カードローンの借金を一括返済請求された…!理由と対処法、返済できないときの相談先を解説

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  • 「カードローンの借金を延滞していたら一括返済するようにとの通知が来た…」
  • 「一括返済請求されたときの正しい対処法は?」

カードローンは使い道が自由で限度額内であれば繰り返し借入ができるので、気軽に利用している人も多いのではないでしょうか。しかし一方でつい延滞してしまったためにある日突然一括返済請求の通知が届き、どうしようかと不安になるというケースも少なくありません。

そこでこちらの記事では、カードローンの借金を一括返済請求される理由と対処法、一括返済請求された後の流れについて解説していきます。また返済できないときの相談先や対処法も紹介するので参考にしてください。一括返済請求が届くというのは相当「ヤバい」状況です。すぐに適切な対処をしていきましょう。

 

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目次

カードローンを一括返済請求される理由

今まで分割で返済できていたカードローンの借金。どうして一括で返済するように請求されてしまうのでしょうか。

「期限の利益」が喪失したため

カードローンの借金を一括返済請求されるのは、「期限の利益」が喪失したためです。こちらでは期限の利益という言葉の意味や期限の利益が喪失する具体的なケースについて解説していきます。

期限の利益とは

期限の利益とは、借金の返済義務を負う債務者に認められた権利のこと。ローン契約時に債務者と債権者(貸金業者)の間で金銭消費貸借契約を結ぶのが一般的です。その契約でいつまでに返済するかという期限を決めます。つまり一定の期限が到来するまでは、借金を全額返済する必要がありません。これが期限の利益です。

契約上毎月の分割払いにするという内容を決めた場合、債務者は毎月の支払期限までに決められた金額のみを返済すれば、残額すべてを返済しなくてもいいということになります。

期限の利益喪失通知が届いたときの対処法が知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

「期限の利益喪失通知が届いたときの対処法|借金延滞で届く理由と届いた後に起こることとは」

カードローン以外でも一括返済請求される

契約上期限の利益が設定されるのは、カードローン以外にも次のような借金の種類があります。

  • クレジットカードのキャッシング
  • クレジットカードのショッピング代金の後払い
  • 住宅ローンやカーローン
  • 奨学金
  • 家電やスマホ本体等の分割払い
  • 継続的な商品売買契約による「○日締め翌月○日支払い」等の場合

これらの契約で毎月決まった期日までに分割払いで返済している場合、いくら債権者に「○日までに残額を一括で返済してください」と言われても、債務者は「期限の利益があるので支払いません」と主張できるという訳です。

奨学金を一括返済するように請求された場合の対処法は、こちらの記事を参考にしましょう。

「奨学金を一括返済するよう請求された!無視した場合のリスクと対処法を解説」

期限の利益が喪失するケースとは

期限の利益は債務者の権利と紹介しましたが、次のようなケースで喪失する場合があります。前出の通り、期限の利益を喪失すると債権者の請求通りに残額を一括で支払わなければなくなります。

法律上の喪失事由

民法第137条では、次のような場合に債務者は期限の利益を主張できないとしています。

  • 債務者が破産手続開始決定を受けたとき
  • 債務者が担保を滅失・損傷・減少させたとき
  • 債務者が担保を供する義務を負う場合でもこれを拒否するとき

債務者が自己破産の手続きに入ったときや担保を減少させたとき、担保を提供しないときには、完済の可能性が低くなるとして、債権者を守るという意味で期限の利益喪失を認めています。

参考:民法|e-GOV法令検索

契約上の喪失事由

貸金業者との契約で「期限の利益喪失条項」として定めた場合、一定の事由があったときに期限の利益を喪失します。契約上の喪失事由でよくあるのは、次のようなケースです。

  • 分割払いの返済が遅れたとき
  • 債務整理をしたとき
  • 不渡り手形を出したとき
  • 財産状況の悪化や虚偽が発覚したとき
  • 仮差し押さえ・差し押さえが実行されたとき
  • 債務者が死亡したとき
  • 債務者の住所が不明なとき
  • 契約時の申告の虚偽が発覚したとき
  • 債務者が反社会的勢力だったとき
  • その他信用状態が著しく悪化したとき

主な期限の利益喪失理由

カードローンの借金を一括返済請求される場合によくあるのが、次のような理由からです。

虚偽の申告・変更し忘れ

ローン申し込み時に虚偽の内容を申告したり、住所や勤務先等が変わっても変更手続きを怠ったときに、期限の利益を喪失する可能性があります。ローンに通りやすくなるようにと虚偽の年収や勤続年数を申告するのはやめましょう。同様に申告内容に変更があった場合には、速やかに変更手続きを行ってください。

督促を無視している・長期間延滞している

カードローンの借金の返済ができず、貸金業者からの督促を無視していると延滞から2カ月前後で一括返済請求されます。初めのころは電話やハガキでの督促が来ますが、一定期間を過ぎると残債を一括で返済するようにという内容に「一括請求通知書」が自宅に届きます。

カード破産増加の原因や対処法が知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「カード破産増加の原因と対処法|再び破産しないための対策を知り、最悪の事態を回避しよう」

保証会社が代位弁済した

銀行系のカードローンを利用する場合、契約時にその銀行の子会社である消費者金融等が保証会社となり、その保証会社との契約も必要です。保証会社の審査に通らないと借入ができず、分割返済ができなくなったときに債務者に代わって保証会社が金融機関にローン残額を支払うという仕組みです。これを代位弁済(だいいべんさい)といいます。

保証会社による代位弁済が行われると期限の利益喪失事由となり、債務者は保証会社に一括返済するように求められます。

債権回収会社に債権が譲渡された

債権回収会社に債権(ローン)が譲渡された場合も、一括返済請求をされる可能性が高いです。債権回収会社とは、元々の債権者に代わって債権の回収を専門で行う会社のこと。法務大臣の許可を得て、法律(サービサー法)に基づいて業務を行う会社です。例えば次のような金融機関で、債権回収会社との関連があります。

金融機関・ローン商品名 債権回収会社
三井住友銀行カードローン・モビット SMBC債権回収株式会社
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(プロミス)・レイク アビリオ債権回収株式会社
楽天カード・イオンクレジットサービス パルティール債権回収株式会社
クレディセゾン・セブンCSカード・りそなカード ジェーピーエヌ債権回収株式会社

カードローンを延滞して一定期間が過ぎると、債権回収会社から「債権譲渡通知書」が届きます。その後「督促状」や「督促支払申立書」などの書面が届くようになり、最終的に一括請求の督促を受けます。

すでに債権回収会社から通知が届いていたという方は、こちらの記事を参考にして適切な対処をしてください。

「債権回収会社からの手紙が届いた…理由とこれから起こること、対処法を詳しく解説」

一括返済請求された後の流れ

では一括返済請求された後はどのような流れで進んでいき、最終的にはどのような措置が取られるのでしょうか。

一括返済請求通知が届く

一定期間延滞していると、一括で残額全額の返済を求める「一括請求通知」が届きます。一括請求通知はローン契約した貸金業者からだけでなく、保証会社や債権回収会社、裁判所からも届きます。それぞれの書面の内容や注意点は以下の通りです。

貸金業者から届く場合

貸金業者から届く一括返済通知は内容証明郵便で届くことが多く、中には「○月○日までに元金・利息・遅延損害金を含む全額を一括返済しないと法的措置を取る」といった内容が記載されています。この時点ではまだ裁判を起こされていません。すぐにお金を準備して全額支払えば、それほど大事にはならないでしょう。

逆に一括請求通知を無視し続けていると、そのまま訴訟に発展する可能性が高いという訳です。

楽天カードの延滞1カ月のリスクと支払えないときの対処法は、こちらの記事を参考にしてください。

「楽天カードの延滞1ヶ月は危険?延滞期間別のリスクと支払えない時の対処法」

保証会社・債権回収会社から届く場合

本来の貸金業者からではなく、保証会社や債権回収会社から一括請求通知が届いた場合には、法的措置が迫っていると考えてください。見慣れない社名の会社からよく分からない手紙が届いたからといって、放置するのは厳禁です。

とくに債権回収会社は、債権回収を主業としている会社です。債権を回収するためなら裁判を提起したり差し押さえすることに抵抗はありません。債権回収会社からの代位弁済通知書には次のような内容が記載されています。

  • 保証会社・債権回収会社が代位弁済を行ったこと
  • 代位弁済した金額
  • 代位弁済した金額と遅延損害金を、保証会社・債権回収会社に一括返済するように求める内容

債権譲渡通知書が届いたときの対処法は、こちらの記事を参考にしましょう。

「債権譲渡通知書が届いたときの対処法|詐欺の見分け方と注意点とは?」

裁判所から届く場合

裁判所から「訴状」や「支払督促」といった題名の書面が届いた場合、すでに貸金業者が法的措置を取ったことを意味します。裁判所から通知が届いたときには、迅速な対応が必要です。裁判所から書面が届く時期はまちまちで、延滞から数カ月のこともあれば数年経ってから届くことも珍しくありません。

すでに裁判手続きに移行しているときには、任意での分割交渉はほぼ不可能と考えていいでしょう。強制執行による差し押さえを避けるための対処が必要となります。

借金を放置して裁判所も無視し続けるとどうなるかについては、こちらの記事を参考にしてください。

「借金放置して裁判所も無視するとどうなる?放置後に起こることを知り、適切な解決方法を選択しよう」

遅延損害金を加算される

カーローンの返済を延滞し続けて一括返済請求されるまでに至ると、通常の利息の他に遅延損害金が加算されます。遅延損害金とは延滞したことによるペナルティという意味合いを持ち、本来の返済期日の翌日から発生します。つまり延滞期間が延びるにつれ、遅延損害金の金額も増えていきます。

遅延損害金の年利は利息制限法により規定されていて、元本の金額に応じて次のように上限が決められています。

元本の金額 上限金利(年利)
10万円未満 20.0%
10万円以上100万円未満 18.0%
100万円以上 15.0%

実際の遅延損害金の金額は、次の計算式で算出できます。

遅延損害金=借入残高×遅延損害金の利率(%)÷365×延滞日数

信用情報機関に登録される

カードローンを延滞して2~3カ月すると一括返済請求を受けるケースが多いですが、この時期になるとすでに信用情報機関には、延滞の情報が事故情報として登録されています。いわゆる「ブラックリスト状態」です。通常カードローンの返済を2カ月以上延滞すると、事故情報が登録されるためです。

信用情報機関とは、クレジットカードやローン契約、分割払いなど取引の情報を収集して管理している機関です。日本には3つの信用情報機関があり、正規の貸金業者であればいずれか又は複数の信用情報機関に加盟しています。事故情報が登録されると、次のようなことができなくなります。

  • クレジットカードの利用・新規契約
  • カードローン・キャッシング
  • 住宅ローンやカーローンの契約
  • スマホ本体の分割購入
  • ローンや奨学金の保証人
  • 一部の賃貸物件契約

信用情報機関に事故情報が登録されると、将来的に返済を継続する能力や信用力が欠如しているとして「この人にお金を貸しても返済されないリスクが高い」と判断されるために上記のようなことができなくなります。

長期の延滞に関しては、信用情報機関によって延滞解消後1年以内~完済から5年以内で事故情報が登録されるとしています。この期間は新たにクレジットカードの契約ができなくなったり、ローンが組めないということを覚えておきましょう。

ブラックリストがいつ消えるのかや消し方については、こちらの記事を参考にしてください。

「ブラックリストはいつ消える?消し方は?個人信用情報をきれいにする方法」

財産を差し押さえられる

一括返済請求をされてもなお無視し続けていたり延滞を解消できないと、最終的に財産を差し押さえられてしまいます。差し押さえの対象となる財産には、以下が挙げられます。

  • 給与(手取りの1/4または、手取りが44万円を超えるときには33万円を超過した分)
  • 一定以上の現金
  • 預貯金
  • 不動産
  • 車などの動産

とくに給与はすでに債権者に勤務先を知られているケースが多いため、差し押さえられやすいと考えます。不動産は競売にかけられ、車などの動産は裁判所の執行官が売却して借金の返済に充てます。

差し押さえからは逃れられない

裁判所の差し押さえからは逃れられないのが原則です。前出の通り、カードローンの契約時には勤務先の提出が必須です。これにより給与の差し押さえが容易になります。また2020年の法改正によって、1度目の給与差押が失業などで空振りに終わったときには、債権者は裁判所に「財産開示請求」を申し立てられるようになりました。

これにより債務者は裁判所に出頭して、自らの財産情報を開示する必要があります。正当な理由もなく拒むと、懲役刑または罰金刑を科せられることに(民事執行法第213条1項5号及び6号)。このようなことから差し押さえからの「逃げ得」ができなくなっています。

差し押さえは家に来るのか知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

「差し押さえは家に来る?家に来る理由・対象財産・差し押さえ回避法を解説」

勤務先に知られてしまう

給与の差し押さえにあうと、借金を延滞していることを勤務先に知られてしまいます。というのも給与の差し押さえ前には、裁判所から勤務先に「債権差押命令」という通知が届くため。この通知を受け取った場合、勤務先では従業員の給与支払いを一時停止して、給与の一部を債権者に支払う必要があります。

差し押さえは生活に欠かせない財産を失うだけでなく、仕事や職場での人間関係に大きな影響を及ぼす可能性があります。できる限り差し押さえまでに至らないよう、事前に対処してください。

給料差し押さえを無視できるのか知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「給料差し押さえは無視できる?差し押さえまでの流れや期間、回避方法について解説!」

カードローンを一括返済請求された場合の対処法

ではカードローンの借金を一括返済請求された場合、どのような対処を取ればいいのでしょうか。

返済できる場合はすぐに対応する

一括請求された金額を全額返済できるのであれば、速やかに入金手続きを取って下さい。差し押さえ等のリスクを回避できます。手元にお金がないときには、家族や親族に借りて支払うのも一つの方法です。その場合には「いつまでに返済する」といった内容の借用書を作成し、誠意ある対応を取るようにしましょう。

時効援用の手続きが可能かチェックする

長期間返済していなかったところから通知が来たときには、時効が成立していないかチェックしてください。時効が成立しているときには、時効援用の手続きによって借金の支払い義務がなくなります。消滅時効の期間は借金の種類や借入時期によって次のように変わってきます。

借入時期 借金の種類 消滅時効の期間
「消費賃借契約」の締結時期が2020年3月31日以前
  • 消費者金融
  • サラ金
  • クレジットカード会社
  • 銀行
  • 携帯電話の利用料金
  • 債権回収会社(債権譲渡した借金)
  • 保証会社(代位弁済した借金)
  • 信用金庫・信用組合・農協・商工中金・労働組合など(個人事業主の借金)
5年
  • 個人間の借金
  • 信用金庫・信用組合・農協・商工中金・労働組合(個人の借金)
  • 住宅金融支援機構
  • 信用保証協会
  • 奨学金
10年
「消費賃借契約」の締結時期が2020年4月1日~ すべての借金 5年

時効のカウントの開始日は、返済期限が決まっている借金の場合はその期日の翌日から、期限が決まっていない借金は契約成立日からとなります。消滅時効が到来している場合には、内容証明郵便で「時効援用通知書」を債権者に送付することで時効が成立します。

一方で次のようなケースでは、時効のカウントが一時的にストップしたり、リセットされてしまうので気を付けましょう。

時効のカウントが一時的にストップし、一定期間時効が成立しない(時効の完成猶予)
  • 催告(裁判外での請求)
  • 協議を行う旨の書面による合意
  • 裁判上の請求等(訴訟・支払督促・起訴前の和解・調停・破産手続参加)
  • 仮差押え・仮処分
  • 強制執行
時効のカウントがリセットされ、またゼロからカウントし直さなければならない(時効の更新)
  • 債務の承認(借金の存在や返済の意思があることを認めること)
  • 裁判上の請求等(訴訟・支払督促・起訴前の和解・調停・破産手続参加)
  • 強制執行

金融機関のほとんどは消滅時効についても熟知しているので、時効が到来するまえに何らかの手立てを講じてきます。時効が到来しているかの判断は難しく、法律に詳しくない個人が時効援用の手続きをするのはおすすめしません。時効援用の手続きをするときには、弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。

時効援用が失敗しないためのポイントについては、こちらの記事を参考にしましょう。

「借金の時効援用が失敗するケースを解説|失敗を防ぐ確認方法と失敗したときの対処法」

貸金業者から一括返済請求されたときの対処法

貸金業者から直接、一括返済請求された場合の対処法は以下の通りです。

自分で交渉する

一括返済請求が届いてすぐに連絡し、支払の意思を伝えたうえで延滞していた事情を誠実に話し、返済スケジュールを明確にすることで、返済期限を延ばしてもらえる可能性があります。

場合によっては再び分割での返済に応じてくれるかもしれません。ただし連絡が遅くなればなるほど交渉は難しくなります。また長期間延滞しているケースでは、これまでの経緯から分割交渉に応じてくれない可能性があることも覚えておきましょう。

自分で分割交渉する場合のポイントについては、こちらの記事を参考にしましょう。

「借金の分割交渉のやり方とは?成功させるポイントと自力交渉が難しいときの対処法」

専門家に交渉を依頼する

弁護士や司法書士に債権者との交渉を依頼するという方法もあります。専門家が間に入ることで、交渉に応じてくれる可能性が高まります。ただしこのような場合、案件に応じた費用がかかる点には注意が必要です。

保証会社・債権回収会社から一括返済請求されたときの対処法

保証会社や債権回収会社から代位弁済通知書や一括返済請求が届いた場合、分割交渉は難しいでしょう。交渉自体は可能ですが、すでに代位弁済が行われたということは再三の督促にも応じず延滞を続けたということを意味していて、信用は地に落ちた状態だからです。

早ければ2週間前後で差し押さえの手続きに移行する可能性があるため、早急に債務整理をする必要があります。まずは借金問題に詳しい専門家に相談したうえで、最も適した方法についてアドバイスを受けましょう。

代位弁済の書類が届いた後の対処法について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。

「『代位弁済』の書類が届いたときの対処法|放置してはダメな理由とその後起こる事とは?」

裁判所から一括返済請求されたときの対処法

裁判所から一括返済請求されるケースでは、「訴状」や「支払督促」が自宅に届くのが一般的です。それぞれの書面によって必要な手続きが変わってくるので、間違った対処を取らないようにしてください。

訴状が届いたケース

裁判所から訴状が届いた場合、指定された期日に裁判所に出向く必要があります。同封されている「口頭弁論期日呼出状」を確認して、指定の裁判所に記載された日時に出頭しなければなりません。

さらに期日前の期限までに同封された「答弁書」を作成して、裁判所に提出してください。答弁書には訴状に対する意見やこちらの希望(分割払いを前提とする和解手続きなど)を記載します。

答弁書を提出せず期日にも裁判所に出頭しないと、原告(債権者)の主張が全面的に認められて財産の差し押さえが実行される可能性が高いです。裁判手続きには専門知識が必要です。内容等に不備があると裁判で不利になる恐れがあるため、法律の専門家である弁護士に依頼するのが一般的です。

裁判所からの呼び出しに応じられないときの対処法は、こちらの記事を参考にしてください。

「借金延滞後に裁判に行けない場合の対処法|状況別8の方法と弁護士に依頼するメリットとは」

支払督促が届いたケース

裁判所から支払督促が届いた方は、到着後2週間以内に同封してある「異議申立書」を作成して裁判所に提出しなければなりません。支払督促とは、債権者からの申立てに基づいて裁判所が債務者に対して支払いを命じる法的手続き。つまり債権者が裁判をする入り口が、この支払督促になります。

期日までに異議申立書を提出しないと、裁判所から一括返済が命じられます。一括返済にも応じないと財産の差し押さえが実行されます。逆に異議申立書を提出することで、支払督促から民事訴訟の手続きに移行します。

どうしても返済できない場合の対処法

カードローンの借金をどうしても返済できない場合には、次のような対処が必要です。

借金の悩みを相談する

返済できない程の借金を抱えて、自分ではどうしたらいいか分からないという方は、以下のようなところで借金相談をしてみてください。具体的な借金解決方法を提示してくれるはずです。

上記の機関が行っている相談は基本無料でできます。債務整理を依頼する弁護士の紹介や、弁護士費用の立て替えなども行っているので、気軽に相談してみましょう。

怖くて借金相談ができないという方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「借金相談が怖くてできない…借金を放置する危険性と無料で相談できる窓口を知り、借金問題を早期に解決」

債務整理を検討する

カードローンの一括返済請求を受けて一括で返済できない場合や、分割交渉に応じてもらえないときには、債務整理を検討すべきでしょう。債務整理とは債権者との直接交渉や、裁判所を介する手続きで借金の減額や免除を求める手続き。借金の負担を軽減することで、借金問題を解決可能にできます。

債務整理には任意整理・個人再生・自己破産の3種類があり、それぞれに手続き方法や特徴、メリット・デメリットが異なります。

任意整理

任意整理は債権者との交渉で、今後支払う予定の利息やすでに加算されている遅延損害金を減額できる手続き。また返済期間を3年~5年に延長できるので、毎月の返済負担を減らせます。住宅ローンや保証人がいる借金があっても、対象のカードローンに対してのみ手続き可能です。

こちらは裁判所を通さない手続きとあって、職場や家族に知られずに手続きを進められます。和解後は元本のみの返済が続くので、できるだけ返済を継続したいという方に向いています。

ただしすでに一括請求をされているケースでは、債権者との交渉がスムーズに進まない可能性があります。交渉を行う場合には、法律の専門家である弁護士に依頼した方がいいでしょう。

任意整理で減額できる仕組みと向いている人については、こちらの記事を参考にしてください。

「任意整理で借金どれくらい減る?減額できる仕組みと向いている人、減額割合をシミュレーション」

個人再生

個人再生とは、裁判所に返済が難しいことを認めてもらうことで、借金総額を1/5~1/10に減額できる手続きです。総額5,000万円以下の借金に有効で、継続して安定した収入がある方に向いています。借金の理由を問わず職業・資格制限がないのも個人再生のメリット。

一方ですべての借金が手続き対象となるため、保証人に減額分の返済義務が移ったり、ローン返済中の車を引き上げられる可能性があります。また全ての債務整理に共通することですが、債務整理の情報は信用情報機関に登録されるため、5年~10年の間はクレジットカードの新規作成やローン利用ができなくなります。

個人再生で家計簿の提出が必要か知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

「個人再生で家計簿の提出が必要?理由と重視ポイントを知って手続きを成功させよう」

自己破産

自己破産は、裁判所に返済不能状態を認めてもらうことで、すべての借金の返済義務を免除(免責)できる手続き。一括返済請求されている場合や、差し押さえが開始されていても手続き可能です。また以後は返済すべき借金が残らないので、いち早く生活再建に踏み出せます。

しかし自己破産には、次のようなリスクやデメリットがあります。

  • 一定以上の財産を処分される
  • 手続き期間中は特定の資格・職業に制限がある
  • 保証人に返済義務が移る
  • 官報に住所や氏名が掲載される
  • ギャンブルや浪費による借金は免責が認められない

自己破産には免責不許可事由があり、ギャンブルや浪費が理由の借金、財産隠しなどに該当すると免責が認められません。その場合には反省の態度や更生の可能性を裁判所が総合的に判断して、例外的に免責を認める場合があります(裁量免責)。

自己破産申請中の生活について不安な方は、こちらの記事を参考にしてください。

「自己破産申請中の生活|制限されること・されないこととやってはいけないこととは?」

弁護士に相談する

借金を返済できずに困っている方は、弁護士に直接相談するのが近道です。弁護士に相談することで、次のようなメリットが得られます。

債権者からの取り立てをストップできる

弁護士に債務整理の手続きを依頼した場合には、債権者からの取り立てをストップできます。貸金業法では、弁護士が依頼人から依頼を受けて債務整理の手続きを開始するときに送付する「受任通知」を受け取った時点で、正当な理由がある場合を除いて債務者に直接督促することが禁止されています。

任意整理や個人再生の場合は、手続きが終わるまで返済しなくてもよくなります。これにより精神的ストレスから解放されたり、弁護士費用を貯めることも可能です。

裁判や財産の差押えを回避できる

弁護士に依頼して債務整理を行うことで、法的措置や差し押さえを回避できるというメリットがあります。裁判外で債権者と交渉がまとまれば、任意整理が可能です。すでに裁判を起こされている場合でも、個人再生や自己破産という方法で借金を減免できます。

すでに給与等の財産の差押えが行われている場合には、個人再生や自己破産の手続きを進めることで、差し押さえの効力を失効できます。一方で任意整理の場合は難しいでしょう。給与から強制的に回収ができる差し押さえの方が確実に回収できるからです。

債権者との交渉を任せられる

弁護士に依頼すると、債権者との分割交渉や任意整理の交渉を任せられます。弁護士は法律のプロであるだけでなく、交渉のプロでもあります。個人で債権者と交渉しようとすると、知らないうちに不利な条件で合意してしまう可能性があります。しかし弁護士に依頼すると、なるべく依頼者に有利な条件で交渉をまとめてくれるでしょう。

難しい書類作成や手続きが軽減できる

すでに法的措置を取られている方は、裁判所に提出する「答弁書」や「異議申立書」の作成を依頼できます。債務整理を依頼する場合でも、裁判所を介する個人再生や自己破産では、申立時にたくさんの書類を提出しなければなりません。そのような場合でも、弁護士に書類作成や収集を依頼できます。

過払い金の有無が分かる

弁護士に相談すると、今まで返済してきた借金に過払い金が発生しているかどうか調べてもらえます。過払い金とは、利息制限法と旧出資法とで異なる上限金利の間で発生していた「グレーゾーン金利」のこと。2010年6月17日以前から消費者金融やクレジットカード会社から借金していた方は、過払い金が発生しているかもしれません。

もし過払い金が発生している場合には、返還分だけ借金を減額できたり、すでに完済済みの分に関しては利息分が戻ってくる可能性も。該当している可能性がある方は、借金問題に詳しい弁護士に相談して、過払い金が発生しているか調べてもらいましょう。

まとめ

カードローンの借金を滞納して一括返済請求が来るのは、期限の利益が喪失したため。このまま放置し続けていると、差し押さえなどの法的措置を取られるので注意しましょう。一括返済請求は債権者だけでなく、保証会社や債権回収会社、裁判所からも届きます。送り先によって適切な対処方法が異なるので、どこから送られてきたのか確認が必要です。

一括で返済できる現金がある場合には、早急に入金手続きをとってください。債権者からの場合には直接交渉で分割払いが再開できるかもしれません。保証会社や債権回収会社から届いた場合は、債務整理などの手続きが必要です。裁判所からの書面が届いた方は、弁護士に相談したうえで、必要な対策を取っていきましょう。

カードローン以外にも借金があり、到底返済ができないという場合には債務整理を検討すべきでしょう。それぞれの種類ごとに適した人が異なります。借金問題に詳しい弁護士に相談したうえで、自分の借金状況や家計、今後のライフプラン等に応じた方法を選択していきましょう。

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