家賃をキャッシングして支払うのはあり?判断のポイントと家賃を支払えないときのリスク&対処法とは

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  • 「今月の家賃支払いがピンチ…キャッシングして支払ったほうがいい?」
  • 「毎月のように家賃が支払えないときの対処法が知りたい」

毎月かかる家賃は、多くの人にとって負担になります。とくに最近は物価上昇や家賃高騰とも相まって、家賃の支払いが苦しいという人もいるのではないでしょうか。そこでこちらの記事では、キャッシングして家賃を支払っても問題ないかの判断基準や、家賃を支払えないと起こることについて詳しく解説していきます。

さらに家賃が支払えないときの対処法と、相談先も紹介。家賃が支払えず困っている方は参考にしてください。家賃以外にも借金を延滞しているという方は、借金問題を根本から解決すべきタイミングかもしれません。専門家の力を借りながら、自分に合った方法で借金問題をクリアにしていきましょう。

 

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家賃をキャッシングして支払うのはアリ?ナシ?

では家賃をキャッシングして支払うのはアリなのでしょうか、それともナシなのでしょうか?こちらでは判断のポイントや注意点について解説していきます。

一時的な利用ならOK

一時的に手持ち資金が不足して、クレジットカードのキャッシングやカードローンを利用するのは問題ないと考えます。とはいえ、これらの借金は年利15.0~18.0%の高金利のため、他の方法で家賃分をねん出できないか検討したうえの最終手段とすべきでしょう。

クレジットカードにはキャッシング枠が設けられている場合が多く、この枠の範囲内ならすぐにキャッシングできます。ただしキャッシングした分の支払いは、あらかじめ契約で決められている「当月○日締め翌月▽日払い

」にショッピング分と一緒に銀行口座から引き落としされます。期日までに引き落とし分を準備できる方は利用しても大丈夫でしょう。

利用限度額をチェックする

ただしキャッシング枠が家賃分をカバーしているかの確認は必要です。そもそも持っているクレジットカードにキャッシング機能がない場合には、新たに申し込みをして審査を受ける必要があります。審査結果が出るまでに1~2週間の時間を要するケースがあるため、急を要する場面では利用できない可能性も。

まずはクレジットカード会社のHPからマイページをチェックして、キャッシング枠があるかや利用可能枠(下度額)がいくらになっているか確認してみましょう。

総量規制に注意する

キャッシングして家賃や引っ越し費用を支払いたいときには、総量規制に注意してください。総量規制とは貸金業法に基づいて決められている、年収当たりの借入限度額のこと。個人が消費者金融やクレジットカードのキャッシングを利用する場合には、その借入総額が年収の1/3までと決められています。

年収300万円の人は100万円まで、年収600万円の人は200万円までというのが借入上限です。そのためすでに消費者金融から相当額を借り入れしている方は、高額な滞納家賃や引っ越し費用をキャッシングして支払うことができない可能性があります。

毎月支払えないようなら要注意

家賃をキャッシングして支払うのは、あくまでも緊急時の一時的な解決方法として考えるべきでしょう。毎月の家賃が不足しているようなら、根本的な解決が必要に。キャッシングして支払うのは止めて、下で紹介する解決方法を検討してください。

家賃が支払えないとどうなる?

では家賃が支払えないとどのようなことが起きるのでしょうか。こちらでは時系列に沿って紹介していきます。

督促が行われる

家賃を契約で決まった期日までに支払わないでいると、仲介した不動産会社や管理会社、家主から督促を受けます。電話やメール、文書などで「滞納家賃を○日まで支払うように」と督促されます。このような督促は滞納分が解消されない限り続きます。

電話や文書などで督促しても支払われないときには、内容証明郵便で督促状が届く場合があります。ここには支払期限の他に「支払が確認できない場合には賃貸借契約を解除する」といった内容が記載されています。賃貸借契約を解除されるということは、すなわち借りている部屋から追い出されてしまうことを意味します。

遅延損害金が発生する

家賃を期日までに支払わないでいると、不動産会社や家主から遅延損害金を請求されるケースがあります。遅延損害金は家賃の金額や滞納した期間の長さに応じて計算されます。また遅延損害金の利率は、消費者契約法によって、上限の金利が年利14.6%と決められています。遅延損害金の計算方法は以下の通りです。

家賃×遅延損害金の年利(%)÷365×滞納日数=遅延損害金の金額

ちなみに10万円の家賃支払いを60日滞納した場合の遅延損害金の金額は、10万円×14.6%÷365×60=2,400円です。それほど大きくない金額に思われますが、滞納期間が長引くにつれて遅延損害金の金額も増加します。とくに家賃は毎月一定額がかかるため、遅延損害金も倍々で増えていく点に注意してください。

連帯保証人に連絡が行く

家賃を支払えないまま支払いの目途が立たない場合や、契約者本人と聯絡が取れないときなどは、連帯保証人に連絡が行きます。いつ連帯保証人に連絡が行くかはケースバイケースですが、一般的に家賃延滞が1~2カ月続くと不動産会社や家主から連絡が入るようです。

連帯保証人に連絡が行くと、家賃を滞納していることを知られるだけでなく、代わりに支払うよう請求されるため、保証人に心配や迷惑をかけてしまうでしょう。賃貸借契約を結ぶ場合、連帯保証人や保証会社との契約は必須です。連帯保証人はいざというときに契約者の代わりに支払う義務を負うため、請求を拒否することは基本的にできません。

連帯保証人は支払いを拒否できるかに関しては、こちらの記事を参考にしてください。

「連帯保証人は支払い拒否できる?種類・状況ごとの対処法を知って差し押さえを回避しよう」

保証会社が代位弁済をする

賃貸借契約時に保証会社と契約した場合は、保証会社が滞納家賃を代位弁済します。こちらも滞納が発生してから1~2カ月後に実施されるのが一般的です。代位弁済が実施されると、保証会社から「代位弁済通知書」という書類が送付されます。

しかし代位弁済されたからといって、家賃の滞納はなくなる訳ではありません。今度は保証会社から、立て替えた分の滞納家賃を請求されます。

代位弁済の書類が届いた場合の正しい対処法は、こちらの記事を参考にしましょう。

「『代位弁済』の書類が届いたときの対処法|放置してはダメな理由とその後起こる事とは?」

信用情報に登録される

家賃の支払いができずにいると、信用情報機関にある個人の信用情報に延滞情報が登録される可能性があります。とくに保証会社と契約している場合や、家賃をクレジットカード払いに設定している場合です。通常は60日以上の滞納で事故情報として登録されます。いわゆる「ブラックリスト状態」です。

一度延滞情報が登録されてしまうと、延滞が解消された完済日から5年程度は記録が残ります。その間は次のようなことができなくなります。

  • 新規でクレジットカードが作れない
  • 今まで使えていたクレジットカードは更新のタイミングで使えなくなる
  • ローンやキャッシングの契約ができない
  • スマホなどの分割払いが利用できない
  • 奨学金などの保証人になれない
  • 賃貸物件の審査に通らない場合がある

キャッシュレス決済が主流の今、クレジットカードが使えなくなるのは大きな痛手です。またカーローンや住宅ローンを利用できないので、大きな買い物がしにくくなるでしょう。このように一度ブラックリスト状態になってしまうと、その後の生活に少なくない影響が出てしまいます。

契約解除の手続きが進む

家賃の督促を受けても支払わないでいると、賃貸借契約そのものを解除される手続きが進められてしまいます。1カ月程度の滞納であればすぐに家を追い出されることはありませんが、3カ月以上の家賃滞納が続く場合には注意が必要です。今の家に住み続けたいときには、早急に何らかの対処が必要です。

明渡し訴訟が提起される

契約解除の通知後も家賃滞納が続くときには、原告である家主や管理会社が裁判所に物件の明け渡しを求める「不動産明渡請求訴訟」を提起します。裁判所は滞納の状況や期間などを精査したうえで、明渡しの必要があるかどうかを判断します。裁判所が原告側の主張を認めた場合には、物件明渡しを命じる判決が出ます。

強制退去

不動産明渡請求訴訟で原告側が勝訴して判決が確定した後は、強制執行(強制退去)の申立てがなされます。強制執行の申立てから2週間以内に、執行官が当該物件を訪問して退去の猶予期限が伝えられます。この期限はおおむね1カ月程度で、この間に自主的に部屋を明け渡さないと、執行官によって強制的に荷物が搬出されます。

強制退去となった場合には、家賃滞納分はもちろん、退去にかかった費用も請求されて支払い義務が生じます。費用は30万~100万円程度かかります。

家賃滞納を無視するリスクについて詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。

「家賃滞納を無視するリスク|強制退去を回避する方法と新たに家を借りるポイントとは」

家賃・引っ越し費用が支払えないときの対処法

家賃や引っ越し費用が支払えず、キャッシングやカードローンも利用できないときには、次のような対処法を実践していきましょう。

早めに管理会社や家主に連絡する

家賃の支払いが難しいと分かったら、早めに管理会社や不動産会社、家主に連絡を入れてください。その場合には支払えなくなった理由(病気・入院・被災など)を正直に話し、いつ頃までなら支払えるのかを具体的に伝えてください。誠意をもって対応すれば、期日の延期や分割払いに応じてもらえるかもしれません。

ただし延期や分割払いに応じてもらえるかどうかは、あくまで相手の判断次第。相談すれば必ず待ってもらえるわけでないことは理解しましょう。

家計を見直す

毎月の家賃支払いに負担を感じたり、毎月支払いが遅れるというときには、家計の見直しから始めてください。すぐに収入をアップさせるのは難しいでしょうが、支出を見直してその分を家賃支払いに回すことは可能です。少なくとも2、3カ月は家計簿を付けてみて、毎月どのような費用にいくらかかっているか洗い出しましょう。

光熱費や通信費など毎月かかる固定費から見直すと、効率的に支出を抑えられます。例えばスマホの通信料を格安プランに見直す、格安SIMに乗り換えるなどです。他にも不要なサブスクサービスの契約を取りやめる、保険料をシンプルなプランに変更するといった見直しも有効です。

食費が支払えずに借金しようかお悩みの方は、こちらの記事を参考にしてください。

「食費が足りない…借金したほうがいい?すぐできる対処法と毎月の赤字を防ぐ方法とは」

家賃分を先に確保する

給与が入ったら、先に家賃分を確保しておく工夫も必要です。家賃の支払いは生活の基盤となる重要な固定費です。家賃の支払いができなくなる事態を避けるためにも有効な手段といえます。家賃の引き落としを給料日の次の日に設定する、家賃分を先に別口座に移しておくといいでしょう。

家賃分を引いて残ったお金で1カ月生活できるようになれば、家賃の支払いで苦労することは防げるはずです。

収入に見合う物件へ引っ越しする

家賃の金額が高すぎると感じたり、家賃負担を減らしたいとお考えの方は、自分の収入に見合う物件に引っ越すことを検討してください。一般的に家賃は「手取り月収の3割以下」が目安とされています。手取り月収が30万円の方は、9万円以下の家賃で暮らせるようにしましょう。

仕事場所や生活環境のこだわりなどで3割を超える方は家賃以外の部分で節約を心がけてください。より安い家賃の物件に引っ越すときには、転勤や入学のピークとなる3月~4月を避けるのがポイント。物件の家賃交渉がしやすくなるだけでなく、引っ越し費用を抑えられます。

自動引き落としにする

家賃の支払いを銀行振込やコンビニ払い、現金手渡しで支払っているかたは、口座からの自動引き落とし(口座振替)に変更してみてはいかがでしょうか?家賃の支払い忘れを防げるだけでなく、支払いの手間を省けます。口座のある銀行で一度手続きするだけで、あとは毎月の期日に自動的に口座からしはらわれるので便利。

ただし手続きが完了するまで一定の時間がかかるので、初回の期日には別の方法で支払う必要が出てくるかもしれません。また口座残高が不足している状態だと引き落としが実行されず、家賃滞納のリスクがあることも覚えておきましょう。

クレジットカード払いに変更する

口座振替ではなく、クレジットカード払いにするという方法もおすすめです。実質的に一カ月後払いとなるため、支払いに余裕が生まれます。また利用金額に応じてキャッシュバックやポイントが付与される点もメリットです。こちらも一度クレジットカード払いにすれば、次回の支払いは自動化されます。

しかしこちらの支払い方法ができるのは、クレジットカード払いに対応している物件に限られます。また手続きに時間がかかる場合もあるので、初回支払いがいつからになるのか事前に確認しておきましょう。

親族や友人から借りる

上で紹介した方法で家賃の支払いができないときには、家族や友人からお金を借りて家賃を支払うという方法があります。クレジットカードのキャッシングや消費者金融のカードローンと異なり、高い利息が発生しないのが大きなメリットといえます。

しかしいくら借りる相手が近しいからといって、支払期限や支払い方法を明確にしないのはトラブルの元。できれば借用書を作成して、借入額や返済期限、返済方法などの条件を記載するようにしてください。家賃支払い分を借りた後は、信頼関係を壊さないためにも約束通り返済していきましょう。

友人から借金するときの注意点は、こちらの記事を参考にしましょう。

「友人から借金するときの注意点と上手な借り方|借りたお金を返せないときの対処法とは」

公的支援制度を利用する

キャッシングもできず親しい人からも借りれない方は、公的支援制度を利用してお金を準備する方法があります。条件次第では無利息で借りられ、要件を満たしている方に限り返済の必要がない給付を受けられることも。どのような制度が利用できるのか、詳しく調べてみましょう。

生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は、低所得者世帯や障害者世帯、高齢者世帯や失業世帯など、家賃の支払いが困難な方を支援する制度です。利用を希望する方は、お住まいの地域の民生委員に相談の上、申込手続きをします。その後社会福祉協議会を通じて審査が行われ、貸付の可否が決定されます。

緊急小口資金

緊急小口資金は、上で紹介した生活福祉資金貸付制度に含まれます。急な出費があり家賃が支払えないときなどに活用でき、利息なしで最大10万円までかりることができます。また保証人も要らないため、比較的ハードルが低い制度となっています。

返済は2カ月以内の据置期間を経て、その後1年以内に支払を完了しなければなりません。とはいえ無利息で借り入れできるので、一時的に家賃の支払いが難しいときなどに有効です。

総合支援資金

総合支援資金もまた生活福祉資金貸付制度の一つで、失業などで生活に苦しんでいる方を対象として、様々な資金を貸し付ける制度です。貸付上限額は原則3カ月間(最大12カ月まで延長可能)、単身世帯で月15万円以内、2人以上の世帯では月20万円以内となっています。

こちらも無利子・保証人は不要で、1年以内の据置期間を経過して、10年以内の償還期限とします。失業中の方がこちらの制度に申し込む場合は、ハローワークへの求職申込と職業相談が必須です。詳しくはお住いの社会福祉協議会までお問い合わせください。

住居確保給付金

住居確保給付金は、離職や解雇、やむを得ない休業等で生活に困窮している方を対象に、家賃分を支給してもらえる公的制度です。こちらもハローワークに求職の申し込みをしたうえで、求職活動をすることが条件です。給付金の支給は、自治体から賃借人や不動産会社へ直接支払われます。

支給は原則3カ月ですが、申請によって最大9カ月まで延長可能。お住まいの地域や世帯人数によって上限の支給金額が変わってきます。離職・廃業後2年以内、世帯収入の合計が基準額以下であるなどの要件があるので、給付を希望する方は担当窓口にご相談ください。

求職者支援制度

失業中の方や収入が少ない方を対象に、再就職やスキルアップを目指すためのものが、求職者支援制度です。月10万円の給付金を受給しながら、ハローワークによる就職サポートや無料の職業訓練が受けられます。給付の要件は以下の通りです。

  • 本人収入が月8万円以下
  • 世帯全体の収入が月30万円以下
  • 世帯全体の金融資産が300万円以下
  • いま住んでいるところ以外に不動産を所有していない
  • 訓練実施日すべてに出席する

訓練期間中の2~6カ月間受給でき、家賃の支払いに充てられます。失業中や収入が少なく、家賃の支払いに困っている方は、この機会にスキルアップを目指してはいかがでしょうか。

子育て世帯生活支援特別給付金

低所得のひとり親世帯や住民税非課税の子育て世帯を対象にした「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」もあります。児童1人当たり5万円の給付が受けられるので、家賃不足分に充てられます。18歳未満の児童を扶養する子育て世帯であって、父母の他児童扶養手当法の「扶養者」も支給対象です。

臨時特例つなぎ資金貸付制度

住む家がない離職者に対しては、社会福祉協議会が行っている「臨時特例つなぎ資金貸付制度」が利用可能です。貸付上限額は10万円以内で、無利子・保証人不要で借りられます。詳しくはお住いの社会福祉協議会までお問い合わせください。

自治体独自の支援制度

自治体独自の支援・補助金制度もあります。例えば東京都新宿区では、賃貸物件の取り壊しなどで立ち退きを求められている方を対象に、転居後の家賃相当額を支援しています。また子育て世帯が同区に転居してきた場合に利用できる助成制度もあります。

多くの自治体で移住や住み替えに対する支援を行っているので、まずはお住まいもしくは転居予定の自治体窓口に問い合わせてみましょう。

生活保護

やむを得ない事情で働けなかったり、働けても十分な収入を得られない場合には、生活保護の受給を検討しましょう。生活保護は健康で文化的な最低限度の生活を国が保障し、自立を促す公的制度。資産や能力等のあらゆるものを活用してもなお最低限の生活費を得られないと子が条件で、世帯の人数や年齢に応じた保護費が受け取れます。

お住まいの福祉事務所に相談したうえで訪問調査や資産調査を行い、保護を受けられるかの審査を行います。生活保護受給中は、ケースワーカーによる年数回の訪問調査を受け、必要な生活指導に従ってもらう必要があります。また毎月の収入状況の申告も必須です。詳しくはお近くの福祉事務所までご連絡ください。

生活保護受給中の債務整理については、こちらの記事を参考にしましょう。

「生活保護を受けている人の債務整理|気になる手続き費用と自己破産するときの注意点とは」

債務整理を検討する

滞納している家賃だけでなく、他にも借金があって支払いが難しいときには、債務整理を検討した方がいいのかもしれません。債務整理には主に、任意整理・個人再生・自己破産の3種類があり、借金の状況や収入の有無などにより適した人が異なります。債務整理の方法や借金の減免割合については以下で詳しく解説します。

滞納家賃を債務整理するとどうなる?

家賃を滞納している人の中には、税金や借金などの支払いも延滞しているという方が少なくありません。そのようなときに有効なのが債務整理なのですが、それぞれどのような手続きで、どの程度借金が圧縮できるのかについてこちらで詳しく解説していきます。

ただし場合によっては、債務整理後に今住んでいる賃貸に住めなくなる可能性があります。またすでに家賃滞納による裁判を起こされている場合の結果も変わってくるため、どの方法を選択すべきか慎重に検討しましょう。

任意整理

任意整理の方法や減額割合、向いている人は以下の通りです。

  • 債権者との直接交渉で、将来利息や遅延損害金を減額
  • 減額後の借金は原則3年、最長5年で完済を目指す
  • 利息の高い借金や遅延損害金が発生している借金に向いている
  • 手続き後も返済が続くので、安定した収入が必要
  • 減額割合が少なく、借金総額が多い人には効果が薄い
  • 交渉する債権者を選べるので、カーローンや住宅ローン、保証人がいる借金を除外できる
  • 家族や勤務先に知られる可能性が低い

今住んでいる賃貸に住み続けたい方は家賃以外の借金を任意整理の対象とし、そこで浮いたお金で家賃滞納を解消するという方法が取れます。

裁判提起後

すでに家賃滞納による明渡請求訴訟を起こされている場合、任意整理の交渉に応じてくれない家主もいます。すでに裁判のために費用や手間をかけているという理由だけでなく、訴訟に勝てば強制執行によって強制的に財産を差し押さえられるためです。

ただ実際に裁判が始まっている場合でも、交渉次第で任意整理できる可能性があります。滞納家賃を利息や遅延損害金なしで分割返済すると交渉し、今後の家賃を確実に支払うことに合意ができれば、任意整理が成功します。また裁判の判決確定前に家主と和解できれば、これまで通り退去せずに住み続けられることも。

ただし和解や任意整理が成功しない場合は裁判で明渡しが確定すると、期限までに荷物を搬出されて強制退去となってしまいます。

任意整理で借金がどのくらい減るのか知りたい方はこちらの記事を参考にしましょう。

「任意整理で借金どれくらい減る?減額できる仕組みと向いている人、減額割合をシミュレーション」

個人再生

個人再生は裁判所に申し立てて、借金総額に応じた額を大幅に減額できる手続き。手続きの特徴は以下の通りです。

  • 100万円以上、5000万円以下の借金に有効
  • 小規模個人再生の場合は最低弁済基準・清算価値保障基準のどちらか多い方が最低弁済額となる
  • 給与所得者等再生の場合は最低弁済基準・清算価値保障基準・可処分所得基準のいずれか多い方
  • 手続き後の返済期間は3年~5年
  • 一定上の安定した収入が必要
  • 原則として全ての借金が対象
  • 減額分は連帯保証人に返済義務が移る
  • 返済中の住宅ローンがある場合は「住宅ローン特則」を利用できる
  • 税金や慰謝料などの「非免責債権」は減額できない
  • 住所や氏名などの情報が「官報」に掲載される
  • 手続きが複雑で費用や期間がかかる

個人再生は基本的に非免責債権以外すべての借金が対象となるので、滞納家賃も減額可能。1~2カ月程度の滞納であれば家主も柔軟に対応してくれる可能性が高いですが、3カ月以上滞納の場合は滞納を理由として、契約解除や強制退去を求められる恐れがあります。

また個人再生手続き中の家賃支払いはNGです。個人再生は基本的にすべての債権を平等に扱わなければならず、家賃も債権の一つとなります。特定の債権(家賃)だけを支払うと「偏頗弁済(へんぱべんさい)」とみなされて個人再生が失敗する可能性があります。手続き中の家賃支払いに関しては、手続きを依頼する専門家に相談してください。

裁判提起後

すでに明渡請求訴訟を起こされている場合でも、個人再生を申し立てられます。裁判自体はストップできないものの、家主は強制執行ができなくなります。その間に個人再生の手続きを進めて再生計画案が認められれば、以降は減額された滞納家賃を計画通り支払っていけば問題ありません。

ただし賃貸借契約がすでに解除となっている場合、滞納家賃の減額はできるものの、今住んでいる賃貸からは退去しなければならない可能性が高いです。すでに家主との信頼関係が崩れていて、今後の家賃支払い能力が改めて審査されるため。今の家に住み続けたい場合は、賃貸借契約が解除される前に迅速な個人再生の手続きが必須です。

注意点

個人再生の手続き中は、転職や退職など収入を減少させる可能性のある行為はNGです。というのも裁判所は申立て時点での再生計画案を見て判断するため。再生計画案を作成した時点で十分な収入があった方でも、手続き中に転職や退職をして収入が減ってしまうと、再生計画案が認可されない可能性があります。

転職で収入が増加する見込みだとしても、転職したばかりでは継続的に収入を得られる見込みが不透明と判断されて、個人再生が失敗に終わる恐れがあります。そのため個人再生の手続き中は、極力転職や退職は避けるのが賢明です。

個人再生でやってはいけないことについて詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。

「個人再生でやってはいけない15のこと|スムーズに進めるコツを知って、手続きを成功させよう」

自己破産

自己破産は裁判所に借金返済が不可能だと認めてもらうことで、すべての借金の返済義務を免除できる手続き。手続きの方法や特徴は以下の通りです。

  • 処分可能な財産や免責不許可事由に該当しない場合は「同時廃止」
  • 処分可能な財産や免責不許可事由に該当するときは破産管財人が選任される「管財事件」
  • 非免責債権を除くすべての借金が手続きの対象
  • 一定額以上の財産が処分され、債権者に分配される
  • 手続き期間中は特定の職業・資格に制限が出る
  • 免責が許可されない免責不許可事由(ギャンブル・浪費など)がある
  • 住所や氏名などの情報が「官報」に掲載される
  • 無職や生活保護受給中でも手続き可能

自己破産は3種類ある債務整理の中でも、最も強力な手続きです。滞納家賃を含むすべての借金が対象となり、全ての借金の返済義務を免除できる点が特徴です。手続き後は返済が必要な借金が残らないので、いち早く生活再建ができるのもメリット。

免責の対象となるのは、「破産手続開始決定前」に発生している家賃滞納です。破産手続開始決定後に発生した家賃は、免責の対象とならない点に注意が必要です。

また自己破産の有無にかかわらず、家賃滞納によって立ち退きを求められる可能性があります。滞納分が自己破産で免責されたことと、家賃を支払い続けられるかの判断は別問題とされるためです。「また滞納されるかもしれない」と判断されると、賃貸から退去しなければならなくなります。

裁判提起後

すでに明渡請求訴訟を起こされていても、個人再生と同じように自己破産の手続きができます。ただし自己破産の場合は、同時廃止になるか管財事件になるかで、裁判のその後が変わってきます。

同時廃止
  • 裁判自体は中断しないものの、判決確定後も強制執行はできない
  • 最終的に免責が許可されても、裁判で滞納家賃を請求されたとしても支払う必要がなくなる
管財事件
  • 破産手続開始決定と同時に、裁判が中断する
  • 免責許可決定後は、滞納家賃の支払い義務がなくなる

ここでも裁判の結果と立ち退きを求められるかは別問題となります。今の家に住み続けたいとお考えの方は、家主との信頼関係が崩れる前に適切な対処をしていきましょう。

家賃滞納による裁判の呼び出しについて知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「家賃滞納による裁判所への呼び出し|裁判の流れと和解するためのポイント、滞納家賃の対処法を徹底解説」

注意点

破産手続き中は原則として無許可で居住地を変更したり旅行に出ることはできません。これは破産管財人が選任される管財事件にのみ適用となる制限です。というのも自己破産を申立てた本人は、裁判所や破産管財人の求めに応じてすぐに対応しなければならず、引っ越しや旅行などで連絡が取れないことがあってはならないため。

許可なく引っ越し等をした場合には、その行為自体が「免責不許可事由」に当たり、免責が許可されなくなります。手続き中にどうしても引っ越しや移動の必要があるときには、事前に破産管財人に許可を取るようにしましょう。

自己破産申請中に制限されることについては、こちらの記事を参考にしましょう。

「自己破産申請中の生活|制限されること・されないこととやってはいけないこととは?」

債務整理後の引っ越しについて

借金や滞納家賃の負担が軽くなったものの、債務整理後に立ち退きを求められて引っ越しを余儀なくされる方がいるかもしれません。こちらでは債務整理後の引っ越しに関する注意点について解説していきます。

入居審査が厳しくなる可能性

債務整理後でも賃貸借契約を結ぶことは可能です。ただし選んだ物件によっては、入居審査が苦しくなる可能性があります。これは家賃の滞納や債務整理によって、信用情報機関に事故情報として登録されたため。信販系の保証会社や一般社団法人全国賃貸保証業協会(LICC)に加盟している保証会社の審査がある場合には、信用情報がチェックされて審査に落とされる可能性があります。

保証会社の審査が必須な物件でも、信用情報のチェックを行わずに独自の基準で審査を行うところもあります。債務整理後に新たに家を探すときには、どのような種類の保証会社を使っているか事前に不動産会社に確認しましょう。

自己破産中に引っ越しを行う場合の注意点は、こちらの記事を参考にしてください。

「自己破産中の引っ越しは許可が必要?破産手続き中や自己破産前後に引っ越す際の注意点を解説」

保証会社を利用しない方法で契約する

保証会社を通さずに連帯保証人を立てることで、賃貸借契約をするという方法もあります。地元密着型や比較的規模の小さい不動産会社、家主が個人で管理する物件の中には、保証会社を通さずに連帯保証人のみで契約できるケースも。債務整理後でも保証人の信用力や本人の収入状況に問題なければ、審査に通る可能性が高いです。

不動産会社や家主には伝える必要なし

債務整理後に引っ越しをする場合、「債務整理したことを不動産会社や家主に伝えなければならないの?」と不安に思う方もいます。しかし家賃滞納の心配がない場合には、特に債務整理について伝える必要はありません。家賃を滞納しない限り、過去の債務整理は直接契約関係に影響を及ぼすことはないからです。

まとめ

家賃をキャッシングして支払うのは、一時的な方法としては「アリ」です。しかし毎月家賃の支払いが苦しいようなら安易に借金するのではなく、家計を見直したりより家賃の安い物件に引っ越すなどの工夫が必要です。家賃を滞納し続けると最終的には強制退去となります。最悪の事態に陥る前に、早め早めに手を打っておきましょう。

家賃以外にもクレジットカードのキャッシングや消費者金融のカードローンの支払いができない場合には、借金そのものを解決すべきタイミングかもしれません。債務整理に詳しい弁護士に相談したうえで、どのような方法が適しているかアドバイスをもらってください。

すでに明渡請求訴訟を起こされている場合は、債務整理の種類によってその後の返済状況や退去の必要があるかが変わってきます。自分の希望を弁護士に伝えたうえで、困ったときには随時相談するのが債務整理を成功に導くポイントです。

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