- 「競艇がやめられず借金が増え続けている・・・どうしたらいい?」
- 「競艇が原因の借金を債務整理するときの注意点が知りたい」
競艇(ボートレース)は公営ギャンブルの一つとして人気があります。一方で競艇が原因の借金を抱えやすいのも特徴の一つ。ではなぜ競艇で借金が増えやすいのでしょうか。こちらの記事では競艇の借金が増える原因と、借金を増やさない方法について詳しく解説していきます。
返済しきれないほどの借金を抱えてしまった方は、思い切ってギャンブルをやめ、然るべき借金解決方法を取る必要も。ギャンブルが原因の借金を債務整理するときには、いくつかの注意点があります。専門家の手を借りながら、借金問題から立ち直る努力をすべきでしょう。
競艇で借金が増える理由
ではまず競艇で借金が増える理由から解説していきます。日本には公営ギャンブルとして、競馬・競輪・オートレース・競艇の4種類があります。どのギャンブルでも共通するのが、のめり込みやすいという点です。しかし競艇は他のギャンブルに比べて、特に借金を抱えるほどのめり込みやすい特徴があります。
オンラインで舟券が購入できる
競艇にはオンラインで舟券が買えるシステムがあるため、スマホさえあれば簡単にギャンブルができてしまいます。昔から競艇には電話投票(電投)などもありましたが、最近は全国どこにいても舟券が購入できるように。またライブ動画などでレースの様子を見られることも加わって、ますますのめり込みやすくなっています。
競艇ならではのシステムに「テレボート(ネット投票)」があります。会員登録を事前にしておけば、競艇のチケットショップに行かなくても、パソコンやスマホから舟券を購入できるサービスのこと。入会費や年会費が無料のサービスなので、競艇をする人の多くが利用しています。
気軽に舟券を購入できるというメリットがある一方で、自宅や外出先でも舟券を購入できるので、ますます協定にのめり込みやすくなります。
毎日レースがある
さらに競艇は、よほどのことがない限り年中無休でレースが開催されます。ボートレース場は群馬以南の全国24か所に点在し、毎日どこかしらのボートレース場で多数のレースが行われているため、上で説明したテレボートのシステムを組み合わせることで、毎日どこからでも舟券を購入できるように。これが競艇で借金が増える原因の一つとなっています。
朝から夜まで舟券を買える
また競艇は、朝8時頃から行われるモーニングレースから夜9時近くまで行われるナイトレースまであるので、朝から夜まで舟券を買えるのも特徴。競艇ファンにとってはありがたい環境といえますが、朝から夜遅くまで毎日舟券を買えるという状況は、ギャンブル依存症のリスクを高める要因になってしまうでしょう。
レースとレースの間隔が短い
競艇は他の公営ギャンブルに比べて、レーストレースの間隔が短いという特徴もあります。一つのレースが終わった後にすぐに展示航走が行われ、15分後には次のレースがスタートします。一つのレース場につき1日12レース開催されるのが基本ですが、他のレース場のレースもチェックしようと考えると、絶えずレースが行われていることに。
舟券を購入して勝ち負けが分かった後にすぐに次のレースが始まってしまうので、勝ち負けの根拠を見つけられないまま、反省することもできずに適当なレース予想になりやすいです。このような失敗を犯してしまい、負けが繰り返されやすいのも、競艇の特徴といえます。
予想しやすいと思い込むため
競艇は比較的予想しやすいため、のめり込んでしまう人も多いです。他の公営ギャンブルに比べると、1レース当たりで出艇する数が6艇と少ないため。競馬は18頭立て、競輪は9車立て、オートレースは8車立てが通常で、選択肢が多いので競艇よりも予想がしにくくなっています。
レースの状況によっては、1号艇~3号艇までが上位3艇に入る確率が比較的高いため、他のギャンブルに比べて勝ちやすいと思い込む人も少なくありません。しかしレース結果を冷静に分析していけば、決して予想しやすいとは言えないレース展開も多いため、結果的に勝ち越すのは非常に難しいでしょう。
競馬で増えた借金の解決方法は、こちらの記事を参考にしてください。
「競馬で増えた借金が返せない!支払えない時の対処法や解決方法」
他のギャンブルよりも勝った経験が多いため
また競艇は、他の公営ギャンブルに比べて勝った経験が多いため、「賭け続けていれば勝てるのでは?」と思い込んでしまいます。出艇する数が他のギャンブルよりも少ないことのほか、「ワイド」や「三連複」といった購入方法により、勝った経験が多いのも競艇ならではの特徴といえます。
これにより、全く勝てずに撤退するのではなく、たまに勝てるので「続けていればそのうち勝てるのでは」と考えてしまいやすいのも、競艇で借金が増える理由の一つです。少額の勝ちが続くと欲が出て、より高額な勝利を求めて無理な賭けに出ることも多くなるでしょう。
掛け金の上限がない
掛け金の上限がないのも、競艇で借金が増える理由といえます。競艇では、買い目1点ごとの上限が設けられていません。最低100円からという下限はあるものの、100万円でも1000万円でも賭けることができます。これが大きな損失を生む原因になるのも容易に想像できます。
とくに負けが続いたときの「一発逆転」を狙って、大きな賭けに出るケースがよく見られます。これにより一時的に大きな利益を得られたとしても、それが継続的な利益につながるとは限りません。結果的に借金を返済するために、また競艇に手を出すという悪循環に陥ってしまう人も少なくありません。
パチンコの借金を解決する方法は、こちらの記事を参考にしましょう。
「パチンコの借金が返せない…増える原因と解決法を知って負のループから抜け出そう!」
これ以上借金を増やさないためにできること
競艇で作った借金をこれ以上増やさないために、次のようなことを実践していきましょう。
賭ける上限を設定する
自分で制限できそうな方は、賭ける上限を設定したうえで、自分の余裕の範囲内で競艇を楽しむといいでしょう。例えば「1レース○円まで」や「1日○円まで」というように、使える上限金額を決めておくと、使いすぎを防げます。その日負けていたとしても、その日のうちに取り替えそうとしないのがポイントです。
予想を楽しむという意識で
闇雲に賭けて稼ぐという意識から、予想を楽しむという意識に変えるのも、借金を増やさないコツです。競艇は毎日たくさんのレースがあるので、全てのレースに賭けようとすると、お金がいくらあっても足りません。しかし上限を設けたうえで、ここぞというレースに賭けられれば、予想のしがいもあるでしょう。
少額でもレースを楽しめるようになれば、むやみに賭けるのは防げるはずです。
賭けるのは余剰金で
競艇で使うお金は、あくまでも余剰金を使いましょう。競艇に限らず、お金を増やそうとするなら余剰金を使うのが原則です。毎月の収入から必要な金額を差し引き、余った余剰金を競艇に使うようにすべきでしょう。
競艇のような公営ギャンブルや投資には、必ずリスクが付きます。当たらずにお金がすべてなくなってしまうというリスクは避けられないので、なくなっても生活に困らないお金で競艇を楽しみましょう。
ギャンブル依存症を治療する
逆に生活費まで競艇に使ってしまうような人は、ギャンブル依存症の可能性があります。これ以上借金を増やさないためには、ギャンブル依存症の治療が必要かもしれません。とくに次のような症状がある方は、ギャンブル依存症の可能性があります。
- いつもギャンブルのことを考えている
- 興奮を求めて掛け金が多くなっていく
- ギャンブルをやめようと思ってもやめられない
- ギャンブルをしないと落ち着かない
- ギャンブルで負けた金をギャンブルで取り返そうとする
- ギャンブルのことで嘘をついたり借金したりする
- 負けが続いていてもなぜか最終的には勝てると思っている
- 負けたときのことはよく覚えていないが、勝ったときのことはよく覚えている
- 迷信的な行動で勝ち負けをコントロールできると思っている
ギャンブルをする人は誰でもギャンブル依存症になりやすいですが、ギャンブルが身近にある人やストレスへの対処がうまくできない人などがギャンブル依存症になりやすいとされています。さらに依存症になりやすい人は、ギャンブルに対する考えが偏っている場合も。
ギャンブル依存症を治療するには、専門の医療機関での「認知行動療法」などの治療が有効。また「ギャンブラーズ・アノニマス(GA)」など全国にあるギャンブル依存症の人たちによる自助グループに参加して、ギャンブルに対する偏った考えを改めるきっかけにしましょう。
ギャンブル依存症になりやすい人や傾向について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「ギャンブル依存症になりやすい人とは|傾向や特徴を知り、借金問題解決に有効な対策を取ろう」
競艇をやめる
今まで借金してまで多額のお金を競艇につぎ込んできたという方は、思い切って競艇をやめることを考えてください。とくに負けが込んで高くかけて取り返そうとしている場合は、また借金する可能性が高いです。競艇場に行くのをやめるだけでなく、次のような方法で競艇にかかわる全てを一度断ち切るようにしましょう。
アプリのアンインストール
競艇アプリを自分のスマホにインストールしている方は、アプリのアンインストールが必要です。舟券購入のためのアプリや予想のためのアプリなど、競艇に関するアプリはすべて削除しましょう。舟券購入アプリに関しては、アンインストールと一緒に端末などに記録している認証番号や暗証番号の類も削除することをおすすめします。
またアプリを削除するだけでなく、予想サイトに会員登録している場合は会員も退会すべきでしょう。というのもアプリを削除しただけでは、そのサイトから宣伝メールなどが届いてしまうためです。そのメールを見てしまうと、競艇をしたくなる欲望が抑えられなくなることが考えられます。競艇に関する一切のものは、徹底的に排除すべきです。
テレボートの解約
さらにテレボートも忘れずに解約してください。アプリをアンインストールしただけでは、また衝動的に競艇をしたくなったときの歯止めが利かなくなります。テレボートを使わないようにするという状態では、やはり不十分です。アプリを再インストールし、証人番号や暗証番号をテレボートの事務局に問い合わせると、簡単に情報が分かってしまうからです。
テレボートを解約するには、電話もしくはインターネット上で手続きができます。レース開催時間帯にのみ解約手続きが可能です。詳しくは公式ホームページをご確認ください。
ギャンブル以外の趣味を見つける
競艇をやめるには、ギャンブル以外の趣味を見つけるのもコツです。これは行動やタイムスケジュール上からの方法となります。ギャンブル以外の趣味を見つけたり、仕事に一生懸命になることで、競艇のことを考えずに済む時間を増やすことが重要になるからです。
これは依存症の治療にもよく取り入れられる手法です。暇な時間があるとつい競艇のことを考えてしまうという方は、競艇のことを考える暇がないくらいに別の趣味を持ったり仕事に熱中する努力をしましょう。
競艇でできた借金の解決方法は?
競艇が原因の借金があるという方は、借金を減らす努力が必要です。具体的には次のような方法で、借金問題を解決していきましょう。
支出を見直す
効率的に借金を返済するには、家計を見直して支出を減らす努力が必要です。まずは毎月の支出を変動費と固定費に分け、減らせる固定費がないか検討しましょう。具体的には次のような方法で、固定費を減らすことができます。
- 格安スマホに変える
- 通信プランの見直し
- 必要のない固定電話は解約
- 無駄な保険の解約・保障内容の見直し
- 家賃の低いところに引っ越す
- 光熱費の節約
固定費を削減したうえで、変動費を減らすような工夫もしていきましょう。
- デリバリーや外食の頻度を減らす
- コンビニでなくスーパーで買い物をする
- 買い物の回数を減らす
- 交際費を最小限にする
借金はいくらからヤバいか知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
「借金はいくらからやばい?少額でも危険な借金パターン、判断基準や対処法を解説」
収入を増やす
ある程度支出を減らしたら、次は収入を増やすことを考えてください。働き過ぎて身体を壊してしまっては元も子もありませんが、借金を完済するまではある程度の無理は必要です。すでに定職についている方は、空き時間や休日にできる副業がおすすめ。
副業ができないという方は、家の中を整理して不要なものをフリマサイトやネットオークションで売却して返済資金を作りましょう。
借り換え・一本化を検討する
競艇でできた借金のうち、借り換えができるものはより金利の低いものに借り換えを検討してください。複数の借入先がある方は、借金を一本化する「おまとめローン」がおすすめ。金利を引き下げることで、実質的な支払総額を減らせる可能性があります。また支払先を一つにすることで、返済の手間や返し忘れを減らせます。
ただし借り換えで効果があるのは、あくまでも正規の貸金業者からの借金です。借り換えや一本化の場合にも審査があるので、審査に落ちてしまうと借り換えや一本化ができません。さらに借金の種類や数によっては、返済総額が増える可能性も。検討する場合は事前によくシミュレーションしてからにしましょう。
借金返済の一本化を考えている方は、こちらの記事を参考にしてください。
「借金返済の一本化ができる銀行は?審査に通らないときの対処法も解説」
債務整理を検討する
努力しても借金を返済しきれないときには、債務整理を検討すべきでしょう。債務整理とは、法律に基づいた借金問題を解決する方法です。任意整理・個人再生・自己破産の3種類の方法があり、どの方法が適しているかはその人の収入や借金の状況によって異なります。
自分に適した債務整理の方法を知りたい方は、借金問題に詳しい弁護士に相談するのがベストです。こちらでは3種類ある債務整理について、詳しく解説していきます。
任意整理
任意整理とは、貸金業者などの金融機関と交渉し、利息や遅延損害金を減額してもらう手続き。支払期間を延長することで、毎月の負担を減らせるというメリットもあります。減額した借金は、3~5年かけて完済を目指します。つまり、手続き後も返済が必要なため、安定した収入がなければいけません。
任意整理に向いているのは、消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシング、リボ払いなど利息が高めの借金です。大幅に借金を減額する効果はないものの、手続きに比較的手間や時間がかからないのがメリット。一方で返済期間によっては、債権者が交渉に応じてくれない場合もあります。
任意整理の手順やメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく紹介をしています。
「任意整理と債務整理の違いは何?メリット・デメリット、任意整理に向いてる人を解説」
個人再生
個人再生は、裁判所に返済できないことを申し立てて、借金を大幅に減額できる手続き。借金総額に応じて、1/5から1/10にまで減額できます。減額後の借金は、任意整理と同様に3年から5年かけて完済を目指します。任意整理と比べても手間や費用がかかるものの、高い減額効果が得られるのが個人再生のメリット。
また借金の原因を問わないので、競艇でできた借金も減額できます。さらに「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を利用すると、ローンを返済しながら自宅に住み続けられます。ただし裁判所を通じた個人再生をすると、住所や氏名が「官報」に掲載されてしまうのがデメリットです。
個人再生のメリット・デメリットについて詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「個人再生のメリット・デメリットを徹底分析!注意点・利用条件・他の債務整理との違いは?」
自己破産
自己破産とは、借金が返済不能状態であることを裁判所に申し立てて、全ての借金の返済義務を免除(免責)できる手続き。借金問題を根本的に解決できる方法ではありますが、一定以上の財産をすべて処分しなければなりません。また一定期間、職業や資格に制限が出るのもデメリットです。
自己破産には「免責不許可事由」というものがあり、浪費やギャンブルで作った借金は免責不許可事由に該当します。
(免責許可の決定の要件等)
第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
(中略)
四 浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。
賭博には競艇も含まれるので、原則として免責を受けられません。自己破産したい場合には注意が必要です。
自己破産の免責不許可事由について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「自己破産の免責不許可事由の11項目を解説!免責が下りなかったときの対処法とは?」
競艇で作った借金を債務整理するときの注意点
競艇でできた借金を債務整理する場合、次のような注意点があります。
ブラックリストによるデメリット
債務整理をすると、個人信用情報に事故情報として登録されます。これがいわゆるブラックリスト状態です。ブラックリスト状態になると信用取引ができなくなるので、次のようなデメリットが生じます。
- クレジットカードが使えなくなる
- ローンや分割払いが利用できない
- 保証人になれない
- 信販系保証会社との契約が必須な賃貸物件を借りられない
債務整理の種類にもよるものの、5年から最長で10年間はブラックリスト状態になります。この期間を過ぎればブラックリスト状態ではなくなるものの、クレジットカードやローンを申し込む前には、事故情報が消えたかをキチンと確認した方がいいでしょう。
ブラックリストがいつ消えるか気になる方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「ブラックリストはいつ消える?消し方は?個人信用情報をきれいにする方法」
ギャンブルが原因の借金は免責不許可事由に当たる
上で少し触れたように、ギャンブルが原因の借金は免責不許可事由に当たるので、原則として自己破産ができません。免責不許可事由とは、破産法で定められている免責が認められない事柄のこと。他に財産隠しや手続き直前の不当な借り入れなどが免責不許可事由に該当します。
免責不許可事由があると管財事件になる
破産法が定める免責不許可事由があると、自己破産の中でも「管財事件」として処理されます。自己破産には「管財事件」と「同時廃止」の二種類があり、それぞれ手続きにかかる時間や費用、判断基準などが変わってきます。
自己破産の種類 | 管財事件 | 同時廃止 |
---|---|---|
手続き期間 | 6カ月~12カ月 | 2~4カ月 |
費用相場 | 弁護士費用 30万~50万円
裁判所費用 52万円~ |
弁護士費用 20万~35万円
裁判所費用 2万円~ |
判断基準 | 33万円以上の現金がある
評価額20万円以上の資産がある 個人事業主である 免責不許可事由がある |
管財事件の要件に該当しない |
一定以上の財産がある人や個人事業主、免責不許可事由がある場合には管財事件となります。裁判所によって破産管財人が選任され、財産の調査や免責不許可事由の内容を精査されます。
自己破産でかかる費用について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「自己破産にかかる費用相場・内訳を解説!安く抑えるコツや払えないときの対処法も紹介」
裁量免責により自己破産が認められる可能性
一方で、裁判所が破産者の態度や生活習慣改善の努力など個別の事情を考慮し、例外的に免責を認めるケースがあります。これを「裁量免責」といいます。これにより、競艇でできた借金があっても自己破産が可能に。具体的には次のような事情が考慮され、裁量免責の判断材料となります。
- 破産手続開始決定に至った経緯
- 免責不許可事由についての事情
- 破産手続開始決定後の事情
- 免責についての債権者の意見の有無と内容
- 免責が受けられなかったときの経済的再生の見込み
自己破産ができないのではとあきらめていた方は、裁量免責を受けられるように努めましょう。
自己破産で裁量免責を受けるために…
では自己破産で裁量免責を受けるには、具体的にどのような点に注意したらいいのでしょうか。
正直に申告する
裁量免責を受けるには、裁判所や破産管財人に嘘をついてはいけません。借金の経緯や使い道など、言いにくいようなことでも正直に申告することが重要です。破産に当たり虚偽の説明をすると、それだけで免責不許可事由になるからです。また故意ではなくうっかりだったとしても、申立人の信頼性が問われて免責が許可されないことも。
裁判所に提出する書類の偽造や隠ぺいもまた免責不許可事由になります。自己破産においては、本当に免責を許可していいのか専門家が念入りに調査します。嘘は必ずバレれるので、絶対に虚偽の申告はしないようにしましょう。
反省の態度を示す
裁量免責を受けるには、反省の態度を示す必要があります。具体的には裁判所に反省文を提出する方法が一般的です。反省文の内容は依頼した弁護士によく相談したうえで、アドバイスを受けましょう。下書きはパソコンなどでも構いませんが、清書は手書きでするのがベストです。
また自己破産の申立時には、直近2か月分の家計簿の提出を求められます。収入から支出を引いた残高がマイナスになるのはもってのほかで、必ず繰越金が出るようにしましょう。1円単位で正確に記載するのが基本で、こちらにも嘘は書かないようにしてください。
ギャンブルはやめる
自己破産をしたいと思ったら、競艇を含む一切のギャンブルはやめてください。ギャンブルが原因で生活が破綻したにもかかわらず、ギャンブルを続けていると、経済的にやり直そうという意思がないとみなされて裁量免責を受けられません。これをいい機会として、競艇とは縁を切りましょう。
破産管財人の調査に協力する
競艇でできた借金を自己破産する場合、破産管財人が選任されて免責調査が行われます。裁量免責を受けるには破産管財人の調査に協力する姿勢が必要です。ここで虚偽の申告をしたり、非協力的な態度を取ったりすると、裁量免責を受けられなくなる可能性があります。
免責審尋と呼ばれる面接では、借金を作った理由を正直に話し、これまでの反省の態度と今後の更生の意思を示しましょう。裁判所や破産管財人には誠実な態度で対応してください。
自己破産で管財人がどこまで調査するかについては、こちらの記事を参考にしてください。
「破産管財人はどこまで調べる?自己破産の管財事件での調査内容・方法と財産隠しについて」
弁護士に依頼する
裁量免責を受けるには、自己破産に詳しい弁護士に依頼するのがベストです。とくに競艇が原因の借金を自己破産したいのであれば、次のような理由から弁護士に依頼することをおすすめします。
- 免責不許可事由に該当するかが分かる
- 裁量免責を受けるためのアドバイスや注意点を教えてもらえる
- 少額管財で手続きできる
少額管財とは管財事件のうちでも、裁判所に納める予納金が抑えられる手続き。破産手続に必要な時間も短縮できます。東京地方裁判所といった一部の裁判所で運用している制度で、弁護士による代理人申立てが必須です。弁護士に依頼すると費用がかかりますが、少額管財を受けられるなどのメリットが受けられます。
ギャンブルが原因の借金で裁量免責を受けるポイントが知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
「オンラインカジノによる破産|自己破産での免責不許可事由の扱いと裁量免責を受けるポイントとは」
まとめ
競艇は毎日朝早くから夜遅くまで年中無休でやっている公営ギャンブルです。テレボートなどオンラインで投票でき、賭け金に上限がなく比較的予想がしやすいのでハマりやすいのが特徴。気が付いたときには返済できない程の借金額に膨らんでしまうこともあるようです。
これ以上借金を増やさないためには、上限金額を決めて余剰金の範囲で賭けるようにしましょう。また思い切って競艇をやめるのも一つの方法です。競艇で作った借金を返済するには、収支状況を改善し、返済に回せるお金を増やしましょう。おまとめローンや借り換えも選択肢の一つです。
それでもどうしても返済できないときには、債務整理を検討すべきです。債務整理には3種類があり、それぞれに適した人や借金の状況が異なります。自己破産では、裁量免責が受けられるかがポイントになります。借金問題に詳しい弁護士に相談したうえで適切なアドバイスをもらい、ベストな方法を選択してください。