- 「公共料金の支払いを放置するとどうなる?」
- 「電気料金を滞納していて電気が止まってしまった、どうしよう…」
他に返済すべき借金があったり、突発的な病気や失業で収入が無くなり、公共料金を支払えなくなるという事態は多くの人に起こり得ます。では公共料金を支払わないまま放置していると、どのようなことが起きるのでしょうか。こちらの記事では、公共料金の支払いを放置するリスクについて詳しく解説していきます。
さらに滞納した後と利用停止後でも適切な対処法が異なります。滞納した公共料金や他の借金の返済が難しいときには、借金解決方法を検討した方がいいでしょう。専門家に相談したうえで最適な方法を選択し、一日も早く借金問題を解決していきましょう。
公共料金を滞納するとどうなる?
請求された公共料金を払わないままでいると、どのような事態が起きるのでしょうか。すでに滞納している方はもちろん、公共料金が払えなくなる恐れがある方は参考にしましょう。
公共料金とは
公共料金という言葉はよく耳にするものの、どのような料金を呼ぶのか知らない方も多いのではないでしょうか。公共料金とは国や地方自治体などの公的機関が、料金の決定や改定に直接かかわっているものを指します。具体的には次のような料金が該当します。
- 社会保険診療報酬
- 介護報酬
- 電気料金
- 都市ガス料金
- 鉄道運賃
- 高速自動車道料金
- 乗り合いバス運賃
- 郵便料金
- 電気通信料金
- 公営水道料金
- 公立学校授業料
- 公衆浴場入浴料
- 行政証明書手数料
国民年金や国民年金保険料は公共料金と誤解されがちですが、制度上は税金に分類されます。また携帯電話料金や通信料は、料金設定に公的機関が関与していないので、公共料金とは言えません。
本記事では、多くの方が滞納しがちな電気料金・ガス料金・公営水道料金を放置するリスクについて解説していきます。
電気料金
電気料金は電力会社の種類にかかわらず、つぎの3つの料金から構成されている場合がほとんどです。
| 基本料金 | 電気の使用料にかかわらず毎月かかる費用 |
| 電力量料金 | 1カ月の使用量と電力単価に応じて金額が変動する |
| 再生可能エネルギー発電促進賦課金 | 電力会社が事業で使用する再生可能エネルギーを買い取った費用の一部を請求したもの |
地域ごとに発電から送電、販売までを行う電力会社として、北海度電力や東北電力、東京電力などの10社があります。2016年に電力の小売りが完全自由化されると、大手電力会社以外に多くの新電力が参入しています。今は多様な電力事業者が競争する時代に突入しています。
ガス料金
過程で使用するガスには、比較的料金が安い都市ガスと、料金が高めのプロパンガスの二種類があります。それぞれの特長や料金体系の違いは以下の通りです。
| 都市ガス |
|
| プロパンガス |
|
公共料金に分類されているのは、厳密には都市ガスのみですが、こちらでは都市ガス・プロパンガス両方のガス料金について解説していきます。
公営水道料金
公共水道料金は「水道」「下水道」「基本使用料」の3つから構成されています。「水道」「下水道」は従量料金が採用されていて、使用量に応じて料金が加算されます。そして「基本使用料」は、使用量にかかわらず毎月かかる料金です。
お住まいの地域によっては「基本使用料」が加算されない場合もあります。また浄化槽の場合には「下水道」料金がかかりません。電気料金やガス料金と異なり、水道料金は2カ月ごとに請求されます。そのため他の公共料金よりも、支払期間が長いといえます。
公共料金は税金ではない
私たちが日々支払うものの中には、消費税や所得税、自動車税などの税金がありますが、税金は公共料金ではありません。税金や社会保険料も公的機関が金額の決定や改定に関与していますが、税金は現在の日本の制度を維持するためやよりよい社会を作るために徴収されます。
一方の公共料金は、サービスや商品の対価として設定される料金です。それぞれ料金(金額)設定の目的が異なるので覚えておきましょう。
税金滞納で給与が差し押さえられるまでの流れについては、こちらの記事を参考にしてください。
「【借金・税金】給料が差し押さえされるまでの流れ|差し押さえの回避・解除方法とは?」
信用情報に影響が出る
公共料金を払わないまま放置していると、信用情報に影響がでます。信用情報とは、個人信用情報機関に登録されている、クレジットやローンなどの取引履歴に係る記録のこと。信用情報に事故情報として登録されると、主に次のような影響が生じます。
- ローンやキャッシングができない
- クレジットカードの利用・新規契約・更新ができない
- 携帯電話本体の分割払いができない
- 奨学金等の保証人になれない
- 信販系の保証会社との契約が必須な賃貸物件が借りられない
事故情報として登録されることを「ブラックリス状態」といい、ブラックリス状態が解消される5年~10年間は上記のような申し込みや契約に影響がでます。公共料金の支払いでブラックリス状態になるのは、主に次のようなケースです。
ブラックリスト登録期間や消し方については、こちらの記事を参考にしてください。
「ブラックリストはいつ消える?消し方は?個人信用情報をきれいにする方法」
クレジットカード払いにしている場合
公共料金の支払いをクレジットカード払いにしていて、カードの利用料金を2~3カ月支払わないでいると、ブラックリス状態になります。クレジットカード会社は株式会社シー・アイ・シー(CIC)やJICCなどの信用情報機関に加盟していて、利用者がカード料金を支払わないでいると、その人の信用情報に「延滞」などの情報が記載されます。延滞の情報が消えるのは、延滞が解消されてから5年以内となっています。
ガス機器の分割払いやリースを利用している場合
ガスコンロやガス給湯器を分割払いで購入していたりリース契約にしていると、その料金を滞納した結果ブラックリス状態になる可能性があります。ガス会社自体は信用情報機関に加盟していないので、ガス料金を滞納してもブラックリス状態にはなりません。
しかしガス機器の販売やリースを行っているガス関連会社の中には、信用情報機関に加盟している場合があるため。例えば東京ガスグループの「東京ガスリース」は、CICに加盟しています。リース料や分割払いを2~3カ月滞納すると、CICの信用情報に事故情報として登録される可能性があります。
遅延損害金・延滞利息が発生する
公共料金を払わないまま放置していると、支払期日の翌日から遅延損害金が発生します。これらは支払いが遅れた場合にかかる損害賠償金の一つ。自治体や会社によっては「延滞金」や「延滞利息」という場合があります。遅延損害金の金額は、次のような計算式で算出可能です。
延滞利息の年利はサービスを提供する自治体や会社によって異なりますが、目安の利率は以下の通りです。
| 電気料金(東京電力) | (再生可能エネルギー発電促進賦課金を差し引いた金額に)年利10.0% |
| ガス料金(東部ガス) | (経過日数に応じて1日あたり)年利0.0274% |
| 水道料金(東京都) | 年利3.0%(督促状に指定する期限までの期間については年利7.3%) |
督促をうける
公共料金を支払わずに放置していると、本来の支払日から数日後に督促を受けます。督促の方法や自治体や会社によって異なりますが、ハガキや封書での督促の他、電話での督促もあります。自治体によっては、職員が自宅に訪問して水道料金の支払いを督促する場合も。これは住んでいる人がいるかなどの状況確認の意味もあります。
督促の内容や表題にかかれている文言はそれぞれのケースで異なりますが、「支払についてのお知らせ」という内容から徐々に「督促状」「催告書」といった表題に変わってきます。最終的には「給水停止予告状」や「ガス停止予告書」など、サービスの供給停止を予告する文言になります。
催告書が届いた場合の対処法は、こちらの記事を参考にしましょう。
「催告書が届いたら何をする?督促状・訴状との違い&届いた後にすること、借金返済ができないときの対処法」
追加手数料がかかる
公共料金の支払期限が過ぎると、追加手数料が加算される場合があります。これは督促状などを発行するための手数料で、ガス料金を滞納すると加算される場合があります。「再請求に係る帳票発行手数料」といった項目で、数百円程度の手数料が加算されてしまうでしょう。
利用停止となる
公共料金を払わないまま放置していると、利用停止となります。簡単にいうと電気やガス、水道が使えなくなるということです。利用停止となるまでの期間や、停止前の最終支払期限の詳細はこちらです。
電気
請求日となっている検針日の翌日から30日が経過し、そこからさらに20日過ぎても支払いが確認できないと、送電停止の手続きが取られます。つまり検針日から50日経過すると、いつ電気が止まってもおかしくない状態です。電力会社ごとの支払期限はこちらです。
| 電力会社 | 支払期限 | 最終期限日 |
|---|---|---|
| 東京電力
北海道電力 東北電力 |
検針日(請求日)の翌日から30日目 | 支払期限から20日 |
| 北陸電力 | 検針日(請求日)の翌日から30日目 | 検針日から50日以内 |
| 中部電力
関西電力 中国電力 四国電力 九州電力 沖縄電力 |
検針日(請求日)の翌日から30日目 | 支払期限の翌日から20日目 |
※2026年5月時点の情報です。最新の情報は各社のWebサイトなどでご確認ください。
ガス
都市ガスの供給停止日は、検針日の翌日から50~60日後、支払期限からは20~30日後となります。停止直前の通知は特になく、供給停止後に「供給停止のお知らせ」という書面が送付されます。ガスの供給を再開するには、滞納分をすべて支払う必要があります。供給停止の通知に同封してある振込用紙を利用して、コンビニやガス会社の事務所で支払います。
水道
水道料金の滞納が始まってから2~4カ月で、給水が停止されます。電気やガスよりも供給停止までの期間が長いのが一般的ですが、お住いの自治体によって異なります。滞納が2~3カ月になると、期限までに支払わないと水道を止めるという内容の「給水停止通知書」が届きます。
通知書に記載された期限まで支払いや相談がないと、水道局の担当者が自宅まで来て水道の元栓を閉めます。これにより実際に給水がストップします。
強制解約となる
供給停止となっても未納分を支払わないでいると、最終的に強制解約となります。強制解約になるのは電気とガスです。
電気
送電停止後10~15日経っても料金を支払わないでいると、電力会社との契約が強制的に解約されます。強制解約後に送電を開始してもらうには、滞納分の支払いはもちろんのこと電力会社との再契約が必要に。契約先が大手電力会社以外の「新電力」の場合には、再契約を断られる恐れがあります。
再契約の手続きは、電力会社のホームページ上や電話からでいます。今までと違う電力会社と契約する場合でも、滞納していた料金の支払い義務はなくなりません。
ガス
ガス供給停止後も料金を支払わずに放置していると、契約が強制的に解約されます。これはガス会社の約款にも記載されている内容です。強制解約になった後、こちらも支払い義務は残ります。督促は続き、遅延損害金は一日ごとに加算されます。
住宅のガス設備によっては、都市ガスからプロパンガスへの変更には工事が必要で、既設のガス機器は今まで通り使用できません。また賃貸の場合は勝手にガス会社を変更できない可能性があるので注意してください。
債権回収会社に債権が譲渡される
電気料金やガス料金を滞納したままでいると、滞納分の回収をグループ会社や債権回収会社に委託もしくは譲渡する可能性があります。債権回収会社とは、金融機関などから債権を譲渡されたり回収を委託されて債権の回収や管理を行う専門の業者を指します。
「債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)」という法律に基づいて、法務省の認可を受けて営業しているので、決して違法な業者などではありません。例えば東京電力では、エー・シー・エス債権管理回収株式会社やニッテレ債権回収株式会社などの債権回収会社に業務を委託しています。
公共料金が支払えないときの対処法は、こちらの記事を参考にしてください。
「公共料金が払えない!借金・公共料金が払えないときの対処法と利用できる公的支援制度を紹介」
裁判になる可能性
公共料金の滞納が続くと、最終的に裁判になる可能性があります。裁判になる目安は、一般的に3カ月以上の継続的な滞納がある場合です。ただし過去の滞納の履歴や未納分の金額の多寡によって、会社の対応は変わります。
一般的には支払督促を裁判所に申し立てられ、裁判所がそれを受理したら「支払督促」が自宅に届きます。訴訟を提起された場合は「訴状」が届きます。
財産を差し押さえられる
裁判を申立てられても反応しないでいると、最終的に財産を差し押さえられます。差し押さえ対象となる財産は、預貯金や給与、有価証券等の資産です。他にも自宅などの不動産や自動車が差し押さえられるでしょう。
給与所得者の場合は真っ先に給与が差し押さえられます。裁判所から勤務先に通知が届くので、公共料金を滞納していることが会社にバレてしまいます。
滞納者死亡の場合は相続対象となる
公共料金を滞納している人が死亡した場合、料金の支払い義務も相続人に相続されます。相続の対象となるのは現金などのプラスの財産だけでなく、借金や未払い料金などのマイナスの財産も含みます。マイナスの財産を相続したくないときには「相続放棄」という方法がありますが、全ての財産が放棄の対象となるので、手放したくない不動産なども相続できなくなるので注意してください。
また相続放棄をするには、被相続人の死亡を知ってから3カ月以内の手続きが必須で、相続財産を使用・処分していないことが条件です。借金の場合は一部でも返済してしまうと、単純承認とみなされて相続放棄ができなくなります。
引っ越し・会社変更の手続きをしても支払い義務は残る
滞納している公共料金は、引っ越しや契約先を変更しても支払い義務は残ります。とくに供給停止後に別の電力会社やガス会社と再契約しようと思っても、滞納しているままだとその状態が確認されて契約不可となるケースが多いです。別のところと契約する前に、あるいは引っ越しをする前に公共料金の滞納は解消しておきましょう。
家賃をキャッシングして支払ってもいいか知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「家賃をキャッシングして支払うのはあり?判断のポイントと家賃を支払えないときのリスク&対処法とは」
公共料金を滞納した後の対処法
公共料金を滞納すると、最終的に給与や預貯金を差し押さえられてしまいます。とはいえ引っ越しをしても契約先を変更しても、滞納分の支払い義務からは逃れられません。やむを得ない事情で滞納してしまったとしても、適切な対応が必要です。
支払う意思があることを伝える
滞納している公共料金があるときには、契約している電力会社やガス会社、市区町村の水道局に連絡して、支払う意思があることを伝えてください。分割払いや供給停止の延期の相談に応じてもらえるかもしれません。供給先のお客様センターなどに電話した上で、次のような内容を伝えてください。
- 現在の経済状況
- 滞納分の支払いが難しい理由
- 支払いの意思があること
- 具体的な支払い予定日
- 分割払いの相談
このとき支払えない理由など嘘をつかず、正直に現状を説明しましょう。その上で無理のない支払計画を提示するのがポイント。滞納したのはやむを得ない事情からで、必ず支払う意思があることを誠意をもって伝えるようにしましょう。
滞納分をすぐに支払う
お金を工面すれば何とかなりそうな方は、滞納分をすぐに払ってください。手元にある振込用紙などを使って支払えば、その後は特に大きな問題になりません。振込用紙が手元にない方や、振込用紙の期限が過ぎている場合は、供給先に問い合わせて支払い方法の指示を受けてください。
【利用停止前】電気
供給停止前にできることは上記以外にもあります。こちらでは電気の利用停止前にできることを紹介していきます。
1アンペア契約に変更する
電気が利用できなる前に、あらかじめ1アンペア契約に変更しておくと、送電停止という最悪の事態を逃れられるかもしれません。1アンペア契約とは、主に一人暮らしの賃貸や電気使用量が少ない家庭で契約されている契約形態。
電力会社によっては、1アンペア契約をしている利用者を対象にして相談停止の基準を緩めています。そのため、通常の契約よりも送電停止となるまでの時間を延期できる可能性があります。そうはいっても滞納が続くと、1アンペア契約でも最後には送電停止となります。いずれの契約でも滞納したときには、速やかな対応が必要です。
料金プランン変更を検討する
毎月の電気料金が高いなと感じたら、料金プランの変更を検討しましょう。多くの電力会社のサイトで料金シミュレーションができます。手元に検針票を準備して、今の契約アンペア数や毎月の電気使用量を入力することで、今の使い方にピッタリの料金プランが見つかります。
料金プランの変更は、通常次回の検針日からや翌月1日からの適用となります。電気使用量によっては変更前よりも高くなる場合もあるため、事前に料金シミュレーションを行った上でプラン変更するのがおすすめ。
電力会社を変更する
もっと安い電力会社(新電力)に変更するという方法もあります。2016年の電力・ガスの小売り自由化によって、消費者の選択肢が格段に広がりました。各社の料金プランやサービスを比較して、毎月の電気代を減らしましょう。
切り替える電力会社が決まったら、電話や公式サイトから切り替えの申し込みをします。現在契約中の電力会社への解約手続きは、切り替え先の電力会社が行ってくれます。
支払期限の延長を相談する
電力会社によっては、支払期限の延長の相談ができる場合があります。延長できる期間は1~2カ月程ですが、公式サイトから延長の申し込みができる場合があるので、契約中の電力会社で手続きできるのか調べてみましょう。例えば東京電力(TEPCO)では、次のような事情がある方を対象に、支払いの相談を受け付けています。
- 生活保護を受給中、または生活保護法の適用を申請中の方
- 障害者がいる家庭
- 生命の維持に電気の使用が必要な在宅医療者がいる家庭
- 火災等の不慮の事故や重い疾病で一時的に支払が困難な人
参考:送電再開・期限を過ぎたお支払いに関するお手続き|TEPCO
【利用停止前】ガス
ガス会社によっても、ガス料金滞納で供給停止になる前にできることがあります。
料金プランの見直しを検討する
現在契約中のガス会社に連絡すると、料金プランの見直しをアドバイスしてくれる可能性があります。例えば仙台市ガス局では、都市ガスの料金に関して次のようなプランを提供しています。
- 一般料金
- 温水暖房まるごとプラン
- スマート発電プラン
- トリオでガスプラン
それぞれのプランで設置が必要なガス機器や発電機器などの条件が異なります。他にも、使用量に応じたプランや新電力と組み合わせたプランなどがあります。詳しくは、契約中のガス会社にお問い合わせください。
ただし現在プロパンガスを利用している賃貸物件に住んでいる方は、勝手にガス会社や料金プランを変更できません。まずは管理会社や家主に相談してください。
ガス会社を変更する
電力会社と同様に、ガス会社の変更も可能です。新しく契約するガス会社を探して申込の手続きをします。委任状を新しいガス会社に渡すと、現契約のガス会社に解約の連絡を入れてくれます。ガス会社の変更は、プロパンガス(LPガス)でも都市ガスでも可能です。
プロパンガスはプロパンを入れ替える手間がありますが、都市ガスはガス管やメーターは既存のものが使えて、開栓工事や立ち合いの必要がありません。ただしプロパン→都市ガス、都市ガス→プロパンへの切り替えは、工事やガス機器交換が必要です。また賃貸にお住まいの方は、管理会社や家主に変更が可能か確認してください。
猶予措置の申請
ガス料金の支払いが難しい人は、「猶予措置」の申請で支払期限を延長できる可能性があります。元々は新型コロナウイルスの影響でガス料金の支払いが難しくなった人向けに、経済産業省が事業者に特別措置を要請した経緯からです。具体的には次のような条件に当てはまる場合です。
- 新型コロナウイルスの影響で、緊急小口資金・総合支援資金の貸付を受けている人
- 休業や失業によって、一時的にガス料金の支払いが難しいと判断された人
ガス会社によってはすでに猶予措置の申請を締め切っているところもあります。事前に申請できるか問い合わせてみましょう。
【利用停止前】水道
水道料金が支払えなくなったときには、水道が止まる前に次のような対処が必要です。
水道料金の減免を申請する
自治体によっては、経済的に苦しい人を対象にした水道料金の減免制度を設けています。例えば次のような人が減免の対象となります。
- 生活保護受給者
- 児童扶養手当を受給している人
- 住民税非課税世帯
- 中国残留邦人等で、生活支援の給付を受けている人
減免制度の対象者や条件は、自治体ごとに異なります。まずはお住いの自治体の窓口にご相談ください。
供給停止の延長を相談する
水道料金が支払えない場合でも、納付期限前に窓口に連絡すると供給停止の延長ができるかもしれません。水は命のために欠かせないもので、水道は自治体が管理しているので融通が利きやすいという特徴があります。何もせずに給水停止になるよりは、可能性に欠けて延長の相談をしてみてはいかがでしょうか。
分割払いができないか相談する
水道料金を一括で払えない場合でも、分割で支払える自治体があります。誓約書や納入契約書の提出を求められる場合がありますが、支払えずに給水停止になるのを避けられます。ただし一度分割払いにしたのにもかかわらず滞納を繰り返した人に対しては、分割払いや供給停止の延長が認められずに、滞納分を一括で納付しない限り給水を再開しないといった措置を取られる可能性があります。
病気で借金が返せないときの対処法は、こちらの記事を参考にしてください。
「病気で借金が返せない!今すぐやるべきことから借金問題解決までを一挙解説」
【供給停止後】滞納分を支払い利用再開の手続きをする
すでに電気やガス、水道が利用できなくなっているときには、滞納分や遅延損害金、加算された手数料などを全額支払ったうえで事業者に連絡すると、また利用できるようになります。こちらでは利用再開のための手続きについて紹介していきます。
【電気】手続き方法
電気料金を支払ったら、電力会社に連絡して送電を再開してもらってください。自宅に設置している電力量計にスマートメーターが搭載されているときには、遠隔操作で24時間いつでも送電再開できます。しかしスマートメーターが搭載されていないときには、作業員による通電再開の工事が必要です。
スマートメーターがない場合、通常は連絡から1~2時間ほどで送電再開となりますが、支払いの連絡が夜間になってしまった場合には、送電再開は翌日の午前9時以降になる可能性があります。通電再開の依頼忘れには注意しましょう。
【ガス】手続き方法
ガスの供給再開の連絡は、ガス会社の受付時間内に行わなければなりません。東京ガスなど一部のガス会社ではインターネットで24時間供給再開の受付をしていますが、多くの場合は16時以降の連絡だと翌日9時以降の対応になってしまいます。
またガスの供給再開には、契約者かその代理人の立ち合いが必要になるケースが多いです。滞納分を支払ったら、なるべく早めにガス会社に連絡を入れましょう。
【水道】手続き方法
滞納している水道料金を平日に水道局の窓口で支払うと、早ければ数時間でその日のうちに給水を再開してもらえます。ただ営業時間外にコンビニやクレジットカードで支払った場合、水道局のシステムに反映されるまで時間がかかるので、給水再開は反映後の翌営業日となります。
給水再開には、作業員による元栓の開栓作業が必要になることがあります。たとえ料金を払っても自分で開栓をするのは契約違反となります。支払い後は必ず水道局に連絡した上で、開栓してもらってください。
保証金を請求される可能性も
電気の送電再開やガスの供給再開のタイミングで保証金を請求される可能性があります。保証金の金額は予想月額の3カ月程度となるのが通常です。保証金は今後料金を滞納した場合に、支払いに充当するためのものです。保証金を請求された場合は、速やかに支払うようにしましょう。
連帯保証人が必要な場合がある
供給再開時に保証金が準備できない方は、連帯保証人を立てるように求められる場合があります。連帯保証にとは契約者(主債務者)が料金を支払えなくなったときに、代わりにその料金の支払い義務を負う人のこと。主債務者と同様の返済義務を負います。
そのため、連帯保証人は誰にお願いしてもいいという訳ではなく、収入や資産がある親や親戚に頼むのが一般的です。
連帯保証人は支払い拒否できるか知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
「連帯保証人は支払い拒否できる?種類・状況ごとの対処法を知って差し押さえを回避しよう」
時効援用の手続きをする
公共料金を支払わないまま放置して一定期間経過していると、「消滅時効」が到来している可能性があります。消滅時効が成立すると、利用料金や遅延損害金を含めた延滞分を支払う義務がなくなります。公共料金は契約時期によって、次のように時効成立までの期間が変わってきます。
| 2020年3月31日までの契約 | 最終支払日の翌日から2年(旧民法第173条) |
| 2020年4月1日以降の契約 | 最終支払日の翌日から5年(民法第166条) |
消滅時効を法的に認めてもらうには、「時効援用」の手続きが必要です。事前に時効期間が経過しているか確認した上で、「時効援用通知書」を作成して債権者(供給元)に配達証明郵便で送付します。配達証明のハガキが返送されてきたら、相手が受領した証拠になります。
ただし供給元に対して滞納分があることを認めたり、返済の意思を示してしまうと「債務の承認」とみなされて時効のカウントがリセットされてしまいます。時効のカウントや時効援用の手続きをすべて自分で行うのは容易ではありません。時効を成立させたいと思ったら、弁護士などの法律の専門家に相談してください。
時効援用の方法と時効の実態については、こちらの記事を参考にしましょう。
「10年放置した借金は時効で返済義務がなくなる?時効の実態と援用について解説」
公的貸付制度を利用する
すぐに滞納分を準備できないときや、生活そのものに困っている方は、公的な貸付制度や支援制度の利用を検討してください。多額の借入は難しいですが、無利子や低利子で借入ができ、公共料金の支払いや生活費に充てられます。「今この状態を乗り切れれば何とかなりそう」という方は、次のような制度の利用を検討してみましょう。
| 支援制度の種類 | 要件・条件 | 金額 | 申請先 |
|---|---|---|---|
| 失業手当 | 失業状態であること
ハローワークに求職の申し込みをするなど転職活動をしていること 雇用保険の被保険者期間が一定期間以上あること |
基本日当額=賃金日額(退職前6カ月の賃金合計÷180)×給付率(50~80%) | 現住所を管轄するハローワーク |
| 総合支援資金(生活福祉資金) | 低所得者世帯または住居確保給付金申請者
失業など日常生活全般に困難を抱え、生活再建のために生活費や一時的な資金を必要としている 貸付により自立が見込まれる世帯 |
生活支援資金:1世帯当たり最大20万円
住宅支援資金:1世帯当たり最大40万円 一時生活再建資金:一世帯当たり最大60万円 |
お住いの地域の市区町村社会福祉協議会 |
| 緊急小口資金(生活福祉資金) | 緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった低所得者世帯・障害者世帯・高齢者世帯 | 一世帯当たり最大20万円 | お住いの地域の市区町村社会福祉協議会 |
| 住居確保給付金(生活福祉資金) | 同世帯の方の死亡、離職、休業等により住居を喪失またはその恐れのある人
世帯収入が著しく減少した月から2年以内 世帯収入額・金融資産の合計が一定額以下である |
世帯の人数により12万~20万円程度 | お住いの地域の自立相談支援機関 |
| 生活保護 | 世帯員全員が資産能力その他あらゆるものを生活維持のために活用すること
親族等から支援を受けられないこと 厚生労働大臣が定める最低生活費よりも世帯収入が少ない場合 |
世帯人数やお住いの地域により異なる | お住まいの地域の福祉事務所の生活保護担当 |
お金がなく困ったときに利用できる公的救済制度については、こちらの記事を参考にしましょう。
「お金がない…助けて!原因やNGを知って公的救済制度・状況別対処法で乗り切ろう」
どうしても公共料金を支払えないときは債務整理を検討
どうしても公共料金や他の借金が支払えないというときには、債務整理を検討してください。正当な方法で借金問題を解決できる可能性があります。こちらでは、任意整理・個人再生・自己破産の3種類の債務整理について解説していきます。
任意整理
債権者と直接交渉して、将来利息や遅延損害金を減額してもらう手続きが任意整理です。残った元金は3~5年で返済していきます。消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシング、リボ払いなどの利息が高めの借金に有効です。
しかし公共料金には通常将来利息がかかりません。遅延損害金が加算されている場合でも、年利は他の借金(年14.6%)と比べて低いため任意整理の効果はそれほど期待できません。そのため、貸金業者からの借金のみを任意整理して、余裕が出た分で公共料金の支払いをしていくという方法がおすすめです。
また任意整理を含むすべての債務整理をすると、個人信用情報に一定期間事故情報として登録されます。いわゆるブラックリス状態です。事故情報として登録されると、ローンやクレジットカードの利用ができなくなります。公共料金の支払いをクレジットカード払いにしている方は、支払い方法の変更が必要です。
任意整理で減額されない理由や原因は、こちらの記事を参考にしてください。
「任意整理で減額されない原因と理由|減額できないときの対処法とは?」
個人再生
個人再生は裁判所に申し立てて、借金総額を最大で1/10に減額してもらう手続き。残った借金は3~5年で完済を目指します。個人再生のメリット・デメリットはこちらです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
|
|
基本的にすべての借金が手続きの対象となるので、公共料金の滞納分も含まれます。しかし公共料金は民法上の「先取特権(民法第310条)」と規定されていて、個人再生手続き開始前6カ月までの滞納分については原則として減額されません。
また個人再生で効果があるのは借金総額が100万円以上からです。100万円以下の借金は個人再生をしても減額されずに支払う金額が変わりません。公共料金の滞納分しか借金がなく、その金額が100万円以下の場合は個人再生をしても意味がないといえます。
個人再生の必要書類と流れが知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「個人再生の流れと必要書類とは?手続きにかかる期間と書類の入手方法も解説!」
自己破産
自己破産は裁判所に申し立てて返済不能状態であることを認めてもらい、基本的にすべての借金の返済義務を免除(免責)できる手続き。一方で自己破産には次のようなデメリットがあります。
- 不動産や自動車など高額な財産を処分される
- 官報に住所や氏名が掲載される
- 保証人・連帯保証人が一括返済を求められる
- 手続き中は特定の職業・資格に制限がかかる
- 免責できない借金(非免責債権)がある
- 免責不許可事由に該当すると免責を受けらえない場合がある
- 引っ越しや旅行に制限がかかる(管財事件)
公共料金の滞納分も自己破産の対象となるため、他の借金と一緒に免責できる可能性が高いでしょう。ただし自己破産には、手続きしても免責できない「非免責債権(破産法第253条)」があり、水道料金のうち下水道料金のみは非免責債権に当たるため、自己破産しても支払い義務はなくなりません。その他の非免責債権は以下の通りです。
- 公租公課(税金・保険料)
- 悪意で加えた不法行為に対する損害賠償
- 故意または重大な過失で与えた人の生命・身体を害する不法行為に対する損害賠償
- 親族関係に関係する費用(養育費など)
- 雇用している従業員への賃金
自己破産で免責できるのは、自己破産の開始決定前までに請求された公共料金です。破産申立後に請求された公共料金は、通常通り支払わなければなりません。
自己破産は自分で手続きができるかについては、こちらの記事を参考にしてください。
「自己破産は自分でできる?手順と注意点、弁護士に依頼しないときのデメリットとは」
債務整理を検討したら…弁護士に相談
支払わないまま放置している公共料金やその他の借金を解決するには、弁護士に相談するのがおすすめ。借金問題を解決するには、自分に適した債務整理方法を選択する必要があります。しかし滞納している公共料金やその他の借金の総額、収入や資産、仕事や家族の状況などによって、最適な方法が変わってきます。
そこで債務整理に強い弁護士に相談すれば、自分に合った方法をアドバイスしてもらえるでしょう。また督促を受けている方は、手続きを依頼した弁護士が「受任通知」を債権者に送付することで、取り立てや督促をすぐにストップできます。以降は精神的負担も減らせて、債務整理の手続きや生活再建に注力できるでしょう。
まとめ
公共料金を払わないままで放置していると、遅延損害金や手数料が加算されるだけでなく、それらを含めた督促を受けます。さらに供給が停止されて、強制解約になることも。それでも支払わないでいると、最終的には法的手続きを取られて財産を差し押さえられてしまいます。
そうならないためには、早めに供給元に連絡して支払期限の延期や分割払いができないか相談してください。同じタイミングで料金プランの変更や電力会社・ガス会社の変更を検討するのもおすすめ。すでに供給が止まってしまった方は、滞納分を速やかに支払った上で、供給再開の手続きをとりましょう。
公共料金の滞納だけでなく、貸金業者からの借金の返済も難しい方は、債務整理を検討してください。弁護士に相談したうえで最適な方法を選択するのが、債務整理を成功させるポイントです。多くの弁護士事務所では初回相談を無料で行っています。お近くで債務整理に強い弁護士を見つけて、初回相談の予約を取ってください。