親子間の金銭トラブル|よくある事例と解決のポイントを理解し、状況に応じた解決策を

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  • 「親の借金のことでトラブルに巻き込まれそう…」
  • 「子供の借金の返済義務は親にある?」

表にあまり出ていないだけで、親子間での金銭トラブルは割とよくあること。では実際にどのようなトラブルがあり、その解決策はあるのでしょうか。こちらの記事では親子間の金銭トラブルにスポットを当て、トラブルになる背景やトラブル回避のための初期対応について解説してきます。

さらに親子間の借金は債務整理できるかについても紹介していきます。最も近しい関係だからこそ、金銭トラブルになると解決に時間がかかります。状況に応じた適切な対処法を知り、一日も早くトラブルを解決できるようにしていきましょう。

 

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親子間のよくある金銭トラブル

親子間でよくある金銭トラブルには、いくつかの典型例があります。こちらでは、主に8のケースについて解説していきます。

親(子)のお金を勝手に使う

親または子のお金を勝手に使うという金銭トラブルはよく耳にします。財布の中やたんすの引き出し、銀行口座にあるお金を相手に無断で勝手に使ってしまうというケースです。他にも親(子)名義のクレジットカードを持ち出して買い物やキャッシングをして、相手にその返済を押し付けるという金銭トラブルもよくあります。

子世代では遊ぶ金、親世代では廊下による金銭感覚の低下などが考えられます。また家族に浪費癖やギャンブル依存の傾向がある人がいると、人の金を勝手に持ち出して使ってしまうことも。家族とはいえ無断で人のお金を使うのは犯罪行為です。それで親子間の信頼関係は傷ついてしまうでしょう。

親(子)が借りた借金の返済を求められる

借金した先が良くないところだと、「親(子)が借りた借金なんだから」「親子には返済義務がある」といってトラブルになる可能性があります。消費者金融や銀行など、正規で貸金業を営む業者はそのような取り立ては行いませんが、相手が闇金などの違法な業者だと、このようなトラブルが起こりがちです。

そもそも闇金は、貸金業法をはじめとする法律を無視して違法な貸し付けを行う業者。貸金業を行うのに必要な届け出をしていないだけでなく、法外な利息や違法な取り立てが問題になっています。注意喚起をしていても利用する人が一定数いるため、親や子が闇金に手を出してしまうと家族まで巻き込まれる恐れがあります。

子供の借金に対する親の返済義務の有無については、こちらの記事を参考にしましょう。

「子供の借金が発覚…どうすれば?親の支払い義務の有無と【ケース別】借金問題解決方法とは」

親子間でのお金の貸し借り

親子間でのお金の貸し借りでも、金銭トラブルが起こります。子が若いうちは、浪費や車の購入などでまとまったお金を親に借りる機会があります。また結婚して家族を持つようになると、マイホームの頭金や子どもの教育費として親に借りるという人もいるでしょう。反対に親が高齢になれば、治療や介護にかかる費用を子に借りるというケースがあるかもしれません。

親子間の貸し借りでトラブルになるのは、返済について明確に取り決めしていないケースが多いということ。貸した側は「きっと返してくれるだろう」と思っている一方で、借りた側「家族なんだから返済しなくてもいいのでは?」と考えがち。

「貸して」といって借りたとしても、返済の約束があいまいだったり口約束だけで済ませてしまうと、返済方法や返済期間をめぐって不満や誤解が生じる可能性があります。

親や友人から借金するときの注意点は、こちらの記事を参考にしましょう。

「友人から借金するときの注意点と上手な借り方|借りたお金を返せないときの対処法とは」

親(子)の借金の保証人になった

親もしくは子の借金の保証人になると、親子間で金銭トラブルになりがちです。場合によっては、本人に内緒で勝手に保証人にさせられてしまったというケースもあるかもしれません。勝手に保証人にさせられたケースは別として、承知の上で保証人になった場合には一定の返済義務が生じます。

ここでポイントになるのが、通常の保証人と連帯保証人の違いです。保証人と連帯保証人とでは、課せられる責任の大きさが大きく変わってきます。というのも連帯保証人には、通常の保証人に認められている以下のような権利がないからです。

催告の抗弁権(民法第452条) 債権者から支払の請求があった場合に「先に債務者に請求すべき」と主張できる権利
検索の抗弁権(民法第453条) 債務者に支払える財産がある場合に「債務者に財産があるからまず債務者に請求すべき」と主張できる権利
分別の利益(民法第456条) 保証人が複数人いる場合に保証人の頭数で債務を平等に分けて分担できる権利

極端にいうと、そもそも借金した主債務者に返済できる能力があったとしても、債権者から請求された場合は連帯保証人が返済しなければなりません。このような保証人トラブルで、親子間に大きな亀裂が生じる可能性があります。

連帯保証人は支払い拒否できるのか知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

「連帯保証人は支払い拒否できる?種類・状況ごとの対処法を知って差し押さえを回避しよう」

生活費や共同費用の負担について

同居している親子間で多いのが、生活費や共同費用の負担についてのトラブルです。家賃や光熱費、食費など日々の家計の負担に対して、双方の認識のずれや負担の不平等感があると、小さな不満から大きなトラブルに発展する可能性があります。

  • 家賃や光熱費の分担割合についての不満
  • 生活費の過不足について双方が把握していないことによる誤解
  • 生活費以外の費用(冠婚葬祭費・子どもの学費など)での負担の不均衡
  • 趣味や娯楽費の扱いで生じる不満

とくに誰がどの費用をどの程度負担するかについてあいまいにしたままだと、トラブルが生じやすくなります。このようなトラブルは金銭管理が緩く、家族間コミュニケーションが十分でない家庭に起こりがち。同居している親子間でも、日々の小さな不満やモヤモヤが積み重なり、次第に大きな感情的しこりが生まれる可能性が高いです。

兄弟間の金銭的支援格差

子に兄弟姉妹がいる場合、親からの金銭的支援の格差が原因でトラブルになる可能性があります。「兄には大学費用を出したのに、自分は奨学金を借りるように言われた」「妹にはマイホーム費用を援助したのに、私には何もなかった」といったケースです。

とくに親からの援助を受けられなかった・自分の方が受け取り分が少ないと感じている側が、不満を抱きがち。このようなトラブルでは、格差を生んだ親との関係はもちろん兄弟姉妹との関係にもひびが入る恐れがあります。

兄弟の借金の返済義務に関しては、こちらの記事を参考にしましょう。

「兄弟が作った借金に支払い義務はある?ケース別の支払い義務の有無と負担を軽くする解決方法」

高齢の親の財産管理

親が高齢になると親本人が財産を管理できなくなるケースも少なくありません。このようなとき、子が親の財産を管理するのが一般的です。とくに親の介護が必要になったときや認知症が進行しているときは、親本人の意思が不明確になりやすく、管理する子の判断を巡ってトラブルになる可能性も。具体的には次のようなケースです。

  • 介護や生活費の名目で親の預貯金や年金を無断で引き出し不正利用する
  • 誰が親の成年後見人になるかで兄弟間で争いが生じる
  • 悪意を持つ外部の第三者により高齢の親の財産が狙われる
  • 子ども間で親の介護費用の負担割合について不公平感が生じる

贈与や相続

親の財産を子に譲る「贈与」や「相続」でも、金銭トラブルが生じがちです。子は親の財産を当てにして生活プランを立てている一方で、親は親の都合で財産を残さずにすれ違いが生まれることも。また親は「貸した」と思っているのに子は「貰った」と認識しているケースでは、法的な問題が生じます。

法律上、借金と贈与は明確に区別されます。借金は「返済の約束をした金銭の貸し借り」として民法上の金銭消費貸借契約に当たります。しかし贈与は「返済義務のない一方的な財産の譲渡」となり、民法上の贈与契約となります。贈与には受け取った側に「贈与税」を納める義務がありますが、借金にはそのような税金の支払い義務はありません。

金銭トラブルを回避するための初期対応

では親子間で金銭トラブルを回避するためには、どのようなことができるのでしょうか。こちらではトラブル回避にための初期対応方法を紹介していきます。

話しにくいと思っても避けない

親子間でも、親子間だからこそお金の問題は話しにくいもの。しかしトラブルを回避するためには、お金についての話し合いは避けないのが鉄則。定期的な家族会議を持ち、費用の分担や収支内容を明確にしましょう。この時話し合った内容は、必ず記録を取るようにしましょう。

簡単なメモ書きやスマホでの録音でも構いません。これらの記録は後日、誤解やいさかいが生じたときの証拠になるだけでなく、第三者が介入した場合にも役立ちます。

事実を整理する

親子間で金銭トラブルになったときには、まず事実を整理することから始めてください。金銭のやり取りについて、口頭での約束や契約の内容、記録をもとに次のような事項を明確にします、

  • いつ・誰に・いくら貸したか
  • 返済の約束の有無
  • 支払条件の詳細

記録が残っていないときには、家族間でそれぞれの認識を確認して、書面化してください。事実を明確にすることで、双方の誤解や感情的なすれ違いを減らせます。

冷静な話し合いを心がける

話し合いの場面では、双方が落ち着いた話し合いを心がけましょう。怒りや非難といった感情ではなく、事実確認を中心に話すのがポイント。また双方が、互いの認識や意見を尊重する姿勢を持つと冷静な話し合いが可能になります。

冷静な話し合いはトラブル悪化を防ぐとともに、関係の修復にも役立ちます。まずは相手の状況をじっくり聞き、自分にできることとできないことをきっちりと分けて伝えましょう。こうしたコミュニケーションの姿勢はすぐに良い方向に向かわなくても、親子関係改善のきっかけになるはずです。

毅然とした態度で対応する

相手から日常的に金銭を要求されている場合、毅然とした態度で対応してください。場合によってはキッパリと要求を断ることも重要です。同居している子にお金をせびられ続けている方は、1人暮らしさせることも視野に入れてください。

自分の老後資金を切り崩してまで援助してしまうと、今度は自分の生活が立ち行かなくなります。冷たいように感じるかもしれませんが、子の自立のきっかけになるかもしれません。

第三者を交えて解決を図る

家族間だけで解決が難しいときには、中立的な立場の第三者の助けを借りて解決することも考えましょう。できれば法律の専門家である司法書士や弁護士に依頼するのがおすすめ。トラブルの初期段階で第三者に依頼できれば、長期化や感情的な対立を最小限にできます。

また双方が感情的になるのを防げ、対応方法についても法律に基づいた具体的なアドバイスが受けられます。弁護士に依頼すれば、返済できない借金の解決にも協力してくれるはずです。

親子間の金銭トラブルを解消するポイント

親子間で金銭トラブルになったときには、次のようなポイントに注意して解決していきましょう。

内容証明郵便の利用

親子間での金銭の貸し借りがあったときには、証拠を残すことが非常に重要です。相手がだれであれ、約束した内容を書面化できれば、後になって「約束とは違う」「そんな話は聞いていない」といったトラブルが避けられます。できれば内容証明郵便を利用して、親子間で合意した内容を明確にしましょう。

内容証明郵便とは、郵便局がいつ・誰が・誰に・どのような内容の文書を送ったかを公的に証明してくれるサービス。相手親や子でも内容証明郵便を送付できるので、ぜひ利用してみましょう。

内容証明を利用するメリット

金銭のやり取りについて内容証明郵便を利用するメリットには、次のようなものがあります。

  • 調停や訴訟など法的手続きの証拠にできる
  • 時効の完成猶予の効力を持たせられる
  • 相手に本気度を伝えられる

とくにメリットになるのが、相手に自分の本気度を伝えられるということ。内容証明郵便が送られてくれば、相手は「これは口約束でなく本気の請求だ」と認識します。その結果親子だからと放置していた問題に、本気で取り組むきっかけにもなります。

法的に縁を切ることはできない

繰り返される相手からの金銭の要求に対して、金銭的にも精神的にも苦しくなり、「いっそのこと親子の縁を切ってしまいたい」と考える人がいるかもしれません。しかし実の親子の場合、法的に「縁」を切るということはできません。

縁を切るというと「勘当」を思い浮かべるかもしれませんが、勘当は法律上の制度でないため、扶養義務や相続に対する影響はありません。離婚や養子縁組の解消とは異なり、実の親子の間では完全に縁を切ることができないと覚えておきましょう。

住民票の閲覧制限

実の親子間では縁を切ることができないものの、相手に自分の居場所を知られたくないときには住民票の閲覧制限をかけられます。住民票に閲覧制限をかければ、引っ越しした先の住所を知られる心配がないため、縁を切りたい親や子から逃げられます。

住民票の閲覧制限をかけるためには、単に「相手に知られたくない」という理由だけでは認められません。本来はDV被害やストーカー被害、児童虐待の被害者を保護する目的で設けられた制度ですが、成人後も親からの支配や暴力、精神的虐待がある場合には専門機関に相談したうえで、閲覧制限をかけられる可能性があります。

住民票の閲覧制限は正式には「住民基本台帳事務におけるDV等支援措置」といい、次のような情報の閲覧や交付が制限できます。

保護される情報 内容
住民票の写し 現在の住所情報
住民票の除票 現在の住所情報・過去の住所情報
戸籍の附票の写し 本籍地での住所履歴
戸籍の附票の除票 過去の住所履歴

親子間でトラブルがあったときには、警察や女性相談支援センター、各自治体の相談窓口に相談したうえで、支援措置を申し出てください。

違法行為があったら警察に相談

相手から暴力を振るわれた、家の中のものを壊された、大声で恫喝されたといった違法行為があったときには、警察に相談してください。「家の中のことで警察に言うのは恥ずかしい」と家族だけで解決しようとすると、被害がさらに大きくなる可能性も。

緊急性があるときには迷わず110番通報してください。緊急性がないときでも、警察相談専用ダイヤル「#9110」に相談することをおすすめします。

双方に扶養義務がある

親子には双方に扶養義務があります(民法第877条第1項)。この扶養義務は、たとえ縁を切ったとしてもなくなりません。

(扶養義務者)

第八百七十七条 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。

引用:民法|e-GOV法令検索

ただしこの扶養義務は、扶養する側が通常通りに自分の生活が送れていて、さらに経済的余裕がある場合に限られます。自分の生活を犠牲にしてまで親や成人した子に金銭を渡す必要はないため、役所から親や子の援助を依頼されても「こちらの生活で手一杯です」と回答すれば問題ありません。

親子間の窃盗は犯罪にならない

他人の財布からお金を盗んだり、他人の預金を勝手に引き出して使う行為は窃盗罪になります。しかし親子間の金銭の窃盗は、刑法上の刑罰の対象にはなりません。

(親族間の犯罪に関する特例)

第二百四十四条 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪(窃盗)、第二百三十五条の二の罪(不動産侵奪)又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。

引用:刑法|e-GOV法令検索

当然ですが逮捕されたり起訴されて刑事罰が科されることはありません。そして上記以外の親族が窃盗や不動産侵奪をした場合は親告罪となり、被害者が告訴したケースに限って逮捕や起訴されます。

民事上の返還請求は可能

親子間の窃盗は犯罪として処罰できませんが、民事上の責任は追及可能です。具体的には「不当利得返還請求」や「不法行為に基づく損害賠償請求」といった手段が取れます。ただし親子間で事実関係を法的に立証するのは難しく、とくに親が高齢で判断能力に問題があるといった場合には、責任の追及がうやむやになる恐れがあります。

遺産を相続させない方法

子からお金をせびられ続け、「自分が死んだ後の相続だけはさせたくない」と考えてる人がいるかもしれません。また他に子どもがいる場合には、1人だけに援助したことに対して兄弟姉妹が不公平感を持っている可能性も。亡くなった後の遺産を相続させたくないときには、あらかじめ遺言書を作成して自分の意思を示しておくことが大切です。

ただし相続には「遺留分」があり、親子間の相続では本来得られる割合の1/2が遺留分となります。ただし生前子どもから日調的に暴力を振るわれていたなどの事実がある場合には相続人から廃除できる可能性があります。排除できると相続権がなくなるため、遺産を相続できなくなります。

親の借金は相続放棄する

亡くなった親に多額の借金があることが分かったときには、相続放棄を検討してください。通常相続権がある相続人は、預貯金などのプラスの借金だけでなく借金などのマイナスの借金も相続します。しかし相続放棄の手続きをすることで、借金まで相続せずに済みます。

ただし相続放棄の手続きをすると、プラスの財産も受け取れないことに。そのため親の遺産をよく調査したうえで、相続放棄した方がいいか決めましょう。

相続放棄をするには、亡くなった親が住んでいた住所地を管轄する家庭裁判所に、次のような書類を提出します。

  • 相続放棄申述書
  • 申述人の戸籍謄本
  • 亡くなった親の死亡の記載がある戸籍謄本(除籍謄本)
  • 亡くなった親の住民票の除票(または戸籍の附票)

相続放棄ができる期間は、原則として自分が相続人になったことを知ったとき(親が亡くなったと知ったとき)から3カ月以内です。ただし一部でも親の遺産を使ってしまうと、相続を承認したとみなされて相続放棄ができなくなってしまうので気を付けてください。

親(子)に借金を肩代わりする義務はない

たとえ親子であっても、法的に返済を肩代わりする義務はありません。親(子)がした借金は親(子)自身に返済義務があります。亡くなった親(子)の借金を相続したり保証人にでもなっていない限り、子(親)に借金返済義務はないので安心してください。

貸金業者から取り立てを受けたとしても、それに応じる必要はありません。逆に「これ以上取り立てされると、警察に言います」と毅然とした態度を示しましょう。「家族が迷惑をかけたから」と少額でも代わりに返済してしまうと、相手はあなたからもっと金銭を取れると判断して、より執拗に取り立てしてくるようになります。

親の借金について子に返済義務があるかどうかについては、こちらの記事を参考にしてください。

「親が作った借金の肩代わりすべき?家族の借金を調べる方法&6つの解決方法」

無断で保証人にさせられた場合は拒否できる

勝手に親や子の借金の連帯保証人にさせられたときには、訴えが認められれば連帯保証契約を無効にできます。例えば自分の筆跡をまねて連帯保証人の欄にサインをして、印鑑を自宅から持ち出して捺印をしたような場合です。

このようなときには借入先から契約書の写しを取り寄せて、筆跡や印証を確認したうえで、無断で署名捺印されたことを主張してください。ただし少額でも返済したり、「払います」と約束したりすると、連帯保証契約を認めた(追認)とみなされて返済義務が生じる可能性があります。

親子間の借金の税金について

親子間のお金のやり取りでは、贈与税の問題も考える必要があります。というのも、当事者間では金銭の貸し借りという認識でも、税務署の判断で贈与とみなされて贈与税の対象となる可能性があるため。例えば次のような金銭の貸し借りがあると、贈与税の対象となると判断される恐れがあります。

  • 金銭消費貸借契約書や借用書がない口約束での貸し借り
  • 子の返済能力を無視した高額貸付
  • 返済時期があいまいな出世払い
  • あるとき払いで催促なしの貸付

また多額の金銭を利息なしで貸し付けると、利息分を贈与とみなされる可能性があります。親子間で多額の金銭のやり取りをするときには、それが借金なのか贈与なのかを明確にできるよう、客観的な証拠を残すのがポイントです。

調停で解決を図る

親子間で金銭トラブルになったときには、調停で解決を図るという方法があります。調停とは家庭裁判所の調停委員や裁判官が双方の間に入り、お互いの主張や事情をよく聞いたうえで解決案を提示したり関係回復を目指す方法です。費用は印紙代や切手代程度で済み、それほど手続きは難しくありません。

親子間のトラブルを解消するためには「親族関係調整調停」を、亡くなった親の相続でトラブルになりそうなときには「遺産分割調停」を申立ててトラブル解消に努めましょう。ただし相手方が調停に出席しないと調停は不成立となり、訴訟を提起する必要があります。

違法な取り立ては弁護士に相談

違法な取り立てにあったら、警察や弁護士に相談してください。どちらに相談したらいいかの判断基準は、刑法上の犯罪行為があるかどうかです。次のような犯罪行為があった場合には、警察に相談してください。

脅迫罪 暴言や危害を加えるといった脅し文句で心理的恐怖感を与える
恐喝罪 脅迫してお金をだまし取る
住居侵入罪 敷地内に入り込む、自宅に勝手に上がり込む
不退去罪 敷地内や自宅から退去するように求めたにもかかわらず居座り続ける
業務妨害罪 勤務先などに何度も電話をかけてくる・取り立てに来る
強要罪 他の闇金などを利用して借金を返済させようとする
器物損壊罪 自宅やそこにある物を壊された
傷害罪 殴る・蹴る・突き飛ばすなどで身体的被害を受けた
名誉棄損罪 悪口や根も葉もないうわさを周囲に流した

上記のような犯罪行為がない場合でも、相手が闇金業者の時には弁護士に相談するのがおすすめです。すでに返済をしてしまっている場合でも、弁護士に依頼すれば解決可能です。闇金が一番恐れているのは刑事事件化されて逮捕されること。

弁護士が介入して闇金に通告を入れることで、警察が介入する可能性があると認識して、すぐに取り立てや嫌がらせ行為をストップできます。とはいえ、弁護士ならだれでもいいという訳ではありません。闇金問題の実績が豊富な弁護士事務所を探して相談しましょう。

闇金からの電話でお困りの方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「闇金からの電話しつこいときの対処法!間違った方法や電話がくる理由も紹介」

親子間の借金は債務整理できる?

親子間の借金が原因でトラブルになったとき「債務整理すれば偏差しなくても済むのでは?」と思われる方がいるかもしれません。こちらでは親子間の借金を債務整理できるかについて解説していきます。

手続きしても意味がない可能性

親子間の借金は債務整理をしても意味がない可能性があります。債務整理の方法には、下記のような任意整理・個人再生・自己破産の3種類があります。このうち任意整理は、手続き後に発生する将来利息や遅延損害金をカットする手続きです。

個人の借金では利息や遅延損害金を設定していないケースが多く、この場合は任意整理をしても意味がありません。任意整理を検討している方は、親子間の借金を除外して、金利の高い貸金業者からの借金を手続きするようにしてください。

任意整理しても意味がないケースについて詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。

「任意整理をしても意味がない?効果が得られない7つのケースとその他の対処法とは」

他の借金を債務整理する

親子間の借金だけでなく他にも返済すべき借金があるときには、債務整理を検討してください。債務整理には次の3つの種類があり、それぞれで手続き方法や借金の減免割合、メリット・デメリットが変わってきます。

債務整理の種類 特徴・減免割合
任意整理
  • 債権者と直接交渉し、将来利息や遅延損害金の減額を求める手続き
  • 残った借金は3~5年かけて完済を目指す
  • 交渉する債権者を選べる
  • 安定した収入がないと合意が難しい
  • 費用や時間がかからず、周囲にも知られる可能性が低い
個人再生
  • 民事再生法に基づき、裁判所に申し立てて借金を大幅に減額(1/5~1/10)できる手続き
  • 再生計画に基づいて原則3年、最長でも5年で返済するのが原則
  • 住宅ローンを返済し続けることでマイホームを手放さずに済む「住宅ローン督促」がある
  • 減額割合が多い分、任意整理よりも収入や債権者の同意に関する条件が厳しい
自己破産
  • 借金が返済不能状態であることを裁判所に認めてもらうことで、全ての借金の返済義務を免除(免責)できる手続き
  • 免責が認められない「免責不許可事由」がある
  • 一定期間職業や資格、移動などに制限がある
  • 破産管財人が選任される管財事件になると、費用と時間がかかる

取り立てはストップできない

弁護士に債務整理を依頼すると、債権者宛てに「受任通知」が送付されます。貸金業法では、受任通知送付後の取り立てや督促ができないと決められているので、貸金業者からの取り立てをストップできます。しかし個人が債権者の場合は貸金業法の規制の対象外となるため、弁護士に依頼した後も親または子からの取り立てがストップできない可能性があります。

手続き依頼後は返済しない

弁護士に債務整理を依頼した後は、親子間の借金の返済は停止してください。とくに裁判所に申し立てる個人再生や自己破産では、全ての債権者を平等に扱わなければならない決まりがあります。いくら相手が親(子)でも、債務整理をする上では一債権者という立場です。

債務整理を検討して弁護士に相談に行った後で一部の債権者にだけ返済してしまうと、「偏頗弁済(へんぱべんさい)」とみなされて、個人再生や自己破産が認められない可能性が高いです。貸金業者からの借金は債務整理したいが、親(子)からの借金は返済を続けたいという方は、任意整理を選択して親子間の借金を手続き対象から除外するようにしましょう。

偏頗弁済について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「偏頗弁済はバレる?個人再生・自己破産でやりがちな例とバレた後で起こること、回避術とは」

まとめ

親子間の金銭トラブルでよくあるのは、親子間の借金や勝手に相手のお金を使う、兄弟姉妹間の金銭的支援の格差や贈与・相続などです。トラブルを回避するには、事前にしっかり話し合った上で合意内容を書面化し、ときには第三者を介した交渉を行います。

親子間の窃盗は罪に問われず、民事上の責任追及も難しいです。法的に縁を切ることはできませんが、場合によっては住民票の閲覧制限をかけるなどの対応が可能です。たとえ親子でも相手の借金を肩代わりする義務はなく、トラブルが発生しないように贈与や相続が発生したときにはどのような手続きが必要になるのか理解しておきましょう。

親子間の借金でも債務整理が可能です。しかし任意整理ではあまり意味がなく、個人再生や自己破産では偏頗弁済に気を付けてください。親子間の借金を含めて借金問題を解決したいときには、債務整理に詳しい弁護士に相談したうえでアドバイスをもらってください。

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