育休中に借金を返済する方法|出産前後で利用できる公的制度と借金問題解決方法を解説

育休中に借金を返済する方法|出産前後で利用できる公的制度と借金問題解決方法を解説
育休中に借金を返済する方法|出産前後で利用できる公的制度と借金問題解決方法を解説
  • 「育休中も借金を返済できるか心配…」
  • 「産前産後で利用できる公的支援制度の種類は?」

育休中は給料が満額支給されず、様々な出費がかさむため、今まで通り借金を返済出来なくなるケースが珍しくありません。とはいえ勝手に返済をやめてしまうと、遅延損害金が加算されたり給与が差し押さえられてしまう可能性が。こちらの記事では育休中に借金を返済する方法について詳しく解説。

さらに産前産後で利用できる公的支援制度や融資制度なども紹介するので、家計の心配があるという方も参考にしましょう。育休中に債務整理をする場合には、注意点やポイントがあります。手続きが無駄にならないためにも、条件や手続き方法について知っておきましょう。

 

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借金があるのに妊娠が分かった場合の対処法

借金の返済があるにもかかわらず妊娠が分かった場合、今まで通り返済が継続できるか多くの方が気になるはずです。まずはそのような場合の適切な対処法について解説していきます。

借金の内容を把握する

育休中に借金の返済ができるか判断するために、まずは借金の内容を把握してください。借入先が複数社ある場合は、それぞれの金融機関ごとに次のような項目を一覧にまとめてください。なお借入状況や毎月の返済額が分からない方は、金融機関のアプリやサイトのマイページから確認できます。

  • 借入先
  • 借入理由
  • 借金の残高
  • 毎月の返済額
  • 借入期間
  • 延滞期間
  • 延滞理由
  • 利率
  • 遅延損害金の金額・利率
  • 完済予定時期
  • 連帯保証人の有無
  • 裁判所通知の有無

この一覧表をもとにして、育休中でも返済が可能なのか、ほかに何らかの対処が必要なのかが見極められます。期日通り借金を返済しないと、金融機関から督促を受けるだけでなく、最悪の場合は財産を差し押さえられる可能性も。そうしたリスクを回避するためにも、延滞前に対策を取っていきましょう。

借金があることを夫に内緒にしている方、伝えた方がいいのではとお悩みの方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「借金は夫に伝えるべき?それとも秘密にすべき?配偶者に内緒で借金問題を解決する方法とは」

産前・産後にかかる費用を調べる

次に出産前後でかかる費用について調べます。出産や育児には、次のような様々な費用が掛かります。

健診費用

出産前の妊婦検診(妊婦健康診査)は、無事に出産できるように定期的に行う妊婦のための健康診断。厚生労働省の定めで、14回程度受診した方がいいと決められています。妊婦検診には健康保険が適用されないので、全額自己負担となります。受診する病院によっても異なるものの、基本検査で5千円前後、特別な検査を受けると1~2万円ほどかかります。

ただし保険適用になる症状や病気が発覚したときには、そのための検査費・治療費は保険適用となります。多くの自治体で妊婦検診の助成制度を設けているので、事前にお住いの自治体の役場や保健福祉センターなどに問い合わせてみてください。

出産にかかる医療費

出産時には入院費用や分娩費用が掛かります。詳細な項目は以下の通りです。

  • 入院費
  • 分娩料
  • 室料差額
  • 新生児管理保育料
  • 検査・薬剤料
  • 処置・手当料など

現在の相場でいうと、合計でおよそ50万円前後かかります。かつては国から「出産育児一時金」として42万円支給されていましたが、2023年4月からは50万円支給に。これにより分娩や入院にかかる費用のほとんどが、出産育児一時金で賄える計算です。

母子にかかる費用

産前産後には、マタニティ用品やベビー用品も購入しなければなりません。正期産(生産期)になると体形が大きく変わるため、それに応じた下着やマタニティウェアが必要に。出産後は赤ちゃんのためのおむつなどもいるでしょう。産前産後には主に次のような費用が掛かります。

  • マタニティウェア、下着
  • 妊娠線対策のクリーム
  • 骨盤ベルト
  • 母乳パッド
  • 産褥ショーツ
  • ベビーウェア
  • おむつ
  • 哺乳瓶
  • 赤ちゃん用のベッド
  • ベビーバス
  • 抱っこひもなど

これらは最低限必要な費用です。さらにベビーベッドやチャイルドシート、ベビーカーなどを購入すれば、それらの費用も掛かります。

その他の出費

母子にかかる費用のほかにも、産前産後には様々な出費があります。例えば出産祝いをもらったお返しの費用や、里帰り出産したときに親に渡した生活費、家事や育児の外注費など。こういった費用についても、事前に計算に入れておきましょう。

育休中の収入を計算

次に夫の給与も含めた、育休中の収入を算出してください。育児休業手当などの公的支援が受けられるときには、それらの金額もあらかじめ把握しておきます。後述する公的支援制度や手当金を参考に、自分のケースで受給できる制度はないかチェックしてみましょう。

育休中に借金返済できるか計算

毎月の収入と支出、出産や育児にかかる費用が算出できたら、育休中でも借金を返済できるか計算してみてください。何とかやりくりできるという場合は問題ありませんが、返済が難しいときには何らかの手立てが必要です。産前産後や育休中は副業やアルバイトが難しいため、後述する借金返済を伸ばしてもらう交渉が必要だったり、どこかから資金を調達して借金返済に充てなければなりません。

復職後の生活への影響を最小限にするためにも、この期間を何とか乗り切っていきましょう。

借金の返済額はいくらからヤバいのか知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

「借金の返済額、いくらからやばい?危険な借金の判断基準と自力返済・債務整理する場合のポイント」

産休・育休中に利用できる公的制度

日本には産休や育休中に利用できる公的制度がいくつもあります。制度によって適用の条件が異なるので、まずは自分がどの制度を利用できるのか確認しましょう。

妊婦健診費用の助成制度

全国の自治体では、妊婦検診費用の助成制度を設けています。お住まいの自治体役場に「妊娠届」を提出すると、受診券(補助券)が母子手帳とともに受け取れます。受診券には検査項目ごとの助成額が記載されており、検診時に医療機関の窓口にすると、助成額を差し引いた金額のみが自己負担となります。

受診券は14枚つづりになっていて、1回の受診ごとに1枚提出します。妊娠が分かったら早めに窓口に妊娠届を提出したうえで、受診券はなくさないように保管しておきましょう。

出産手当金

出産手当金は、加入している健康保険組合から支給される手当金。出産で仕事を休んでいる間の給与のおよそ2/3が支給されます。なお国民健康保険にはこの制度がないので、出産手当金を受給できません。出産手当金を受け取れる条件や期間等は以下の通りです。

条件 健康保険に加入している被保険者(国民健康保険は除く)で

出産のため会社を休んで雇用者から給料が支払われない、あるいは支給額が出産手当金より少ない場合

適用期間 出産日の42日(6週間)(多胎妊娠の場合98日)前から出産日翌日から56日(8週間)目までの範囲内で会社を休み、給与が得られなかった期間
支給金額 支給開始日前の過去12か月間の標準報酬月額÷30日✕3分の2(1日当たり)
申請先 加入している健康保険の窓口

必要書類は「健康保険出産手当金支給申請書」を使用し、申請期限は出産の日から2年以内です。

参考:出産育児一時金・出産手当金|給付と手続き|協会けんぽ

高額療養費制度

高額療養費制度とは、所得に応じた医療費が一定の上限を超えたときに、その超えた分が後から返金される制度です。健康保険が適用されない正常分娩は高額療養費制度の対象にはなりませんが、医学的な判断により健康保険が適用される次のような医療行為については、高額療養費制度が適用されます。

  • 帝王切開
  • 吸引分娩
  • 鉗子分娩
  • 異常分娩
  • 切迫早産による治療入院
  • 妊娠高血圧症候群

例えば現役世代で年収が370万~770万円の一般的な所得区分の方は、月8万円の自己負担限度額を超えた部分が後から払い戻しされます。事前に適用の条件や限度額の区分を確認しておくといいでしょう。加えて、出産育児一時金との併用や差額ベッド代などの自己負担についても併せてシミュレーションしておいてください。

申請先は加入している各健康保険の窓口です。国民健康保険は役場の担当課、全国健康保険協会(協会けんぽ)は都道府県に設置されている窓口、その他の健康保険組合や共済組合は、職場の総務・人事担当にお問い合わせください。

参考:高額療養費制度を利用される皆さまへ|厚生労働省

育児休業給付金

育児休業給付金は、雇用保険に加入している人が、育児のために会社を休んだ場合に支給される給付制度です。支給の条件や金額は以下の通りです。

条件 雇用保険に加入していて育児休業開始日前の2年間のうち、1ヶ月に11日以上働いた月が12ヶ月以上ある

育児休業中、事業主から「育児休業開始前6ヶ月における1ヶ月あたりの賃金」の8割以上の報酬を受け取っていない

就業日数が対象期間中の月に10日以下(10日を超える場合は80時間以下)

適用期間 育児休業開始日から子どもが1歳に達する日の前日まで
支給金額 育児休暇開始から180日目まで…育児休業開始時の賃金日額×支給日数の67%

育児休業開始から181日目以降…育児休業開始時の賃金日額×支給日数の50%

申請先 勤務先の総務・人事担当

初回申請は育児休業開始から2か月後に行います。以後は2カ月おきに申請してください。申請してから支給までは1週間~10日前後かかります。

参考:育児休業等給付|ハローワークインターネットサービス

出産育児一時金

出産育児一時金は健康保険の日加入者およびその扶養者が出産したときに支給される制度。子ども一人につき50万円の支給となるので、双子の場合は合計で100万円が支給されます。主な条件や申請先はこちらです。

条件 健康保険などの被保険者、ならびにその被扶養者、国民健康保険の被保険者

妊娠4か月(85日)以上で出産した

支給金額 子ども一人につき50万円
申請先 国民健康保険:自治体窓口

その他の健康保険(社会保険):勤務先・健康保険組合の窓口

申請期限 出産日の翌日から2年以内

なお産科医療補償制度の対象となっていない産院で出産した場合や、妊娠22週未満の出産の場合の一時金は、488,000円となります。退職後6か月以内に出産した場合、以前加入していた保険者から出産育児一時金を受け取れます。その場合は以前の会社の健康保険に1年以上継続して加入していたことが条件です。

また出産育児一時金の「直接支払」制度を利用すると、加入している保険組合から直接医療機関に出産育児一時金が支給されます。本人が窓口で支払うのは、総額から出産育児一時金の支給額を差し引いた金額です。

参考:出産育児一時金等について|厚生労働省

出生時育児休業給付金

2025年4月から、新たに出生時育児休業給付金制度が開始されました。これは雇用保険の被保険者となっている男性が受給できる給付金。いわゆる「産後パパ育休」を通算で14日以上取得していることが条件となります。ちなみに産後パパ育休は最大で28日、2回まで分割してとれることになっています。その他の条件や給付額は次の通りです。

条件 雇用保険の被保険者であること

休業期間中に通算14日以上の「産後パパ育休」を取得していること

休業開始日前2年間に、被保険者期間が通算して12ヶ月以上あること

休業期間中の就業日数が、最大10日(10日を超える場合は就業した時間数が80時間) 以下であること

適用期間 「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までの期間内の最大28日間
支給金額 休業開始時賃金日額 × 休業期間の日数(上限28日) × 67%
申請先 勤務先の総務・人事担当
申請期限 出生時育児休業の期間終了日(または出生後8週間経過後)の翌日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日まで

参考:育児休業等給付の内容と支給申請手続|厚生労働省

出生後育児休業給付金

こちらも2025年4月から新設された給付金制度です。こちらは女性も受け取れる制度となっていて、次のような条件を満たす方は、産後パパ育休時に出生時育児休業給付金にプラスして、この出生後育児休業給付金も受け取れます。

条件 雇用保険の被保険者であること

休業期間中に通算14日以上の「産後パパ育休」を取得し、かつ配偶者も同様に14日以上の休業を取得した場合

適用期間 「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までの期間内の最大28日間
支給金額 休業開始時賃金日額 × 対象休業日数(上限28日)× 13%
申請先 勤務先の総務・人事担当
申請期限 出生時育児休業の期間終了日(または出生後8週間経過後)の翌日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日まで

既存の育児休業給付金または出生時育児休業給付金を受給できるので、夫婦それぞれで合計80%の給付率に。申請は育児休業給付金または出生時育児休業給付金と同じタイミングで行うのが原則となっているので、こちらも忘れずに手続きを行いましょう。

参考:育児休業等給付について|厚生労働省

育児時短就業給付金

育児時短就業給付金も2025年4月に新設された制度。育児休業から復帰した後で時短勤務を選択した労働者の収入減少を補填する目的で新設されました。

条件 2歳未満の子供を養育するために短時間就業を行う雇用保険の被保険者

育児休業に続いて時短就業を開始した場合、または時短開始前2年間に被保険者期間が12ヵ月以上あること

適用期間 育児時短就業を開始した月から終了した月(子が2歳に達する日の前日まで)まで
支給金額 時短就業中の賃金額の10%
申請先 勤務先の総務・人事担当

支給金額は時短中の賃金と給付金の合計が、育児時短勤務前の賃金水準を超えないように調整されます。

参考:育児時短就業給付の内容と支給申請手続|厚生労働省

乳幼児医療費助成制度

こちらは自治体が乳幼児の入院や通院にかかる費用を助成してくれる制度。事前に自治体に申請して「医療証」を受け取り、受診した医療機関の窓口に健康保険証と一緒に提示すると、自己負担額が軽減もしくは無料となります。対象年齢や助成金額はお住まいの自治体によって異なります。まずは自治体に確認してみましょう。

社会保険料の免除制度

育児休業中、一定の条件を満たすと厚生年金保険料や健康保険料が免除される制度があります。免除期間も将来の年金額に反映されるので、受給額が減る心配はいりません。詳しい条件や免除期間は次の通りです。

条件 育休を開始した月に14日以上取得することまたは月末時点で育休期間中であること

月末日をまたぐ場合:育休期間にその月の末日(最終日)が含まれている月(日数が14日未満でも、月末が含まれていればその月分は免除される)

同一月内で完結する場合:その月の中で育休を合計14日以上取得した月

適用期間 育休が始まった月から育休が終わった日の翌月(または終了日)の前月まで
申請先 勤務先の総務・人事担当

参考:厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)|日本年金機構

児童手当

子どもが生まれたら、児童手当の申請を行ってください。児童手当は0歳から18歳までの児童を養育している家庭に支給される手当です。申請した月の翌月分から支給が開始されるので、子どもが生まれたら早めに申請しましょう。以前は所得制限がありましたが、現在は所得かかわらず全額支給となっています。児童手当の詳細は以下の通りです。

条件 児童(0歳から18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子)を養育している方
適用期間 申請を出した翌月~児童の18歳の誕生日後の最初の3月31日まで
支給金額 3歳未満 15,000円(第3子以降は30,000円)

3歳以上 高校生年代まで  10,000円(第3子以降は30,000円)

申請先 自治体窓口

参考:児童手当制度のご案内|こども家庭庁

失業保険の延長申請

妊娠や出産を理由に会社を退職した場合すぐには働けないため、本来であれば失業保険を受給できません。しかし事前に受給期間の延長申請を行うことで、本来1年間の受給期間が最大で4年間まで延長できます。

なお一身上の都合による退職の場合自己都合となり、3か月の給付制限が設けられます。しかしつわりや体調不良などのやむを得ない理由の場合は「特定理由離職者」と認められると給付制限の期間が免除される場合があります。

条件 妊娠、出産、育児により離職後30日以上続けて仕事ができない方
適用期間 本来の1年間に最長3年がプラスされ、合計で最長4年間
申請先 お住まいの地域を管轄するハローワーク(公共職業安定所)
申請期限 働けない状態が30日経過した日の翌日から1か月以内
必要書類 受給期間延長申請書・離職票・母子手帳や医師の診断書などの理由が確認できる書類

参考:受給期間の延長申請について|厚生労働省

自治体の出産祝い金

自治体独自で出産祝い金を設けている場合があります。例えば東京都渋谷区では「ハッピーマザー出産助成金」として、現金10万円が支給されます。ほかにもこども商品券や買い物券を贈る自治体も。独自の祝い金制度がない自治体もあるため、事前に問い合わせてみましょう。

傷病手当金

切迫流産やつわりなどで働けなくなった場合、傷病手当金の対象となる可能性があります。単に妊娠しているというだけでは対象になりませんが、医師から「労務不能」「就労困難」「安静加療が必要」との診断があれば受給可能です。傷病手当金の詳しい内容はこちらです。

条件 健康保険の被保険者であること(国民健康保険は対象外)

医師からの診断書に労務不能・就労困難・安静加療が必要との内容があること

連続する3日間の待期期間を含む4日以上休業していること

給与が支払われていないもしくは減額されている

適用期間 支給を開始した日から最長1年6か月
支給金額 直近12か月の標準報酬月額の平均÷ 30日 × 2/3
申請先 勤務先の総務・人事担当

参考:傷病手当金|給付と手続き|協会けんぽ

医療費控除

1世帯当たりの年間医療費が10万円(年間総所得額が200万円未満の場合は、所得の5%)を超えた場合、その超過分が所得から控除される制度があります。こちらは保険適用外の正常分娩費用も対象です。ほかにも次のような費用が控除の対象となります。

  • 妊婦健診の費用(自治体補助券の自己負担分も含む)
  • 分娩費・入院費・入院中の食事代
  • 通院や入院時の公共交通機関の運賃(電車・バス)
  • 陣痛時などやむを得ず利用したタクシー

なお受け取った出産育児一時金などの給付金は、支払った医療費から差し引いて計算します。同じ世帯の所得が多い方がまとめて申請する方が節税効果がアップするので、収入の高い夫に忘れずに確定申告をしてもらうようにしましょう。

参考:No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁

公的支援制度を利用しても借金返済できないときは…

上で紹介したような公的支援制度を利用してもなお育休中の借金返済が難しいときには、こちらを参考にしながら必要な対処をしていきましょう。

借入先に返済猶予の相談をする

まずは借入先の金融機関に連絡して、事情があり支払いが期日通りできないと説明してください。場合によっては返済猶予や返済金額の減額が認められる可能性があります。無断で返済を遅延してしまうと様々なリスクが生じますが事前に相談すれば、そのようなリスクを減らせます。

借入先に相談するときには、返済の意思があるが妊娠や育休中で支払える状況にないということを誠実に伝えてください。あくまでも交渉次第となりますが、返済猶予を認めてもらえるケースが少なくありません。

借金の分割交渉の方法が知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「借金の分割交渉のやり方とは?成功させるポイントと自力交渉が難しいときの対処法」

固定費の見直し

育休中はどうしても収入が減る一方で、支出はこれまで以上に発生します。母子にかかる費用は節約が難しいため、まずは固定費の見直しから始めてみましょう。具体的には次のような削減方法が有効です。

固定費の種類 削減方法
家賃 より安い家賃のところに引っ越す
職場までの交通費のかからないところに引っ越す
可能であれば実家に戻る
光熱費 ガス会社や電力会社を切り替える
お風呂の入り方を見直す
使わない場所の照明や家電の電源を切る
エアコンの設定温度に気を付ける
通信費 インターネット回線・プロバイダー・固定電話の見直し
携帯電話のプラン変更
携帯電話を格安SIM
保険料 契約内容の見直し
複数の保険に入っている場合は、内容が重複していないかチェック
若い人は最低限の保険に変更

ほかにも不要なサブスクサービスや月会員になっていないかをチェックして、使っていないものは解約するようにしましょう。固定費の見直しは今すぐからでも始められます。育休中の金銭的な不安を軽減するために、支出を最適化していきましょう。

家賃を滞納するリスクと強制退去を回避する方法について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。

「家賃滞納を無視するリスク|強制退去を回避する方法と新たに家を借りるポイントとは」

親族に肩代わりを依頼する

親族に借金があることを打ち明けて、肩代わりを依頼する方法があります。医療費や働けない期間の生活費など育休中の一時的な支援であれば、理解を得られる可能性があります。肩代わりを依頼する場合は、家計簿などを示したうえで「月〇万円を復職する●月まで貸してほしい」と具体的に依頼してください。

それにプラスして返済のめどについても伝えるといいでしょう。お金ではなく食料品やベビー用品といった物の支援をお願いする方法もあります。

友人人からの借金を返済しないとどうなるかについて詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。

「友人から借金して返さないとどうなる?踏み倒すリスクと返済できないときの対処法、債務整理時の注意点とは」

公的融資制度を利用する

育休中の借金返済が難しい方は、公的融資制度を利用してはいかがでしょうか。消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシングよりもはるかに低金利で、ある程度まとまったお金を借りられます。こちらでは以下の3つの公的融資制度をご紹介します。

育児・介護休業者生活資金融資制度

育児・介護休業者生活資金融資制度は、自治体と労働金庫・信用金庫などが提携して実施している融資制度です。自治体や金融機関ごとに詳細は異なりますが、主に次のような方を対象としています。

  • 育児休業を取得しているまたは、介護休業を取得している方
  • 住民税を滞納していない
  • 用途が生活の安定のためであって、返済能力がある
  • 家族等を介護するために1ヵ月以上の介護休業を取得する方
  • 介護または育児のために勤務時間の短縮制度を利用する方

信用金庫の育児・介護休業者生活資金の場合、融資限度額は100万円。利用期間は6年以内で措置期間は1年以内の育児・介護休業中を限度とします。保証料や手数料は基本的に必要なく、低金利で借りられるのが特徴です。利用を希望する方は自治体もしくは最寄りの労働金庫・信用金庫にお問い合わせください。

参考:育児・介護休業者生活資金 商品説明書|全国の信用金庫

勤労者福祉資金融資制度

勤労者福祉資金融資制度は、中小企業で働いている従業員・非正規労働者・季節労働者が生活に必要な資金を借りられる個人向けの融資制度。医療費や教育費、冠婚葬祭にかかる費用など幅広い用途で利用できます。例えば北海道で行っている勤労者福祉資金融資制度の詳細は以下の通りです。

条件
  • 中小企業者又はその他の法人にお勤めの方
  • 非正規労働者の方
  • 季節労働者の方
  • 事業主の都合により離職された方
融資金額 120万円以内
融資期間 8年以内(育児・介護休業者については、休業終了時まで元金据置可、据置期間分延長可)
申請先 金融機関・自治体役場の福祉課

参考:勤労者福祉資金融資制度のご案内|北海道道庁

生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は、低所得世帯や障碍者世帯、高齢者世帯を対象に、在宅福祉及び社会参加の促進を図ることを目的とした制度。基本的に低所得者世帯への貸し付けとなるため、育休中で収入が減ったという場合でも、所得基準を満たしていないと借りることができません。生活福祉資金貸付制度の詳細はこちらです。

条件 低所得者世帯(市町村民税非課税程度)で、失業や収入の減少などによって生活に困窮していること

  • 公的な書類などで本人確認が可能であること
  • 現在住居のある人、または、住居確保給付金の申請を行い、住居の確保が確実に見込まれること
  • 法に基づく自立相談支援事業などによる支援を受けるとともに、社会福祉協議会とハローワークなど関係機関から、継続的な支援を受けることに同意していること
  • 社会福祉協議会などが貸付け及び支援を行うことにより、自立した生活を営むことが可能となり、償還を見込めること
  • 他の公的給付または公的な貸付けを受けることができず、生活費をまかなうことができないこと
融資金額 【総合支援資金】生活支援費:月20万円以内(単身世帯は月15万円以内)、原則3か月以内住宅入居費:40万円以内一時生活再建費:60万円以内

【福祉資金】福祉費:原則580万円以内(目的に応じて異なる)

【緊急小口資金】10万円以内(緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合)

【教育支援資金】:高校は月3万5,000円以内、大学等は月6万5,000円以内など、修学支度費:50万円以内

申請先 お住まいの地域を管轄する社会福祉協議会

参考:生活にお困りで一時的に資金が必要なかたへ「生活福祉資金貸付制度」があります。|政府広報オンライン

債務整理を検討する

育休中で借金返済が難しく、親族に肩代わりを頼めず、公的支援制度や融資制度を利用してもなお返済ができそうもないときには債務整理を検討した方がいいかもしれません。債務整理には主に、任意整理、個人再生、自己破産の3種類あり、それぞれに手続き方法や減免割合がことなります。

任意整理
  • 裁判所を介さずに貸金業者と直接交渉し、毎月の返済額・返済期間の調整を行う手続き
  • 元本自体は減額されないものの、経過利息・将来利息・遅延損害金をカットできる
  • 残った元本は原則3年、最長で5年かけて返済していく
  • 手続きする借金を選べるので、保証人のいる借金や住宅ローン、自動車ローンなどを除外できる
個人再生
  • 裁判所に申立てを行い、借金を大幅に減額する手続き
  • 借金総額に応じて100万円~1/10まで圧縮し、残額を原則3年間で分割返済する
  • 住宅ローンがある場合でも、住宅ローン特則を利用すれば家を残したまま手続きが可能
自己破産
  • すべての借金の返済義務を免除(免責)してもらう手続き
  • で生活に必要な最低限の財産を除き、原則として財産は処分される

いずれの手続きも法律の知識や専門的な判断が必要となるため、一般的には司法書士や弁護士に依頼します。こちらでは債務整理の種類ごとに、妊娠・出産中に手続きする場合の注意点について見ていきます。

任意整理

妊娠中に任意整理の手続きをした場合、出産後や育休中の収入や手当を入れても返済が難しいと判断されると、債権者が交渉に応じてくれない可能性が高いです。とはいえ任意整理後の返済を無断でストップすると、2回の延滞で期限の利益を喪失して残金を一括請求される恐れがあります。

任意整理をした債権者と再和解を試みるという方法もありますが、再和解が難しいと自己破産を検討せざるを得ません。そのため、妊娠中や育休中の任意整理は慎重に行う必要が。事前に専門家に相談したうえで、どのようなタイミングで任意整理すべきか相談しましょう。

任意整理を途中解約する方法について知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「任意整理は途中解約できる!払った費用や信用情報について徹底解説」

個人再生

妊娠中や育休中でも公的支援金や手当が受け取れる見込みがあり、継続的かつ安定した収入があれば個人再生は可能です。ただし個人再生後の返済は3~5年続くため、分割での支払いを最後まで続けられるかが厳しくチェックされます。そのため育休が終わってからの復職後の収入見込みを証明することが必要です。

現在育休中でも復職の見込みがない、復職できても時短勤務などで十分な収入を得られない可能性があるときには、個人再生の認可を受けられない場合も。個人再生ではなく、自己破産を検討した方がいい方もいます。

個人再生の成功率に関してりたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

「個人再生の成功率はどのくらい?失敗する理由と成功の秘訣、失敗したときの対処法を解説」

自己破産

返済不能状態を裁判所に認めてもらうことで、基本的にすべての借金の返済義務を免除(免責)できる自己破産は、育休中で収入がなくても手続き可能です。ただし債権者への返済に充てるため、不動産や車など一定以上の財産は処分されます。

またすべての債務整理において、信用情報機関に事故情報として5年~7年程度登録されます。この期間はクレジットカードを使えない、ローンが利用できないなどのデメリットが生じますが、日常生活や子どもの将来に深刻な影響を与えるものではありません。

自己破産の申し立て時に育児休業給付金などの支援金も家計収支表に記載しなければなりませんが、公的支援制度は引き続き利用できます。その他、自己破産について不明な点や不安なことがあるときには、前もって依頼する弁護士に聞いてください。

自己破産にかかる費用や安く抑えるポイントについて詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。

「自己破産にかかる費用相場・内訳を解説!安く抑えるコツや払えないときの対処法も紹介」

育休中の借金について相談できる窓口

育休中の借金や金銭問題で困ったとき、体調や精神面で心配なことが出てきたときは、次に紹介する窓口に相談できます。

にんしんSOS相談窓口

にんしんSOS相談窓口」は、予期せぬ妊娠や体の不調などに悩んでいる女性が相談できる窓口。保健師や助産師、ソーシャルワーカーといった専門家が話を聞いてくれます。相談料は無料で、電話・メール・LINEでの相談が可能。匿名で相談できるので、身近な人に相談できないことも相談できます。

相談内容に応じて必要な専門家や支援機関へのつなぎも行っているので、「誰に相談したらいいか分からない」「困っていることがたくさんある」という方にお勧めの相談窓口です。

自治体の保健センター

自治体の保健センターや福祉事務所、保健所などでも妊娠や出産にまつわる相談に応じてくれます。生活に困っているときには、利用できる支援制度や手当についても教えてくれます。借金返済ができずに悩んでいる方には、借金問題を解決するためのアドバイスや、利用できる手続きの紹介も行っています。

産婦人科のメンタルケア

検診を行っている産婦人科でも、妊婦向けのメンタルケアに対応しています。妊娠中や出産後は女性ホルモンのバランスが崩れ、精神的に不安定になりやすい時期でもあります。多くの医療機関では妊産婦向けのメンタルケアを行っているので、「最近気分が落ち込みやすい」「不安や心配が押し寄せてきてどうしようもない」という方は相談してみましょう。

法テラス

借金返済が困難で債務整理を検討しているが、弁護士費用が支払えない…そんな方は法テラスにご相談ください。法テラスは国が設立した法的トラブル解決を目指す機関。解決に役立つ制度や適切な相談窓口を無料で案内してくれます。

もちろん借金問題も相談可能で、「民事法律扶助制度」を利用すれば、弁護士への相談が無料になったり、弁護士費用を立て替えてもらえます。ただし収入や資産に条件があり、条件に該当する方のみ民事法律扶助制度を利用できます。法テラスへの相談方法や受付時間は以下の通りです。

相談方法 面談(電話でも可)・メール
連絡先 電話:0570-078374

メール:法テラス 電子メールによる情報提供入力フォーム

受付時間 電話:平日9時〜21時、土曜9時〜17時

メール:24時間

相談場所 提携する弁護士事務所・司法書士事務所
無料相談時間 30分程度

法テラスの審査について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

「法テラスの審査は落ちることもある!審査基準や落ちた時の対処法を解説」

債務整理に強い弁護士事務所

育休中に返済できないほどの借金を抱えている方は、債務整理に強い弁護士に相談してください。とくに妊娠・出産時期と債務整理の手続きが重なる場合、一人ひとりの事情に応じた調整が必要に。まずは無料相談を利用してどのような債務整理方法が適しているかアドバイスを受け、打ち合わせ方法や打合せ日時を柔軟に調整してくれる事務所を選ぶようにしましょう。

裁判所手続きが必要な個人再生や自己破産を選択した場合、出産予定日などと重なるときには、期日を調整できたり書面での対応が可能な場合も。申し立てのタイミングも出産前後の予定に合わせて設定できるので、依頼した弁護士に気軽に相談してください。

お住まいの地域で、債務整理に強い弁護士を見つける>>

まとめ

育休中の借金返済が不安な方は、借金の内容を把握したうえで出産前後でかかる費用や公的手当を含めた収入を計算して返済可能か判断してください。あと少しで返済出来そうという方は、借りている金融機関に返済猶予の相談や固定費の見直し、公的融資制度の利用を検討しましょう。

どうしても育休中の借金返済ができないというときには、債務整理を検討したほうがいいかもしれません。任意整理・個人再生・自己破産それぞれで、手続きの方法や借金の減免割合が異なります。仕事の状況や育休中の収入に応じた方法を選ぶようにしてください。

出産前後の債務整理を成功させるには、債務整理に強い弁護士に依頼するのがポイント。債権者との交渉や裁判所に提出する書類の作成、裁判手続きをトータルで任せられます。多くの弁護士事務所では、初回の相談を無料で行っています。無料相談を利用して、親身になって話を聞いてくれる弁護士を見つけてください。

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