- 「借金を借り換えるとどんなメリットがあるの?」
- 「借金を借り換える先をどう選んだらいいか知りたい」
「借金を借り換えると返済が楽になる・得になる」という話を聞いたことはありませんか?今現在借金の返済で困っている人の中には、本気で借金の借り換えを考えている人がいるかもしれません。そこでこちらの記事では、借金を借り換える目的やメリットを詳しく解説していきます。
またどのような基準で借り換え先の金融機関や商品を選んだらいいかや、借金を借り換えるときの注意点についても紹介。借金を借り換えるデメリットをよく理解したうえで、本当に借り換えるべきか、それとも他の解決方法を検討するべきかの判断の参考にしましょう。
借金の借り換えとは?目的とメリット
まずはどのような目的やメリットがあって借金を借り換えるのでしょうか。
借り換えとは
借金の借り換えとは、現在利用しているカードローンや借入から、他社のローンに乗り換えることをいいます。新たに他社のローンを契約してまとまったお金を借り、現在返済中のローンを一括で返済します。以降は新しく契約したローンを返済していくことになります。
多くの銀行や消費者金融では、借り換え専用のローン商品を準備しています。そのようなローンに乗り換えることで、さまざまなメリットを得られるようになるという訳です。
借り換えの目的・メリット
ではなぜ借り換えするのか、その目的やメリットについて見ていきましょう。
毎月の返済額や金利を軽減
借金を借り換える大きな目的は、毎月の返済額や金利を軽減するためです。借り換え専用ローンの金利は、通常のカードローン等と比較して低い金利が適用されている商品があるため、毎月の返済額や金利を軽減することができます。結果的にトータルの返済額を減らしたり、返済期間を短くすることも期待できます。
毎月の返済額と返済総額の両方を軽減することは難しいですが、毎月の借金返済を負担と感じている人なら、借り換えで十分な効果を得られるでしょう。毎月の返済額が減ったり利息の負担が軽くなれば、家計に余裕が生まれます。ある程度まとまった金額を蓄えることができたら、繰り上げ返済や一括返済も可能に。
返済プランを見直せる
返済プランを見直せるのも、借り換えのメリットです。借金の借り換えは新しく借金の契約をし直すことなので、返済プランを見直すことが可能に。たとえば次のような内容を組みなおすことができます。
- 毎月の返済額
- 金利
- 返済期間
- 毎月の返済日
今借金の返済を毎月5万円している方なら、返済額を3万円にすることで毎月の家計に余裕が生まれます。ただしあまりにも返済額を低く設定してしまうと、それに比例して返済期間が長引きます。最終的に支払う利息が増えてしまう可能性があることを覚えておきましょう。
返済管理がしやすくなる
借入先がいくつもあるという人は、借金を一本化することで返済の管理がしやすくなります。今まで3社からの借金を返済していた方は、それぞれ決まった返済日に振込をする手間や返済日を忘れてしまうといったリスクを回避できます。借金を一本化できれば毎月の返済も一回で済むため、管理が各段に楽になるでしょう。
借入総額が多くても利用可能
借入総額が多くても、利用可能なローンがあります。借金を一本化するおまとめローンでは、条件を満たせば総量規制が適用されないケースがあるからです。
総量規制とは、消費者金融など貸金業者から一人の人が借りられる総額の上限を規制する法律。2007年頃から段階的に施行され、「貸金業者の貸付は年収の1/3を超えてはならない」というものです。例えば年収300万円の人は、トータルで100万円までしか借入できないというわけです。すでに80万円の借入がある場合は、あと20万円しか借りることができません。
しかし総量規制には例外があり、次のような貸し付けや借り換えは総量規制の縛りを受けないとされています。
- 顧客に一方的に有利となる借り換え
- 借入残高を段階的に減少させるための借り換え
- 配偶者と併せた年収1/3以下の貸し付け など
利息の低いものへの借り換えや複数の借金を一本化できるおまとめローンは、法令が定めた一定の条件を満たせば、「顧客に一方的に有利となる借り換え」とみなされて総量規制の枠を超えて利用できる可能性があります。
利便性の高い支払い方法に変更可能
利便性の高い支払い方法に変更できるのも、借り換えのメリットです。返済方法や手数料、返済期日が選べるかどうかは金融機関によって異なります。借りる人にとって不便なものもあれば、利便性の高いものもあるはずです。自分にとって利便性の高い支払い方法を選べれば、毎月の返済や管理が楽になります。
- 返済期日を選べる
- 返済手数料がかからない
- 提携ATMが近くにある
- コンビニ払いが利用できる
- 口座から自動引き落としができる
- アプリで返済期日や返済額を確認できる
最近では、利便性の高いカードローンが増えています。借金の借り換えを検討するときには、返済しやすいものがないかも選ぶ際のポイントにするといいでしょう。
「おまとめローン」との違い
借金の借り換えと似たものに「おまとめローン」があります。借金の借り換えとは、高金利のものからより低金利のものに乗り換えることを指しますが、おまとめローンは複数ある借金を一本化することをいいます。おまとめローンも借金の借り換えの一種で、一本化することで返済負担を軽減できることもあります。
おまとめローンのメリット、デメリットについて詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「借金一本化で返済が楽になる!おまとめローンの申込みから完済までの不安をすべて解消」
借り換えに向いている人
借金の借り換えに向いているのは、次のような人です。
- 借金の金利が高いと感じている
- いつまでたっても元金が減らない
- 返済のたびに手数料がかかる
- 返済日が選べずに給料日とのタイミングが合わない
- 提携ATMが近くになく、返済しにくい
現在返済中の金利が高いと感じている人や、返済が不便だと感じている方は、借り換えを検討してみてはいかがでしょうか。
借金の元金が減らないとお困りの方は、こちらの記事を参考にしてください。
「借金の元金が減らない!7つの原因の解決法&種類別の減らし方」
借り換えのデメリット
借金の借り換えには金利が下がるなどのメリットがある一方で、次のようなデメリットがあります。
新たな審査がある
借り換え専用ローンやおまとめローンを利用しようと思ったとき、借り換え先の審査を受ける必要があります。審査内容や審査基準は、申込先の金融機関によって異なります。場合によっては審査に落ちることもあるでしょう。とくに借り換えの場合、初めてローンを利用するときよりも、今までの借入額や返済能力、返済状況などをしっかりチェックされます。そのほかに次のような審査項目があると考えられます。
- 年収(借入希望額や既借入額とのバランス)
- 勤務先(安定性や事業規模)
- 職種・雇用形態・勤続年数
- 住んでいる家が持ち家か借家か
- 住宅ローンの有無・毎月の返済額
- 過去の返済履歴(延滞・滞納の有無)
- 現在返済中の借入件数・総額
返済総額が増える可能性
利便性などを重要視し過ぎて今よりも高い金利のものへ借り換えしてしまうと、返済総額が増える恐れがあります。また毎月の返済額を低く設定し過ぎると、元本の減りが遅くなり負担する金利が増加、最終的に返済総額が高くなったという場合も。
また返済方法を「元金定額方式」から「元利定額方式」に変更すると、返済総額が増えてしまう可能性があるでしょう。
元金定額方式 | 毎月一定の元金に利息を追加した金額を返済
元金部分のみが低額で、そこに利息を上乗せするため、毎月の返済額が変動 |
元利定額方式 | 元金と利息を足した金額が一定になるように設定した返済方法
残高が少なくなると元金部分の支払いが多くなる |
元金定額方式は元利定額方式よりも早く元金を減らすことができます。せっかく借り換えできたのに、返済方式を変えてしまうとかえって返済総額が増加する場合があるので注意しましょう。見た目の金利が低くなるからといって安易に借り換えせず、きちんとシミュレーションしたうえで契約するようにしましょう。
総量規制に抵触する可能性
せっかく借り換えしようと思ったのに、総量規制に引っかかって借り換えができない可能性があります。上で説明した通り、総量規制とは消費者金融などの貸金業者からの借金が対象です。すでに年収の1/3近い額を借り入れている方は、申込時の年収や借入希望額次第で希望の借り換えができなくなってしまうという訳です。
総量規制の対象は貸金業者に限られ、銀行などの金融機関からの借入は対象外となっています。しかし最近では銀行などでも総量規制のルールに基づいて審査を行っている場合も。総量規制に抵触する可能性がある方は、借り換え先にかかわらず借り換えできない可能性があることを意識しておきましょう。
返済期間が延びる可能性
借り換え時に毎月の返済額を少なくすると、返済期間が延びる可能性があります。消費者金融のカードローンやネット銀行では、毎月の返済額が数千円からと極端に低く設定されているものもあります。毎月の返済の負担は軽減できるものの、その分完済まで時間がかかり、支払う利息も増えるので返済総額が増えることも。
他のローン審査に影響が出る可能性
借金の借り換えを行うと、住宅ローンやカーローンなど他のローン審査に影響が出る場合があります。とくに次のようなケースでは、これから行う予定のローン審査に悪影響が出るでしょう。
- 借入総額が多い
- 頻繁に借り換えしている
- 短期間にいくつものローンに申し込んだ
- 借り換え直後なのに返済を延滞した
このような情報は個人の信用情報に掲載されます。新たなローンを組もうと思ったときに信用情報をチェックされると、信用できない、返済能力が低いと判断される恐れが。住宅ローンやカーローンの審査に落ちる可能性が高いでしょう。
借金の借り換えを行う場合には、綿密な返済計画を立て、返済を遅らせないようにくれぐれも気をつけてください。
借り換え先の金融機関やローン商品を選ぶポイント
借り換え先の金融機関やローン商品を選ぶ場合は、次のようなポイントを踏まえて選ぶと失敗が少ないでしょう。
目的別で選ぶ
まずは借り換えの目的が何かによって選ぶことをおすすめします。「返済総額を減らしたい」「毎月の返済額をおさえたい」など目的によって選ぶべき借り換え先やローン商品は変わってきます。目的を考えずに借り換え先を選んでしまうと、今よりも負担が増える可能性があるので注意しましょう。
金融機関ごとの特徴
借り換え先を選ぶときには、金融機関ごとの特徴をおさえることも必要です。借金の借り換え先として代表的なのが消費者金融の借り換え専用ローンと銀行のカードローンです。こちらはそれぞれの金利や審査の厳しさ、融資までのスピードを比較した一覧です。
金融機関 | 消費者金融 | 銀行 |
---|---|---|
金利 | 高め(年利3.0~18.0%) | 低め(年利1.0~15.0%) |
審査 | 比較的優しい | 厳しい |
審査~融資までのスピード | 速い | ネット銀行:速い
普通銀行:遅め |
消費者金融と銀行の大きな違いは金利です。銀行のカードローンなどは、債務者が返済できなくなったときに保証会社が代わりに返済してくれます。一方の消費者金融のローンには保証会社が付いていないので、自らリスクを請け負う必要があります。そのため金利を高めに設定して、リスクを抑える必要があります。
逆に消費者金融は審査が比較的優しく、融資までのスピードが早いのが特徴。属性や返済履歴に不安がある方は審査が優しめな消費者金融を、なるべく返済負担を減らしたい方は審査時間がかかっても金利が低い銀行のカードローンへの借り換えを検討するといいでしょう。
街金と闇金の違い、サラ金とノンバンクとの見分け方については、こちらの記事を参考にしてください。
「街金と闇金の違いは?サラ金・ノンバンクとの見分け方や特徴、借金で困ったときの対処法とは」
金利の低さ
せっかく借り換えを検討するなら、なるべく金利の低い金融機関を選ぶのがおすすめ。こちらは銀行ごとのカードローンの金利や最低返済額を一覧にしたものです。(2024年1月現在)
せっかく借り換えを検討するなら、なるべく金利の低い金融機関を選ぶのがおすすめ。こちらは銀行ごとのカードローンの金利や最低返済額を一覧にしたものです。(2024年1月現在)
銀行名 | 商品名 | 年利 | 最低返済額・特徴 |
---|---|---|---|
楽天銀行 | スーパーローン | 1.9~14.5% | 2,000円~
楽天会員は審査が優遇される キャンペーンを定期的に開催 |
auじぶん銀行 | カードローン(借り換えコース) | 0.98~12.5% | 1,000円~
利用目的は他社返済のみ Web申し込みで最短即日に借入可能 |
みずほ銀行 | カードローン | 2.0~14.0 | 2,000円~
申込にみずほ銀行の普通預金口座が必要 |
三菱UFJ銀行 | カードローン「バンクイック」 | 1.8~14.6 | 申し込みはWebで完結(土日も可)
イーネット銀行など提携コンビニATMの手数料がかからず利用できる |
三井住友銀行 | カードローン | 1.5~14.5% | 限度額10万円~800万円 |
銀行のうちでも人件費や維持費などの経費が抑えられるネット銀行の金利が低いのが特徴。またインターネットで申し込みから融資までできるのも大きなメリットになります。
審査の通りやすさ
借金の借り換えを行うには、新たなローンの審査に通る必要があります。審査に通るか心配だという方は、審査通過率が高いローンを利用するといいでしょう。審査の通りやすさで見ると、銀行よりも消費者金融の方が審査通過率が高いです。とくに銀行のカードローンは過剰融資が問題となり、以前よりも審査がより厳しくなっています。
参考として、消費者金融が公表している借り換えを含めたすべての融資申し込みに対する通過率を一覧で見てみましょう。
消費者金融 | 審査通過率 |
---|---|
アコム | 41.2% |
アイフル | 38.1% |
プロミス | 35.8% |
レイク | 33.8% |
銀行カードローンの通過率は、各行で差があるものの10%~35%で推移しています。一般的にネット銀行やメガバンクの通過率は低めで、地方銀行や信用金庫の通過率は高めです。それに比べると消費者金融の通過率はかなり高いことが分かります。とはいえ、審査時には申込者の属性をトータルで審査するため、必ずしも審査に通る保証はありません。
利用しやすさ
借金を返済する上で、返済しやすさや返済額の確認のしやすさも重要です。都度振込の必要があるローンよりは、自動引き落としに対応しているローンの方が利用しやすく、提携ATMの数が多かったり近くにあった方が返済しやすいでしょう。
大手の消費者金融やメガバンク、ネット銀行のローンは多くの金融機関と提携しています。返済用口座が簡単に作れたり、コンビニなどでの支払いが可能なローンを選ぶようにしましょう。
融資限度額
借金の借り換え先を選ぶ場合は、融資限度額についてもチェックしておきましょう。現在の借金が400万円ある場合、融資限度額が300万円のローンでは全額借り換えることができません。総量規制などについても考えつつ、現在の借金額に対応して利用できるローンを選ぶことが大切。
一般的に消費者金融よりも銀行系のカードローンの方が、融資限度額は大きい傾向があります。しかしながら返済能力が高く信用情報にキズがない人でないと高額な借り入れは難しいでしょう。そのため、日ごろから延滞をしないといった信用情報を良好に保つ努力が欠かせません。
総量規制の対象かどうか
借り換え予定のローンや金融機関が、総量規制の対象かどうかも確認が必要です。すでに年収の1/3近い借り入れをしている方は、総量規制対象外のローンを選ぶ必要があります。総量規制の縛りがあるのは、消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者です。
クレジットカード会社の場合でも、対象となるのはカードによるキャッシングのみで、ショッピング利用分は対象から外れます。総量規制の対象とならないのは、銀行や信用金庫、信用組合や労働金庫などからの借入。総量規制で借り換えができないのでは?という方は、銀行系のカードローンを検討するといいでしょう。
消費者金融の借金が返せない方は、こちらの記事を参考にしてください。
「消費者金融の借金が返せない!滞納したあとの流れと返済できない時の対処法」
おまとめローンも検討
複数個所からの借金がある方は、おまとめローンの利用を検討してみてはいかがでしょうか。こちらは金融機関ごとのおまとめローンの一覧です。
金融機関 | 社名「商品名」 |
---|---|
銀行 | 東京スター銀行「おまとめローン(スターワン乗り換えローン)」
きらぼし銀行「おまとめローン」 西日本シティ銀行「NCB おまとめローン(無担保型)」 みちのく銀行「おまとめローン『あわせ~る』」 |
消費者金融 | アイフル「おまとめMAX」
SMBCモビット「おまとめローン」 レイク「レイクdeおまとめ」 オリックスマネー「おまとめローン」 |
信販会社 | オリックス・クレジット「ORIX MONEYおまとめローン」
ライフカード「サポートローン」 セゾンカード「メンバーズローン」 |
おまとめローンという名称が付かないカードローンでも、おまとめローンとして利用できるものがあります。複数の借金を一本化して金利も落としたいという方は、おまとめローンへの借り換えがおすすめです。
借金返済の一本化が可能な銀行について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「借金返済の一本化ができる銀行は?審査に通らないときの対処法も解説」
借り換え・一本化するときの注意点
借金を借り換え、一本化するときには、次のような点に注意しましょう。
滞納があると借り換えが難しい
過去5年間にローンの延滞や滞納があるという場合は、借り換えが難しいかもしれません。数日支払うのが遅れたという程度では信用情報に掲載されることはありませんが、延滞が3カ月以上続いたり、保証会社が代位弁済を行った場合にその記録が残ってしまいます。
また契約当時よりも年収が下がった、転職して勤続年数が短くなった場合にも、ローン審査に影響を与えます。また一か所審査に落ちたからと、短期間で複数のローンに申し込みをすると、申込をしたという情報が信用情報に登録され、その後の審査に影響を及ぼす可能性があります。
借金を滞納すると年金がどうなるかについては、こちらの記事を参考にしてください。
「借金を滞納すると年金も差し押さえになる?差し押さえられる条件や回避方法を解説します」
追加の借入は不可
借り換えローンは基本的に、他社からの借り換えが目的です。そのため追加の借入はできません。他の金融機関でも借り換え専用ローンの残高が総量規制の範囲を超えている場合には、新たにローンを利用することができなくなります。
申し込み前にシミュレーションをする
借金の借り換えを検討するときには、申し込み前にシミュレーションを行いましょう。多くの金融機関では、インターネットで無料シミュレーションができるツールを提供しています。それらのシミュレーターを使って、毎月の返済額、返済期間、返済総額をシミュレーションしてみましょう。
できれば複数の金融機関を比較して、どれだけ返済期間を短くできるか、利息の支払いを抑えることができるか確認してください。せっかく借り換えしたのにかえって返済総額が増えたなどという事態にならないためにも、シミュレーターを利用して、借り換えのメリットを確実に得られるようにしましょう。
借金の根本的な解決方法ではない
借金の借り換えは返済の負担を軽くするメリットがあるものの、借金の根本的な解決方法にはなりません。あくまでも負担を軽減するための手段にすぎず、借り換えを行った後も計画的に完済を目指す必要があります。シミュレーションを綿密に行わないと、かえって返済に苦しむ可能性があります。
借金問題を根本的に解決するためには、支出をしっかり管理し計画的に返済し続けることが重要。毎月の返済額が減って余裕が出たら、繰り上げ返済をして元本を効率的に減らしていきましょう。
国が認めた借金救済制度については、こちらの記事を参考にしてください。
「国の『借金救済制度』は信頼できる?債務整理の特徴と依頼手順、その他の解決方法を解説」
借り換えができないときは債務整理を検討
借り換えをしてもあまり効果が得られない、借り換えローンの審査に落ちたという方は、債務整理を検討すべきでしょう。債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があり、それぞれ手続き方法や減目割合が異なります。
任意整理
任意整理は消費者金融や信販会社といった債権者と直接交渉することで、将来発生する利息などを減額できる手続きです。あくまで「任意」の話し合いなので、減額対象の借金を選べます。また自己破産のように家などの財産を失うこともなく、官報に掲載される心配もありません。
とはいえ、減額後の借金は3~5年かけて返済しなければならないため、安定した収入が必要。また全ての債務整理に共通したデメリットとして、個人の信用情報に事故情報(いわゆるブラックリスト)として登録されます。完済後およそ5年間は新規でクレジットカードを発行したり、ローンを組むことができません。とはいえ債務整理の中でも、費用や時間がかからない最も手軽な手続きです。
任意整理のメリット・デメリットについて詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「任意整理のメリット・デメリット|整理後の生活への影響を最小限にする方法とは?」
個人再生
個人再生とは、裁判所に申立てることで借金総額を1/5~1/10程度に減額できる手続き。減額後の借金は3年~5年かけて再生計画案通りに返済していきます。また住宅ローン返済中のマイホームがある方でも、ローンを返済し続けることで家を手放さなくてもいい制度(住宅ローン特則)があります。
しかし裁判所を通じて行う手続きのため費用がかかり、時間も1年以上かかる場合が。一定以上の安定した収入が必要なので、無職の人や不安定な収入の人は手続きできません。また保証人が付いた借金がある場合は、債務者に代わって保証人に請求が行く恐れがあります。また国の機関誌である官報に住所や氏名が掲載されるのもデメリットです。
個人再生にかかる期間については、こちらの記事を参考にしましょう。
「個人再生にかかる期間はどれくらい?申立から再生手続開始決定、返済までの流れと注意点」
自己破産
自己破産は裁判所に申し立てて返済不能だということを認めてもらうことで借金の返済義務を免除できる手続き。すべての借金がなくなる代わりに、一定以上の財産は処分されます。また手続き中に特定の資格や職業が制限されます。借金の理由次第では、免責が許可されないことも(免責不許可事由)。
自己破産は効果が強力な分、債務性の中で最もハードルが高い手続きです。しかし借金総額が多額すぎて返済不能な人や、無職の人でも借金問題を解決できます。
自己破産ができない9のケースについては、こちらの記事を参考にしましょう。
「自己破産ができない9つのケースとは?対処方法や自己破産に適さない人について解説」
まとめ
借金の借り換えは、金利を下げて支払総額を減らす目的で行うのが一般的。他にも返済プランを見直せて返済管理がしやすくなり、便利な支払い方に変更できるというメリットも。一方で審査に落ちる可能性や返済金額が増えてしまうデメリットも。
借り換え先を選ぶときには、借り換えの目的を明確にするのがポイント。金利の安さや審査の通りやすさなど金融機関ごとの特徴を把握し、融資限度額や総量規制の対象かどうかもチェックしましょう。借金を借り換える前にはきちんとシミュレーションして、借り換えで損をしないような対策が必要です。
借り換えローンは追加融資ができず、信用情報が良好でないと審査に通りません。また根本的な借金解決方法でない点も留意しましょう。借り換えができない、借金を根本から解決したいという方は債務整理がおすすめ。まずは借金問題に詳しい弁護士に相談して、最適な債務整理方法をアドバイスしてもらいましょう。