手術費用がないと借金するしかない?いざという時の公的制度&相談先、療養中の債務整理の可否を解説

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  • 「入院や手術が必要といわれたがお金がない、どうしよう…」
  • 「療養中に借金問題を解決したいがどうしたらいい?」

病気やケガで急に手術・入院が必要になったとき、医療費の支払いが気になるという方は少なくありません。しかし日本では全ての国民が平等に医療を受けられるようにとの理由から、公的医療保険制度が維持されており、それに伴う公的制度も充実しています。

「どこかで借金するしかない」と思い詰めてしまう前に、利用できる公的制度について理解を深めましょう。加えて、医療費の不安がある場合の相談先についても紹介していきます。療養中に収入が途絶えて借金返済ができない場合の解決方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

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手術費用を借金するしかないと思ったら…

手持ち資金で手術費用を賄えず、「どこからか借金するしかない」と思い詰めてしまう前に、利用できる公的制度がないか確認してください。前出の通り日本には国民皆保険制度があり、それに伴って医療費の負担を軽減できる公的制度が充実しています。まずはどのような制度があるか見ていきましょう。

高額療養費制度

高額療養費制度は、医療費の支払いで家計の負担が重くなりすぎないように、医療機関や薬局の窓口で支払う1カ月当たりの医療費が上限を超えたとき、その超えた分を支給してもらえる制度。一度医療費を支払った後に申請することで、自己負担限度額を超えた分が指定口座に払い戻されます。

ただし入院時の食費負担分や差額ベッド代は医療費から除外されます。自己負担限度額は、年齢や所得に応じて細かく決められており、70歳以上の方に限り、外来だけの上限額も設けられています。こちらは年齢と適用区分(年収)に応じた毎月の医療費の上限額です。

年齢 適用区分(年収) 毎月の上限額(世帯ごと)
70歳以上 年収約1,160万円~

(現標報83万円以上/課税所得690万円以上)

252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収約770万円~約1,160万円

(標報53万円以上/課税所得380万円以上)

167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370万円~約770万円

(標報28万円以上/課税所得145万円以上)

80,100円+(医療費-267,000)×1%
年収156万~約370万円

(標報26万円以下 課税所得145万円未満等)

57,600円(外来18,000円)
住民税非課税世帯(年金収入80万~155万円) 24,600円(外来8,000円)
住民税非課税世帯(年金収入80万円以下など) 15,000円(外来8,000円)
69歳以下 年収約1,160万円

(健保:標報83万円以上 国保:旧ただし書き所得901万円超)

252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収約770~約1,160万円

(健保:標報53万~79万円 国保:旧ただし書き所得600万~901万円)

167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370~約770万円

(健保:標報28万~50万円 国保:旧ただし書き所得210万~600万円)

80,100円+(医療費-267,000)×1%
~年収約370万円

(健保:標報26万円以下 国保:旧ただし書き所得210万円以下)

57,600円
住民税非課税世帯 35,400円

こちらは1世帯単位での合算になるので、1人1回分の窓口負担で上限を超えない場合でも、複数の受診や同じ世帯に居る他の家族(同じ健康保険に加入している場合に限る)の受診についても、1カ月単位で合算できます。

また令和8年8月からは、新たに年単位の上限額「年間上限」も設けられることになるので、長期療養する方の負担がさらに軽減できます。

参考:高額療養費制度を利用される皆さまへ|厚生労働省保健局

高額療養費制度の多数回該当

高額療養費制度には「多数回該当」という仕組みがあり、直近12カ月のうち3カ月以上でひと月の医療費自己負担上限額を超え、かつ高額療養費の適用を受けた場合は4カ月目以降の自己負担上限額がさらに引き下げられて医療費の負担を軽減できます。

多数回該当が適用されるのは、手術を伴う長期の入院や治療が必要になるケースが多いです。高額療養費制度の要件を満たす方は、こちらの申請も忘れずに。

限度額適用認定証

高額な医療費がかかることが事前に分かっている方は、加入健康保険から交付された「限度額適用認定証」を医療機関の窓口に提示することで、医療費の支払額を毎月一定以下に抑えられます。上で説明した高額療養費制度は一度医療機関に高額な医療費を支払う必要がありますが、こちらはその必要がありません。

加入している健康保険組合に事前に申請すると、所得区分を認定したのちに「限度額適用認定証」が交付されます。なおマイナ保険証を利用している方は、事前申請や提示が不要で同様の制度を受けられます。限度額適用認定証の有効期間は、申請書が受け付けられた日の属する月の1日から1年間です。申請受付月よりも以前の月の交付はできません。

70歳以上75歳未満で非課税世帯でない方は「高齢受給者証」、75歳以上で非課税世帯でない方は「後期高齢者医療被保険者証」、70歳未満の非課税世帯の方は「限度額適用・標準負担額減額認定証」をご利用ください。

参考:限度額適用認定証|協会けんぽ

健康保険の付加給付制度

加入している健康保険組合の中には、独自の付加給付制度を設けている場合があります。これは独自に設定している限度額を超えた場合に、窓口で支払った医療費の一部が払い戻される制度です。組合によって自己負担限度額が異なり、「療養費付加金」「一部負担払戻金」「一部負担還元金」といった言い方をします。

ただしこの手の付加給付制度があるのは、大手企業の健康保険組合などに限られます。中小企業を含む多くの人が加入している「全国健康保険協会(協会けんぽ)」には、付加給付制度がありません。まずは付加給付制度の有無やその申請方法について、加入している健康保険組合に問い合わせてみましょう。

高額療養・高額介護合算療養費制度

一部の健康保険組合では、1年間に支払った健康保険と介護保険の自己負担額を合算し、基準額を超えた場合に「高額療養費・高額介護合算療養費制度」が適用されます。こちらは高額療養費制度と同様に、基準額を超えた分の還付が受けられます。基本的な枠組みは、以下の通りです。

対象世帯 医療保険各制度(被用者保険、国保、後期高齢者医療制度)の世帯に介護保険の受給者が存在する場合に、被保険者からの申請に基づき、高額療養費の算定対象となる世帯単位で、医療保険と介護保険の自己負担を合算した額が、新たに設定する自己負担限度額を超えた場合に支給する
限度額 年額56万円を基本とし、医療保険各制度や被保険者の所得・年齢区分ごとの自己負担限度額を踏まえてきめ細かく設定
費用負担 医療保険者、介護保険者の双方が、自己負担額の比率に応じて負担し合う

参考:高額医療・高額介護合算療養費制度について|厚生労働省

高額療養貸付制度

全国健康保険協会(協会けんぽ)では、高額療養費が支給されるまでの間に医療費の支払い費用が必要な方に対して、無利子の貸付制度があります。高額療養費支給見込額の8割相当を無利子で貸し付けてくれる制度で、数カ月後に払い戻される高額療養費で相殺されるので、別途で返済の必要はありません。

残りの2割分は、高額療養費として手元に戻ってきます。この制度が利用できれば、手元に手術費用がなくても、高額療養費制度で払い戻されるまでの間の医療費支払いに充てられます。協会けんぽ以外の健康保険組合でも独自に貸付制度を設けている場合があるので、組合に直接問い合わせてみましょう。

参考:高額療養費貸付制度|協会けんぽ

傷病手当金の申請

病気やケガで休業した場合には、健康保険組合から生活保障を目的とした「傷病手当金」を受給できます。傷病手当金が受け取れるのは、健康保険に加入している会社員や公務員に限られます。自営業者やフリーランスが加入する国民健康保険には、傷病手当金の制度はありません。

傷病手当金の支給条件は以下の通りです。

  • 業務外の事由による病気やけがの療養のための休業であること
  • 仕事に就くことができないこと
  • 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  • 休業した期間について給与の支払いがないこと

休業4日目以降から、平均月額報酬額の2/3の金額が支給されます。支給期間は通算で1年6カ月までです。なお、業務中もしくは通勤災害によるものは労災保険の支給対象となるため、傷病手当金の対象からは外れます。また美容整形などの病気・怪我とみなされないものも、支給の対象外です。

参考:傷病手当金|協会けんぽ

所得税の医療費控除

1月1日~12月31日までの1年間に支払った医療費が一定以上を超える場合に、その超過分を所得税の医療費控除として確定申告することで、所得税の還付を受けられます。対象となるのは、確定申告をする本人並びに本人と生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費です。

対象となる医療費は、医療機関などにかかった治療代や薬代の他、市販薬の購入代金やけがの治療を目的としたハリ・マッサージ・指圧(施術者が国家資格を所持している場合に限る)などの費用も含まれます。

控除の上限額は総所得金額200万円で、10万円を超える医療費の自己負担分が控除対象となります。総所得金額200万円未満の場合は、総所得金額の5%を超える部分の自己負担額が控除対象です。控除額の計算式は次の通りです。

1年間の世帯の医療費合計額-保険金などの補填金額-10万円=医療費控除額

参考:医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁

自治体独自の制度がないか確認する

上で説明した国の制度以外に、お住いの自治体独自で医療費の減額や免除を行う制度もあります。手術費用や入院代の支払いが難しい方は、事前に受診予定の医療機関の相談窓口や自治体の担当窓口に相談しましょう。こちらでは、自治体窓口や福祉事務所に申請する制度について解説していきます。

一部負担金減免制度

災害や火災、失業などの事情で一時的に生活が苦しくなり、医療費の自己負担分が支払えなくなったときに利用できるのが、「一部負担金免除制度」です。こちらの制度が利用できるのは、国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入している被保険者並びに被扶養者で、収入(生活保護法の規定による保護の要否判定に用いられる収入認定額)が基準額(生活保護法による保護の基準に規定する生活扶助・教育扶助・住宅扶助それぞれの基準額を用いて算出した額)以下の場合かつ預貯金の合計額が基準額の3カ月以下の場合です。

利用できるかどうかは、お住いの自治体によって変わってきます。まずは自治他のホームページなどで確認してください。一部負担金減免制度が利用できるのは、次の項目のいずれかに当てはまる方。受診料や薬代、入院時の食費など一部負担金の支払いが困難になった世帯を対象に、申請のあった日から6カ月以内を期限として減免できます。

  • 震災、風水害、火災、その他これらに類する災害により死亡し、または障がい者となったとき、または資産に重大な損害を受けたとき
  • 干ばつ、冷害、凍霜害などによる農作物の不作、不漁、その他これらに類する理由により収入が減少したとき
  • 事業、または業務の休廃止、失業などにより収入が著しく減少したとき
  • 世帯主または主たる生計維持者が、重篤な疾病または負傷により死亡し、心身に重大な障害を受け、または91日以上の入院をしたとき(被保険者のみの世帯である場合を除く)
  • その他、①~③に類する事由があったとき。

上記の条件に当てはまる方は、自治体窓口に以下の書類を持参して申請します。なお申請時の必要書類は、減免が必要な事由によって異なります。詳しくはお住いの自治体窓口までお問い合わせください。

  • 特別な理由に該当したことを証明する書類
  • 世帯主及び被保険者の収入状況がわかる書類
  • その他、申請理由を明らかにする書類
  • 国民健康保険被保険者証
  • 世帯主(申請者)認印

参考:一部負担金の徴収猶予及び減免|厚生労働省

無料低額診療事業

お住いの地域を管轄する福祉事務所や役所の福祉担当窓口で申請できるのが、「無料低額診療事業」です。こちらは社会福祉法第二条三項に基づき、経済的な理由により必要な医療を受けられないことがないよう、無料または低額で治療を受けられる事業をいいます。保険証の種類や有無は問いません。対象となるのは次のような人です。

  • 低所得者
  • 要保護者
  • 野宿生活者
  • DV被害者
  • 人身取引被害者

全額免除の対象になるのは、1カ月の収入が生活保護基準の120%以下の方(一部減免は140%以下)。他の公的制度の活用の可能性を検討した上で、こちらの事業を活用するか判断します。あくまでも一時的な措置となるので、全額免除が受けられるのは健康保険に加入するまで、または生活保護開始までの原則1カ月、最大でも3カ月が基準となります。

無料低額診療事業を実施している医療機関でのみ利用でき、適用基準や申し込み方法は各医療機関によって異なります。詳しくは医療機関の窓口に問い合わせてみましょう。

参考:無料低額診療事業について|厚生労働省

生活保護

病気やケガの手術のために働けず収入がない方は、生活保護の受給を検討しましょう。生活保護には「医療扶助」という仕組みがあり、次のような必要な医療にかかる費用は原則無料(現物支給)となります。

  • 診察
  • 薬剤又は治療材料
  • 医学的処置、手術及びその他の治療並びに施術
  • 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
  • 医療機関又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
  • 移送

生活保護の受給が決まった後で自治体が発行する医療券を医療機関の窓口に提出すれば、窓口での支払いは不要です。入院の場合は入院費や食事代がかかりません。ただし医療券が使えるのは指定医療機関のみで、個室差額代や病衣のレンタル費用は対象外となる場合があります。

また医療扶助の対象になるのは保険診療のみで、先進医療など保険対象外の治療は無料になりません。生活保護の医療扶助について詳しくは、自治体窓口やケースワーカーに相談しましょう。

生活保護受給中の借金の可否については、こちらの記事を参考にしましょう。

「生活保護受給中に借金しても良いか知りたい!バレるリスク&お金に困ったときの対処法とは

生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度を利用すれば、医療費や入院費を低い金利で借りられる可能性があります。対象者や貸付上限額についての詳細は以下の通りです。

対象者 低所得世帯(市町村民税非課税程度など)・障害者世帯・高齢者世帯
貸付上限額 50万円以内
対象となる費用 医療保険が適用される医療費・入院費の自己負担分および食事療養費
対象外の費用 差額ベッド代、入院中の生活用品費などの保険外費用
金利 連帯保証人を立てる場合は無利子

連帯保証人を立てない場合は年1.5%

ただしこちらの制度を利用するための審査には約1カ月間かかります。そのため、まずは高額療養費制度や限度額適用認定証などを優先することをおすすめします。生活福祉資金貸付制度の申し込み窓口は、お住いの社会福祉協議会です。

参考:生活福祉資金貸付制度|厚生労働省

医療ローンの利用

上記の公的制度を利用してもまだ治療費や手術費用、入院費が賄えない方は、金融機関の医療ローンを利用してみてはいかがでしょうか。医療ローンは「メディアローン」とも呼ばれていて、歯科治療に限定している「デンタルローン」といった種類もあります。医療ローンは保険適用・適用外を問わず、次のような医療費の支払いに利用できます。

  • 入院・手術などの高額な医療費
  • 歯科治療(インプラント・歯科矯正など)
  • 美容整形・不妊治療・AGA治療などの自由診療

医療ローンは金融機関の種類別に、銀行系と信販系があります。それぞれで金利や審査のスピードに以下のような違いがあります。

種類 銀行系 信販系
申込先 銀行・信用金庫などの金融機関 医療機関やクリニックと提携している信販会社
審査のスピード やや時間がかかる(数日~1週間) 比較的スピーディー(数十分~数時間)
金利 低め 高め
利息負担サポート なし 医療機関によるサポートあり

受診する医療機関や治療内容によって、費用の相場が異なります。事前に確認した上で、医療ローンの利用が必要かどうかを判断してください。

入院費や手術費用を払えないとどうなる?

入院費や手術費用を払えないでいると、どのようなことが起きるのでしょうか。

電話やハガキで督促される

通常、入院費は退院時に請求されるのが一般的です。月をまたぐ入院の場合は、末締めで翌月に請求される場合が多いでしょう。支払期限を過ぎても入院費や手術費用を支払えないでいると、まずは電話で督促を受けます。それ以降も支払いがない場合は封書やハガキで督促状が届き、それでも支払えないときは医療機関職員が直接自宅を訪問する流れで督促が進められます。

督促があったときには絶対に無視をせず、支払えない事情を説明した上で支払い期限の延長や分割払いの相談をしてください。

母子家庭で生活が苦しいとお感じの方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「母子家庭で借金苦しい。シングルマザーが借金から抜け出す方法や支援制度を紹介」

保証人に連絡が行く

入院費や手術費用を支払えずに督促に応じられないときには、入院時の書類に記載した身元保証人の元に連絡が入ります。その上で身元保証人が未払い費用を請求されます。多くの医療機関では入院や手術前に身元保証人を求めます。

それは緊急連絡先としてや患者本人が意思表示できないときの対応のためという目的以外にも、患者本人が医療費を支払えないときの請求先にするという目的もあります。

弁護士から連絡が来る

患者本人だけでなく身元保証人も医療費を支払わないときには、医療機関が依頼した弁護士から連絡が来る場合があります。この段階で支払が難しいときには、分割払いなどの支払い計画を弁護士や医療機関に提出します。

法的手続きを取られる

弁護士からの連絡も無視し、医療費も支払わないでいると、法的手続きを取られる可能性があります。裁判所を通じて訴訟を提起されたという連絡が入り、最終的には強制執行の申立てが行われて預貯金などの財産が差し押さえられてしまうでしょう。

裁判所から訴状が届いたときは決して無視したりせず、専門家の力を借りながら適切な対処をしていきましょう。

裁判所から訴状が届いた場合の対処法は、こちらの記事を参考にしましょう。

「裁判所から訴状が届いた…どうすればいい?適切な対処法&借金解決方法とは」

手術費用が払えないときの相談先

入院費や手術費用が支払えないときには、次のような窓口に相談してください。

受診している医療機関

請求されている医療費の支払いが遅れそうなときや、事前に支払えないと分かっているときには、受診している医療機関に相談してください。相談先は会計窓口(医事課)もしくは、医療ソーシャルワーカーです。現状に応じて公的制度の案内や支払期限の延長、分割払いなどの具体的な解決策について一緒に考えてくれるでしょう。

とくに各医療機関にいる医療ソーシャルワーカーは、医療費の支払いはもちろん、退院後の生活や公的福祉制度についての相談にも乗ってくれる専門職。相談は無料で、相談内容は守秘義務が順守されます。医療機関によっては「患者相談窓口」や「地域連携室」といった名称で設置されているので、まずは受付にご相談ください。

自治体の福祉担当課

国民健康保険に加入している方は、お住いの自治体の福祉担当窓口もしくは国民健康保険窓口に相談してください。利用できる公的支援制度を紹介してくれ、医療機関の紹介も行っています。

福祉事務所

医療費の支払いだけでなく、退院後の生活全体が苦しいときには福祉事務所に相談した上で生活保護の利用を検討してください。生活保護を受けられればその後の医療費が原則無料となり、生活扶助も受けられます。福祉事務所のケースワーカーに相談すれば、所得や資産の状況を確認した上で受給の可否が分かります。

療養中の一時的な利用も可能で、再就職して生活が整えば、いつでも生活保護を終了できます。福祉事務所一覧は厚生労働省のホームページを参考にできます。

病気で借金が返せない方の解決方法については、こちらの記事を参考にしましょう。

「病気で借金が返せない!今すぐやるべきことから借金問題解決までを一挙解説」

健康保険組合の相談窓口

加入している健康保険組合の相談窓口に問い合わせると、付加給付制度や高額療養貸付制度といった利用できる制度を案内してくれるでしょう。加入している健康保険組合がどこか分からないときは、次のような方法で確認できます。

  • マイナポータルにログインして「健康保険証」の項目から確認
  • 入社時にもらった「健康保険資格取得等通知書」「資格確認書」で確認
  • 会社の総務・人事担当に聞く
  • 病院の受付で確認する
  • 従来のカード型健康保険証で確認する

傷病手当金の申請には、健康保険の種類が分からないと手続きできません。まずは自分が加入している健康保険組合がどこか確認してください。

金融機関

保険外診療や高額医療費の支払いが難しいときには、事前に医療ローンを扱っている金融機関に相談してください。借入上限額や金利は各医療機関によって異なります。また実際に入金されるまである程度の時間がかかるので、その点も事前に問い合わせておくといいでしょう。

民医連の支援窓口

全国民主医療機関連合会(民医連)」の支援窓口でも相談ができます。民医連は、全国1800か所の医療機関や診療所が加盟している医療団体。民医連では経済的困窮者向けの医療提供にも力を入れていて、無料・低額診療事業を実施している医療機関の紹介も行っています。

民医連以外でも、地域のNPO法人や支援団体が相談窓口を設けている場合があります。このような支援団体では患者の立場に立った対応を心がけているため、安心して相談できます。

手術費用の借金が支払えなくなったら…自己破産を検討

手術費用を支払うためにできた借金返済が難しいときには、債務整理の中でも自己破産を検討してください。借金の理由が自分に原因のない病気や手術費用となると、自己破産に抵抗を感じる人がいるかもしれません。しかしやむを得ない事情があった場合でも、自己破産によってその後の生活を再建することは十分にできます。

任意整理や個人再生は安定した収入が必要

債務整理には自己破産の他に、任意整理や個人再生という方法があります。しかしこの2種類の方法は、手続き後も返済が必要な借金が残るため、ある程度の安定した収入が必要に。入院中や手術したばかりで仕事ができない方は、安定した収入が期待できないと判断されて、任意整理や個人再生が認められない可能性が高いです。

また任意整理で減額できるのは、手続き後の利息や遅延損害金のみです。入院費用などの医療費には、契約での定めがない場合の年利3%の遅延損害金が発生する可能性がありますが、利率が低いため任意整理による減額効果はそれほど得られません。

任意整理に向いている人について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

「任意整理と債務整理の違いは何?メリット・デメリット、任意整理に向いてる人を解説」

自己破産なら休業中でも手続き可能

債務整理の中でも自己破産であれば、休業中や失業中でも手続きができます。そもそも自己破産とは、裁判所に申し立てて基本的にすべての借金の返済義務を免除(免責)してもらう手続き。自己破産には免責不許可事由があり、ギャンブルや浪費でできた借金は原則として免責が認められません。

しかし病気や手術、医療費やそれに伴う収入減でできた借金は免責不許可事由に該当せず、生活保護受給中でも問題なく自己破産の手続きができます。むしろ病気やけがなどやむを得ない事情による借金と判断されれば、裁判所でも同情的に事情を理解してくれ、スムーズに手続きを進められる可能性が高いでしょう。

自己破産にかかる費用

自己破産では、裁判所に支払う費用と弁護士に支払う費用が必要です。裁判所にかかる費用は、自己破産の中でも同時廃止事件と管財事件のどちらになるかで変わってきます。

同時廃止事件
  • 破産者に処分できる一定以上の財産がなく免責不許可事由にも該当しないときに選択される
  • 破産管財人を選任せず、破産手続開始決定と同時に廃止(終了)される手続き
  • 費用な手続き期間(約3カ月)を抑えられる
管財事件
  • 財産や免責不許可事由があるときに選択される手続き
  • 破産管財人が選任され、財産の調査・換価・分配を行ったり、免責不許可事由の調査が行われる
  • 手続き期間は半年から1年程度で、破産管財人に支払う費用がかかる

東京地方裁判所など一部の地方裁判所では、弁護士に依頼することで費用と期間を圧縮できる「少額管財」が利用できる場合があります。そして同時廃止事件と管財事件の費用面で大きく異なるのが、裁判所に支払う予納金の金額です。裁判所費用の相場は以下の通りです。

裁判所費用の種類 費用相場
予納金 同時廃止事件 約1〜3万円
管財事件 約30〜50万円
少額管財 約20~30万円
申立手数料 1,500円
予納郵券 3,000円~15,000円

上記の裁判所費用にプラスして、弁護士費用も掛かります。着手金と成功報酬の合計で示した弁護士費用の相場はこちらです。

自己破産の種類 相場費用(税込)
同時廃止 20万~35万円
管財事件 30万~50万円
少額管財 30万~50万円

うつ病で借金が返せない方の解決方法は、こちらの記事を参考にしましょう。

「うつ病で借金が返せない…病気、借金の解決方法&うつ病で利用できる支援制度とは」

自己破産を検討している方は、弁護士に相談

入院費や手術費用のための借金が支払えずに自己破産を検討している方は、弁護士に相談するのがベストです。弁護士に相談できれば、本当に自己破産しか方法がないのか判断してもらえます。また自己破産の手続きを弁護士に依頼できれば、次のような理由から安心して治療や療養に専念できるでしょう。

  • 弁護士から債権者(金融機関)に送られる「受任通知」によって取り立てや督促がストップする
  • 裁判所に提出する書類の作成や収集を任せられる
  • 法的手続きや裁判所とのやり取りをすべて任せられる

今収入がなくて弁護士に支払う費用がないという方は、弁護士事務所に相談して分割払いや後払いに対応していないか聞いてみましょう。また収入や資産が条件に当てはまれば、法テラスの「民事法律扶助後業務」により、無料の法律相談や弁護士費用の立て替えが可能な場合も。まずはお近くの弁護士事務所に相談してみましょう。

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まとめ

手術費用のために借金を考えている方は、高額療養費制度や限度額適用認定証などの公的制度の利用を検討してください。主な相談先は、医療機関の窓口や医療ソーシャルワーカー、自治体の福祉担当窓口や健康保険組合の窓口です。

入院費や手術費用が支払えないと医療機関から督促を受け、身元保証人にも連絡が行きます。弁護士から連絡が来る場合もありますが、最終的には法的手段を取られて財産を差し押さえられてしまうでしょう。そうならないためにも、早急に弁護士に相談したうえで債務整理を検討してください。

中でも自己破産は、休業中でも無収入でも手続きができ、手続き後は基本的にすべての借金の返済義務が免除されます。債務整理に詳しい弁護士に相談・依頼できれば、その後の対応をすべて任せられ、あなたは心身の健康を取り戻すための療養に安心して集中できます。

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