債務整理が結婚に与える影響|結婚前後の影響とバレる理由、リスクを最小限にする方法とは

債務整理が結婚に与える影響|結婚前後の影響とバレる理由、リスクを最小限にする方法とは
債務整理が結婚に与える影響|結婚前後の影響とバレる理由、リスクを最小限にする方法とは
  • 「債務整理すると結婚できないってホント?」
  • 「結婚後に配偶者に債務整理がバレたときの影響が知りたい」

これから結婚を考えている人の中には、借金問題や債務整理のことを相手に内緒にしておきたいという人もいるでしょう。結婚後に配偶者が過去に債務整理したことが分かり、自分への影響を心配する人がいるかもしれません。そこでこちらの記事では、債務整理が結婚に与える影響やリスクについて詳しく解説していきます。

結婚前後の影響はもちろんのこと、結婚後に借金や債務整理がバレる可能性についても紹介。さらに結婚後に債務整理した場合、自分や家族にどのような影響があるかもしっかり理解しておきましょう。

 

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目次

債務整理すると結婚できない?結婚前の影響について

これから結婚を考えている人の場合、債務整理すると結婚に悪影響があるのではないかと心配するのも無理はありません。こちらでは債務整理が結婚にどう影響があるのかや相手に伝えた方がいいのか、内緒にすると離婚になる可能性があるかについて解説していきます。

法的には問題なく結婚できる

結婚前に債務整理しても、法的には結婚が制限されることはなく問題なく結婚することができます。債務整理と結婚には直接的な関係がないからです。

債務整理した人が結婚すると配偶者の個人情報にも傷が付き、ブラックリスト入りしてしまうという噂もありますが、これは単なるうわさで間違いです。債務整理をすると信用情報機関に事故情報として登録されますが、それはあくまで債務整理した本人の個人情報にのみ。結婚したからといって、配偶者の個人情報にまで影響が及ぶことはありません。

結婚手続きで債務整理が知られることはほぼない

結婚時のさまざまな手続きが原因で、債務整理した過去の事実が知られる心配もありません。婚姻届けを提出したり、一緒に住むために引っ越しや住民票の異動などで債務整理について知られる可能性は限りなく低いです。借金の有無や債務整理については、住民票や戸籍謄本などの公的書類に記載されることはないので安心してください。

結婚前に債務整理する人は多い

実際、結婚前に借金を整理したいと債務整理をする人が多いのが現状です。結婚は人生における大きな転機。相手に対して責任感が芽生え、借金について真摯に向き合おうと考えるのは自然な流れでしょう。借金のことを相手になるべくバレたくないと考えるのも分かります。

一方で借金のことを隠した状態で結婚してしまうと、家計が一つになることで思うような返済ができなくなったり、債権者からの督促が来たりするリスクがあります。借金のことを内緒にして結婚した場合、債務整理のことを内緒にしているよりもトラブルになりやすいのは当然のこと。債務整理はぜひ結婚前にすることをおすすめします。

女性の方が悩む傾向が高い

結婚が目前に迫った場合、借金や債務整理について悩むのは、男性よりも女性の方が多い傾向があります。奨学金など多くの人が利用している借金は仕方がないものの、浪費や生活費のために借りた借金があると「家計管理がしっかりできないのでは」「結婚後も同じように浪費されてしまうのでは」と結婚を躊躇される可能性が高いため。

とくに家柄が良い男性と結婚する場合、結婚前に興信所を使ってあなたのことを調査する可能性があります。そのようなときに債務整理している(したこと)がバレると、結婚が破談になる恐れがあるでしょう。

法的な離婚事由に当たらない

法的には債務整理の過去を隠したままでも結婚は可能です。債務整理したことは法的な離婚事由に該当せず、それだけが理由で離婚することができないからです。民法第770条では、法的に離婚ができる事柄について「法定離婚事由」として次のように定めています。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

参照:民法|e-GOV法令検索

民法では、夫婦の一方に上記の事由がある場合に限り、離婚の訴えを提起できるとしています。法定離婚事由には債務整理したことが含まれていないため、債務整理したことを隠して結婚したとしても、離婚が認められる心配はありません。

借金のことがバレて離婚になる恐れが

債務整理だけでは法定離婚事由に当たらないものの、借金のことがバレて信頼関係が崩れ、最終的に夫婦関係が破綻してしまった場合は、離婚につながる可能性があります。また過去の債務整理によってローンが組めないことが発覚してしまうと、結婚生活に重大な影響を与えます。「どうして結婚前に教えてくれなかったの」と信頼関係が一気に崩れる恐れも。

また結婚後も借金を重ねていると、上記法定離婚事由の5番目「その他婚姻を継続し難い重大な事由」があるとして、離婚が認められる可能性があります。その他婚姻を継続し難い重大な事由には浪費のための借金やギャンブル、長期間の別居などがあり、それらの事実が婚姻を継続し難い重大な事由と裁判で認められると離婚が成立します。

債務整理が離婚にどう影響するかについては、こちらの記事を参考にしましょう。

「債務整理は離婚にどう影響する?タイミングや慰謝料・財産分与・子どもの養育費に関する注意点」

相手には前もって伝えるのがおすすめ

借金を抱えている場合や、結婚直前に債務整理した場合には、前もって相手に伝えることをおすすめします。お金に関するネガティブな情報は、なるべく相手に伝えたくない考える方が少なくありません。しかし内緒にしたまま結婚できたとしても「内緒にしている借金や事実がある」という後ろめたさはなくなりません。

さらに何かのきっかけで発覚してしまうと、夫婦にとって大切な信頼関係を失いかねません。債務整理をしているのであれば、その旨を結婚前に相手に伝え、相手が納得できるように努めましょう。債務整理後に返済の必要がるときも、配偶者の協力がある方が失敗しにくくなります。

場合によっては結婚を延期するなどの方向性を固めてから相手に伝えることが、これからの二人の将来にとって大切なことといえるのではないでしょうか。

【手続き別】結婚前の債務整理がバレる可能性

どうしても債務整理のことを相手に知られたくないという方のために、手続き別に結婚前の債務整理がバレる可能性を状況別に確認していきます。前提として債務整理には、主に次の3つの方法があります。

債務整理方法 手続きの方法や特徴
任意整理 債権者と直接交渉して、利息の減額や返済方法の延長を求める

手続き後は3年~5年かけて完済を目指す

個人再生 裁判所への申立てにより、借金を大幅減額(最大1/10まで)できる

手続き後は3年~5年かけて完済を目指す

自己破産 裁判所への申立てにより、借金を免責してもらう手続き

それぞれの債務整理方法によって、手続きの仕方が異なります。どのようなときにバレる可能性があるのかを見ていきましょう。

任意整理

任意整理は裁判所を通さずに、貸金業者と直接交渉して借金を減額してもらう手続きです。結婚前に任意整理した場合、結婚後に知られる可能性や知られるケースについては以下の通りです。

知られる可能性は低い

任意整理の場合、配偶者に知られる可能性は限りなく低いといえます。これは弁護士など専門家に手続きを依頼したケースに限られますが、必要書類が多くなく、事務所に行く回数も少なくて済むからです。後は専門家に任せているだけで手続きが完了。

債権者からの電話や督促は、弁護士に依頼することでストップ可能です。結婚前に一緒に暮らしているカップルでも、任意整理なら相手に知られずに手続きを進めやすくなっています。

郵便物でバレる可能性

ただし弁護士から任意整理の郵便物が届いたことで、相手に知られる可能性があります。相手にバレたくないときはあらかじめ理由を弁護士に説明し、次のような工夫を取ることで郵便物からバレる心配がなくなるでしょう。

  • 目立たない封筒で送ってもらう
  • 個人名で送ってもらう
  • 本人限定郵便で送ってもらう
  • 弁護士事務所に直接取りに行く

手続き後の滞納に要注意

任意整理後の返済が滞ると、結婚相手にバレる可能性があります。任意整理後は、減額した借金の返済が続きます。その返済まで滞ると、債権者から督促が来るからです。電話や郵便で督促が来てしまうと、一緒に住んでいる相手に勘づかれる可能性が高いでしょう。

もし返済の滞納が心配な方は、返済代行サービスがある弁護士事務所に依頼しては?返済代行とは任意整理後の債権者への返済を代行してもらえるサービスのこと。あなたの代わりに弁護士事務所がそれぞれの債権者に返済してくれるので、うっかり返済忘れや口座にお金がなかったなどのトラブルを未然に防げます。

また弁護士事務所が間に入ることで、債権者から直接連絡が来ることもありません。

個人再生・自己破産

個人再生や自己破産は、裁判所に申し立てて行う法的整理です。次のような理由で、任意整理よりも相手に知られる可能性が高くなるでしょう。

身辺調査でバレる可能性

結婚前に相手が依頼した身辺調査でバレる可能性があります。個人再生や自己破産の事実は、国が発行している「官報」に掲載されます。興信所の調査員が官報を見てあなたの氏名を発見、そこから債務整理したことがバレるということが考えられます。

また身内や知人、友人などからお金を借りていた場合、自己破産するとお金を借りていた相手は債権者となり、裁判所から通知が届きます。もし興信所がお金を借りていた相手から聞き取りをした場合、そこから債務整理の情報が漏れる可能性があります。

官報に掲載される

上で少し触れましたが「官報」から、相手にバレる可能性も否定できません。官報とほぼ毎日発行されている機関誌のようなもの。個人再生や自己破産をすると、紙面に住所や名前、破産情報(個人再生情報)などが掲載されます。

官報はインターネットで無料で見られる他、官報販売所で誰でも購入することが可能です。一般の人が官報を見る機会はほとんどないに等しいのですが、官報にあなたが債務整理したという情報が載っている以上、そこからバレる可能性はゼロではありません。

自己破産や個人再生で載る官報について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。

「自己破産すると載る官報について解説!掲載のタイミングや確認方法、バレる可能性とは」

裁判所資料から

裁判所へ提出する資料を集めるタイミングで、債務整理のことが相手に知られる可能性があります。個人再生や自己破産など、裁判所を通す手続きを進める場合、たくさんの書類や資料を提出しなければなりません。たとえ結婚前であっても長期間同棲していて家計を共にしている相手がいる場合、裁判所から相手の収入証明(給与明細や通帳など)を提出するよう求められることも。

そうなったら相手に内緒で資料を取り寄せることは不可能で、何に使うか正直に話さざるを得ないでしょう。

個人再生の必要書類や期間については、こちらの記事を参考にしましょう。

「個人再生の流れと必要書類とは?手続きにかかる期間と書類の入手方法も解説!」

相手が保証人になっているケース

婚約者が保証人になっている場合、個人再生や自己破産すると保証人に請求が来ます。内緒で債務整理するのは難しく、婚約者に迷惑をかけることが避けられない状況です。個人再生では減額分が、自己破産では免責された借金のすべてが保証人に請求が行きます。婚約者が一括で支払えないときには、婚約者も債務整理の必要が出てくるでしょう。

もし婚約者が保証人になっている借金がある場合は、手続きの対象を選べる任意整理がおすすめ。保証人のついていない借金のみを任意整理すれば、婚約者に知られずに借金を減額できるでしょう。

結婚後に借金が発覚!債務整理したときの影響について

もし以前からの借金が結婚後に発覚した場合、債務整理したとして相手にはどのような影響が出るのでしょうか。

夫婦でも財産や借金は別

結婚後に借金があることが明らかになった場合、夫婦が協力して借金を返済していかなければならないのでしょうか?結論からいうと、たとえ夫婦でも結婚前からの財産や借金はその人個人のものとみなされます。基本的には配偶者は相手の借金を返済する義務はありません。

民法では、日常生活全般において夫婦に連帯責任があるとしています。しかしこと財産においては、民法第762で「夫婦の一方が婚姻前から有する財産及ぶ婚姻後に自己の名で得た財産は特有財産とする」という「夫婦別産制」がとられているため。借金も財産と同様の扱いになるので、結婚前の借金や内緒で作った借金を返済する義務は配偶者にありません。

旦那の借金が妻に返済義務があるかについては、こちらの記事を参考にしてください。

「旦那の借金は妻に返済義務がある?ケース別の有無と借金発覚時にすべきこと、最適な借金解決方法」

信用情報にも影響なし

債務整理によって個人信用情報に事故情報として登録され、ブラックリスト状態になるのもその本人のみ。配偶者の信用情報に影響することはないので安心してください。配偶者のクレジットやローンの利用は、その人自身の信用情報をもとに判断されます。過去に延滞や債務整理の記録がない限り、収入や属性などの条件に応じて利用できると考えましょう。

任意整理で信用情報に載る内容や期間に関しては、こちらの記事を参考にしましょう。

「任意整理で信用情報に載る内容・期間を解説!ポイントを知って効率的に信用情報を回復」

結婚生活維持のための借金は返済の義務を負う

夫婦の一方が負った借金でも、結婚生活維持のためにした借金は、たとえ知らなかったとしても返済の義務を負います。こうした借金のことを「日常家事債務」といい、具体的には次のような費用が該当します。

  • 家賃
  • 食料
  • 日用品
  • 光熱費(電気・ガス・水道)
  • NHK受信料
  • 子どもの教育資金
  • 医療費

このような日常家事債務を夫婦の一方が負った場合、その債務については夫婦の連帯債務とするということが民法で規定されています。日常家事債務かどうかを判断するためには、以下の項目について総合的に判断することとなります。

  • 負担した内容とその金額
  • 夫婦の社会的地位や職業
  • 夫婦の経済状況
  • 地域の慣習

実際には線引きが難しく、個別のケースで判断されることが多いため、該当するか知りたい方は弁護士などの専門家に相談しましょう。

保証人になっていると返済義務が移る

配偶者の借金の保証人になっている場合、借金した主債務者が支払えないときには代わりに返済しなければなりません。保証人には、ただの「保証人」と「連帯保証人」の二種類があり、それぞれが持つ権利に次のような違いがあります。

保証人
  • 催告の抗弁権…主債務者の返済が滞ったとき債権者に対し「まずは主債務者に請求してください」という権利
  • 検索の抗弁権…債権者に対して「先に主債務者の財産を差し押さえてください」と要求できる権利
  • 分別の利益…保証人が複数いる場合、債務の総額を保証人の頭数で割った金額についてのみ支払い義務があること
連帯保証人 上記3つの権利が認められていない

もし連帯保証人になっている場合は、本人に返済能力があっても支払いを請求されたら拒否できません。個人再生や自己破産した場合は減免した分の借金返済義務が保証人に移ります。結婚の前後に関係なく、借金の保証人になっておいときには返済義務を負うことを覚えておきましょう。

自己破産すると連帯保証人がどうなるかについては、こちらの記事を参考にしてください。

「自己破産すると連帯保証人はどうなる?借金の前と後&パターン別の対処法」

夫や妻が債務整理したときの影響

夫や妻が借金を債務整理した場合、具体的に家族にはどのような影響が出てくるのでしょうか。こちらではブラックリストに登録されたことによる影響と、その他生活全般に関する影響を分けて解説していきます。

ブラックリストに登録されることによる影響

結婚直前や結婚後に債務整理した場合、5年~10年ブラックリストに登録されることによる影響は避けられません。主に次のような影響が考えられます。

クレジットカードが使えない

債務整理をすると今まで使えていたクレジットカードが使えなくなり、新たにクレジットカードを作ることもできなくなります。キャッシュレス決済が当たり前の現代では、お店の買い物やネットショッピングに不便になるでしょう。

ただしクレジットカード登録が不要な電子マネーや、銀行口座と紐付けするデビットカードなら債務整理後も利用できます。また債務整理していない方の名義のクレジットカードは、今まで通り使い続けることができます。

ローンや分割払いを契約できない

債務整理した側の名義でローンを組んだり分割払いを契約できなくなるのも、債務整理のデメリットです。車やマイホームの購入は現金もしくは配偶者名義のローン契約となります。過去の債務整理は、任意整理で完済から5年、個人再生や自己破産で5年~10年間登録されます。

結婚前に債務整理していた場合は、正確な日にちを確認したうえで、車の買い替えや住宅ローン契約は数年待つことになるでしょう。

自己破産後に携帯電話やスマホを使い続けるには、こちらの記事を参考にしましょう。

「自己破産後は携帯電話の分割払い・新規契約ができない?破産後もスマホを使い続けるための注意点」

保証人になれない

債務整理すると、他の人がローンや分割払いを利用するときの保証人にもなれません。先ごろは保証会社との契約が主流とはいえ、保証人を付けなければならないケースもあるでしょう。そのようなときに保証人になれないのがネックになります。

賃貸契約を契約できない

債務整理すると、信販系の家賃保証会社との契約が必須な賃貸物件を借りることができません。最近の賃貸契約では人的保証の代わりに、家賃保証会社と契約することが主流です。この家賃保証会社が信販系や金融機関系の場合、個人情報を確認されて事故情報があると審査に落ちてしまうため。

賃貸を契約するときには、保証会社との契約が必須か確認し、金融機関系以外の家賃保証会社が使える物件を選びましょう。選択肢が多少狭まるものの、全く借りられる物件がないという状態にはならないでしょう。

債務整理が引っ越しにどう影響するかについては、こちらの記事を参考にしてください。

「債務整理は引っ越しにどう影響する?引っ越しの可否や賃貸物件契約の制限に関する注意点とは」

結婚生活に関する影響

結婚生活全般でも、債務整理したことによる影響が出てきます。

住む家について

自己破産により持ち家が差し押さえになり、住み続けることができません。一緒に住んでいた家族も引っ越しを余儀なくされるでしょう。住宅ローン返済中の家は銀行などの金融機関に引き上げられ、ローンがない住宅も債権者への返済に充てるため、破産管財人に売却されてしまうでしょう。

賃貸物件に住んでいる場合は、家賃を滞納していない限り、債務整理後も住み続けることが可能です。ただし家賃支払いがクレジットカードのみの場合や、金融機関系保証会社との契約が必須の物件の場合は、更新のタイミングで契約を解除される恐れも。事前に他に支払方法がないかや、保証人で対応できないかなどを確認しましょう。

車について

任意整理や個人再生で、車のローンを手続きの対象にすると、ローン会社に車を引きあげられてしまいます。リースやサブスク中の車も引きあげられる可能性が高いので注意が必要です。一方ローンのない車の場合は、これまで通り使い続けることが可能です。

自己破産では、査定金額が20万円以上の車は住宅と同様に、現金に換えられ債権者への返済に充てられます。査定額が20万円以下のおおむね初年度登録から5年以上経過した中古車の場合は、車を残せる可能性が高いでしょう。また仕事上どうしても車が必要だと判断された場合は、車を残せることがあります。

共有財産

配偶者との共有財産の場合、債務者の持分のみが処分の対象となるのが原則です。例えば共有名義の持ち家などの場合です。しかし場合によっては、配偶者の持ち分も手放さなければならないケースが出てきます。例えば任意売却において共有状態での売却が難しい場合や、競売手続きで落札者から持分の売却や賃料の支払いを求められたケースです。

その他生活への影響

自己破産の場合、手続き中の一定期間は特定の職業や資格に制限を受けることになります。場合によっては休職や他部署への異動を余儀なくされることもあるでしょう。結果的に収入が途絶えたり減少することで、家計への影響が出ることも。

また管財事件で自己破産する場合、移動が制限されたり郵便物を転送されるという制限も。また解約返戻金が20万円を超える生命保険や学資保険、年金保険があると、こちらも処分の対象となるため、保険を解約せざるを得なくなります。

自己破産の状況別デメリットについては、こちらの記事を参考にしましょう。

「自己破産のデメリットを状況別に解説!誤解や嘘を解決して最適な選択へ」

こどもへの影響

親の債務整理の情報が事故情報として登録されている間は、子どもの奨学金の保証人にもなれません。場合によっては進学に影響するケースもあるでしょう。

このような事態を避けるには、収入のある配偶者や他の親族に保証人を頼むことが有効。日ごろから良い関係性を築き、できることなら債務整理したことをあらかじめ伝えておくと、スムーズに依頼できるはずです。

自己破産すると家族はどうなるかについては、こちらの記事を参考にしましょう。

「自己破産すると家族はどうなる?影響が出ること・出ないことと迷惑をかけないポイントとは」

債務整理と結婚に関する疑問・質問

債務整理と結婚に関して、よくある疑問や質問にお答えしていきます。間違った情報をただし、正しい知識を得るための参考にしましょう。

結婚して名字を変えれば新たな借金ができる?

結婚して名字を変えれば、債務整理しなくても新たに借金できるのでは?と考える人がいます。しかし結婚して名字が変わったとしても、新たな借り入れはできません。以前は信用情報機関が、結婚して名字が変わると旧姓時の情報を確認することができず、本来ブラックリスト状態の人でもローンやクレジットを利用することができていました。

しかし現在はこのような問題が起こらないよう、借入申込時に旧姓を書かせる欄を設けたり、本人確認書類として運転免許証の提示を要求して旧姓時の個人情報と紐付けます。ここで申告を偽ったり、嘘の運転免許証を提示したりすると、有印私文書偽装や詐欺罪に該当することも。

とくにある程度の年齢の人の場合、過去のローンやクレジットカードの利用履歴を示すクレジットヒストリーが何もない(ホワイト)状態だと逆に不自然です。反社会勢力が養子縁組で名前を変えて行う詐欺行為を防ぐためにも、結婚前の名字をはじめとする過去の情報は徹底的に調べられるということを覚えておきましょう。

警察官との結婚に影響があると聞いたが?

警察官と結婚する場合、身辺調査をされて過去の借金や債務整理のことが知られるのでは?と心配する人がいます。確かに警察官と結婚する場合、探偵による身辺調査が行なわれるようです。身辺調査で調べられるのは、名前や住所のほか次のような項目です。

  • 出身地
  • 健康状態
  • 家系や実家の資産
  • 結婚歴(未婚・既婚・離婚歴)
  • 学歴
  • 職歴(現在の勤務先・仕事内容も含む)
  • 犯罪歴
  • 趣味や交友関係
  • 行動範囲や素行
  • 周囲からの評判
  • 思想や宗教

警察官との結婚で問題になりやすいのは、反社会的勢力とのつながりや危険な思想を持っていないか、犯罪歴などです。従って借金の有無や債務整理のことを調べられて、結婚が破談になる可能性は低いと考えます。

国際結婚でのビザ申請に影響は?

国際結婚のビザ取得に、債務整理が大きく影響することはありません。日本人と国際結婚して日本に住み続ける場合、配偶者ビザの取得が必須です。まだ海外に住んでいる人もすでに日本に住んでいる人も申請可能ですが、債務整理したことが配偶者のビザ取得に影響を与える心配はありません。

ただし自己破産の場合、破産手続き中の海外への渡航には制限があります。どうしても海外へ行く必要があるときには、早めに弁護士に相談しましょう。

借金や債務整理のことを伝えるときのポイントは?

これから結婚する相手に借金や債務整理のことを伝える場合、ポイント押さえて分かりやすく説明するといいでしょう。とくに「自己破産するとまともに暮らせない」など極端なイメージを持っている人も少なくありません。自分がしようとしている債務整理のメリットやデメリットを押さえて説明し、デメリットの影響を最小限にする方法があることも伝えましょう。

どうしても自分ではうまく説明できそうもないという方は、債務整理を依頼する弁護士のところに一緒に相談に行くといいでしょう。自分たちが不安に思っていることや分からないことを聞き、アドバイスが受けられれば結婚への不安も解消されるはずです。

夫婦になろうとするときや夫婦関係を継続させるためには、互いの信頼関係が最も大切です。理想は結婚しようと思った相手に借金があることや債務整理しようと考えていることをしっかりと伝えましょう。そのうえで、今後は借金とは無縁の生活を送れるように生活態度を改善することを誠意をもって伝えてください。

まとめ

債務整理したからといって結婚できないわけでもなく、離婚原因となる訳ではありません。債務整理と結婚には直接の関係がなく、結婚前の借金はそれぞれにのみ返済義務があるからです。とはいえ人生のパートナーとして選んだ相手にはなるべく結婚前に打ち明け、債務整理を済ませたのちに結婚した方がいいでしょう。

結婚前の債務整理の方法によっては、手続き後の滞納や提出書類、郵便物等でバレる可能性があります。また相手が保証人になっているケースでは、債務整理による影響は避けられません。いずれの債務整理方法でも、ブラックリストに登録される恐れがあり、財産を没収されたり子どもに影響が出るなどのリスクが生じます。

結婚して名字が変わっても借金できるようになるわけでなく、申込時に虚偽の報告をすれば犯罪です。借金問題は夫婦の信頼関係を壊しかねない重大な問題です。後ろめたい気持ちのまま結婚生活を続けるよりは、正直に話し債務整理を通して、一日も早い解決を目指しましょう。

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