- 「バンドルカードは滞納してもブラックにならないって本当?」
- 「もしバンドルカードの支払いができなかったらどうなる?」
バンドルカードはクレジットカードで有名なVISAが発行する、アプリタイプのプリペイドカードです。審査なしで発行ができる上「ポチッとチャージ」という後払い形式の決済ができる点が魅力です。
後払いということは、当然借金やクレジットカードと同じように支払いをしなくてはいけません。もしバンドルカードの返済ができなかった場合はどうなるのでしょうか?
この記事ではバンドルカードの支払いが遅れた場合の危険性を紹介しています。滞納をし続けると一体どうなるのか、支払いができない際の対処法と併せて解説をしていきますので参考にしてください。
バンドルカードの支払いが遅れるとどうなる?
バンドルカードは先に残高を支払い、その範囲内で使用できるカードです。しかし「ポチっとチャージ」というサービスを付加することで、後払いでチャージができるようになります。
利用した分は翌月末までにチャージ分と手数料を合算した金額を支払わなくてはいけません。もし期日までに利用分の支払ができなかった場合は一体どうなるのでしょうか?実際の流れを順を追って解説していきます。
遅延損害金が発生する
ポチッとチャージの支払期日は利用した月の翌月末です。この日までに支払ができなかった場合、翌日から滞納とみなされ一日ごとに遅延損害金が発生するようになります。ポチッとチャージの遅延損害金は年率14.0%。支払いが済むまで一日ごとに、利用金額と手数料に上乗せで加算され続けます。
例えば1万円利用し、30日支払が遅れた場合の遅延損害金は以下のように計算できます。
ポチッとチャージでは1回の利用ごとに所定の手数料がかかりますが、遅延損害金を算出する際は手数料も計算の対象である点に留意してください。利用金額が多いほど、延滞日数が長引くほど遅延損害金は高くなります。
支払の督促が届くようになる
期日までに支払ができなかった場合、その翌日からアプリやメールを通し支払の督促メッセージが届くようになります。またセブン銀行コンタクトセンターの電話番号(050-3159-9953)から電話がかかってくる場合も。
バンドルカードの運営は株式会社カンム、Gardia株式会社の2社が行っていますが、後払いサービスであるポチッとチャージについてはGardia株式会社と株式会社セブン銀行が合同で管理・運営を行っているためです。
ポチっとチャージの限度額が下がる
ポチっとチャージの申込み上限額は3,000円~最大50,000円の間で設定されています。初回は3,000円~5,000円程度に金額が設定されており、取引を重ねるうちに金額がだんだん上がっていくケースが大半です。
しかしポチッとチャージの支払いが期日までにできなかった場合、一度に3,000円~5,000円にまで限度額が下がることがあります。支払いが遅れることにより信用度が下がるため、その影響で上限額も下がってしまいます。
バンドルカードが使えなくなる
支払いが確認できない状態が一カ月以上続いた場合はバンドルカードそのものが使えなくなります。利用を再開するためには滞納している分の支払を済ませ、利用再開の手続きを取らなくてはいけません。
延滞によってカードが使えなくなっても一度チャージした残高はなくなりません。しかし支払いが一切できなくなるため、バンドルカードを分割払いやサブスクの支払などに利用していた方は注意が必要です。
債権回収会社などから督促が届くようになる
延滞が数カ月続くと、ポチっとチャージを運営するGardia株式会社やセブン銀行ではなく保証会社や債権回収会社から督促の連絡が来るようになります。
運営側が督促を行っても効果がない、返済分のお金を回収できないと判断した場合、債務者へ通知することなく債権譲渡が行われるためです。この事については、Gardia株式会社の後払い規約に明記されています。
第7条【債権譲渡】
1.当社は、当社か必要と認めた場合、当社か販売店等から譲り受けた利用者に対する商品代金債権を、当社所定の事業者(保証会社)に譲渡する場合があります。利用者は、当該債権譲渡を予め異議なく承諾するものとします。
引用元:Gardia後払いサービス規約
裁判所から督促状が届く
保証会社や債権回収会社からの連絡も無視し続けていた場合、保証会社・債権回収会社が法的措置を取る可能性があります。法的措置を取られると簡易裁判所から「督促状(支払督促)」が届きます。
裁判所からの支払督促は「特別送達」という特殊な郵便で届きます。特別送達は原則として本人への手渡しで届けることになっていますが、本人が不在の場合は家族や同居人へ渡すこと(補充送達)も認められています。
裁判所から支払督促が届いた場合でも、請求されている金額の支払いをすれば問題ありません。支払いができない場合は支払督促に同封されている「異議申立書」を二週間以内に送付し、異議申し立てを行う必要があります。
強制執行による差し押さえが行われる
裁判所から「督促状(支払督促)」が届いたにも関わらず滞納を続け、異議申し立ても行わなかった場合、「仮執行宣言付支払督促」が届きます。仮執行宣言とは、裁判の判決が決定する前に強制執行(財産や給与の差し押さえ)を認める制度のこと。
滞納を理由に給与や財産の差し押さえを行う場合、本来であれば裁判で判決が確定しなければいけません。しかし仮執行宣言を行うことにより、裁判が確定する前でも差し押さえが実行できるようになります。
仮執行宣言付支払督促を2週間無視すると、相手の主張を全面的に認めたことと等しくなり、給与や財産の差し押さえが可能になります。財産を隠すことを防ぐため差し押さえは本人への予告なしに行われます。
給与の差し押さえを受けた場合
給与の差し押さえが決定すると裁判所から勤務先に「債権差押命令」が届きます。債権差押命令には、債務者が借金を滞納し、それを回収する目的で給与を差し押さえる旨が明記されています。
給与が差し押さえの対象の場合、全額が差し押さえられるわけでありません。債務者の生活を維持しなくてはならないため、差し押さえの上限は以下のように決まっています。
手取り金額 | 差押えの対象 |
---|---|
44万円以下 | 4分の1まで |
44万円超 | 33万円を超える部分 |
一度の差し押さえで債権が回収できない場合、全額を回収できるまで複数回にわたり給与の差し押さえが実行されます。給与差し押さえの詳しい手順や回避方法については、以下の記事で詳しくまとめています。
給料差し押さえは無視できる?差し押さえまでの流れや期間、回避方法について解説!
預金の差し押さえを受けた場合
銀行口座が差し押さえの対象となった場合、預金金額もしくは回収対象の金額いずれか高い金額が預金口座から引き落とされます。差し押さえの日付は本人に一切通知されませんが、口座に残高が確実にある給料日後に実行されるケースが多いです。
差し押さえを受けたあとも口座は今まで通り使用できますが通帳の摘要欄には「差押」「サシオサエ」と記載されるため、家族にバレるリスクがあります。
銀行口座の差し押さえについては以下の記事で詳しくまとめています。借入先に申告をしていない銀行口座が差し押さえになる理由、差し押さえをされそうな時の対処法についても解説いていますので、ぜひ参考にしてください。
なぜ銀行口座の差し押さえは会社や家族にバレる?バレないケースや対処方法を詳しく解説
バンドルカードは滞納してもブラックにならない?
借金に関する情報を扱うWeb記事では「バンドルカードは滞納してもブラックにならない!」と紹介されていることがあります。しかし実際にはポチっとチャージを長期間滞納をすると信用情報にその旨が記録され、いわゆるブラックと呼ばれる状態になります。
「滞納してもブラックにならない」は誤解!
バンドルカードを運営している株式会社カンム、Gardia株式会社はいずれも貸金業者ではないため個人信用情報機関に加入していません。個人信用情報に事故情報が登録されるとブラックになりますが、そもそも加入をしていないことから「滞納してもブラックにならない」という情報が広まったと考えられます。
しかし後払いサービスの「ポチっとチャージ」には株式会社セブン銀行の「セブン銀行後払いサービス」が導入されており、支払関連についてはセブン銀行が管理を行っています。セブン銀行は個人信用情報機関の一つである全国銀行個人信用情報センター(KSC)に加盟しているため、延滞によってブラックになる可能性は十分にあり得ます。
またGardia後払いサービス規約にも、必要な範囲で信用情報機関に情報を提供する旨が明記されています。
当社は、業務委託先及び信用情報機関に対し、本サービスの提供に必要な範囲内で当該情報を提供する場合がありますので予めご了承ください。
引用元:Gardia後払いサービス規約
このことからも「滞納してもブラックにならない」という情報は間違いであるといえます。
バンドルカードで借りたお金は踏み倒せない!
また「ポチっとチャージは踏み倒しができる」「支払いせず放置しても大丈夫」という情報を見たことがある方もいるかもしれません。先に解説をした通り、支払いをせず放置を続けていると最終的には法的措置を取られ、給与もしくは預金を差し押さえられることになります。返済をしないまま過ごすことは不可能と言えます。
借金には時効があり、最終返済日から5年が経過すると時効が成立し借金はなかったことになります。しかし実際に借金の時効が成立することは極めて困難です。時効には時効の更新(中断)という制度があり、以下のいずれかに該当すると時効までの年数がリセットされるためです。
- 債務者が借金の存在を認める
- 債権者が支払督促の申立てを行う
- 債権者が訴訟を起こす
債権回収会社や保証会社は当然時効についても熟知しているため、時効が成立しないよう手を尽くします。そのため時効成立によって借金を踏み倒すことは実質不可能と考えてよいでしょう。
バンドルカードを使うリスクや危険性とは
バンドルカードは現金が手元にない時でも後払いができる、大変便利な機能です。そのためクレジットカードと同じように使用できますが、以下のような危険性もありますので注意が必要です。
- 後払いの手数料が高額
- 不正利用されるリスクがある
- 現金化による更なるリスク
ここではあらためて、バンドルカードの危険性について解説をしていきます。滞納をしていない方もぜひ参考にしてください。
後払いの手数料が高額
ポチっとチャージは、一回申込をするごとに金額に応じた手数料がかかります。
申込金額 | 手数料 |
---|---|
3,000円~1万円 | 510円 |
1万1,000円~2万円 | 815円 |
2万1,000円~3万円 | 1,170円 |
3万1,000円~4万円 | 1,525円 |
4万1,000円~5万円 | 1,830円 |
この手数料を年利に換算すると、3000円をチャージした際は年利200%以上、5万円の利用でも40%を超える計算に。消費者金融の上限金利である18%と比較するとはるかに高額であることが分かります。
貸金業者の上限金利は利息制限法で規定がされていますが、ポチっとチャージの手数料はあくまでもプリペイドカードのサービスのため、利息制限法の対象となりません。そのため手数料が高額でも違法ではありません。
ポチっとチャージはクレジットカードを使えない方にとって大変便利なサービスです。しかし何度も利用すると手数料だけでかなりの金額になるため、計画的な利用を心がけましょう。
不正利用されるリスクがある
バンドルカードは別途申込をしない限り、実際のカードではなくバーチャルカードでの発行です。スマートフォンやタブレットがあれば時間・場所を問わず利用が可能です。
そのため実物のカードと比較するとサイバー犯罪の標的になりやすい傾向があります。また未成年が保護者に黙ってバンドルカードを利用するというトラブルも。こまめに利用履歴を確認し、身に覚えのない支払がないかを確認する必要があります。
バンドルカードの現金化はできない
バンドルカードの使用方法として「現金化におすすめ」と紹介しているサイトも中にはあります。チャージ残高で商品などを購入し、それを売ることで現金を受け取るという手法です。
しかしバンドルカードを現金化の目的で利用することは後払いサービス規約で禁止されている行為です。現金化目的での利用が運営に知られた場合、利用停止となる恐れもあります。
利用者が、以下のいずれかに該当する場合、若しくは該当すると当社が合理的に判断した場合、本サービスのご利用をお断りするとともに、その後本サービスを含む一切の当社のサービスのご利用をお断りする場合がございます。(中略)
(6)利用者が現金化を目的として本サービスを利用した場合、意図的な未払い等の詐欺的な行為をした場合、又は違法行為に利用した場合
引用元:Gardia後払いサービス規約
また購入した金額分をそのまま現金化できるわけではないこと、ポチっとチャージの手数料が高額であることも踏まえると現金化を目的としたバンドルカードの利用はデメリットが大きい行為です。現金化はしないことを強くお勧めします。
バンドルカードを滞納した場合の対処法
ここまではバンドルカードを延滞した場合のリスク、そしてバンドルカードそのものの危険性について解説を行いました。最後に既にバンドルカードを滞納している方、もしくは支払が滞りそうな方に向けて滞納した時の対処法を解説します。
請求状況をきちんと確認する
ポチっとチャージは、当月にチャージした分を翌月にまとめて支払うシステムです。クレジットカードのリボ払いのように後から分割払いに変更することはできないため注意しましょう。
身に覚えのない請求がないかどうか、期日は何日までなのかをよく確認するようにしてください。また期日を過ぎている場合は遅延損害金が加算されているため、合算した金額を準備するようにします。
滞納分を速やかに支払う
バンドルカードには支払期限が設定されていますが期限を過ぎた後でも支払いは可能です。遅延損害金は一日ごとに加算されていくため、早く支払うことに越したことはありません。入金の目途ができ次第手続きをしましょう。
支払いの方法は以下の4通り。いずれもアプリのトップ画面から「支払いへ」→「支払い方法を選ぶ」を選択することで支払い用の画面へ遷移できます。
- コンビニ
- ネット銀行
- セブンイレブンATM
- 銀行ATM(ペイジー)
コンビニ
ローソンのLoppi、ファミリーマートのマルチコピー機から料金支払いを選択し、申込券を発行します。その後レジで申込券を提示し、そのまま支払いを行ってください。対応しているコンビニはファミリーマート、ローソン、ミニストップ、セイコーマートです。
ネット銀行
支払いを行いたい金融機関を選択すると、その銀行のインターネットバンキングのページに遷移します。そのままログインを行い、振込の手続きを実行しましょう。
セブンイレブンATM
支払い方法選択画面で「セブンイレブンATM」を選択すると、QRコードを読み取る画面になります。セブンイレブンATMトップ画面の「チャージ」→「QRチャージ」、旧型ATMの場合はトップ画面の「スマートフォンでの取引」をタッチするとQRコードが表示されるため、そのまま読み取ってください。
セブンイレブンATMは硬貨に対応しておらず紙幣のみで支払う必要があるため、残高よりも多く金額を準備しなくてはいけません。紙幣のおつりがある場合は返金されますが、硬貨分のおつりはバンドルカードの残高にチャージされます。
銀行ATM(ペイジー)
ATMのトップ画面の「ペイジー(Pay-easy)」もしくは「各種料金払込」を選択し、バンドルカードのアプリに表示されている「収納機関番号」「お客様番号」「確認番号」を入力しましょう。口座の残高から支払いたい場合は、その後キャッシュカードを挿入することで支払いができます。
JAバンク、青森銀行、荘内銀行、百十四銀行は対応していないため注意してください。
連絡をして事情を伝える
今は支払いが不可能でも、支払いができる日が分かっている場合はあらかじめ連絡をしておきましょう。必ずというわけではありませんが、支払い予定の日まで督促の連絡を止めて待ってもらえる場合があります。
支払いの約束をする場合は以下の3つを聞かれることが多いため、伝えられるようにしましょう。
- 支払いが遅れる理由
- 入金予定日
- 入金が可能になる理由(給料日など)
連絡先はアプリのサービス提供事業者であるGardia、セブン銀行のいずれかです。自分が利用しているアプリがどちらの事業者になっているかを確認した上で連絡を行いましょう。利用事業者は、ポチっとチャージの支払い画面で確認が可能です。
(参考:バンドルカードサポート|ポチっとチャージ後払いサービス提供事業者の確認方法)
借金問題に強い弁護士に相談する
バンドルカードのポチっとチャージに限らず、クレジットカードや消費者金融の返済ができずに困っている方は弁護士に相談をすることをお勧めします。弁護士に相談をすることで、借金の返済が大きく軽減できる可能性があります。
ポチっとチャージの支払いをせず放置を続けると、最終的には法的措置に移行し、予告なく給与や預金を差し押さえられる恐れがあります。その段階にまで進むと、弁護士に相談をしただけでは止められない可能性が高いため、早いうちに相談をすることをお勧めします。
債務整理について詳しく知りたい方は、以下の記事をぜひ参考にしてください。債務整理の手段や具体的な手順をまとめています。
債務整理の種類は4つ!メリットデメリット・変わること・向いている人を解説
まとめ
バンドルカードのポチっとチャージは、好きな時に後払いが利用できる大変便利なサービスです。審査なしで発行できるという性質上「延滞してもブラックにならない」等と考える人もいますが、実際にはそのようなことはありません。
ポチっとチャージは延滞をすることで信用情報に異動情報が登録されるため、他社からの借り入れができないブラックの状態になります。返済せず放置し続けると訴訟に発展し給与や預金口座の差し押さえが実行される可能性も。
バンドルカードは期限を過ぎた後でも支払いができるため、支払いをする余裕がある方は早めに返済を行いましょう。返済が難しい場合でも、先に運営会社へ連絡をしておくことで督促の連絡が止むことがあります。他の借金が重なって支払いが難しい場合は早めに弁護士に相談をし、借金を軽減する手続きを検討することをお勧めします。