護士に相談して、債務整理することも検討してください。
債務整理すると、一定期間ブラックリストに載ることで様々なデメリットが生じます。また返済が続く状態で結婚した場合には、お金に困る生活になる可能性が高いでしょう。借金の性質次第では完済したら終わりというわけでなく、相手と一緒になって金銭感覚のズレを解消し、将来に向けて一緒に努力する姿勢が必要です。