- 「葬儀費用が思ったより高額…どうしよう」
- 「葬儀費用で困らないためにできることとは?」
近しい人が亡くなると、親族は悲しむ間もなく葬儀の準備に追われます。中には葬儀業者に言われるがままに内容を決めてしまい、後から葬儀費用を請求されて金額に驚かれる方もいるのではないでしょうか。こちらでは葬儀費用やお布施の相場金額を紹介するとともに、葬儀費用が支払えないときの対処法を解説していきます。
同時に利用できる公的制度や費用を抑えるポイントを知って、費用の負担を減らしましょう。いざというときに困らないよう、あらかじめ親や親族と葬儀について話し合っていくことも大切。葬儀は一度きりでやり直しがききません。費用を心配せずに故人を見送れるよう、事前にできる準備はしっかりとしましょう。
葬儀費用・お布施の相場金額
葬儀に参列したことがある方は多いでしょうが、葬儀費用が実際いくらかかるは、喪主側にならないとなかなか分かりません。まずは葬儀費用やお布施の相場金額について解説していきます。手元にある資金で葬儀費用をねん出できるのか、それとも前もって準備した方が良いかの判断をするためにも、葬儀費用の目安をおさえておきましょう。
葬儀費用の範囲
一般的に葬儀費用は「葬儀にかかる一式費用」「飲食接待費」「寺院に支払う費用(お布施)」に分類できます。こちらの記事では、寺院に支払うお布施以外の費用について見ていきます。以下は仏式による一般葬でかかる、一式費用と飲食接待費の内訳です。
| 葬儀にかかる一式費用 | 斎場利用料・サービス料・斎場人件費
祭壇費用(枕飾り・位牌・棺・骨壺・遺影・供花など) 火葬費用・運搬費用・安置料・ドライアイス代 |
| 飲食接待費 | 通夜振る舞い・火葬中の食事・精進落としなど
返礼品(会葬御礼) 香典返し |
斎場利用料は、会場の規模や収容人数によって変動します。また運搬費用は運搬距離に応じた金額となります。
葬儀費用の相場
葬儀費用の相場は、葬儀の種類によって大きく異なります。こちらは葬儀の種類ごとの相場金額です。
| 葬儀の種類 | 内容 | 相場金額 |
|---|---|---|
| 一般葬 | 通夜と告別式を行い、親族だけでなく友人や会社関係者など幅広い参列者を想定する葬儀の形式
参列者が多い分、準備するものが増えるので費用も高額になりがち |
160万円~ |
| 家族葬 | 親族や近しい知人のみが参列する小規模な葬儀形式
参列者は親族を含め10~30人程度 |
100万円~ |
| 一日葬 | 通夜を行わず、火葬と告別式を一日で進める葬儀形式
通夜にかかる費用を抑えられる |
80万円~ |
| 直葬・火葬式 | 通夜や告別式を行わず、火葬のみで儀式を行わない葬儀形式
運搬や火葬にかかる費用が中心となる |
20~40万円 |
全国の葬儀費用の平均は、「第6回お葬式に関する全国調査」によると118.5万円です。内訳は基本料金が75.7万円、飲食費が20.7万円、返礼品費が22.0万円です。基本料金は斎場の規模や祭壇のグレード、お布施の内容で大きく変わります。飲食費や返礼品費は参列者の人数に応じて変動します。
お布施の相場
仏式の葬儀を行う場合には、寺院や僧侶に支払うお布施が必要です。神式では玉串料や祭祀料といい、キリスト教式では献金や御花料として教会に御礼します。日本では約9割が仏式での葬儀となります。そのためこちらの記事では、寺院や僧侶に支払うお布施の相場について解説してきます。
お布施の金額は地域や宗派、戒名のランクによって変動しますが、20万~50万円が相場です。葬儀・告別式に限ったお布施の内容は以下の通りです。
| 御車代 | 寺院から斎場までの交通費 |
| 御膳料 | 葬儀後の会食に僧侶が参加しないときの食事代 |
| 戒名料 | 故人に戒名を付けてもらう費用 |
お布施の相場について不安な方は、事前に檀家の方や菩提寺などに直接聞いてみましょう。
葬儀費用はだれが払う?
葬儀費用の相場が分かったところで、こちらでは誰が葬儀費用を支払うかについて解説していきます。法的には葬儀費用を誰が支払うかに明確な決まりがありません。しかし一般的には次の3つのパターンが多くなっています。
- 喪主が払う
- 相続人で出し合う
- 故人の財産から払う
ただし対外的には、葬儀会社との契約でいうと契約者は喪主になります。そのため葬儀費用の支払い窓口は喪主になることがほとんど。相続人で分担しあう場合でも、一旦喪主が葬儀費用を立て替えて、その後相続人から分担分を出してもらうという方法になるでしょう。
葬儀費用の支払いは現金が基本
葬儀会社に支払う費用は現金で支払うのが一般的です。葬儀後に請求書を受け取り、請求額を葬儀から1週間~10日後の期限内に葬儀会社指定の口座に銀行振込で支払います。手元に葬儀費用に充てられる資金がない方は、早めに支払期限を確認するなどしてください。
お布施は葬儀前に支払う
葬儀費用の中でもお布施は、葬儀を行う前に現金で手渡すことが多いです。葬儀前に僧侶と遺族が顔を合わせる時間があるので、そのときにお布施を渡します。なおお布施を渡すタイミングは、地域や宗派、葬儀形態によって異なる可能性があります。事前にいつまで支払う必要があるか確認しておきましょう。
クレジットカードが使える場合も
葬儀会社に支払う費用は、クレジットカード払いが可能なこともあります。最近ではクレジットカード払いに対応している葬儀会社が増えつつあります。カード払いを希望するときには、あらかじめ葬儀会社に確認しましょう。
ただし葬儀費用は100万円を超えるケースがすくなくありません。カードの利用限度額を超えるとカード利用が制限されるので、限度額についても確認しておくといいでしょう。
ご祝儀のために借金した方が良いか知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
「ご祝儀のために借金をした方がいい?『ご祝儀貧乏』になる理由と準備できないときの対処法とは」
葬儀費用が準備できないときの対処法
時間的余裕や経済的余裕がなく、期限までに葬儀費用が準備できないときには、次のような対処法を検討してみてください。いくつかの方法を組み合わせることで、希望通りの葬儀を実施できるかもしれません。
香典を支払いに充てる
現金での支払いが必須の場合は、参列者からの香典を支払いに充てるという方法があります。香典の金額は数千円~数万円ですが、参列者が多いほど香典も多く集められます。葬儀費用のすべてを賄うのは難しいですが、負担軽減には大いに役立つでしょう。
ただし香典として受け取った場合は、金額の半分程度の返礼品を香典返しとして渡さなければなりません。また香典目当てに大きな斎場を借りたりすると、トータルの葬儀費用が増える恐れも。その点をきちんと計算した上で、葬儀の規模を決めていきましょう。
相続人で費用を分担
喪主が葬儀費用の全額を準備できない場合は、複数人いる相続人で費用を分担するのも一つの方法です。相続人の間で葬儀費用の負担について話し合い、負担方法について合意ができれば、1人当たりの負担を減らせます。とくに喪主に経済的余裕がなく施主(葬儀費用を負担する経済的責任者)を兼務できないときには、葬儀費用の負担方法について他の親族と話し合いましょう。
亡くなった方の保険を利用
亡くなった方が加入していた保険を利用して、支払われる保険金で葬儀費用を支払う方法もあります。受取人が施主や相続人に指定されている生命保険・葬儀保険に故人が加入していた場合には、保険会社に保険金を請求してください。
通常保険の支払いには、審査に一定の時間を要します。申請内容に問題がなく送付資料に不足がなければ、保険会社に申請してから最短で翌営業日に保険金が支払われることも。とくに葬儀保険は、葬儀費用として使えるように設計された保険商品です。他の保険よりも支払期間が短い特徴があるので、葬儀費用の支払いに間に合わせられるかもしれません。
親の借金は子が返済すべきか知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「親の借金、子供が返済すべき?法的な解釈とケース別の返済義務、注意点について解説」
クレジットカードの分割払いやボーナス払いを選択
クレジットカード払いに対応している葬儀会社なら、分割払いやボーナス払いを選択して支払いの負担を軽減できます。カード会社にもよりますが、3回~36回(または60回)の間で分割払いが可能です。またボーナス払いを選択すると、最大で半年程度の支払い猶予ができます。
ただし分割払いの回数を多く設定すると、手数料が増えて支払総額は高くなります。またお布施などは現金で手渡しするのが一般的なため、ある程度の現金を準備する必要があることを忘れずに。
クレジットカードが利用停止になったときの解除方法は、こちらの記事を参考にしましょう。
「クレジットカードが利用停止になったときの解除方法|停止の理由と回避の方法を知って適切な利用を」
費用を分割払いにする
葬儀費用の分割払いができる場合は、支払いの負担を軽減できます。大手の葬儀会社なら、分割支払いに対応している葬儀ローンが利用できる可能性が高いです。他のローンと同様、金利や手数料が設定されているので、トータルで支払う費用は増額しますが、一括払いは無理でも分割払いなら支払えるという方におすすめ。
葬儀ローンの利用方法は、葬儀の申し込みをする際に一緒にローンを申し込み、葬儀開始前までに審査結果が出るという流れです。必ず審査に通るという訳ではない点に注意してください。
カードローンの借金を一括請求されたときの対処方法は、こちらの記事を参考にしてください。
「カードローンの借金を一括返済請求された…!理由と対処法、返済できないときの相談先を解説」
葬儀費用が支払えないときの公的制度
葬儀費用を準備できない場合に利用できる公的支援制度があります。こちらでは5つの支援制度を紹介するので、参考にしましょう。
相続預金の払い戻し
通常、銀行や信用金庫などの金融機関は、自行に口座を持つ預金者が亡くなったことを知ると、口座を一時凍結します。これは遺産の不正な引出しや、相続人間の遺産トラブルを防ぐために行われます。この措置を知らずに葬儀費用を引き出そうと思い、凍結されていて引き出せないというケースがよくみられました。
しかし2019年7月の民法(相続法)改正により、遺産分割前の相続預金の払い戻しが可能になりました。引き出せる金額の上限は、金融機関ごとに故人の預貯金残高×1/3×払い戻しを請求する人の法定相続分まで。ただし150万円という上限の範囲内となっています。この手続きに必要な書類は、以下の通りです。
- 故人の通帳・キャッシュカード・残高証明書のいずれか
- 故人の出生から死亡菜での全ての戸籍(除籍)謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 払い戻しを請求する相続人の印鑑証明書・実印
ただしこの手続きを利用すると、遺産を相続したとみなされて相続放棄ができなくなるので注意が必要です。また払い戻しまでに数日要する点や、提出書類に不備が見つかると払い戻しを断られる可能性があることにも気を付けましょう。
参考:全国銀行協会「ご存知ですか?遺産分割前の相続預金の払戻し制度」
健康保険の葬祭費給付
社会保険に加入している方が亡くなった場合、葬儀を実施した喪主が必要な申請手続きをすると、健康保険組合から葬祭費として数万円程度の給付が受けられます。給付の申請は、加入者が亡くなった日から2年以内に行う必要があります。
申請から支給までは1~2カ月程度かかる場合があります。また加入している健康保険によって、受け取れる金額や手続きの窓口が異なるので、事前に確認してください。場合によっては葬儀や埋葬に関する領収書の提示が必要です。これらの書類は捨てずに保管しておきましょう。
国民年金の死亡一時金
国民年金に加入している方が亡くなった場合、保険料納付月数に応じて12万~32万円の死亡一時金が受け取れる可能性があります。死亡一時金が受け取れる条件は以下の通りです。
- 故人が第一号被保険者であり、死亡の前日までの保険料納付期間が36カ月以上ある
- 老齢基礎年金・障害基礎年金の何れも受給しないまま死亡した
- 生計を同じくしていた遺族(配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹)である
- 亡くなった日の翌日から2年以内の申請である
参考:死亡一時金|日本年金機構
生活保護の葬祭扶助制度
生活保護受給中の方が亡くなり扶養義務者がいない場合や、喪主が生活保護を受給しているときには、生活保護の葬祭扶助制度を利用できます。条件を満たせば自己負担なしで直葬などの最低限の葬儀を執り行えます。支給される金額の目安は大人20万円、子供16万円前後ですが、自治体によって金額が異なります。
葬祭扶助が受けられるのは次のような範囲で必要な費用です。
- 検案
- 遺体の運搬
- 火葬または埋葬
- 納骨その他葬祭のために必要なもの
そのため通夜や葬儀費用、僧侶へのお布施やお墓の費用は葬祭扶助の対象外です。事後申請は認められないので、必ず葬儀を行う前に福祉事務所や担当のケースワーカーに「葬祭扶助を利用したい」と相談してください。申請に必要な書類を準備し、葬祭扶助の申請を行います。利用が認められた後に「福祉葬」に対応している葬儀会社に連絡して打ち合わせを行います。葬儀終了後、葬儀会社が自治体に費用を直接請求するという流れとなります。
お金を借りられずに困ったときに取れる手段については、こちらの記事を参考にしましょう。
「お金借りられない…困ったときの最終手段10選|NG手段&借金問題を解決する方法とは」
葬祭扶助の単給制度
葬祭扶助は通常、生活保護を受けている方が利用できる制度ですが、生活保護を受給していない方でも「単給」という制度を利用すれば、葬儀費用を受給できる可能性があります。対象は葬儀を執り行う方の収入や資産が基準以下で、資産で葬儀費用を捻出できない方です。これは経済的な理由で葬儀ができないという状況を防ぐセーフティネットでもあります。
葬儀の形式や手続きの流れは、生活保護を受給している場合と基本的に同じです。ただし担当のケースワーカーがいないので、福祉事務所や自治体役場の生活保護担当窓口となります。
葬儀費用を安く抑えるポイント
葬儀費用を支払えないという事態に陥らないために、費用を安く抑えるポイントをお教えします。これから葬儀についての打ち合わせがあるという方はもちろん、今後のために知りたいという方も参考にしましょう。
葬儀の種類を検討する
葬儀の種類を極力抑えたいという方は、葬儀の種類を検討し直すといいでしょう。葬儀の種類はいくつかあり、それぞれの種類でかかる費用の相場が変動します。一般葬よりは家族葬、家族葬よりは一日葬の方が費用を抑えられます。最低限の内容でいいという場合は、直葬や火葬式を検討してください。
葬儀内容を簡素化すると、葬儀にかかる準備の手間や遺族への負担も減らせます。とくに最近ではコロナ過を経て、葬儀の主流が一般葬から家族葬にシフトしつつあります。葬儀で最も大切なのは故人をしのぶ気持ち。葬儀の壮大さにこだわらなくても、近しい人だけで落ち着いて見送るだけでいいのかもしれません。
親の借金の状況別解決方法は、こちらの記事を参考にしてください。
「親が借金まみれ…どうすれば?子の返済義務の有無と状況別対処法、注意点について」
葬儀の規模を縮小する
葬儀の規模を縮小すると、トータルの葬儀費用を抑えられます。一般葬を行う予定であれば、収容人数の小さいホールを選べば斎場利用料や人件費を減らせます。また返礼品代や飲食代は参列人数に比例して増えるため、参列者を絞るだけでも費用負担を軽減できます。
不要なオプションは外す
葬儀費用を削減するには、不要なオプションを外すようにしましょう。提案される葬儀会社のプランの中には、必ずしも必要ないと思われるオプションが含まれている場合があります。とくに豪華な祭壇装飾や高ランクの棺など、見た目重視のプランは費用がかさむ傾向に。
葬儀会社から見積もりを受け取ったら、項目一つ一つについてチェックして自分たちにとって本当に必要な物なのかを検討しましょう。精神的に落ち着かない状態で様々なことを決めなければならず、頭が回らないという人も少なくありません。そのようなときには喪主1人で決めるのではなく、他の親族にも意見を聞くようにしましょう。
市民葬(区民葬)の活用
葬儀費用を抑えるために、市民葬(区民葬)を利用してはいかがでしょうか。市民葬(区民葬)とは、市区町村の指定を受けた葬儀会社であらかじめ決められた内容で実施する葬儀形式。葬儀会社を選んで個別に手配するよりも、費用を抑えられます。
例えば東京都世田谷区の区民葬では、20万円~の葬儀プランが準備されています。指定された斎場やサービス以外を希望すると、別途費用が発生する点に注意してください。とはいえすべての市区町村で行えるという訳ではないので、まずは自治体のホームページから市民葬(区民葬)があるかチェックしましょう。
無宗教で葬儀を挙げる
葬儀費用を抑えるために、無宗教で葬儀を挙げるという方法があります。というのも僧侶や神職といった宗教者を葬儀に呼ぶ必要がないので、お布施や玉串料、御花料などの謝礼金が必要なくなります。また無宗教葬を選択すると、その宗教ならではの祭壇や御供えを準備しなくてもいいというメリットも。
故人や喪主、他の親族にこだわりがないのであれば、無宗教葬を検討してみてはいかがでしょうか。
複数の葬儀社に見積もりを取る
複数の葬儀社に見積もりを取ると、より費用の安い葬儀を実施できます。また葬儀社によって異なる料金プランやオプションを比較するのにも有効です。相見積もりを取る場合は、葬儀形式や参列人数などの条件を同じにして、2~3社に依頼するといいでしょう。金額だけでなく、基本プランに含まれる項目や別料金の内訳もチェックしてください。
ただし亡くなった直後は思うように時間が取れず、比較検討が難しい可能性が高いです。なるべくなら生前に本人の意見を聞きながら準備を進めていくようにしましょう。
いざというときに困らないための対処法
いざというときに困らないためには、生前のうちから対策を取っておくのが有効。とくに葬儀は突然発生しやすく、費用の負担も大きくなりがち。いざというときに費用面で悩むずに済むよう、出来る範囲で準備を進めていきましょう。
死亡保険金が受け取れる保険に加入
葬儀費用が払えないという事態を回避するために、死亡保険が受け取れる保険に加入しておくといいでしょう。保険金の受取人を親族に指定すれば、保険金を葬儀費用に充てられます。70歳以降からでも申し込める保険商品はいくつかあり、医師の診査が不要なものも。解約返戻金のあるタイプだと貯蓄代わりにもなります。
他にも89歳まで申し込める保険や、持病があっても入れる保険があるので、様々な保険タイプから検討できます。
葬儀保険に加入する
葬儀費用のための葬儀保険に加入するという方法もあります。葬儀保険とは、死亡時に100万~300万円の保険金をうけとれる葬儀費用に特化した保険商品。掛け捨てタイプなので毎月の負担が少なく、持病がある人でも加入できます。「葬儀費用だけは確実に確保しておきたい」という方に向いている保険です。
互助会の利用
あらかじめ冠婚葬祭の互助会に入っておけば、残された遺族は葬儀に関して困ることはないでしょう。互助会とはいざというときに備えて毎月費用を積み立て、葬儀費用からその金額を差し引けるというサービス。会員ならではの特典や割引を受けられる場合もあります。
ただし積み立てた互助会費を有効活用するには、加入した葬儀会社で葬儀を行う必要があります。また事前に「ここの葬儀社の互助会に入っているから」と親族に加入状況を伝えておきましょう。
事前に家族間で相談しておく
葬儀費用について不安がある場合は、生前のうちに家族間で相談しておくといいでしょう。誰がどのような割合で葬儀費用を負担するかについてはもちろん、葬儀費用に充てられる保険や互助会についても確認できます。また本人が希望する葬儀形式や儀式の内容がある場合には、併せて聞いておきましょう。
親族が亡くなってから葬儀までの時間は限られています。いざというときに慌てずに済むように、生前のうちに親族で集まって葬儀について相談する機会を設けておきましょう。
葬儀費用のための借金が支払えないときは…債務整理を検討
葬儀費用を支払うために銀行や貸金業者から借金したという方は少なくありません。順調に返済できればいいのですが、手元資金が少ないと返済にも困る可能性が。こちらでは借金返済が難しくなった場合の債務整理について解説していきます。
前提として債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産の3種類があります。それぞれ手続き方法や借金の減免割合、メリット・デメリットが異なるので、手続きを進める前によく理解しておきましょう。
任意整理
任意整理は金融機関(債権者)との交渉で、以下のような利息や遅延損害金を減額できる手続き。減額後の元金は、元本のみを3~5年で返済していきます。
- 手続きを依頼してから返済が再開されるまでの「経過利息」
- 完済するまでにかかる「将来利息」
- 返済が遅れたことに対する「遅延損害金」
葬儀費用のために消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシングといった、高金利の借金をした方に向いています。また手続きする債権者を選べるので、車を引き上げられる恐れのあるカーローンや連帯保証人付きの借金を除外できます。
ただしその他の借金を含めて300万円以上ある方は、利息や遅延損害金をカットできても相当額の元金が残る計算に。収入が少ない方は、トータルの残元金が100~200万円であれば返済可能です。自分の借金が任意整理に向いているかどうかは、弁護士などの専門家に相談するのがおすすめです。
任意整理で借金がどのくらい減るか詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「任意整理で借金どれくらい減る?減額できる仕組みと向いている人、減額割合をシミュレーション」
個人再生
個人再生は裁判所に申し立て、借金総額に応じて100万円~1/10にまで減額できる手続きです。残った借金は、任意整理と同じように3~5年で完済を目指します。借金総額が100万~5000万円で、安定したいっていいじょうの収入がある方に向いていて、借金の理由を問わず手続き中に制限がかからないのもメリット。
また「住宅ローン特則」を利用すると、ローンを払い続けることで持ち家を手放さずに済みます。ただし手続き後の返済は延滞できないので、実現可能な再生計画案を裁判所に提出するようにしてください。
個人再生でやってはいけないことが知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「個人再生でやってはいけない15のこと|スムーズに進めるコツを知って、手続きを成功させよう」
自己破産
自己破産は、一定以上の財産を処分されるのと引き換えに基本的にすべての借金の返済義務を免除できる手続き。借金総額が大きく不動産や高額な車などの財産がない方、失業中や生活保護受給中の方は、返済の必要がなくなる自己破産が向いています。ただし自己破産には、以下のようなデメリットがあります。
- 財産が処分される
- 手月期間中は職業や資格に制限を受ける
- 保証人に返済義務が移る
- 弁護士費用がかかる
- 官報に住所や氏名が載る
- ブラックリストに登録される
- 移動や引っ越しに制限がかかる(管財事件)
同居家族がいる場合には、家族への影響も考える必要があります。
自己破産申請中の生活について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「自己破産申請中の生活|制限されること・されないこととやってはいけないこととは?」
弁護士に相談
葬儀費用のために借金をしたものの、思うように返済できない方は、借金問題に詳しい弁護士に相談してください。弁護士に相談・依頼できると、次のようなメリットがあります。
- 状況に応じた借金の解決方法が分かる
- 債務整理の手続きを任せられる
- 取立や督促をストップできる
- 債権者との交渉や裁判所との話し合いを任せられる
とくに親族が亡くなった直後は、相続手続きをはじめとする期限付きの公的手続きが発生します。債務整理は弁護士に任せられると、遺族しかできない手続きの方に注力できます。
まとめ
葬儀費用は葬儀形式や参列者の人数によって相場大きく異なります。100万円を超えるケースも少なくないため、葬儀費用を支払えないという事態に陥る人も少なくありません。葬儀費用を準備できないときは、相続人で分担する、保険金や香典を支払いに充てるといった対処法が取れます。
費用を抑えるには葬儀形式や規模を検討する、不要なオプションは外すといった工夫ができます。葬儀費用を支払えないときに利用できる公的制度もあるので、その内容についてチェックしておきましょう。また生前に葬儀についてのあれこれを親族みんなで相談しておくと、いざというときにも安心。
葬儀費用が支払えずに借金してしまったという方は、弁護士に相談したうえで債務整理を検討してください。任意整理・個人再生・自己破産それぞれで向いている人、メリット・デメリットが異なります。債務整理を成功させるためにも、最適な方法を選択してください。