シングルマザーの借金問題|利用できる公的支援制度と返済できない場合の解決方法を徹底解説

シングルマザーの借金問題|利用できる公的支援制度と返済できない場合の解決方法を徹底解説
シングルマザーの借金問題|利用できる公的支援制度と返済できない場合の解決方法を徹底解説
  • 「シングルマザーで家計が厳しい…どうすれば?」
  • 「子どもを育てるので精いっぱいで借金返済ができない」

シングルマザーをはじめとするひとり親家庭では、経済的な問題が起こりやすいのが現状。収入だけで家計を賄えずに借金をせざるを得ないという人も少なくありません。そこでこちらの記事では、シングルマザーの借金問題に焦点を当て、経済状況や借金問題解決方法を詳しく解説。

最近ではシングルマザーが利用できる公的支援制度が充実しています。国やお住いの自治体に利用できる制度がないかチェックして、自分と子どもの生活の足しにしてください。シングルマザーが債務整理する場合に気になる点や疑問点についても解説するので、検討中の方は参考にしましょう。

 

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シングルマザーの経済状況

借金を抱えているシングルマザーは少なくありません。というのも2人親家庭に比べて経済状況が悪いケースが多いためです。こちらではシングルマザー世帯の経済状況について解説していきます。

シングルマザーは増加傾向にある

こども家庭庁がおこなった「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果の概要」によると、母子家庭の世帯は119.5万世帯です。父子家庭が14.9万世帯ということで、母子家庭の圧倒的多さが分かります。この30年間で見ると、約1.5倍にまで増加しています。

母子家庭になった理由で見ると、離婚が79.5%、非婚・未婚の母が10.8%、死別が5.3%という結果に。30年前と比較すると離婚が大幅に増え、非婚・未婚も増加傾向。一方の死別は減少しています。

非正規が多く年収が低め

前出の調査結果を見ると、日本のシングルマザー世帯での母親の就業率は86.3%と、他の国と比較しても高い割合にあります。しかしその半数以上が派遣社員やパート、アルバイトなど非正規で働いています。そのため母子家庭の母のみの平均年間就労収入は272万円にとどまっています。子どものいる2人親世帯の平均年収が785万円であることを見ても、シングルマザー世帯の年収はかなり低くなっていることが分かります。

子ども家庭庁が2025年3月に公表した最新のデータでは、子どもがいる一般世帯の総所得平均額が813万円あるのに対して、母子家庭は303万円と、依然として厳しい状況にあるといえます。

これは家事や子育てを一人でしなければならないため、どうしても短時間労働をせざるを得なかったり、子どもが病気になってもフォローしてもらえる環境でないといった理由から、どうしても非正規雇用を選択せざるを得ない人が多くなっています。

参考:こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援の現状について|こども家庭庁

ワーキングプアを抜け出すためにできることは、こちらの記事を参考にしましょう。

「ワーキングプアを脱出したい…利用できる公的支援&ワーキングプアから抜け出す方法とは?」

貧困率は約5割

2023年の厚生労働省のデータによると、日本国内での貧困率は11.5%です。しかしシングルマザーなどひとり親家庭に限定すると、貧困率は44.5%にまで達して、およそ2人に1人の割合で子供が貧困状態にあるといえます。先進国の中でも日本のひとり親家庭の貧困率は最悪のレベルとなっています。

参考:ひとり親家庭の貧困率は約5割。子育てに活用できる国や自治体の支援制度|日本財団ジャーナル

食費が足りずにお困りの方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「食費が足りない…借金したほうがいい?すぐできる対処法と毎月の赤字を防ぐ方法とは」

養育費をもらえていないケースが多い

離婚してシングルマザーになった家庭をみると、別れた夫から養育費をもらえていないケースが多いのが特徴的です。これがシングルマザー世帯の貧困の一因だと考えられています。前出の構成労総省の調査によると、養育費の取り決めをしている割合は母子世帯で46.7%となっています。

しかし実際の受給状況をみると、現在も受け取っていると回答したのは28.1%にとどまります。日本では3割未満の母子家庭でしか養育費を受け取っていないのが現状です。取り決めをしても受給に至らないのは、有効な取り立て制度がないのも原因の一つといえます。

貯蓄なし世帯の割合

年収別に見るシングルマザー世帯の貯蓄なしの割合は、年収200万未満だと29.9%、およそ3割の世帯で貯蓄がありません。そして年収200~400万未満では22.8%、年収400万円未満では9.2%という結果に。

年間所得全体で見ると、2019~2022年にかけて貯蓄なしの割合が低下していますが、同年収の2人親世帯と比較するとその割合は依然として高めで推移しています。

借入金額の割合

ではシングルマザー世帯の借入金額はどうなっているのでしょうか?こちらはひとり親家庭の年収別に見る借入金額の割合を示した表です。

年収/借入金額 借入金なし 100万円未満 100万~300万円未満 300万~1,000万円未満 1,000万円以上
200万円未満 78.8% 1.4% 10.7% 1.5% 3.1%
200~400万円未満 61.7% 8.5% 12.7% 6.9% 5.2%
400万円以上 42.7% 2.7% 6.8% 16.3% 24.0%

ひとり親世帯では2人親世帯と比較しても、特に借入金額が高いという訳ではありません。しかし年間所得全体で見ると、直近で借入金なしの割合は低下傾向です。

借金の返済額、いくらからやばいか気になる方は、こちらの記事を参考にしてください。

「借金の返済額、いくらからやばい?危険な借金の判断基準と自力返済・債務整理する場合のポイント」

借金返済が難しいときにできる対処法

シングルマザーの借金返済が難しいときには、次のような対処法を実践していきましょう。

なるべく早めに債権者に相談

次の返済日までにお金が準備できないという方は、なるべく早めに金融機関に連絡してその旨を伝えてください。期日通りに返済できないと、早くて次の日から電話やメールで督促を受けます。それでも放置していると「督促状」や「催告書」といった通知が自宅に届くように。

延滞してから2~3カ月で、信用情報機関に登録されている個人の信用情報に、延滞情報が登録されます。これがいわゆる「ブラックリスト状態」です。最終的には一括返済請求がなされ、法的手続きを取られると給与や預貯金が差し押さえの対象になります。

「返済できないのに連絡したくない」という方もいるでしょうが、しかし前もって連絡すれば、支払い猶予が受けられる可能性があります。さらにその日までは督促の連絡が来ません。金融機関のお客様担当窓口は親身になって相談に応じてくれるので、安心してください。

借金返済の先が見えずにお困りの方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「借金返済の先見えない…5つの原因と見通しを立てる手順・解決方法を詳しく解説」

収入を増やす

もっと働きたいけど正社員は無理、子どもの都合でシフトを増やせないという方は、日払いのバイトや副業で収入を増やしていきましょう。日払いなら都合のいい日一日だけでも働け、その日のうちに働いた分を受け取れます。タイミーやシェアフルなど、隙間時間で働ける仕事探しのアプリも充実しているので、利用を検討しましょう。

子どもが小さいなどの理由で長時間家を空けられないという方は、自宅でできる在宅ワークがおすすめ。ネット環境が整っていれば、オンラインで副業ができます。自分の得意なことや好きな分野を生かせる仕事が見つけられるかもしれません。

借金地獄から抜け出したいとお考えの方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「借金地獄から抜け出したい!借金の原因別・種類別10の解決方法」

支出(固定費)を減らす

借金返済に充てるお金を増やすために、支出、とくに固定費を減らす工夫をしていきましょう。固定費とは毎月必ずかかる次のような費用のこと。固定費を削減できれば、効率的に支出を減らせます。

住居費 家賃・マンションの管理費・住宅ローンなど
自動車関連費 ガソリン代・駐車場代・車検費用・自動車税・カーローンなど
水道光熱費 上下水道代・電気代・ガス代
保険料 医療保険・生命保険・学資保険・火災保険など
通信費 携帯電話代・プロバイダー料・インターネット回線料金など
教育費 授業料・習い事や塾の月謝など
その他 会費・サブスク費用・アプリの利用料など

住居費の削減には、より家賃がかからない公営住宅に引っ越す、実家に住むなどが有効。光熱費や通信費の削減には、契約先や契約プランの見直しがおすすめです。また不要な保険やサブスクの解約なども効果的です。一つ一つの費用はそれほど大きくありませんが、1年トータルで考えると、まとまった費用を節約できます。

家賃をキャッシングして支払ってもいいか知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

「家賃をキャッシングして支払うのはあり?判断のポイントと家賃を支払えないときのリスク&対処法とは」

養育費の支払い・増額を交渉する

離婚した元夫から養育費を受け取っていない方、もしくは受け取っていても約束した金額に程遠いという方は、養育費の支払いや増額の交渉をしてください。当事者間での話し合いが難しいときには、調停を申し出て裁判所で話し合う方法がおすすめ。

すでに取り決めがなされているのに支払ってもらってないときには、裁判所に履行勧告の申立てをすると、離婚後でも養育費の請求が可能。ただし過去の分までさかのぼって養育費を請求することはできません。できれば離婚時にきちんと取り決めをして公正証書にするなどの対策を取っておきましょう。

亡き夫の遺族年金を請求する

夫の死亡によってシングルマザーになった方は、遺族年金の請求を忘れずに行いましょう。遺族年金には主に次の2つがあります。

遺族基礎年金 国民年金の被保険者がなくなったとき、子どものいる配偶者又は子ども自身に支給される

子どもの年齢が18歳到達年度の3月31日まで受け取り可能

遺族厚生年金 厚生年金の被保険者として10年以上保険料を納めた方が亡くなったとき、60~65歳までの妻に支給される

子どものいない配偶者にも支給される場合がある

条件を満たしている方は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受け取れる可能性があります。窓口・申請先は、遺族基礎年金が市区町村役場の国民年金担当窓口、遺族厚生年金が根金事務所または年金相談センターとなっています。どちらの年金も過去5年にさかのぼって請求が可能です。

参考:遺族年金を請求する方の手続き|日本年金機構

シングルマザーが利用できる公的支援制度

日本にはシングルマザーの方が受けられる公的支援制度がいくつもあります。まだ申請していない制度がある場合は、条件等を確認した上で申請しましょう。

児童手当

児童手当はひとり親世帯にかかわらず、中学生(15歳になった年度の3月31日まで)の子どもを養育している世帯に支給される公的手当。子どもの人数や年齢によって、以下のように月額支給額がかわります。こちらは2026年現在、子ども1人あたりの児童手当支給額です。

子どもの年齢 月額支給額(子ども1人当たり)
3歳未満 15,000円(第3子以降は30,000円)

※第3子以降:児童及び児童の兄姉等のうち、年齢が上の子から数えて3人目以降の子のこと

3歳以上高校生年代まで 10,000円(第3子以降は30,000円)

参考:児童手当|こども家庭庁

2024年以前は所得制限がありましたが、現在は完全に撤廃されています。離婚前は所得の高い方(主に夫)の口座に支給されているので、受給口座の変更がある場合は以下の資料を持参した上で、役所の担当窓口で手続きを行ってください。

  • 特例給付認定(額改定)請求書
  • 新しい口座の通帳又はキャッシュカード
  • 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)
  • 請求者及び配偶者のマイナンバーが分かるもの(マイナンバーカード・通知カード)
  • 印鑑
  • 請求者の健康保険証の写し

自治体によっては、住民票や戸籍謄本、離婚協議中を証明する書類等の提出が必要になります。また離婚前の受給者であった父親は「受給事由消滅届」を提出する必要があります。こちらも忘れずに手続きするよう伝えましょう。

児童扶養手当

児童扶養手当は、高校3年生(障害がある場合は20歳)の子どもを育てているひとり親が受け取れる公的手当。上で紹介した児童手当とは別の制度になるので、ダブルで受け取れます。東京都の児童扶養手当の受給月額は以下の通りです。

子どもの人数 全部支給 一部支給
1人 48,050円 11,340円〜48,040円
2人目加算 11,350円 5,680円〜11,340円
3人目以降の加算(1人当たり) 6,810円〜10,750円 3,410円〜5,380円

所得によって全部支給・一部支給が変わってきます。ここでいう所得金額は、以下のような計算式で算出します。

所得額=総所得+養育費-8万円(一律控除)-諸控除

総所得とは1月~12月までの1年間の収入です。別れた夫から養育費を受け取っている場合は、その金額も含まれます。所得金額に応じた全部支給・一部支給の上限額は以下の通りです。

扶養人数 受給資格者本人
全部支給 一部支給
1人 107万円 246万円
2人 145万円 284万円
3人 183万円 322万円

参考:児童扶養手当|東京都福祉局

なお離婚していない場合でも、以下のような事情があれば児童扶養手当の受給が可能です。

  • 裁判所からDV保護命令が出た場合
  • 相手側から1年以上遺棄されている場合

児童扶養手当の申請や詳しい条件については、お住まいの市区町村役場にお問い合わせください。

特別児童扶養手当

特別児童扶養手当とは、身体もしくは精神に障害を持つ20歳未満の子どもがいる家庭に支給される公的手当。前出の児童扶養手当とは別の目的で支給されるので、併給が可能です。障害の程度や手帳の種類に応じた支給額は以下の通りです。

障害の程度 手帳の種類 支給額(子ども1人当たり)
1級(重度) 療育手帳A
身体障害者手帳1、2級
58,450円
2級(中度) 療育手帳B
身体障害者手帳3級または4級の一部
38,930円

参考:特別児童扶養手当について|厚生労働省

支給月は4月・8月・12月の年3回で、前月分までの4カ月分がまとめて支給されます。こちらも所得制限があり、子どもが児童福祉施設などに入所(通所は除く)している場合は支給されません。

障害児福祉手当

身体又は精神に著しい障害があり常時介護を必要とする20歳未満の在宅の障害児がいる場合には、障害児福祉手当が受給できます。支給の条件や支給金額、支給日については以下の通りです。

支給の条件
  • 20歳未満である
  • 身体的または精神的な重度の障害のために日常生活を自力で送ることができない
  • 常時介護を必要とする
支給金額(月額) 一律16,560円
所得制限 あり(受給者もしくはその配偶者または扶養義務者の所得が一定金額以上の場合)
支給日 2月・5月・8月・11月の年4回

参考:障害児福祉手当について|厚生労働省

児童育成手当

東京都内の自治体をはじめ、いくつかの市区町村には児童育成手当というひとり親向けの公的制度があります。条件は児童扶養手当と同様に規定されているケースが多く、受給時期は年3回です。こちらは東京都の児童育成手当の詳細です。

支給の条件
  • 高校卒業時期(18歳に達した3月31日)までの子どもを養育しているひとり親家庭
  • 申請自治体に住民票がある
支給金額(月額) 13,500円(子ども1人当たり)
所得制限 あり(扶養義務者の前年所得が限度額以上の場合)
支給日 2月・6月・10月の年3回

詳しい条件の内容は以下の通りです。

  • 父母が離婚し、父または母に養育されていない児童(親権の有無は問わない)
  • 父または母が死亡した児童
  • 父または母の生死が明らかでない児童
  • 父または母に1年以上、遺棄されている児童
  • 父または母が裁判所からのDV保護命令を受けた児童
  • 父または母が1年以上、拘禁されている児童
  • 母が婚姻によらず懐胎し、父または母に養育されていない児童
  • 7に該当するかどうかが明らかでない児童
  • 父または母が重度の障害を有する児童

児童扶養手当と比較すると所得制限額が高く、扶養親族が1人の場合は404万1千円、2人の場合は442万1千円が所得制限限度額です。申請は自治体役場の子育て支援窓口となっています。

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度とは、20歳未満の子どもを扶養しているひとり親(母子家庭・父子家庭)もしくは40歳以上の配偶者がいない女性(寡婦)を対象に以下のような資金を貸し付ける公的制度。

上で紹介したような給付制度ではないためいずれ返済を行わなければなりませんが、無利子又は金融機関よりもはるかに低金利(年利1.0%)で借りられます。なお連帯保証人を付ける場合は、基本的に無利子です。

名称 資金使途
事業開始資金 事業を開始するのに必要な設備・機械などの購入資金
事業継続資金 現在営んでいる事業を継続するための資金
修学資金 子どもを高校、短大・大学、専門学校や大学院などの進学させるための費用
技能習得資金 就職や事業開始のために必要な技術・資格を習得するための資金
就業資金 子どもが就職や事業開始のために必要な技術・資格を習得するための資金
就職支度資金 子どもが就職するために必要な衣料品、就職に必要な通勤用自動車などの購入費
医療介護資金 医療費、もしくは介護に必要な資金
生活資金 母子・父子家庭になった直後、就職活動中などに生活を安定させるための資金
住宅資金 住宅の建設や購入、リフォームや修繕のための費用
転宅資金 引っ越しに必要な資金
就学支度資金 修学や就職のための被服購入費用
結婚資金 子どもの結婚費用

貸し付け用途に応じて返済の必要がない据置期間が設けられています。例えば子どもの進学費用として借りられる「修学資金」は、卒業後半年以内までに返済開始時期を遅らせられます。貸付上限額は資金の種類に応じて細かく設定されています。条件や金額等の詳細は、お住いの自治体の担当窓口までお問い合わせください。

参考:男女共同参画局 母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

母子福祉資金が返せずにお困りの方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「母子福祉資金が返せない時はまず福祉事務所に相談を!返済通知が届いた時の対処法や減額方法を解説」

ひとり親家庭等医療費助成制度

18歳以下の子供を養育しているひとり親世帯や親がいない子を養育している世帯を対象に、保護者や子どもの医療費自己負担分を負担してもらえるのがこちらの制度。女性を受けられるのは、医療保険の対象となる医療費や薬代で、予防接種費用や自由診療分、入院時の差額ベッド代は対象外となります。

住民税非課税世帯の場合、入院通院ともに自己負担額は0円。課税世帯でも自己負担額は1割となり、負担の上限金額を超えた分は免除されます。医療費の助成を受けるには所得制限があり、お住いの自治体によって金額が異なります。こちらは東京都の所得制限限度額です。

扶養親族の人数 本人(申請者)の所得制限限度額 配偶者・扶養義務者の所得制限限度額
0人 208万円 236万円
1人 246万円 274万円
2人 284万円 312万円
3人 322万円 350万円
4人以上 1人につき38万円加算 1人につき38万加算

参考:ひとり親家庭等医療費助成制度(マル親)|東京都福祉局

手術費用がなくて借金するしかない?とお悩みの方は、こちらの記事を参考にしてください。

「手術費用がないと借金するしかない?いざという時の公的制度&相談先、療養中の債務整理の可否を解説」

母子家庭の住宅手当

お住いの自治体によっては、ひとり親世帯を対象とした住宅手当を設けています。自治体ごとに条件や名称が異なるので、まずは住んでいる市区町村に制度があるか確認しましょう。こちらは住宅手当を設けている自治体とその制度の名称です。

自治体 支援の名称 支援金額
東京都武蔵野市 ひとり親家庭等住宅費助成制度 月額1万円
東京都国立市 住宅に対する費用助成 月額1万円
埼玉県さいたま市 賃貸住宅入居支援 家賃の一部を補助
神奈川県厚木市 母子家庭等家賃助成 月額1,300円〜1万円

母子家庭で借金返済が苦しいという方は、こちらの記事を参考にしてください。

「母子家庭で借金苦しい。シングルマザーが借金から抜け出す方法や支援制度を紹介」

国・自治体の就学支援制度

国や自治体では経済的な理由で子どもの就学が難しい世帯に対して、就学支援制度を設けているところがあります。国が設けている「高等学校等就学支援金制度」は2026年度から詳細が変わり、次のような内容となっています。

  • 世帯年収にかかわらず高等学校等に通う日本人等の生徒を対象に授業料を支援
  • 対象となる学校は高等学校、中等教育学校、特別支援学校など
  • 支給上限額は全日制の国立高校で115,200円、私立高校で457,200円、通信制で337,200円
  • 申請方法はオンライン又は通学している学校、自治体窓口

参考:高等学校等就学支援金・新制度|文部科学省

また自治体独自で就学支援制度を設けているところもあります。例えば東京都の「私立高等学校等授業料軽減助成金」制度は、国の就学支援金等との併用が可能で、最大50.1万円まで受給可能です。子どもの進学費用が不安という方は、お住まいの地域にこのような就学支援制度がないかチェックしてみましょう。

税金の減免制度

収入が少なく生活が苦しいという方は、税金や年金、健康保険料の支払いも滞りがちです。そのような方は、毎月の負担を減らす減免申請を行ってください。減免の相談窓口及び申請先はこちらです。

住民税 市区町村役場の市税窓口
固定資産税 市区町村役場の資産税窓口
国民年金保険料 年金事務所

市区町村役場の国民年金担当窓口

国民健康保険料 市区町村役場の国民健康保険担当窓口

これらの金額は前年の収入をもとに計算されるため、今年の収入が減ってしまうと支払いが厳しくなります。収入が減りそうという方は、あらかじめ減免申請をしておきましょう。

住民税を滞納するとどうなるかについては、こちらの記事を参考にしてください。

「住民税を滞納するとどうなる?滞納のリスクと適切な対処法、借金問題解決方法を徹底解説」

生活保護

障害のある子どもの世話で働けない、働けても十分な収入が得られないという方は、生活保護の受給を検討しましょう。生活保護は最低限度の生活を保障するための公的制度で、次のような状態にある方は申請の検討をしてみてはいかがでしょうか。

  • 収入が国が定める基準に達していない
  • 預貯金や車、売れる不動産などの資産がない
  • 病気や障害などで働けない状況である、もしくは働いても十分な収入が得られない
  • 公的給付や手当を利用しても生活ができない

生活保護の申請先は、住所地を管轄する福祉事務所です。まずは自分が受給条件に当てはまるかを確認した上で、相談に行ってみましょう。

参考:厚生労働省 生活保護制度

生活保護受給中の借金の可否について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。

「生活保護受給中に借金しても良いか知りたい!バレるリスク&お金に困ったときの対処法とは」

借金返済が難しいときには…債務整理を検討

毎日の生活が苦しくて借金返済ができないシングルマザーの方は、債務整理を検討してはいかがでしょうか。債務整理とは金融機関と交渉したり裁判所手続きによって、借金を減額したり免除できる手続き。日本には主に次の3つの種類があります。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

こちらではそれぞれの手続きの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

任意整理

任意整理とは金融機関などの債権者と直接交渉して、将来的に返済する利息や遅延損害金の減額を求める手続き。そのため、消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシングなど、利息の高い借金が多い方に向いています。ただし借金の現金そのものはカットできないので、安定した収入があることが条件となります。

任意整理のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
  • 将来利息・遅延損害金を免除できる
  • 返済期間を3~5年に延長可能
  • 弁済代行が利用できる
  • 過払い金の有無が分かる
  • 整理する債権者を選べる
  • 返済の督促をストップできる
  • 財産を手元に残せる
  • 職業に制限がない
  • 手続きに時間や手間がかからない
  • 家族や会社に知られる可能性が少ない
  • 借金がゼロになる訳ではない
  • 借金が高額過ぎると効果がない
  • 無職・収入が少なすぎると手続きできない
  • 減額に応じてくれない債権者がいる
  • ブラックリストに登録される
  • 整理した業者からは再び借金できない

任意整理ができる条件などについては、以下の記事で詳しくまとめています。
任意整理と債務整理の違いは何?メリット・デメリット、任意整理に向いてる人を解説

個人再生

個人再生は裁判所に申し立てて返済計画を認めてもらうことで、借金の総額を大幅に減額できる手続きです。借金の総額に応じて最低弁済額が次のように変わる点が特徴です。

借金の総額 最低弁済額
100万円未満 全額
100万円~500万円未満 100万円
500万円~1500万円未満 借金総額の1/5
1500万円~3000万円未満 300万円
3000万円~5000万円未満 借金総額の1/10

基本的にすべての借金が手続きの対象となり、一定上の安定した収入が必要です。そのため利用可能なのは会社員や公務員、一定以上の収入がある自営業者などです。その他のメリット・デメリットはこちらです。

メリット デメリット
  • 債権者からの督促や取り立てが止む
  • 借金を大幅に減額できる
  • 「住宅ローン特則」を利用すればローン返済中のマイホームを残せる
  • 借金の原因を問われない
  • 資格や職業に制限がかからない
  • 返済しなければならない借金が残る
  • 収入などに条件がある
  • 官報に公告される
  • ブラックリストに載る
  • 手続きに費用や時間がかかる
  • 連帯保証人に返済の義務が移る

個人再生については以下の記事で詳しく解説をしています。
個人再生のメリット・デメリットを徹底分析!注意点・利用条件・他の債務整理との違いは?

自己破産

自己破産は裁判所に破産の申し立てをして、一定の財産を処分する代わりに原則としてすべての借金の返済義務を免除(免責)できる手続き。他の方法のように返済しなければならない借金が残らないので、いち早く生活の再建ができます。一方で自己破産には次のようなデメリットがあります。

  • 財産を処分される
  • ブラックリスト状態になる
  • 官報に公告される
  • 手続き期間中は特定の資格・職業に制限がかかる
  • 免責不許可事由がある
  • 保証人に返済義務が移る
  • 郵便物が転送される(管財事件)
  • 旅行や引っ越しが制限される(管財事件)

自分が自己破産できるのかどうかについては弁護士に相談をして確認してください。
自己破産の免責不許可事由の11項目を解説!免責が下りなかったときの対処法とは?

シングルマザーが債務整理する場合の疑問・質問

シングルマザーの方が債務整理する場合、次のような疑問や質問が出てくることがあります。こちらではよくある疑問や質問にお答えしていきます。

債務整理の費用がない…どうしたら?

債務整理をしたいけど手続きに必要な費用が準備できない…そのようなときにはこちらの制度や対処法を検討しましょう。

法テラスの民事法律扶助

法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助制度が受けられれば、債務整理の費用を心配する必要がなくなるかもしれません。法テラスは、国が設立した法的トラブルを解決するための機関。一定の収入・資産制限を満たせば、無料の弁護士相談や弁護士費用の立て替えが可能です。収入や資産の基準はお住まいの地域や同居家族の人数によって次のように変わります。

家族人数 東京特別区・大阪市などの地域 左記以外の地域
収入基準 資産基準 収入基準 資産基準
1人 200,200円 180万円以下 182,000円 180万円以下
2人 276,100円 250万円以下 251,000円 250万円以下
3人 299,200円 270万円以下 272,000円 270万円以下
4人 328,900円 300万円以下 299,000円 300万円以下

参考:弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ|法テラス

法テラス利用までの流れは以下の通りです。

1.電話・メールで問い合わせ 居住地域に近い法テラス事務所を紹介してくれる
2.無料相談の予約を取る 1で紹介してもらった事務所に連絡して、法律相談の予約を取る
3.法律相談を受ける 1回30分×3回まで無料
4.弁護士との委任契約 法テラスの審査条件を満たしていれば委任契約を結ぶ

法テラスの利用について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「生活保護を受けている人の債務整理|気になる手続き費用と自己破産するときの注意点とは」

分割払いに対応している弁護士事務所に依頼

債務整理を依頼する弁護士事務所の中には、費用の分割払いに応じてくれるところもあります。とくに借金問題や債務整理の実績が豊富な弁護士事務所では、金銭的に困っている方も多く相談に訪れます。そのような事務所では良心的な料金設定をしている上に、弁護士費用の後払いや分割払いに応じているところも少なくありません。

費用が払えないからと債務整理を諦める前に、分割払いに対応している弁護士事務所を探してみましょう。

無料で借金の相談ができる窓口については、こちらの記事を参考にしてください。

「借金の相談はどこがいい?無料で相談ができる窓口を紹介します」

返済分を債務整理費用に充てる

今まで借金返済していた分を債務整理の費用に充てるという方法もあります。通常弁護士に債務整理を依頼すると、借金している金融機関に「受任通知」が送付されます。この受任通知が届いた後は、金融機関は督促や取り立てができなくなります。同時に債務整理の手続きが終了するまでは、毎月の返済もストップします。

債務整理の手続きは、任意整理で4カ月~6カ月、自己破産や個人再生では6カ月~1年程度かかります。手続き期間中は借金返済をする必要がないため、今まで返済に充てていた分を弁護士費用や裁判所費用に充てられます。

会社や近所の人にバレない?

債務整理をすると会社や近所の人にバレるのでは?と心配になる方もいます。しかし債務整理を依頼する弁護士には守秘義務があるので、弁護士から第三者にバレることはありません。また任意整理は債権者と直接交渉する手続きなので、弁護士との連絡方法に気を付けていれば、会社や近所の人にバレる心配はないでしょう。

官報掲載による影響

個人再生や自己破産の場合、国が発行している「官報」に申請者の住所や氏名が記載されます。しかし官報から周囲に知られるという可能性は限りなく低いでしょう。というのも一般の人は官報についてほとんど知らず、知っていたとしても毎日膨大な情報掲載されている官報を隅から隅まで目を通すというのは不可能です。このようなことから、官報を通して周囲に知られる心配は必要ありません。

自己破産は就業制限に注意

自己破産を選択した場合、免責許可決定が出るまでの間は、次のような一部の職業や資格に制限が課されます

士業 弁護士・税理士・司法書士・公認会計士・不動産鑑定士など
公職 都道府県公安委員会・公正取引委員会・教育委員会の委員および委員長
団体企業の役員 信用金庫・商工会議所・金融商品取引業
その他
  • 貸金業者
  • 警備員・警備業者
  • 生命保険募集人・損害保険代理店
  • 宅地建物取引主任者・宅地建物取扱業
  • 旅行業務取扱主任者・旅行業者
  • 廃棄物処理業者

免責許可決定が出されるまでの期間は早くても3カ月程度です。この間は資格が必要な仕事をすることができません。一時的に配置異動をするか、休業するといった対処が必要です。このようなことから勤務先に自己破産したことがバレる可能性があります。

自己破産を検討していて職業制限が心配な方、対象の職種でなくても自己破産が職場にバレるか心配な方は以下の記事もぜひ読んでみてください。
債務整理が及ぼす就職・転職・仕事への影響とは?会社に知られないための対処方法も解説

子どもに悪影響があるのではと心配…

自分が債務整理したことで子どもに何か影響があるのではと心配される方は少なくありません。しかし実際には子どもへの影響は限定的です。

ブラックリスト状態になることの影響

子どもに関係する影響で最も大きいと思われるのは、信用情報機関にある個人の信用情報に債務整理したという情報が登録されること。いわゆる「ブラックリスト状態」ですが、1人しかいない親がブラックリスト状態になると、親本人の次のような取引に影響が出ます。

  • クレジットカードを新規で作成できない
  • 使えていたクレジットカードが使えなくなる
  • 車のローンや分割払いが利用できない
  • 保証人になれない
  • 契約できない賃貸物件がある

自分でクレジットカードが持てる年齢の子どもには影響がないものの、扶養されている子こどもの場合は親のブラックリスト状態によって何らかの影響を受けることは避けられないでしょう。

ブラックリストに掲載される情報や期間については、以下の記事で詳しくまとめています。
債務整理するとブラックリストにのる?気になる「ブラックリスト」についてすべてお答えします!

奨学金について

子どもの進学に伴って奨学金を利用したいと思っている場合、債務整理をしてから5年、最長でも10年間は子どもの奨学金の連帯保証人になれません。これはブラックリスト状態になったことによる影響です。

だからといって子どもが奨学金を借りられないという訳ではありません。日本学生支援機構の奨学金制度には、「人的保証」と「機関保証」の二種類があり、連帯保証人を立てられない場合でも、機関紙障制度を利用すれば奨学金を受けられます。毎月保証料を支払う必要があるものの、毎月数百円~の負担で奨学金が受けられます。

参考:保証制度について|日本学生支援機構

子どもの教育費用が払えないときの解決方法については、こちらの記事を参考にしてください。

「教育費用が払えないときは奨学金?借金?学費の支払いに困った人向け解決法総まとめ」

債務整理すると公的支援制度は利用できない?

債務整理をすると今まで受給していた公的支援制度を受けられなくなるのでは?と心配になる方がいるかもしれません。しかし債務整理と公的支援制度の手続きには全く関係がなく、収入や所得金額への影響もありません。債務整理後も受けられる支援は最大限に利用しましょう。

ただし生活保護を受給している場合、保護費から債務整理後の借金返済費用を賄うことはできません。保護費は生活のためだけに使用すると決められているためです。借金返済に使うと不正受給とみなされて生活保護の支給がストップされる恐れがあります。生活保護受給中の方は、手続き後の返済がない自己破産を選択するようにしましょう。

債務整理は自分でできるか不安…

債務整理の手続きは、債権者との交渉の経験や法的な知識が欠かせません。そのため自分一人だけで手続きするのは難しいでしょう。債務整理を成功させるためにも、専門家である弁護士に相談の上手続きを依頼してください。弁護士に債務整理を依頼すると、次のようなメリットがあります。

  • 過払い金の調査を依頼できる
  • 受任通知により取り立てがすぐにストップする
  • 複雑な書類作成を任せられる
  • 債権者との交渉がスムーズに進みやすい
  • 自分で手続きするよりも大幅に減額可能
  • 債務整理していることを周囲に知られにくい
  • 自己破産の「即日面接制度」が利用できる
  • 自己破産の「少額管財」が利用できる

とくに自分と子どもの生活を成り立たせるだけで精いっぱいの方はなおさら、債務整理の手続きは弁護士に任せ、自分は仕事や育児、家事などに集中できます。

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まとめ

子どもを抱えているなどの理由で非正規の仕事しか就けなかったり、父親からの養育費が滞っている理由などで、借金を抱えているシングルマザーの数は年々増加傾向にあります。借金が支払えないときには、事前に金融機関に相談したうえで収支を見直し、利用できる公的支援制度は積極的に利用しましょう。

それでもなお借金返済がままならないときには、弁護士に相談したうえで債務整理を検討してみましょう。債務整理には手続きの方法や借金の減免割合が異なる3つの方法があります。借金の金額や収入、家計や子どもへの影響を考えた上で最適な方法を選択するのが成功の秘訣です。

債務整理の手続きは、法律の専門家である弁護士に依頼するのがベストです。費用に不安のある方は、法テラスの利用や分割払いに応じている弁護士事務所への依頼がおすすめ。一日も早く借金問題を解決して、子どもとの生活を充実したものにしていきましょう。

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